2017年11月21日(火)
スクウェア・エニックスから11月28日に配信されるPS4/PC用ソフト『スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- 4K & Full HD Remaster(SO4リマスター)』。自分自身、1人の『スターオーシャン(SO)』ファンとして大いに期待を寄せている本作なのですが、じつはオリジナル版の発売は2009年のこと。思った以上に過去ですね……。
すでに8年も前のゲームとなると、もしかして最新作である『スターオーシャン:アナムネシス(SOA)』をプレイしているユーザーの中には、「そもそも『SO4』を遊んだことがない」って人も少なくないのでは……。
シリーズの中でも独自の異彩を放つこの名作を遊ばないなんて、絶対に損をしています!
せっかくのこの機会、少しでも多くの人が『SO4』に興味を持ってもらいたい!! そんな謎の義憤を覚えたわたくしは、イチ『SO』ファンとして、本作の魅力を連載企画で総まとめしていきたいと思っております。
おそらく、往年のファンの皆さんはすでに少なからず『SO4リマスター』に興味を抱いておられることでしょう。なので、今回のこの記事はあえて『SOA』からシリーズをプレイし始めたユーザーをメインターゲットに想定!
“『SOA』で活躍している『SO4』キャラ”をフックにしつつ、『SO4』ならではの独自要素に迫っていく……そういうコンセプトになっております。
ということで、記念すべき第1回目に紹介するのはエッジ、レイミ、クロウの3人! いずれも『SOA』では、いまだ現役でバリバリ活躍しているキャラたちですね。
種族 | 地球人 |
性別 | 男性 |
年齢 | 20歳 |
武器 | 片手剣 |
正義感、責任感にあふれる、まっすぐな性格をした本作の主人公。滅亡の危機に瀕した地球人類を救うため、第1期SRF(宇宙開拓部隊)に志願し、太陽系外への宇宙へと旅立ちます。
優れた状況判断力を持つものの、やや短絡的な部分もあり、周囲からは無鉄砲に思われがち。その猪突猛進な一面を、幼なじみのレイミによく咎められています。
▲宇宙への憧れを抱くエッジは、物語の序盤で宇宙船カルナスの若き艦長となり、仲間とともに星の海を渡る冒険を繰り広げていきます。 |
『SOA』でのエッジのロールはディフェンダー。パーティの壁となって仲間を護り、最前線で活躍するキャラです。じつは、シリーズ歴代の主人公は彼以外全員がアタッカーなのですが、エッジは守備の要のディフェンダーとして、ちょっと違った立ち回りを見せてくれます。
▲イラストは『SOA』のもの。 |
4つあるタレントはすべて自己強化系ではなく全体強化系。ここから、彼がとりわけ仲間のことを信頼し、思いやる性格をしていることがわかると思います。
上記にもあるとおり、じつは『SO4』の物語序盤のエッジは猪突猛進で、自分の考えのみで突っ走る部分も多いんです。そんな彼は、物語中盤にある取り返しのつかない事件を巻き起こすことに……。
そこでの挫折を仲間との信頼で乗り越え、彼がより大きく成長していくドラマティックな展開こそが『SO4』の見どころといえますね。
『SO4』の物語に触れれば、『SOA』でのエッジがなぜディフェンダーとして仲間の盾となり、タレントが全体効果系ばかりであるのかが、きっと理解できるでしょう。
『SOA』で大活躍するバトルスキル“レイジング・ストライク”は『SO4』にもばっちり存在。空中に飛び上がってから敵に突進するこの技はややクセが強く、命中させるのに慣れを要するものの、当てると大ダメージを期待できるところは『SO4』から『SOA』へとしっかり受け継がれています。
▲『SO4リマスター』のレイジング・ストライク。命中させるのは難しいものの一撃の威力に秀でる! |
▲『SOA』のレイジング・ストライク。ダメージソースとしてはもちろん、ラッシュゲージを素早く溜めるためには必須の技。 |
なお、別コスチュームパターンである“連邦エッジ”は『SO4』での冒険を経て発足した“地球連邦”所属時の制服となっております。
▲イラストは『SOA』のもの。 |
種族 | 地球人 |
性別 | 女性 |
年齢 | 19歳 |
武器 | 弓 |
名家・西園寺家に生まれたお嬢様で本作のヒロイン。エッジとは幼なじみとして、そして大切なパートナーとして常に行動をともにしています。
周囲を気遣う優しい心の持ち主だが、自らには厳しく、ときには重圧に押しつぶされそうになることも。エッジと同じく第1期SRF(宇宙開拓部隊)に所属し、宇宙船カルナスの副官として彼をサポートしていきます。
▲ポニーテールがチャームポイントのレイミ。優しい性格をしていますが芯は強い女性で、ファンの人気も高い。「エッジのエッチ!」は至高の名言! |
『SOA』でのレイミのロールはシューター。彼女が幼い頃から弓道を学んできており、達人クラスの技術を持つことが忠実に再現されています。
タレントで注目したいのはズバリ、“フォーチュンベイビー”! 戦闘開始から120秒の間、状態異常にかからなくなるというこのタレントのおかげもあって、レイミは試練の遺跡で活躍するわけですが……。
じつはこの“フォーチュンベイビー”という耳慣れない言葉は、『SO4』の物語に大きくかかわる重要な要素だったりします。
そして今回、僕がチョイスした3人……つまりはエッジ、レイミ、クロウは全員、このフォーチュンベイビーなんですよね! 彼らがその身に秘める使命、そしてその能力とはいったい? 詳細はぜひ『SO4』をプレイして確かめてください。
▲レイミの別コスチューム姿である“常夏のレイミ”のラッシュコンボでは、フォーチュンベイビーの証である紋章が見て取れます。 |
▲この紋章はエッジやクロウのラッシュコンボでも目にすることが可能。 |
そしてレイミを語るうえで忘れることが出来ない要素……それは魅惑のヒップ!!
