2017年12月21日(木)
セガゲームスがiOS/Androidで配信予定のRPG『D×2(ディーツー) 真・女神転生リベレーション(以下、D×2)』。本作の関係者向けインターナショナルβバージョンのレビューをお届けします。
『D×2』はアトラスが原作、セガが開発を担当する『真・女神転生(以下、メガテン)』の完全新作タイトル。スマートフォンで展開する基本無料の『メガテン』として、期待に胸を膨らませている人も多いのではないでしょうか。
前回、東京ゲームショウバージョンの体験レポートをお届けしましたが、今回行われたβテストでは、より多くの要素が体験できるようになっていました。
交渉や悪魔合体などファンが気になる部分を中心に、βテストでわかったシステムと遊んだ感触をお伝えしていきたいと思います。ちなみに画像はテスト版のものなので、キャラクターや悪魔などが仮の物になっています。ご了承ください。
やあ、こんにちは。ボク、『メガテン』シリーズが出ると仮病で仕事をサボり、速攻でバレるライター・まさんス。ファミコン時代からシリーズファンをこじらせすぎて、新作と聞くだけで速攻で飛びついたんスけど、本当に『D×2』楽しみですよね。チミ。
と、いきなり『デビルサマナー ソウルハッカーズ』のガイン君口調で始めてしまいましたが、さっそく遊んできました『D×2』β版! 今回は、ゲームの最初から正式版とほぼ同じ体験ができるようになっていて、1週間チマチマと遊び続けましたが、結論としては「『メガテン』シリーズのよさが詰まっている!」でした。
マジで楽しみで行きたいねイスタンブール。というわけで、何が『メガテン』らしく、シリーズファンの琴線に触れたのか。体験できたシステムを語っていきましょう。
▲ラップ調の主題歌に乗ってカッコよくアニメーションが流れるオープニングから、新しい『メガテン』の息吹を感じます。 |
ゲームを始めると、プレイヤーは謎の老人・エインヘリャルに導かれ、悪魔を召喚する存在“D×2(デビルダウンローダー)”として選ばれます。いわゆるバトルのチュートリアルなのですが、遊んでみてすぐに気づいたのが“ゲーム的な用語を徹底して世界観の中に落とし込んでいる”点。とにかく、世界観への引き込み方に気を配られているのが好印象なんですよ。
▲ゲーム開始直後の端末スペック計測ですら、ちゃんと世界観に沿った文章になっています。こういう気配りがうれしい。 |
▲『メガテン』シリーズでは、意外と少ないプレイヤーの性別選択。名無しの女性主人公を選べるのは『真・女神転生if』や『真・女神転生NINE』以来ですね。 |
バトルのチュートリアルを受けたあとは、ストーリーに沿ってゲームを進めていくことでさまざまな要素が解禁されていきます。覚えることが多い……というよりも、これからリリースされるゲームとは思えないくらいできることが多いのですが、段階を追って解説してくれるので安心です。
ちなみに、バトルはシリーズでおなじみの弱点をつくことで行動回数が増える“プレスターンバトル”です。『真・女神転生III ノクターン』から始まったこの傑作バトルシステムは、相手の弱点属性でダメージを与えるか、物理攻撃でクリティカルヒットを出すことで行動回数が増えるというもの。
逆に弱点を突かれると相手のターンが増えてボコボコになります。いかに相手よりも素早く先制攻撃をしかけ、行動回数を増やせるかがカギとなる仕組みです。
▲通常は行動するたびにアイコンが1つ減りますが、弱点を突くとアイコンが光って半分だけ残り、もう1回行動可能に。これがメガテニストを虜にしてやまないプレスターンバトルです。 |
シリーズファンならおなじみのシステムですが、実はちょっとだけ違う部分も。『真・女神転生IV』などのプレスターンは、弱点を突いたターンに再度弱点を突くことでターンが増えますが、本作ではアイコンが光って半分になった“ボーナスターン状態”で弱点を突いても行動回数は増えません。連続して弱点を突くよりも、ボーナスターンの間は回復や補助を行い、次のターンでまた弱点を突くほうがオトクなのです。
また、MPの最大値が低いのも独特。その代わり、行動開始時に毎ターン3MP回復するようになっているので、大技を撃つためにMPを貯める必要があります。いろいろ細かく変化しているので、これまでとはかなり違う戦略性になってきそうですね。
▲ボーナスターン(アイコンが半分の状態)中に弱点をついても行動回数は増えません。仲魔の並び順や弱点を突く順番も重要になっています。 |
なお、本作では主人公たちデビルダウンローダーが直接戦うことはありません。アイテムなどを使ってサポートすることはできますが、基本的には召喚した悪魔4体とフレンドの悪魔1体の計5体を1チームとして戦わせます。人間は戦闘に参加できない。『真・女神転生 デビルチルドレン(以下、デビチル)』に近いシステムですね。
