2017年10月9日(月)
『ゴッドイーター3』はすべてをイチから構築! マチアソビ『GE』&『CODE VEIN』開発者インタビュー
衝撃の新作発表から一夜が開けた10月8日。オーケストラライブの翌日に徳島マチアソビに駆けつけた『CODE VEIN』&『GOD EATER(以下GE)』開発チームの皆さんに直撃インタビューを敢行!
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今回インタビューに答えてくれたのは、バンダイナムコエンターテインメントのIP総合プロデューサーである富澤祐介氏、『GE』シリーズ総合ディレクターならびに『CODE VEIN』ディレクターの吉村広氏、『CODE VEIN』プロデューサーの飯塚啓太氏、『GE3』プロデューサーの富山勇也氏の4名。
【CODE VEIN】について
――TGS、マチアソビとユーザーが体験できる機会がありましたが、ユーザーさんの反応はいかがですか?
飯塚:TGSではプレイされたユーザーさんが限られてしまっていたのですが、ダンジョン探索アクションの歯ごたえは感じていただけたのかな、と思います。さまざまなご意見もいただけたので、順次対応していきたいと考えています。
吉村:私はTGSでプレイしていただいた方々に直接お話を伺ったりしたんですけど、『GE』をプレイしていて興味を持たれた方もいれば、『GE』をプレイしたことがない、というユーザーさんもかなりいましたね。その中で海外のユーザーさんがかなり並んでくださって。これまでの『GE』ではあまり見ない光景だったで印象的でしたね。
アクションの手触りについては、我々が考えている以上にレスポンスがよく、気持ちいいものが求められているんだな、と感じました。『CODE VEIN』は自分を育てていけるアクションRPGでもありますし、スピードやパワーに振り切った育成をしたときにどのようになっていくのか、というのを、ユーザーさんに伝えていかなきゃいけないな、と思いましたね。さまざまなユーザーさんの要求に対応できる懐の深いコンテンツにしてあるので、そのへんをアピールできればと。
体験会などでユーザーさんいただいているご意見は真摯に受け止めて、みなさんと対話しながら対応を進めていければと考えています。
――現状、バトルバランスについては、主に難易度が高い、などの意見も多いように思います。万人向けな調整になるのか、アクション難易度の高い方向に調整されるのか、方針は決まっていますか?
飯塚:プレイ経験を積むことで強くなっていく達成感を味わってほしいので、単純に難易度を下げるのではなく、成長や武器の選択など試行錯誤して再チャレンジしてもらいたいと考えています。
吉村:初対面では対処が難しい、いわゆる“初見殺し”といった要素は多数盛り込んでいます。難易度が高いと感じる方も多いかもしれませんが、経験と工夫で乗り越えられるように設計しています。また、本作はRPGですので、高度なアクション操作が苦手な人でも、育成すればクリアできる、という要素もちゃんと用意してあります。
飯塚:高難易度へのフォローとして“バディ(相棒)”というシステムを導入してます。バディに手助けしてもらい、対処方法を見つけていく、という方法も有効だと思います。そしてバディのクセやパターンを理解してくれば、今度はプレイヤーがバディの手助けをする、という戦い方も見えてくるはずです。
吉村:『GE』の初期は「捕喰のタイミングがわからない」という意見も多くありましたが、仲間たちが捕喰するタイミングを学ぶことで、プレイヤーもうまくなっていく、ということがありました。バディについても同じことが言えると思います。
飯塚:今回は“吸血”がアクションのキモになるんですが、吸血が難しい、というご意見もいただいています。これからの調整では、そこもわかりやすく、フォローできるようできればと。
吉村:吸血はいろいろ手を入れようと思っています。
――物語やキャラクターの情報をもっともっと知りたいところなのですが、いかがですか?
飯塚:メインストーリーに関わる部分については設定面含めてこれからどんどん紹介していきたいのですが、更にバディとなるキャラクター達それぞれがもつ過去やヴェインの中で戦っている理由などのエピソードについても順次公開していければ、と思っています。
吉村:TGSで公開させていただいたPVではアクションだけでなく、物語やキャラクターについても盛り込んであります。ほかのダンジョン探索アクションRPGとは異なる、ドラマティック探索アクションRPGとしての魅力の一端をお伝えできたのかな、と感じています。『CODE VEIN』はストーリー体験と探索体験が非常に強く紐付いているので、今後のも両者をセットでお伝えしていければ、と思っています。
【GOD EATER】シリーズについて
――『GE』シリーズの最新作として『GOD EATER RESONANT OPS(ゴッドイーター レゾナントオプス)』と待望のナンバリング『GOD EATER 3(ゴッドイーター3)』が発表されましたが、反響はいかがですか?