▲イラストは『SOA』のもの。 |
▲イラストは『SOA』のもの。 |
▲イラストは『SOA』のもの。 |
現在『SOA』に実装されているレイミは3つのパターンがありますが、通常のレイミ、常夏のレイミ、連邦レイミそれぞれが、イラストやラッシュコンボ演出、勝利時のポーズなどで、どうにもヒップラインを意識せざるを得ないものになっております。じつにすばらし……ごほん、けしからん!!
では、なぜにここまでレイミがヒップ推しなのかというと……話は『SO4』時代までさかのぼります。つまるところ、あのすんばらし……げほげほ、けしからんヒップ推しは、すでに『SO4』の時代から始まっていたのです。
▲見よ、勝利時のエグいレベルで後ろから回り込むカメラワークを。すごすぎるぜ、ありがとうトライエースさん! |
ある意味、時を経てなおしっかりと“レイミはヒップ推し”であることをブレずに貫く『SOA』の開発スタッフには頭が下がりますよ。ぜひこのまま突き進んでもらいたいと思います。
種族 | 地球人 |
性別 | 男性 |
年齢 | 21歳 |
武器 | ほとんどの武器(主に銃) |
第1期SRF(宇宙開拓部隊)に所属し、若干21歳にしてスペースシップ001号(アキュラ)の艦長を務める青年。なんでもそつなくこなすため天才肌と思われがちだが、本質は努力家であり、数々の積み重ねによって苦難を乗り越えてきた。エッジやレイミの幼なじみでもあり、兄貴ぶん的な立ち位置。
▲エッジにとっては親友にしてよきライバルでもあるクロウ。彼もまたフォーチュンベイビーの1人なのです。 |
『SOA』でのクロウのロールはアタッカーで、武器は双剣を使用。“ほとんどの武器を使いこなせる”という『SO4』での設定は、タレントの“オールマイティ”で再現されていると言えそうです。
▲イラストは『SOA』のもの。 |
じつはこのクロウさん、『SO4』では結局最後までパーティキャラとして操作することはできませんでした。この事実を知って「なーんだ、ただのモブキャラか……」と思い込んだ方、それは早計というもの!
物語の要所、つまりは決めるべき時にばっちりキメる、とてもカッコいいキャラなんです。それゆえ『SOA』でプレイアブルキャラとして登場した時は、独特の感慨深さを味わいました。
『SOA』にはシマダやスティーブなど、『SO4』のNPCキャラが★4キャラとして実装されていますが、このクロウはNPCながら★5で実装されているあたりで、彼がいかに特別な存在であるかがうかがい知れるかと。
物語の影の主人公とまで書くと言い過ぎかもしれませんが、個人的にはクロウの冒険の詳細も見てみたいなと思ってしまいます。それくらい愛すべきアニキなのです!
▲『SO4』の頃は「ずいぶんイカツいアーマーを身に着けてるなぁ…」と思ったものですが、9年の時を経てその姿を見たときも、やはり同じ印象を受けました。そりゃそうか(笑)。彼にはツインビームソードがよく似合う。 |
キャラクターを操作してフィールドを自在に動き回り、敵のスキを突いて攻撃を仕掛けていくバトルシーンは、『SOA』や歴代『SO』シリーズと同様。
各キャラ固有の武器を使用し、さまざまなアクションを駆使して戦うのは、とにかく爽快感がバツグンです。ここでは、そんな戦闘シーンでとくに覚えておきたい4つのポイントを説明しましょう。
本作に登場する敵には“視界”が設定されており、ダッシュやジャンプ、ステップを駆使してその視界に出入りすることで、相手の注目を集めたり、逆に自分の姿を見失わせることができます。
プレイヤーが敵の視界に捉えられている状態が“サイトイン”。相手の攻撃ターゲットに定められるリスクはありますが、当然ながら、そのぶん他の仲間に攻撃される頻度は減ります。
特徴的なのは、敵の視界から外れる“サイトアウト”。敵の視界から外れて(=攻撃ターゲットから外れて)相手の背後まで安全に回り込めるこのサイトアウトは、本作の最重要アクションといえます。
慣れてくれば、“敵の攻撃をステップで回避しつつ視界の外までサイトアウト”→“こちらを見失った敵の背後まで回り込む”→“死角から攻撃して不意打ちを仕掛ける”といった、サイトアウトならではの戦略を自由自在にあつかえるように!
