2017年11月11日(土)

【おすすめアニメ曲】ライター&編集者が選ぶアニソン名曲集。素晴らしき名盤をハイレゾ音源で聴こう

文:電撃オンライン

 音楽好きの編集者&ライターがおすすめの曲を語る連載企画“おすすめ曲カタログ”がスタート。ハイレゾ音源配信サイト“e-onkyo music”協力のもと、ハイレゾ音源(=高音質)で聴ける名曲の数々を紹介します。

“おすすめアニメ曲カタログ”

 第1回となる11月のテーマは“アニソン”。OPやEDテーマ曲、挿入歌などを対象にそれぞれが想いをつづります。曲名のリンクをたどれば試聴もできますので、気になる曲はどんどんチェックしてくださいね。

※購入したハイレゾ音源を再生する際は、ハイレゾ対応機器が必要となります。ハイレゾ音源の再生環境についてはこちら

『めざせポケモンマスター -20th Anniversary-』 文:ユート

“おすすめアニメ曲カタログ”
アーティスト松本梨香
作詞戸田昭吾
作曲たなかひろかず
編曲Saku
放送作品『ポケットモンスター サン&ムーン』

20年の時の流れを感じさせる最新の『めざせポケモンマスター』!

 「ポケモン、ゲットだぜ!」。ほぼ毎週聴いてワクワクしていたこのセリフから20年。時が経つのは早いもんです。

 『めざせポケモンマスター -20th Anniversary-』は、現在放送中のアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』オープニングであり、『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』の主題歌としても使われた楽曲。

 “20th Anniversary”というタイトルからもわかるとおり『めざせポケモンマスター』、さらにはアニメ版『ポケットモンスター』開始から20年を祝して作られたアレンジバージョンです。

 原曲と比べると、本楽曲はメリハリが効いているのが特徴。メロディは音が少なめで、ボーカルの松本梨香さんの歌声もクールな印象を受けますが、サビになると一気に爆発! 音に厚みが増すうえに歌声もすごく力強くなり、めちゃくちゃテンションが上がります。

 なんというか、松本梨香さんに恐縮してしまう表現になりますが、映像内のサトシの姿は20年前のままだけど、歌声は時とともに成長してるんだな~って気持ちに。合間に挿入されるピカチュウの声を比べてみるのも楽しいですよ。ぜんぜん違うので(笑)。

 自分のように、昔と比べるとアニメから遠ざかってしまってる人にも、ぜひ聴いてもらいたい1曲。新曲であるにもかかわらず懐かしさがこみ上げ、当時の記憶もよみがえると思いますよ。

『Happy maker!』 文:たく坊

“おすすめアニメ曲カタログ”
アーティストμ’s
作詞前口 渉
作曲畑 亜貴
放送作品『ラブライブ!』

TVアニメが終わっても、スクールアイドルは止まらない!

 言わずと知れたTVアニメ『ラブライブ!』の第2期最終話で使用された楽曲です。TVアニメ第2期終盤で“μ’s”は解散、スクールアイドルも引退とクライマックスらしい展開を迎え、「ああ、『ラブライブ!』も終わりか……。」と喪失感を味わっていたところに、元気あふれる『Happy maker!』が挿入歌として放送されます。

 もともと筆者は、楽しそうにポジティブな歌を歌う“μ’s”に惹かれて『ラブライブ!』というコンテンツにハマっていました。元気をもらえる曲が好きだったというのもありますが『Happy maker!』はそれに加えて、第2期最終話の悲観的な状況から盛り上がりを見せる展開を、しっかり補ってくれたことも1つのポイントであると思っています。

 TVアニメ第2期の放送終了後に劇場版の情報が公開されたこともあり、当時はこれまでになかったテンションで『Happy maker!』を聴き続けました。すでに数年前の楽曲ですが、今でも定期的に聴いてしまう曲の1つとなっています。

 現在TVアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の第2期も放送中なので、話数に合わせて『ラブライブ!』第2期の曲を聴き、当時の盛り上がりを振り返ってみてはいかがでしょうか。