『デビチル』と大きく違うのは、複数のパーティを使い分けられる点でしょうか。ストーリーモードは主人公チームだけが戦う場面も多いですが、その他のモードではテンプラドラゴンやメガキンなど、同じデビルダウンローダーの仲間たちと一緒に行動し、チームを交代させながら戦うことができます。
▲普段使うリーダーを変えることも可能。悪魔召喚の力を持つ仲間たちでチームを組んで戦うのは、ちょっと『デビルサバイバー』シリーズっぽい雰囲気。もっとも、本作は純粋なRPGですが。 |
バトルではオートバトルや倍速も用意されているので、テンポは完全に現代のゲーム。ちなみにフレンドの悪魔は完全オートで動きますが、ちゃんと弱点をついてくれるのでオートAIの思考能力も悪くなさそうです。
もちろん、悪魔との“交渉”も健在。頭に“TALK"マークの出ている悪魔と会話することで、その悪魔を仲魔にすることができるという『メガテン』シリーズ特有の要素がバッチリ再現されています。
▲悪魔と交渉して、仲間にするおなじみのシステム。要求されたアイテムを渡さないで失敗すると、「ううっそ、いやいやマジで」とヘコむアレです。ハアシノ質問ミ答エテミユ。 |
選択肢で交渉する点は従来の作品と同じですが、要求されたアイテムを差し出すだけですぐ仲魔になるので、テンポは格段によいです。ここら辺はスマホゲームならではですね。
テンポ的には、いきなり直接交渉が始まる『真・女神転生III』の交渉に選択肢会話を加えて、アイテムの交渉自体は1回で済むように早くなった印象。バトルと交渉だけを見ても、非常に『メガテン』っぽいプレイ感覚になっています。
【偽神協会】
『メガテン』の醍醐味(だいごみ)と言えば、やはり悪魔合体! 2体以上の悪魔同志を合体させて強力な悪魔を生み出す禁断の秘儀は、本作にも存在しています。
“偽神協会”と呼ばれる場所で行うことができる合体は“二神合体”と“多神合体”の2種類。二神合体は、2体の悪魔を合体させて新たな悪魔を生み出すもの。多神合体は、指定された複数の悪魔を合体させて特別な悪魔を生み出すものになっています。
完成する悪魔は合体素材のグレードによって決まり、プレイヤーレベル以上の悪魔は作れないというルール。また、合体を行うためにはクエストクリアなどで手に入る“マグネタイト”も必要です。
懐かしいですね、マグネタイト。消費したくなくて、主人公とヒロイン以外の仲魔をボス戦までCOMPにしまっていたり、顔色の悪いおっさんに売りつけていた時代を思い出します。
今回は、合体に使うだけなのでガンガン消費しちゃって大丈夫。悪魔合体はシリーズを知らないと使いこなすまで難しく感じるかもしれませんが、慣れれば簡単です。合体やスキル継承にハマると、いくらでも時間が溶けていく危険性は今回も高そうですよ……。
【召喚所】
さらに、本作はスマホゲームなので“ガチャ”にあたる“召喚”も存在します。しかし、これがちょっと変わっているんですよ。
召喚は、交渉で手に入る悪魔が中心の“通常召喚”と、☆3以上のレア悪魔を呼び出せる“高位召喚”がありますが、レア悪魔を手に入れたほうが必ずしも有利というわけではないのがポイント。なんと、高位召喚の悪魔同士は合体ができません! 高位召喚では強い悪魔がすぐ手に入る代わりに、絶対に“素体”の悪魔が出現しないのです。
▲高位召喚で呼び出した悪魔同士は合体できません。本作は、あくまでもプレイヤーによる育成が重要になっています。 |
本作で最終的に重要になってくるのは、合体と育成。レア悪魔よりも、スキル継承を繰り返して強化した悪魔のほうが、有利になりそうです。これは、スマホゲームだとかなり珍しいのではないでしょうか。
交渉や悪魔合体で強化していくことに重点が置かれているプレイ感覚は、今まで通りの『メガテン』。そのうえで、今回は合体以外にも育成要素が多く用意されています。
【万魔の社】
敵を倒してレベルを上げるのはRPGの基本ですが、本作にはそれ以外の育成手段が多く用意されています。それが“万魔の社”。この施設を使うことで、これまで以上に自由な悪魔育成ができるのが『D×2』の特徴と言っていいでしょう。
とにかく、いろいろできます。ダブった悪魔や弱い悪魔をイケニエにして、悪魔のレベルを上げる“捕食”。特定のクエストで手に入れた“霊子”を使って悪魔を覚醒し、パラメータアップ&覚醒スキルを使用可能にする“覚醒”。別の悪魔からスキルを移植する“継承”などなど……自分が気に入った悪魔をじっくり育てられる要素が満載です!
正確に言うなら、今まで悪魔合体時にデビルソースや〇×でスキル継承をしていた部分が、万魔の社に分担されたと考えるとわかりやすいでしょう。悪魔合体は新たな悪魔を作るシステム。万魔の社はレア度を上げたり、スキルを継承したり、パラメータを強化したりといった個々の育成ができるようになっています。
ぶっちゃけ、かなり細分化されたので、最初はやれることが多すぎて戸惑うかもしれません。逆に考えれば、好きな悪魔を好きなだけ、自由に育てられる仕組みが最初から用意されているということでもあります。悪魔を入手する手段もたくさんあるので、手軽なスマホゲームですが腰を落ち着けて本格的に遊べそうですよ!
