2017年12月9日(土)

【おすすめゲーム曲】『閃の軌跡II』『うたわれ』『アイナナ』他11作品から名曲・名盤をピックアップ

文:電撃オンライン

 音楽好きの編集者&ライターがおすすめの曲を語る連載企画“おすすめ曲カタログ”がスタート。ハイレゾ音源配信サイト“e-onkyo music”協力のもと、ハイレゾ音源(=高音質)で聴ける名曲の数々を紹介します。

“おすすめ曲カタログ”

 12月のテーマは“ゲームソング”。主題歌やBGM、プロモーションに起用されたタイアップ曲などさまざまな名曲・名盤をピックアップしています。曲名のリンクをたどれば試聴もできますので、気になる曲があればぜひチェックしてください。

※購入したハイレゾ音源を再生する際は、ハイレゾ対応機器が必要となります。ハイレゾ音源の再生環境についてはこちら

『閃光の行方』 文:たすん

“おすすめ曲カタログ”
アーティスト小寺可南子
作詞一二三恭
作曲Falcom Sound Team jdk
関連作品『英雄伝説 閃の軌跡II』

勇ましくカッコいい曲調&歌詞が超鳥肌もの!

 『閃光の行方』は、『閃の軌跡』の続編として発売されたPS3/PS Vita用ソフト『英雄伝説 閃の軌跡II』のオープニングテーマです。

 『閃の軌跡II』は、シリーズ2作目ということで1作目の『閃の軌跡』で謎だったところや、まだ未解決な重要なストーリーが明かされていきます。また、主人公のリィンと仲間たちが国を動かす大きな事件にかかわっていき、強敵、ライバルとの戦いでリィンたちが成長していく姿も描かれます。

 本音楽は、リィンたちの物語がとても感慨深く表現されている他、力強く生きるための術を教えてくれるような歌詞と曲調だと思っています。今でも、少し落ち込んだ時や悩んだ時に聴くと、頑張ろうという気にさせてくれるとても元気のでる1曲です。

 まだ、ゲーム本編を始めていないのに何度もオープニングを聴いてしまったことは今でも覚えています。激しく、かなりノリのいい曲調で、サビの盛り上がり方が特に素晴らしいく作曲されています。

 ハイレゾ音源では、ドラム、ベース、ギターの音がよりキレイでカッコよく楽しめるので、オープニングやストーリーの重要シーンなどが頭の中で鮮明に浮かび上がる感じがして、鳥肌が立ちました。

 ゲームをプレイした人はもちろんのこと、ゲームをプレイしていない人でも聴き入ってしまうようなカッコいい音楽なので、ぜひ一度は聴いてほしい音楽です。

 ちなみに、ゲーム本編は『閃の軌跡II』からでも遊べますが、本シリーズは壮大なストーリーで続いているので、前作の『閃の軌跡』から遊ぶと2倍3倍に楽しめると思いますよ!

『Why』 文:AO

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アーティスト絢香
作詞絢香
作曲西尾芳彦、絢香
関連作品『クライシスコア -ファイナルファンタジーVII-』

なあ――。俺、英雄になれたかな?

 ゲームには名曲がありすぎて、そうとう迷ったのですが「人生で1番泣いたゲーム」の曲として、『クライシス コア FFVII』の主題歌『Why』を挙げさせてもらいました。

 本作は、『FFVII』の重要人物であったザックスの過去を描いた作品。『FFVII』をやった人であれば、最後に訪れる悲しい結末はわかっています……。それでも、涙が止まりませんでした。

 ザックスの精神状態を表現したバトルシステム“D.M.W(デジタル・マインド・ウェーブ)”を使った、走馬灯のような演出は今でも心に残っています。消え行く意識の中で、最後に思い出したのは大切なエアリスとの記憶とか……もうね。最後の戦いの後、ザックスは自らの夢と想いを後に『FFVII』の主人公ととなるクラウドに託します。

 その時に流れたのが、この『Why』。「大切な人に対する思い」を込めた歌詞、しっとりとした演奏の中に響く力強い歌声、なんかもう自然と号泣していましたね……。あの時は、泣きたい以上に叫びたくてしょうがなかった気もするけど(笑)。

 ていうか、なんで最後のイベント戦闘は絶対に勝てない仕様になっているんだよ! 最後の結末を覆したくて、ザックスを限界まで鍛えて抵抗したのは自分だけでないと信じたい。めっちゃ“暗黒”を使いました!