『Rainbow -acoustic ver.-』 文:喜一

“おすすめアニメ曲カタログ”
演奏ROUND TABLE feat. Nino
作詞北川 勝利
作曲北川 勝利
編曲ROUND TABLE
編曲桜井 康史
放送作品『ARIA The ANIMATION』

ネオ・ヴェネツィアで描かれる日常を彩る1曲

 『ARIA The ANIMATION』オリジナルサウンドトラックより、この1曲を選ばせていただきました。

 世の荒みきってしまった人(おもに私)への救済装置であるかのように、穏やかな空気感、どこかほっこりしてしまうストーリーとキャラクターがファンの心をつかんで離さない『ARIA』のアニメ第1期エンディング曲……のアレンジですね。

 アニメで初めてEDを見た時の衝撃を今でも鮮明に覚えております。優しいタッチで描かれるネオ・ヴェネツィアの街に、愛らしく描かれるアリア社長。楽曲とマッチングし、虹が描かれる演出ではヒーリング効果が高すぎて、思わず私もアクアに移住しようか考えるほど(というかしたい)。

 何かに行き詰った時、ふと聴くと精神を浄化してくれるお気に入りの1曲です。とか書いていると、どこかから「でっかいお世話です」と聞こえてきそうですが(笑)。

 ハイレゾ音源で楽しむことで、イントロ部分のアコースティックギターのハーモニクスや、スライド音の美しさが際立ちます。LRで異なるギター演奏もくっきりと聴きとれる点も気持ちよいです。

 また、ボーカルのNinoさんの透き通るような歌声にも注目してください。アコースティックバージョンと冠するだけあり、少ない楽器と声のみのシンプルな構成で作り上げられた本楽曲は、ハイレゾのような高音質で楽しむことで、味わい深さがさらに増しているように感じました。

 本楽曲が収録されているサウンドトラックには、Choro Club feat. Senooをはじめ、河井英里さんが紡ぐアニメ『ARIA』の世界を彩る素晴らしい楽曲がたくさんありますので、気になった方は、ぜひそちらも堪能してみてください。

『オルフェンズの涙』 文:Deep

“おすすめアニメ曲カタログ”
アーティストMISIA
作詞MISIA
作曲鷺巣詩郎
放送作品『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』

MISIAさんの歌声に魂が揺さぶられる!

 この曲は、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の前期エンディングテーマとして使われたものになります。今年の紅白歌合戦でMISIAさんが披露したので、「アニメは知らないけど聴いたことがある」なんて人も多いかもしれません。“これぞR&B”というような曲で、ゆったりとしながらも熱のあるメロディーにMISIAさんの歌声も相まって、歌が魂を揺さぶってくるんですよね。

 歌声・曲調だけでなく、MISIAさんが綴った詞もすばらしい。『Orphans(孤児たち)の涙』という曲名からわかるように、アニメの題材の1つである“少年兵として戦う、孤児やヒューマンデブリたちの生き様”をよく表していて、『鉄血のオルフェンズ』という作品にしっかりとフィーチャーしています。MISIAさんは、2008年10月に、世界中の子どもの教育支援を目的とした非営利団体“Child AFRICA”を立ち上げるなど、人道的活動を熱心に行っているんですね。そんな彼女だからこそ、こうも心に響く“孤児たちの詩”を書きあげることができたのかな、とも思います。

 ……とまぁ、真面目な話ばかりしてみましたが、俺が「この歌スゲーー!」と感じた一番のきっかけは、アニメ第10話のラスト……ネットでも一時期話題になった“フラグブレイカー・三日月”のシーンだったりします(わからない人は検索してみよう!)。驚きののちにゲラゲラと大爆笑したあと、「これを狙って作ったアニメ制作者スゲー!」とじつに感心しました。このシーンによって、俺の脳内に『オルフェンズの涙』が刻み込まれたんですよ。俺と同じ感想を持った人もいるんじゃないでしょうか(笑)。

 もちろん、このシーンより前からエンディング曲として『オルフェンズの涙』を聴いていて、ぼんやりと「いい曲だなぁ」とは思っていました。ですが、このシーンを見たことで、より曲に興味を持ち、歌詞のすばらしさを知り、どんどんこの曲を好きになっていったんですね。なんというか、こういう演出こそアニメ(やゲーム)とテーマ曲の在り方の見本だよな~とも思ったり。