富澤:初のオーケストラライブの会場で、かつ非常に熱心な『GE』ファンの皆様の前で発表させていただいたのですが、コンサートの余韻を吹き飛ばすくらいの大きな拍手をいただき、『GE3』を迎え入れていただけたのかな、と思い、ホッとしています。
吉村:ここまで大きな反響をいただいたのは『GOD EATER BURST』以来かもしれませんね。皆様待っていてくれたんだと感じました。
富澤:映像には『3』の新しいアクションや世界観、主人公像などの片鱗をピックアップして詰め込んだので、それらを総合して“次のゴッドイーター”を感じていただけたんじゃないかと思います。早くも多くのユーザーさんからさまざまなポイントに興味を示していただいるようなので、開発陣も安心して次に進められるかな、というところです。
吉村:2016年のTGSで『最新作始動』とお伝えしてから1年以上経過してしまい、期待しつつもお待たせしてしまったユーザーさんからは情報が少ない、もっと欲しい、という厳しくも熱いご意見をいただき、身の引き締まる思いです。
富澤:厳しいご意見も熱い要望も、すべては『GE3』を気にかけてくださっているということですから、それらを真摯に受け止めつつ、いろんな情報をこれからどうやってお伝えしていくべきか、考えたいと思っています。
――厳しい意見も興味があるからこそ、でしょうしね。
吉村:シリーズを重ねていますと、ユーザーさんそれぞれに“よかったタイトル”や“期待はずれだったタイトル”はありますよね。例えばですけど、直近のタイトルが期待はずれだった場合、その期待は次に持ち越されているんだと思うんです。その期待に応えられるだけの新情報を揃えてから発表しろ、というご意見もあるかと思います。
富澤:『RAGE BURST』から3年が経過していますし、お待ちいただいている方、大きく期待されている方もいてくださると思います。開発の都合はユーザーさんには関係ありませんからね。我々としてもその期待に応えられるように、次のプロモーションのタイミングを予定よりも早くできるようにしたいと個人的には考えています。
『CODE VEIN』があるから『GE3』の開発が遅れるのでは? と懸念されるユーザーさんもいるかと思いますが、そんなことはありませんのでご安心ください。
吉村:それぞれのタイトル毎にしっかりとした体制を構築した上で開発しています! 今日は朝が早くて疲労困憊なので、あまり説得力がないんですけど(笑)。
富澤:僕らが2倍がんばればいいだけの話なので。
吉村:僕らの死期は早まりそうだね(笑)。
富澤:不本意な理由でユーザーさんを待たせたくはないですし、それぞれがしっかり作り込まれていることが必須だと思っています。
富山:マチアソビでは今日(10月8日)から、『CODE VEIN』に加えて『GE』も展開しているのですが、ユーザーさんからは「『GE3』の試遊はないんですか?」と聞かれてしまって(笑)。
――だいぶ気が早いですね(笑)。
富山:『GE3』のPVでは、『GE』の次の姿の片鱗をお見せできたわけですが、内容に関しては好印象で受け取っていただけたと思っています。そこはさらにブラッシュアップしつつ、『GE3』はちゃんと作られているんだ、と安心してもらえるように、これからも情報をしっかりお伝えしていかなければと思っています。
――『GE3』のPVは情報がかなり詰め込まれていますよね。二刀流の神機がさまざまな形態に変化しているシーンがあったりと、いろいろ期待が膨らみました。
富山:そうですね。映像の中で神機が連結するようなシーンもありましたし、銃のアクションのところにも新要素が写っていたりしてます。ユーザーさんが一番期待されているアクションについてもしっかり作り込んでいるんですが、伝わりきらなかった部分については、今後の情報でフォローしていきますので、続報に期待していただければと思います。
――『GE』シリーズのプロモーション展開では、これまでさまざまな新しい手法が使われていましたが、今回もなにか考えていらっしゃいますか?
富澤:じつは『GE』で最初から決めていたことはほとんどなくて、そのときユーザーさんがどんな情報ツールを使っているのかによって、一番的確であろう、というものを選んでいますね。今回に関して言うなら、グローバル展開は考えています。各国からもアイデアが出てきますので、日本も負けないよう頑張らないといけませんね(笑)。
――『GE3』の情報がやっと出始めたばかりですが、開発の進行状況としてはいかがでしょうか?
吉村:企画がスタートしたのは『GE2 RAGE BURST』の頃からですね。途中に『GE RESURRECTION』など挟んでいますが、『GE3』はずっと動いてましたので、かなり長期間制作していることになります。今回公開したPVは本当にいいところだけをピックアップしているのですが、各部門で「いいものができる」と確信を得て進められるレベルまで開発は進んでいます。
富澤:『RESURRECTION』までの積み上げ式の開発から一度リセットして、作り直しているところがあります。フィールドなども新規に作り起こしていますし、ベースの開発にはかなり時間をかけています。現在はそれらが統合されて部分的に遊べるようになってきているというのが直近のステータスです。“『GE』らしく”をイチから構築しているのですが、我々なりに自信を持って出せるよう、ブラッシュアップを続けています。
吉村:『GE』では新作ごとにさまざまな新システムを重ねて、より高度なアクションを目指してきました。もちろん、各タイトルごとに良いものは作ってきたつもりですが、ふと「『GE』のアクションで最も新しくてユーザーさんが一番遊びたいものはなんだろう?」と考えると、積み上げではなく、これまでに得た知見を元にイチから、ある意味シンプルに作り上げるのが最善だと思い、ずっとやっていました。
富澤:アクションもそうですが、物語やキャラクターに関しても同じですね。「ずっと極東なのか?」「何年戦えばいいんだ?」というようなユーザーさんのシンプルな声に応えにくくなっていました。そういった声にもしっかり応えられるようにするのが『GE3』のナンバリングとしての絶対条件だと考えています。
吉村:ただ、新作発表会配信のときに私が「新しいアラガミがいっぱい出ます!」と言っていたら、今日のマチアソビ会場ではユーザーさんから「マガツキュウビを出してください!」というご要望が(笑)。理由を伺ったら、「あの絶望的な戦いがクセになってしまって……」と(笑)。
富澤:新しい世界を構築しつつ、既存のものまで対応すると開発の作業は2倍8倍16倍と膨れ上がっていくので、すべてを実現する難しいですが(笑)。
――『GE RESONANT OPS』が、まさに今のお話にある「新しい世界の構築」をされているタイトルなのだろうと感じます。この作品は『GE3』に繋がるものなのでしょうか?