 そんな思い出もあり、今でも『Why』はよく聴いている曲なのですが、今回はハイレゾ音源を聴けるということで、専用の機材を借りて改めて聴き直してみました。

 ……うん、やっぱりいい曲。曲の重厚感が増して、絢香さんの歌声がよりクリアに聴こえます。興味のある人は、ぜひハイレゾの『Why』も聴いてみてくださいね。

 ちょっと長くなりましたが、最後に言わせてください。ザックス、誰がなんというとお前は英雄になれたよ!

『A3! Blooming WINTER EP』 文:長雨

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アーティストVARIOUS ARTISTS(※複数のアーティスト)
関連作品『A3!(エースリー)』

華麗な推理劇の世界へ誘ってくれる1曲

 小説、ゲーム、ジャンル問わず、ミステリー作品が大好きです。意外な犯人、悲しい動機、名探偵の華麗な推理。そのすべてに、ドキドキしてしまいます。そのためやり込んでいるイケメン役者育成アプリ『A3!』で、推理劇が演じられるという情報を見た時は思わずガッツポーズをしてしまいました。

 『A3!』で育成するMANKAIカンパニーには季節の名前を冠した4つのユニットがあり、個性豊かなオリジナル演目を演じています。各演目には作品にぴったりの公演曲が用意されており、主演と準主演のキャストが歌唱を担当するのがお約束。

 今回ご紹介する『esの憂鬱』は、シリアスな芝居を得意とする冬組の第三回公演“主人はミステリにご執心”の公演曲となります。人気アーティストに楽曲を提供している中山真斗さんのメロディが、しっとりしながらもどこか怪しげな雰囲気を醸し出していてカッコいいんですよね。

 歌詞は公演内容とリンクしていて、しんみりしてしまいます。そして何より、有栖川 誉と御影 密の歌唱力の高さが衝撃的! 最近の役者さんは、多彩な方が多いなと改めて実感しました。

『ヌエドリ』 文:喜一

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アーティストSuara
作詞須谷尚子
作曲衣笠道雄
関連作品『うたわれるもの 偽りの仮面 & 二人の白皇』

新しい『うたわれ』の幕開けを感じた

 『うたわれるもの2(仮)』の発表から4年の歳月を経て発売された『うたわれるもの 偽りの仮面』。PV第2弾で『ヌエドリ』をバックに流れるオープニングアニメを見た時は戦慄しましたよ……! ああ、これが新しい『うたわれるもの』の世界なのかと。

 ちょうど発売時期が2015年9月の東京ゲームショウ終了後でしたので、満身創痍の状態でしたが、かぶりつくようにプレイしていたのを昨日のように思い出します。続編の『二人の白皇』もちょうど翌年の東京ゲームショウ終了後の発売でしたので、自分へのご褒美的な感覚でプレイしまくった覚えがあります(苦笑)。

 そう思うと2015年~2016年にかけて『うたわれるもの』を遊べたという感謝の念が大きいですね。ゲームの出来栄えも素晴らしかったですし、何より1作目から通してゲーム・アニメともにSuaraさんの楽曲を聴けたのも、非常にうれしかったです。

 ハイレゾ音源で聴く『ヌエドリ』は、多様な楽器で構成されていることを再認識させてくれます。さまざまな打楽器、弦楽器、管楽器が合わさることで生み出される、どこか民族音楽的なテイスト、荘厳な雰囲気、Suaraさんの力強くも訴えかけるような歌声が細部まで聴けます。

 ちなみに2018年4月26日には『うたわれるもの』の原点である『散りゆく者への子守唄』がPS4/PS Vita向けに発売されるとの報が! まだまだ、『うたわれるもの』ワールドへと遊びに行けそうです。

『Survivor』 文:イズミン

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アーティストMAN WITH A MISSION
作詞Kamikaze Boy、Jean-Ken Johnny
作曲Kamikaze Boy、Todd Morse、Kemble Walters
関連作品『ストリートファイターV』

ロックサウンドと熱い歌詞に闘志が燃え上がる1曲です!

 『Survivor』は、2016年2月に発売されたPS4/PC用ソフト『ストリートファイターV(ストV)』のイメージソングです。当時は同作のTV-CMにも使用されていたのがとても印象的でした。

 CMは、登場キャラクターの必殺技やコンボなどを確認できるシーンと白熱するeスポーツの大会の様子が、サビの部分とともに次々と流れていく内容で、見ていて「めっちゃカッコいい! プレイしたい!」とテンションが上がったのをよく覚えています。

 本楽曲は軽快なリズムやアッパーなメロディが特徴のロックサウンドとなっており、闘志に火を点けてテンションを上げてくれる1曲です。

 また、メロディだけでなく歌詞でもテンションを上げてくれるのが本楽曲の大きな魅力です。歌詞は、楽曲のタイトルにもある“Survivor”=“生き残り”になるために心を奮い立たせる内容となっており、聴いていると勇気がわいてきます。

 イメージソングとして使用している『ストV』との相性もちろんのバッチリですが、ゲーム以外でも何かに挑戦する時、負けられない勝負がある時にぜひ聴きたい1曲となっています!