 話は逸れましたが、この『オルフェンズの涙』は、知れば知るほど熱くなっていく曲です。この記事を見て、みなさんが聴いて・知って、そして魂を燃やしてくれれば幸いです。

『GO! GO! MANIAC』 文:カズ

“おすすめアニメ曲カタログ”
アーティスト放課後ティータイム
作詞大森祥子
作曲Tom-H@ck
編曲Tom-H@ck
放送作品『けいおん!!』

『けいおん!』の“はいれぞ!”はバンド感が段違い!

 日本中の中高生を熱狂させ、社会現象にまで発展した『けいおん!』。その引き金になったのが、アニメ第2期『けいおん!!』のテーマ曲であり、数々の音楽チャートで1位、2位を独占した『GO! GO! MANIAC』『Listen!!』の2曲でした。

 今回選んだOPテーマ曲の『GO! GO! MANIAC』は、ひと言で表すと“疲れが吹き飛ぶ軽快なロックナンバー”です。跳ねるように弾けたリズム&平沢唯(声優:豊崎愛生さん)の明るい歌声が心地よく、放課後ティータイムの多幸感、無敵感にあふれた歌詞もたまりません。

 アニメのOP映像がミュージックビデオ風に作られているのも見逃せないポイント。音ハメを効かせたカット割りのテンポがよく、曲とシンクロした演奏シーンは特にテンションが上がります! あと、唯がりっちゃん(田井中律)のアイスを食べるシーンがかわいい……!!

 ベタな選曲なので「元から知っている」という方も多いでしょうが、そんな方にこそハイレゾ版を聴いてほしい。今まで気づかなかったギー太(ギター)やドラムセットの音が鮮明に聴こえ、「自分はこの曲の何を知っていたんだ!!」と衝撃を受けました。間奏のギターパートは鳥肌モノですよ。

『EZ DO DANCE -K.O.P. REMIX-』 文:イズミン

“おすすめアニメ曲カタログ”
アーティスト仁科カヅキ&大和アレクサンダー(CV.増田俊樹&武内駿輔)
作曲小室哲哉
放送作品『劇場版KING OF PRISM』

「世界が……輝いて見える!!」

 『KING OF PRISM by PrettyRhythm(キンプリ)』の応援上映でこの曲を初めて聴いた時、この楽曲のあまりのカッコよさに、思わずこのセリフが口からこぼれていました。

 本楽曲はTRFのシングル『EZ DO DANCE』のカバーで、仁科カヅキ(声優:増田俊樹)と大和アレクサンダー(声優:武内駿輔)の2人プリズムショーバトルのシーンで流れます。

 『-K.O.P. REMIX-』は、原曲のダンスミュージック要素を残しつつクラップや歌詞のパート分けでバトルらしさを演出しているのですが、そこに増田俊樹さんと武内駿輔さんの雄々しくも艶のある歌声が合わさることで、えもいわれぬ色気が生まれています。

 さらに、ラップ部分では色気のある歌唱パートから一転してワイルドに展開していくので、そのギャップに思わずメロメロになってしまう1曲です。

 また、増田俊樹さんと武内駿輔さんの歌唱スキルの高さを堪能できるのも本楽曲の魅力となっています。楽曲後半のラップ部分は必聴です!

 e-onkyo musicで配信中のハイレゾ版では、クラップなどのさまざまな音が鮮明になっているので2人の声が聞き取りやすく、各パートの終わり際で声が消える寸前の一番セクシーな部分を堪能できます。ハイレゾ環境が整っている人はぜひ聴いてみてください!

『world’s end, girl’s rondo』 文:にじ

“おすすめアニメ曲カタログ”
アーティスト分島花音
作詞分島花音
作曲分島花音
編曲江口 亮
放送作品『selector spread WIXOSS』

機械的なサウンドがカッコいい!