ストーリーはネタバレなので詳しくは触れませんが、遊んだ部分だけでも現代的なネタがふんだんに使われていて、最近の『メガテン』らしさバリバリ。特に、ヒロイン……といっていいのかわかりませんが、テンプラドラゴン(梨花)さんの性格が最高だと思いました。早くリリースされて、みんな彼女を見てほしい!
▲「できるポンコツ」という感じのカワイイヒロイン“梨花”。 |
ユーチューバー的なメガキンや起きる事件の内容など、今の時代に合わせた“『メガテン』らしさ”がイイ感じです。仲間同士で殺し合ったり、大いなる意思的な物が出てくるのか。早く、ストーリーをもっと見てみたい!
じゃなかった。いけない、いけない、脱線するところだった。メインストーリーはクエスト制で、物語を読むのとバトルをするだけでサクサク進みます。キャラクターは軽いノリですが、いろいろ裏がありそうな場面も。
ロウ、カオス、ニュートラル、ライト、ダークの属性も存在しているので、ストーリーに影響してくるのかも気になります。『メガテン』といえば、世界が思いっきり崩壊するのも見どころですし、正直1週間の期限がなかったら最後まで遊びたいですよ。どういう展開するんだ! 気になるぞ!!
▲よく見ると、主人公のステータスにもニュートラルという属性表記が……。うーん、これは気になる! 最終的には仲間たちと殺し合う悪い夢、いや、いい夢が見られそうで期待しまくりですよ!! |
メインはアドベンチャー的に物語を読み進めていきますが、やり込み要素的な“アウラゲート”を選ぶと3Dダンジョンの探索も可能です。アウラゲートは入れる時間が決まっていて、開放期間中に探索してボスを倒し、地下へ潜っていくことになります。
▲アウラゲートはちゃんとした3Dダンジョン。アイテムを拾えたり、イベントもいろいろ起きます。そもそも、このダンジョンがどういう存在なのかも謎。最下層にはいったい何が……? |
また、ゲート内では戦闘で消費した体力が回復しません。他のキャラクターと一緒に潜れるので、交代や回復の泉を駆使しないとすぐ帰還する羽目に……。プレイ時間的にあまり深い階層までは探索できませんでしたが、これもまた、やりがいがありそうです。
▲『真・女神転生III』や『真・女神転生IV FINAL』でおなじみ、回復の泉のお姉さんも登場。今回もお世話になります。 |
というか、1週間のβテストでは全然遊びきれませんって! ミッションをこなしたり、施設をアップグレードしたり、曜日クエストで育成素材を集めたりと、最初から成熟したスマホゲーム並に遊べる要素が用意されているので、どれから手をつけていいのか、いい意味で悩んじゃいました。
『メガテン』らしさはもちろん、スマホゲームが好きな『メガテン』初心者も楽しめる内容になっているので、シリーズの入門としてもよさそうです。
▲育成用のアイテムを集められる曜日クエストやイベントクエストなど、ストーリーを進めることで解禁されていく要素も盛りだくさん。贅沢! |
▲マッカを消費して施設をアップグレード。細かい小目標が非常に多く設定されており、空いた時間にチマチマ進めるだけでも無駄になりません。 |
あまり話してしまうと遊んだときの楽しみを損なってしまいそうなので自重しますが、プレイした感想としてはシリーズを通して培ってきた“『メガテン』らしさ”を継承しつつ、しっかりとスマホに合わせた“セガ独自の『メガテン』”になっていると感じました。
頭にツボを乗せて全身が緑色になった邪教の館の親父や、二頭身なミコンの町の住人がいた頃の『デジタルデビルストーリー 女神転生』から、いろいろなシリーズをプレイしてきましたが、ノリも作風もこれまでにない『メガテン』で期待が高まります。
▲バトルで映る街の風景もリアル。セガの作品だからなのか、基本的にクラブセガの近くで戦っているのがおもしろいですね。こういうの好きですよ。 |
スタミナ性でクエストを受けるシステムやフレンドによるサポート、チャット機能や時間限定のクエストなど、基本の流れこそスマホゲームなのですが、その根底はしっかり『メガテン』。3D悪魔の見た目もカッコよく、自分もサービスが始まったらガッツリ遊んでみたいと思わせてくれる作品になっていました。
とりあえず、自分はマーラ、アリオク、ミジャグシ様辺りでパーティを組みたいし、サービス開始直後にいなくても実装されるだろうと考えるとパーティ編成の妄想が止まりません。
魔神マハラギオン(『真I』の小説に出てくる没データが元ネタの悪魔)とかも出してほしいな……。いかん、楽しみになってきた。というわけで、お願いですセガさん。早く、サービスをはじめてください! 待っている間、悪魔に肉体を乗っ取られぬように気を付けているので、早く!!
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