『時の回廊』 文:ユート

“おすすめ曲カタログ”
アーティスト光田康典 & Millennial Fair
作詞鴫原ローラ
作曲光田康典
編曲光田康典、鴫原ローラ
関連作品『クロノ・トリガー』

『クロノ・トリガー』&『クロノ・クロス』ファン必聴のアレンジアルバム

 名曲ぞろいの『クロノ・トリガー』、『クロノ・クロス』の作曲を手掛けた光田康典氏によるセルフアレンジアルバム『ハルカナルトキノカナタヘ』。光田氏が厳選した10曲のアレンジが収録されている本アルバムから、『時の回廊』をピックアップします。

 オリジナルの『時の回廊』は、『クロノ・トリガー』に登場する世界の1つ“古代”で使われているBGM。幻想的ながらどこか切なさも感じさせるメロディが素晴らしいだけでなく、ストーリーや風景ともマッチしていて、SFCのBGMでありながら今なお多くの人々を魅了し続けています。もちろん、自分も含めて(笑)。曲名は知らずとも、ゲーマーなら一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。

 そんな名曲のアレンジバージョンである、本アルバムの『時の回廊』。なんと、ボーカルアレンジです。ピアノで奏でられる音楽と、特徴的なメロディに乗せて紡がれる英語の歌詞、鴫原ローラさんの澄んだ歌声がとにかく心地よく、安らかな気分にさせてくれる1曲に仕上がっています。原曲とは少し雰囲気が異なるものの、聴くほどに引き込まれる魅力があるような感じ。夜に1人静かに聴く、とかにも持ってこいかも。

 『ハルカナルトキノカナタ』のボーカル曲ですが、実は、原曲の『時の回廊』が使われた世界にいるキャラの1人と、『クロノ・クロス』に登場するキャラの1人がリンクしていて、その人物にまつわる物語が歌詞になっています。もちろん、本アルバムに収録されている『時の回廊』もその1つ。『クロノ・トリガー』と『クロノ・クロス』を遊んだことがある人は、ぜひこの点も意識しつつ聴いてみてもらいたいです。

『Dear Butterfly』 文:やままや

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アーティストMEZZO″
作詞真崎エリカ
作曲渡邉俊彦
編曲渡邉俊彦
関連作品『アイドリッシュセブン』

メインストーリーとともに味わってください

 iOS/Androidで配信中のリズムゲーム『アイドリッシュセブン』は駆け出しのアイドルグループ“IDOLiSH7”がライバルたちと切磋琢磨して成長していく青春ストーリー。なんて書くとサラッとしていますが、中身はとんでもなく濃厚で、腹を抱える笑いあり嗚咽するほどの涙ありの実に熱い物語となっています。冗談抜きに腹筋と涙腺が大変なことになるんですよ。イケメンがいっぱい出てきますが女性に限らず男性にもプレイしていただきたい内容のゲームとなっています。

 今回紹介する『Dear Butterfly』はこの記事を書いている時点でのメインストーリー最新話(第3部16章)を読むとゲーム内でプレイできるようになる楽曲です。曲単体で聴いてもタイトル通り蝶のように軽やかで華やかで前向きな気分になれる素敵な曲なのですが、できればゲームのメインストーリーの流れに沿って聴くことをお勧めしたいです。

 実は順次配信中の第3部が怒濤に次ぐ怒濤の展開で、『Dear Butterfly』がリリースされたタイミングではこの曲を歌っている2人が大変な目に遭っている最中だったりします。その話を知った上で曲を聴くと、歌詞の胸への響き方がもう全然違う。どんな思いで歌っているんだろうかとか、この先の展開はどうなってしまうんだろうかとかを考えると胸がキュッとなってたまらないので、ぜひメインストーリーをプレイしながらこの曲を味わっていただければなと思います。

 ちなみに『アイドリッシュセブン』は2018年1月からアニメの放送も始まるので、そちらからストーリーをチェックするのもありですよ。

『Fist Bump』 文:たく坊

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アーティストDouglas Robb from Hoobastank
作詞Douglas Robb
作曲Tomoya Ohtani
編曲Tomoya Ohtani、Takahito Eguchi
関連作品『ソニックフォース』