 『world’s end, girl’s rondo』は、カードバトルを題材にしたアニメ『selector infected WIXOSS』の第2期、『selector spread WIXOSS』の主題歌です。

 アニメでは、特別なカード“ルリグ”を持つ“セレクター”たちが、カードバトルに勝ち続けると「自分の願いを叶えられる“夢限少女”になれる」という都市伝説を信じ、TCG『WIXOSS -ウィクロス-』で戦う物語が展開されます。

 重々しい描写の多いアニメなのですが、この曲のノイジーなギターサウンドと機械的なシンセサイザーの音が見事にハマっていて、作品の世界にどっぷり浸らせてくれます。

 サビは、辛く厳しい戦いに立ち向かっていくような盛り上がりのある曲調になっており、分島花音さんの力強い歌声がとても印象的です。このサビを聴くたびに主人公・小湊るう子の戦う姿が思い起こされ、胸にグッとくるものがありますね。

 アニメを見たことがない人でもカッコイイと思える楽曲ですし、アコースティックな音とエレクトリックな音が複雑に絡み合った“高音質で聴きたい一曲”でもあります。ぜひ聴いてみてください!

『Trip Trip Trip』 文:AO

“おすすめアニメ曲カタログ”
アーティストORESAMA
作詞ぽん
作曲小島英也
編曲小島英也
放送作品『魔法陣グルグル』

『魔法陣グルグル』のワクワク感があふれる名曲!

 タイトルにもある通り、2017年に再制作された名作コミック『魔法陣グルグル』のアニメOPです! 実に10年ぶりとなる3度目のアニメ化。初代のアニメをリアルタイムで見ていた身としては、うれしすぎて毎週欠かさずに見ていますよ!

 『魔法陣グルグル』のOPといえば、初代から名曲が多すぎるから(EDもね!)、どうしても比べちゃうかなぁ……とか思っていたけど、まったくの杞憂でしたね。爽やかでポップな曲調、キャラの心情や雰囲気にリンクした歌詞、サビの盛り上がりと疾走感……。

 これだよ、俺が求めていた『グルグル』はこれなんだよぉ! 本作ならではの“冒険のワクワク感”がストレートに伝わってくるのが最高です。アーティストのORESAMAさん、こんな神曲を作ってくれて本当にありがとうございました!

 まだこの曲を聴いてない人は、ぜひアニメのOPともに聴いてみてください。サビのバトルシーンで必ず鳥肌が立ちますから!

『BRAND NEW FEILD』 文:やままや

“おすすめアニメ曲カタログ”
アーティストJupiter
作詞真崎エリカ
作曲山口朗彦
放送作品『アイドルマスター SideM』

理由(ワケ)あって、ハマります

 2次元でも3次元でもアイドル好きな私が今期毎週楽しみにしているアニメが『アイドルマスター SideM』。「理由(ワケ)あって、アイドル!」というキャッチコピーだけにアイドルになる前の職業の種類が豊富すぎて、「理由(ワケ)ありすぎぃ!」とツッコミたくなるキャラが勢ぞろいしていて、それだけで楽しいです。

 根っからの大人キャラ好きな私としては年齢層が高めのキャラが多いのもかなりうれしかったりします。(アラサー多いです。でも一番下は一桁年齢なので幅広すぎ!)

 そんなアイドルたちが歌う曲もかなり豊富にあって、アニメでも毎回いいタイミングでその回のスポットが当たったグループの曲が挿入されるのでいったいどの曲をオススメすればいいんだ? と悩みましたが、やっぱりここはアニメ前日譚のエンディングテーマだったJUPITERの『BRAND NEW FEILD』で! 「ここから始まるんだ……!」という高揚感がたまらないのですよ。

 ちなみにこの曲はアニメではセリフ部分が冬馬しか流れなかったけれど本当は北斗のセリフも翔太のセリフもあるので、ぜひフルバージョンを聴いてニヤニヤすることをオススメします。

『FLOW ANIME BEST』 文:長雨

“おすすめアニメ曲カタログ”
アーティストFLOW

涙腺を決壊させる名曲ぞろい!!