ただし、特定の状況でサイトアウトをすると、サイトアウトカウンターを食らってしまうこともあるので注意。メリットだけでなく駆け引きがあるところも、サイトアウトのおもしろいところです。
いかにして敵の視界から外れるかを考えれば考えるほど戦闘が有利になる、じつに戦略性の高い要素だといえますね。
▲敵の死角から攻撃をぶち込む気持ちよさたるや。これこそアクション+戦略性の融合です! |
戦闘で経験を積むことで習得する各キャラ固有の必殺技や呪紋は、事前に設定しておくことで、対応するボタンを押すだけで発動できます。1つのボタンに複数の必殺技などを設定することも可能。
エッジでいえば、“フラッシュ・ストリーム→サイクロン・ブレード→グラン・ザッパー”といった必殺技から必殺技への連続技を、同じボタンを連打するだけで繰り出すことができるわけです。
▲リンクコンボで自分だけのお気に入りコンボを手軽に繰り出せるのが気持ちイイ! |
“リンクコンボ”といえば、シリーズでは『SO1』より搭載されているシステムですが、これにより直感的かつシンプルな操作でド迫力のバトルが楽しめます。
敵に攻撃を仕掛ける、または相手の攻撃を食らうことで“ラッシュゲージ”が上昇。このゲージをMAXまでためると“ラッシュモード”を発動できます。
“ラッシュモード”中は敵の攻撃を食らってものけぞらなくなる他、動きが格段にスピードアップするのがポイント。これにより、敵の攻撃をものともせずに懐へと飛び込み、圧倒的なスピードで連続攻撃をたたき込むことも可能になります。
ちなみに、『SO4』では敵もラッシュモードになるんですよね。バトル中は相手のラッシュゲージにも注目してほしいところです。
▲身体からめっちゃオーラがほとばしるし、敵の攻撃とかものともしないし、「界●拳20べぇだぁーーーーーッ!」くらいの強さと気持ちよさが! |
また、ラッシュゲージが最大の時に、特定のコマンドを入力すると“ラッシュコンボ”が発動。ラッシュゲージを100%消費しますが、仲間と協力してリンクコンボをたたき込む超大技を繰り出せます。
劣勢を一気に覆すこともできる驚異の威力を誇るだけに、うまく使いこなした時の気持ちよさは極上!! ボス戦などで積極的に狙っていきましょう。
▲ラッシュコンボ中は、特定のボタンをタイミングよく入力することで、リンクコンボに設定してある必殺技や呪紋をたたき込めます。 |
プレイヤーのプレイスタイルやキャラの特徴に合わせて、戦闘スタイルを変更できる“BEAT(Battle Exalted Action Type)システム”。具体的には、下記の3つのスタイルを自由に設定することで、弱点を補ったり長所を伸ばしたりできます。
種類 | 効果 |
BEAT.S | ATK、INT、HITが上昇。育成することで“サイトアウト”関連のスキルを習得 |
BEAT.B | 最大HP、DEF、GRDが上昇。“ラッシュ”関連のスキルを習得 |
BEAT.N | ATK、INT、HIT、最大HP、DEF、GRDが上昇。多くのステータス補正を受けられる反面、スキルは習得しない |
▲戦略によって“BEAT”を使い分ければ、戦いはより有利に! |
今回、この記事を制作するために『SO4リマスター』をプレイし、シリーズの戦闘システムに革命をもたらしたバトルシステムの数々にあらためて触れてみました。
すると意外にも「じつは『SO4』って『SOA』の戦闘システムと似ている部分が多いな……」と感じる部分がいくつかありましたので、自分なりの主観も交えつつ、具体例を書いてみたいと思います。
まず、敵の視界を把握することの重要性。“サイトイン”と“サイトアウト”を使い分けあいながら戦うスタイルは、敵の正面から攻めるのか、はたまた背後を取る戦略が有効なのか、所持キャラのタレントなどを見ながら決める『SOA』と方向性が似ています。
“リンクコンボ”による圧倒的な必殺技ラッシュを決めていく爽快感は、チャージアサルトを絡めつつラッシュキャンセルをつなげて敵に連続攻撃を仕掛ける感触と似ていますし、形は違えど、仲間と一緒に大技をつなげていく“ラッシュコンボ”も存在します。
つまるところ『SO4』のバトルシーンは『SOA』の原点ではないか、と。もっと言ってしまえば、『SOA』を楽しんでいる人であれば、きっと『SO4』も楽しく遊べるのではないか、と。そう思う次第。
上記で説明したものの他に、リアルタイムでキャラクターをチェンジできるなど、戦略性の幅広さは折り紙つき! この『SO4リマスター』の発売で、少しでも多くの皆さんに本作を手に取ってもらえればうれしいです。それでは、今回はこのへんで!
※Steam版は日本時間では発売日が29日となります。
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