『ソニックフォース』のサントラが早くも配信開始! 『Fist Bump』を聴いて熱い展開を思い出そう

 音速の青いハリネズミこと“ソニック・ザ・ヘッジホッグ”が活躍する、『ソニック』シリーズ最新作『ソニックフォース』のオリジナルアルバム『Sonic Forces Hi‐Res Collection』が12月6日にe-onkyo musicで独占先行配信されました。

 本作では、美麗なグラフィックで描かれる“モダンソニック”と、2Dアクションゲーム時代がモチーフとなっている“クラシックソニック”、そしてプレイヤーの分身である“アバター”の3つのスタイルでハイスピードアクションを楽しめます。

 ここでオススメする『Fist Bump』は本作のテーマソングとなっており、“アバター”と“モダンソニック”によるゲーム中最速のアクション“W.BOOST”を使用した際にもBGMとして流れます。

 『ソニック』シリーズと言えば物語の展開とテーマソングが彩る熱いシーンが好評ですが、『ソニックフォース』と『Fist Bump』の関係も例外ではありません。憧れのヒーローと協力して体感できるアクションに熱くならないわけがないのですから。

 アルバム内には『Fist Bump‐Piano ver.』も収録されており、通常の『Fist Bump』とは違いゆったりとした曲調が楽しめる楽曲となっています。

 さらにアルバム購入特典には、過去作の『ソニックワールドアドベンチャー』のオーケストラテーマ『The World Adventure』とエンディングテーマ『Dear My Friend』のハイレゾリマスター音源も付属します。シリーズを通して遊んでいるプレイヤーは、ぜひアルバムを購入して一聴してみてください。

『SEVENTH HAVEN』 文:カズ

“おすすめ曲カタログ”
アーティストセブンスシスターズ
作詞kz(livetune)
作曲kz(livetune)
編曲kz(livetune)
関連作品『Tokyo 7th シスターズ』

これが、これこそが伝説のアイドル!

 “曲がいいゲーム”おなじみの『Tokyo 7th シスターズ(ナナシス)』より、セブンスシスターズの3rdシングル『SEVENTH HAVEN(セブンス ヘイブン)』をチョイスさせてもらいました。

 『ナナシス』の世界(2034年)において、セブンスシスターズは2年前に解散した伝説的なアイドルグループ。つねに圧倒的なカリスマ性を求められる大変な立ち位置にいながら、しっかりとその役割を果たしてきました。

 しかし、作中での彼女たちの人気はすさまじいものがあり、それを支配人(=プレイヤー)に実感させられる曲となると相当ハードルが高いわけで。1st、2ndシングルも素晴らしいのですが、個人的に「彼女たちのすごさを知らしめるにはまだ足りない」と感じていたんですよね。

 では、『SEVENTH HAVEN』はどうなのか? イントロだけで「これは神曲!」と伝わってきて、誇張抜きに鳥肌が立ちました。アイドル作品のテーマ曲なのにロックナンバーというのも尖っていてカッコイイし、メロディもめちゃくちゃアガります。MVにもiDOL-DESTRUCTIONという文字が出てくる通り“アイドルの枠をぶち破った1曲”なので、ぜひ聴いてみてください。

『英傑 ~ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦~』 文:Deep

“おすすめ曲カタログ”
アーティスト祖堅正慶
作曲祖堅正慶
編曲黒田賢一
関連作品『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』

“蒼天”を駆ける冒険の日々がよみがえる!!

 アルバム『Heavensward: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack』より、MMORPG『ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド』パッチ3.0のラスボス戦BGMです。

 このパッチ3.0のストーリーは、とても素晴らしいものでした。新天地“イシュガルド”は、千年続く“人とドラゴンの戦争”の渦中にあり、国内でも“戦争を力づくで解決しようとする教皇庁”と“強硬姿勢に異を唱える神殿騎士団”が対立しています。

 そんな混迷する世界で、時に仲間たちと笑い、時に悪竜に立ち向かい、時に戦友との別れに涙し、そして真なる和平のために戦いへと挑みます。

 今回選んだBGMは、この最終決戦“ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦”で使われている楽曲です。これだけの大冒険のラストバトルのBGMが、心に残らないわけないじゃないですか!