 2011年に発売された、FLOWのアニメタイアップ曲ばかりを集めたベストアルバム。『交響詩篇エウレカセブン』の『DAYS』や『コードギアス 反逆のルルーシュR2』の『WORLD END』など、今でも見返すほど大好きな作品の主題歌ばかりが収録された名盤です。

 FLOWの歌うアニメ主題歌は作品の物語と歌詞がリンクしていて、聴いていてグッとくるものがあります。全曲最高なのですが、個人的に推したいのが『COLORS』と『Sign』です。

 『COLORS』は、現在劇場版が公開されている『コードギアス』の第1クールオープニング。物語の始まりを感じさせるような明るく爽やかなメロディーと、主人公・ルルーシュの気持ちを歌ったような歌詞が印象的です。

 『Sign』は『NARUTO -ナルト- 疾風伝』の第6期オープニングテーマ。この曲には、“痛み”というキーワードが登場します。これが敵であったり、大切な人との分かれであったり、ストーリーと見事に重なるのがすごいんですよ。

 両方とも聴いているとアニメの名場面を思い出して感慨深い気持ちになったり、涙腺がゆるみそうになったりします。でもFLOWの力強い歌声と前向きなメッセージをくれる歌詞のおかげで、暗い気持ちにはならないのがすごいです。

『THE NEXT GENERATION パトレイバー オリジナル・サウンドトラック』 文:斎藤ゆうすけ

“おすすめアニメ曲カタログ”
アーティスト川井憲次
放送作品『THE NEXT GENERATION パトレイバー』

押井ワールドと川井サウンドのベストミックス!

 『THE NEXT GENERATION パトレイバー』は90年代初頭にアニメやコミック、ゲームなどで展開されたメディアミックスプロジェクト『機動警察パトレイバー』の実写化作品です。

 舞台は産業用に開発された“レイバー”と呼ばれるロボットが活躍する近未来。“レイバー”を使った犯罪に対処すべく警視庁に設立された特科車二課の面々は、最新鋭のパトレイバーを駆り、知恵と勇気を武器に犯罪者に立ち向かう――のはアニメやコミック、ゲームでのお話。実写版の世界ではバブルが崩壊し、“レイバー”がお払い箱になった未来を舞台に、栄光の初代隊員たちと比較され、無能な三代目と揶揄される面々が主人公を務めています。

 もはや“レイバー”を使った犯罪が起きることはまれで、隊員達は永遠に続く待機と訓練の日々を繰り返すのみ。実写版の総監督を担当した押井守監督が『パトレイバー』の初期OVAシリーズやTVアニメシリーズの担当回、さらには押井監督の出世作である『うる星やつら』で描いた永遠に続くモラトリアムが描かれ続けます。

 ゲーセンに入り浸ったり、怪獣騒ぎに巻き込まれたり、宝探しに熱を上げたりと、ゆるくもあり、それでいてどこか人間の深層心理を暴くような押井監督ならではの世界観。

 そんな押井ワールドを彩るのが、『パトレイバー』以降、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』などでタッグを組む作曲家・川井憲次氏のBGM。『THE NEXT GENERATION パトレイバー オリジナル・サウンドトラック』には川井氏がこの作品のために制作した珠玉のサウンドが収録されています。

 爽やかでありながらもミステリアス。コミカルでありながらも時に格好よく。そして時にはケレン味たっぷりに。押井監督が必要不可欠と語る川井氏のサウンドあってこその実写化であり、賛否両論の嵐を巻き起こしつつも、この作品は日本のロボットアニメ実写化した作品として、ひとつの完成形を見せてくれた気がします。

 そうそう、忘れちゃいけないのが、このサウンドトラックの最後に収録されている泉野明(“いずみのあきら”であり“いずみのあ”ではありません)役の真野恵里菜が歌う主題歌『Ambitious!』。爆発オチや真相を暈かすようなオチが続く中、最後に真野ちゃんの歌う、爽やかさMAXのこの曲が流れてくると、すべて許せてしまう不思議な力を持っています。

 王道のアイドルソングでありつつも、モラトリアムに甘んじながら正義の味方でありたいと願う明の心情を歌った名曲です。まずは、この曲だけでも聴いていただき、気に入っていただけたら、作品や他のサウンドにもぜひ触れてみてください!

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