吉村:『GE RESONANT OPS』をプレイしないと『GE3』がわからないとか、そういうものではありません。それを大前提としつつ、『GE』シリーズの大きな歴史のなかで互いに影響し合うものだと思います。
富澤:キャラクターに関していえば、これまでも多くの方々から「(自分の好きな)あのキャラを出してほしい」などの要望は多くありましたが、すべてに応えられませんでした。『GE RESONANT OPS』なら、オールスターならではのゲーム体験を提供できるのではないかと思っています。フェンリル本部という象徴的な舞台に世界中から神機使いが集まってくるので、既存の人気キャラクターも出てくるでしょうし、まったく新しいキャラクターも出てきます。そういった魅力を『GE RESONANT OPS』では素直に表現したいです。
そしてそのうえで『GE3』ではすべてが崩壊する、というシチュエーションになるわけですが、そこはいろいろと想像していただければと。『GE3』ではすべて刷新されたものを提供したいですし、『GE3』と『GE RESONANT OPS』を両軸でうまく提供していければと思っています。
吉村:『GE3』はフェンリル本部が崩壊して……と紹介していますが、ユーザーさんによって、すでにさまざまな想像をしていただいているようです。「あの主人公は崩壊を食い止めるために戦う戦士だ」とか「崩壊したあとに1人だけ生き残った神機使い」とか。“崩壊”という状況の受け取り方も人それぞれで、皆さんのお話を聞いていると「ああ、こういう考え方もあるのか!」とワクワクしてきますね。
富澤:「そのほうが面白そうだ」とか?(笑)
吉村:そうそう、やっぱり作り直そうかな、とか(笑)。
富澤:主人公の登場シーンはあのPVのハイライトだと思っているので、そこからいろいろな想像を広げてくださるのはうれしいですね。
吉村:『GE RESONANT OPS』に関しては、“RESONANT OPS(=共鳴作戦)”というタイトルからも、何かしら世界に大きなことが起きるのだろう、と想像していただけるかと思います。
富澤:そこからの『GE3』ではどうなるのか……。まだまだ情報が少ないですが、今はいろいろと想像していただければ、と。
――最後に、新たな展開をしていく『GE』ですが、今後どのようなコンテンツにしていきたいとお考えですか?
吉村:『GE RESONANT OPS』でシリーズ7年目にして初めてフェンリル本部が舞台となり、各支部が描かれていきます。フェンリルがじつはどういう組織で、本部の人たちは世界をどのように見ているのか? なども見えてくるかと思います。さらに『GE3』で世界はさらなる変貌を見せていきますが、GEらしさ、1作目から大事にしている「死が日常的にそばにある世界で描かれる命のドラマ」 「世界を変えていくヒロイックな主人公体験」「ハイスピードでド派手な爽快アクション」という軸は変えることなく、皆様にご期待いただけるストーリー体験をお届けしていきたいと考えています。
富澤:オーケストラライブ、マチアソビ会場などでユーザーさんから非常に熱いご意見をいただいています。7年という歳月のなかで、長く遊んでくださっている方はもちろん、中学生の頃から『GE』が大好きです、と言ってくださるような、新しい世代の声も届いています。私も『GE』シリーズに長く携わらせていただいてますが、開発についてもユーザーさんに関しても、新しい息吹をどんどん入れてほしい思っています。『GE3』や『GE RESONANT OPS』は新しい、より良い体制を築くいい機会になってくるのかな、と。私としては新しい未来を見据えて、体制づくりやユーザーさんとの関係構築など、自分がやるべきことをやっていこうかな、と思っています。
吉村:キャラクターとも、もっと親密にプレイできるようなものにしていけたらいいですね。10年後の『GE』ではAI技術が進歩して、アリサから携帯に電話かかってきて「今からやろうよ!」とかね(笑)。
富澤:それもAIなんだ(笑)。
吉村:それでミッション失敗して「ドン引きです…」とか怒られたりしてね(笑)。
――ありがとうございました!
▲マチアソビの『GE』&『CODE VEIN』合同ブースにはさまざまな試遊展示が。今回インタビューにお答えいただいた4名とも気軽に話ができた。 |
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