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2017年11月22日(水)

VOFAN氏の描く〈物語〉シリーズ忍野忍を独自規格“CG-i”で商品化。11月27日より限定300枚で受注開始

文:てけおん

 バンプレストは、独自開発した新たな印刷出力技術・CG-i(シージーアイ)により出力、額装したアイテム『CG-i 西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』の制作を決定しました。300枚限定で11月27日12:00~12月24日23:59にかけて受注を行います。

『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』
▲VOFAN氏の描き下ろしイラストを製品化。サイズは約590mm×約460mm×20mm。額装は創業130年の老舗画材店・文房堂のフレームマイスターによるフルプロデュースです。

CG-iとはどんな技術なのか?

 まずはCG-iを知らない人のために、この規格を説明しましょう。2016年9月に発表されたCG-iは“CGイラストのためにバンプレストが設計・開発した独自の出力規格”です。

 既存の技術でCGイラストを印刷する場合、RGBカラー(赤・緑・青)で塗られた色をCMYKカラー(シアン・マゼンダ・イエロー・キープレート(≒黒))に変換し、印刷します。これは、通常の印刷で使用されるインクではRGBカラーを表現できないから。

『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』
▲RGBとCMYKが表現できる色味のイメージです。RGBをCMYKに置き換えると、どうしても鮮やかさが減退してしまいます。

 RGB→CMYK変換の際、どうしても“表現できない色”が出てきますが、モニター上で見るイラストの“色”と“質感”を再現できないかと追求した結果、生み出された新規格がCG-iです。

 では、CMYKで出力したものとはどのような違いがあるのでしょうか? 以下で元となったCG、CG-i出力したもの、CMYKで出力したものとを並べて比較してみたいと思います。

 なお、画像のCG-iとCMYKの出力は撮影環境の都合上、実際に肉眼で見た場合とは見え方が多少異なる場合があります。あくまで参考程度でお考えください。

『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』
▲こちらはVOFAN氏が制作した元となるCGです。
『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』
▲こちらがCG-i出力で印刷し、写真撮影したものです。
『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』
▲こちらが従来のCMYK出力で印刷し、写真撮影したものです。

 いかがでしょうか? パッと見てもらっただけでも明るさがまったく違うということがわかるかと思いますが、実はそれだけではありません。それでは細かい違いについて比較していきましょう。まずは髪と肌から比べてみます。

『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』 『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』
▲左がCG-i出力、右が従来のCMYK出力です。

 CG-iの強みである出力による輝きと明るさがよく分かる部分です。髪の毛のグラデーション、ほおと肩に当たる日差しが、鮮やかな発色で表現されています。CMYK出力では再現可能な色域が調整され、全体的に落ち着いた色調となっています。

 続いては、このイラストの中でひときわ目を引く黒のビスチェドレスを見てみましょう。

『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』 『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』
▲左がCG-i出力、右が従来のCMYK出力です。

 しっとりした美しい黒色の光沢と、青みが特徴的です。青みについては、ドレスだけでなく忍の太ももなどを見てもわかるところでしょう。CMYKでは、赤みを帯びてしまっています。

 最後に、背景に描かれている向日葵や空に注目してみましょう。

『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』 『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』
『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』 『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』
▲左がCG-i出力、右が従来のCMYK出力です。

 CGイラストで描かれた明度と彩度に限りなく近い色相で出力しているCG-i。特にわかりやすいのは、この背景に使用されている青、黄、緑といった色です。CMYK出力と比べると、どの色もくっきりと出力されていることがわかると思います。

 こちらのイラストを制作したVOFANさんが、自身のFacebookでCG-iについてコメントされています。

第一線で活躍するクリエイターはCG-iをどのように見たのか?

 また電撃オンラインでは、以前発売されたCG-i作品『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』の2作品について、それぞれ足立慎吾さんabec先生に見ていただき、その感想を掲載しています。

 第一線で活躍するクリエイターはCG-iで印刷されたものをどのように感じているのか? 率直な感想や、CMYK規格と比べてみての印象などを話していただいたので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。

『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』 『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』
▲こちらは『劇場版SAO』のキービジュアルを印刷したものの比較です。左がCG-i出力、右が従来のCMYK出力です。

バンプレストから忍野忍のEXQフィギュアが登場

 『〈物語〉シリーズ』を題材としたアミューズメント専用景品『西尾維新大辞展 EXQフィギュア~忍野忍~』が、11月上旬より全国のアミューズメント施設に順次登場しています。

 このフィギュアは、上でも紹介しているVOFAN氏の描き下ろしイラストをモチーフにした“EXQ”シリーズのアイテムです。

 “EXQ”シリーズとは、バンプレストのフィギュア規格のひとつで、虚構と現実の調和を目指した特別【Extra】で画期的【Quantum】な最高峰フィギュアシリーズです。

『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』

 CG-iもフィギュアも、方向性こそ違うものの『〈物語〉シリーズ』ファン必携のアイテムとなっています。特にCG-iは、300枚限定のレアアイテムです。このチャンスを逃すと入手が難しいアイテムですので、ほしい人は早めのご予約を!

『西尾維新大辞展〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』
▲成人女性とサイズを比較したところ。かなり存在感のあるアイテムになっています。

■CG-i『西尾維新大辞展 〈物語〉シリーズ Illustration VOFAN』受注概要
開始日:2017年11月27日(月)12:00
終了日:2017年12月24日(日)23:59(※受注期間中に上限数に達し次第、販売終了となります)
製品サイズ:約590mm×約460mm×20mm
重量:約3.0kg
対象年齢:15歳以上
商品受渡:2018年2月中旬より順次発送予定

詳細・購入はこちら

(C)西尾維新/講談社 Illustration VOFAN

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