 もちろん、そんな思い出補正を抜きにしても、最高にカッコイイバトルBGMであることには変わりありません。この“荘厳でありつつも燃える曲調に仕立てている”のは、「さすが我らのサウンドディレクター・祖堅正慶さん!」といった感じです。

 しかし、自分は音にコダワリがあるタイプの人間ではないと思っていたのですが……ハイレゾで聴くと高音域のクリアさを如実に感じることができました。マジメに周辺機器の買い替えを検討しようと思います。

 正直『FFXIV』のBGMはいい曲ばかり(しかも、全部何かしらの思い出がある)なので、選ぶことそのものに苦労しました。「ビデオゲームでもっとも多くのオリジナルサウンドトラックを持つタイトル」という世界記録は伊達じゃないわけで。

 e-onkyoさんには、多くの『FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack』が配信されています。もちろん、『DISSIDIA FINAL FANTASY』など、他の作品でも使われているBGMの原曲も収録されていますので、ぜひ聴いてみてください。気に入る曲が絶対に見つかるはずです。そして、気に入る曲を見つけたら、ぜひぜひ『FFXIV』の世界にも遊びにきてみてください。MMOは、たのしいぞー!

『もうひとつの未来 ~starry spirits~』 文:斎藤ゆうすけ

“おすすめ曲カタログ”
アーティスト森口博子
作詞青山 紳一郎
作曲多東 康孝(TATOO)
編曲TATOO(多東 康孝)
関連作品『SDガンダム G-GENERATION SPIRITS』

繰り返す悲劇へのアンサーソング

 1979年に1作目が放送されて以来、ロボットアニメの金字塔として今なお新たな作品が制作され続けている『ガンダム』シリーズ。長きに渡る歴史の中で、さまざまなアーティストがテーマ曲を担当し、作品を彩ってきましたが、私のようなオールドファンにとって『ガンダム』の楽曲といえば、やっぱり森口博子さんなのです!

 シリーズ二作目となる『機動戦士Zガンダム』のオープニング曲『水の星へ愛をこめて』で歌手としてデビューされた森口さんはその後、バラエティアイドルとして活躍。1991年に『機動戦士ガンダムF91』の主題歌『ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~』がオリコンチャートを賑わすまでは、歌手というよりもタレントとして広く認知されていたと記憶しています。

 しかし、我々アニメファンは『ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~』がヒットする前から森口さんの伸びやかで感傷的な歌声に魅了されていました。

 デビュー曲はもちろん、カップリング曲で『機動戦士Zガンダム』の挿入歌でもある『銀色ドレス』、『エースをねらえ! 2』のエンディング曲『エンドレス・ドリーム』、『鎧伝サムライトルーパー』の後期オープニング曲『サムライハート』、そして、最大のヒット曲となった『ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~』……。

 どの曲も名曲ぞろいで、できれば1曲ずつ詳しい解説をしたいところですが、今回は森口さんが久しぶりに『ガンダム』ソングを歌うことで注目を集めた、ゲーム『SDガンダム G-GENERATION SPIRITS』のオープニング曲『もうひとつの未来 ~starry spirits~』を紹介したいと思います。

 PS2用タイトルとして2007年に発売された『SDガンダム G-GENERATION SPIRITS』は初代『機動戦士ガンダム』から『機動戦士Vガンダム』までの、いわゆる宇宙世紀を追体験できるシミュレーションゲームです。

 ファースト『ガンダム』の宇宙世紀0079年から『Vガンダム』の宇宙世紀0153年までの70年にもおよぶ作品世界の歴史において、繰り返され続けてきた戦争。終わることのない戦いの中で、森口さんの楽曲もまたその悲劇と未来への希望を奏で続けてきました。

 『もうひとつの未来 ~starry spirits~』はそんな繰り返される悲劇と、未来へ希望を抱きつつけてきた宇宙世紀を生きる人々へのアンサーソングともいえる楽曲となっています。

 「なぜ争いは終わらないのか?」そんな問いかけから始まり、小さな愛の強さを語り掛けてくれる情緒的な歌詞。それを、伸びやかな歌声で感情たっぷりに歌い上げる森口さん。宇宙世紀の『ガンダム』すべてを、刻を越えて駆け抜けるように、紡いでくれるこの楽曲。ハイレゾ音源で聴くことで、その繊細な声色から森口さんがいかに歌詞を噛み締め、深い想いを込めて歌っているのかがググッと伝わってきて、私も思わず涙してしまいました。

 ここに至って私はこの曲こそハイレゾ音源で聴くべきだと確信したのである! 諸君! 自らの耳でぜひこの曲を聴いていただきたい! そしてともに、宇宙世紀に殉じようではないか!!

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