2017年12月12日(火)
『DDON』ポーンの戦術育成やエピタフロード、課金要素を振り返る。3.1アップデートについて開発者が語る
カプコンがサービス中のPS4/PS3/PC用オンラインゲーム『ドラゴンズドグマ オンライン』。今回はシーズン3.0の振り返りと、12月14日に実施されるシーズン3.1についての開発インタビューをお届けします。
今回お話を伺ったのは、松川美苗プロデューサーと木下研人ディレクター。まずはシーズン3.0の振り返りとして、登場した戦甲種モンスターやポーンの戦術育成に対するユーザーの反応を受けての運営方針をお聞きしました。
その後、シーズン3.1で実装されるイービルアイや骸の将などについて語っていただきました。
なお、インタビュー中は敬称略。
シーズン3.0を振り返る
――戦甲種の敵に対するユーザーの反応はいかがでしたか?
木下:多くのご意見としては今までのモンスターと比較して、自分のアクション操作がしっかり反映される戦いという部分に関しては、喜んでいただいています。また、侵食魔と比べると、どのジョブでもバランスよく戦えるので、そこも好意的な声をいただいています。
一方で一部のユーザーさんからは「戦甲を破壊する行為自体が面倒」という声もいただいていますね。あとは「大型の戦甲種はいいけれど、戦甲グリムワーグが小さいのにタフ過ぎてつらい……」というご意見もありました。そのため、戦甲グリムワーグに関しては、戦甲部位をもう少し破壊しやすく改善しています。
――一撃で戦甲部位が白ヒビ状態になる戦甲へのカウンター特化ついては、ユーザーの方はどのくらい認識されているのでしょうか?
木下:シーズン3.0で新しく登場したモンスターなので、手探りで何が有効なのかを探っていただいているとは思います。Twitterやアンケートなどを見ると、通常のカウンター自体を知らないというご意見は少なかったように感じます。ただ、一撃で戦甲部位が白ヒビ状態になる戦甲へのカウンタースキルについては、発動するスキルが決まっていることもあり、知らない方もいらっしゃるようです。
松川:安定感のある戦い方というよりも、一撃で破壊する爽快感を重視したロマン要素になので、あえて詳しい説明を記載しなかったのもあるかと。ですが、さすがに知らない方が多いので、シーズン3.1ではスキルの説明文に追記しました。
――ロマンという意味で情報を出し過ぎないという意図があったんですね。
木下:情報をすべて出してしまうと驚きが薄れてしまうこともあり、前面には出しませんでした。また、戦甲種のモンスター瞬く間に倒れていくという爽快さを味わえる反面、それだけの強さを持つ要素でもあるので知る人ぞ知る要素として扱いました。
松川:基本は同じ戦甲部位を攻撃して、そこにヒールスキルを当ててというパーティー内の共闘を中心に楽しんでいただきたいという理由もありましたね。
――今までポーンのAI調整は一律に調整されていましたが、成長要素として加えた経緯を教えてください。
木下:まず、ポーンは最適解を選択し続けるより、特定のタイミングでストレスを感じないような調整が重要だと思い、一律でAI調整を続けてきました。しかし、それでも遊び方はユーザーの方それぞれで異なるので、細かい調整を行う場合には、一律調整ではまかないきれないものがあります。その理由から、ユーザーの方が細かい設定ができるようにシステムを導入しました。
松川:プレイヤーの方それぞれで、どのコンテンツを中心に遊ぶかは異なりますし、アクションが上手な方もいれば、私のように得意でない方もいらっしゃる。『ドラゴンズドグマ オンライン』をどのように遊んでもご要望が出てくる要素なので、個人で調整できたほうが便利ですよね。
木下:もともと『ドラゴンズドグマ』でもあった、ポーンと対話して遊ぶ感覚を求めている方もいたので、単純にアップデートでポーンが賢くなるのではなく、育成要素にしました。
――戦術育成を行うための経験値量が多いと感じたのですが……。
木下:そのようお声があることは把握しています。
松川:思ったよりも一気に成長させたい方が多くて、そこは想定外でした。そのため、シーズン3.1では経験値のためやすさと対話回数のストック量を緩和しています。
――シーズン3.0で課金要素が大幅に変更された印象を受けましたが、その意図を教えてください。
松川:まず、冒険パスポートに関しては、長期間利用していただいている方により便利さを感じていただけるように、冒パスポイントや無料トレジャーズロットなどのサービスを追加しました。また、それ以外のリミット解除やウォーミッションのポイント倍化などは、一部の方にご活用していただくことを想定してこのような形で提供いたしました。
課金形態を変化させたのは、お金をかけなくても『ドラゴンズドグマ』の世界観に触れられるようなバランス調整で運営したいという意図がありました。もちろん、皆さまのお声や開発と運営の相談を含めて、この形式で継続するかは考え続けます。
木下:シーズン3.0では経験値を稼ぎやすくして全員がゲームに追いつけるように整えつつ、リミット解除やウォーミッションのランキング上位者の特典など、必須にはならない嗜好性寄りの課金要素を導入させてもらっています。
松川:GMコースのときは72時間だったので、どうしても「72時間プレイしなければ損」という気持ちになってしまい、今コンテンツを遊ぶのであれば、ウォーミッションのような課金がよいかと考えております。
木下:話が少しそれますが、シーズン3.1でウォーミッションの開催状況と“獣の将”が出現する情報が、コンパニオンアプリで知らされるようになりました。
――そのコンパニオンアプリは、今後どのような機能が追加されますか?
松川:予定していた機能はすべて実装できたので、ユーザーの皆さまのご要望があれば、それを検討しようかなという状況です。
――アイテムの受け取りはできるようにならないですか?
松川:申し訳ないのですが厳しいですね。単純にストレージの管理の問題で、アプリ側で受け取ったアイテムを増やしてしまうと処理数が大幅に増えてしまい、サーバーへの負荷が大きくなってしまうという理由があります。
――エピタフロードで武器や防具をランダムで入手できるようにした意図を教えてください。
木下:もともと、エピタフロードはカスタムスキルEXを報酬のメインとして考え、取れる装備に関してはウォーミッションに参加する条件であるIRに影響がないようにしている設計的な理由が1つ。そして、それとは別に、8人で共闘する大規模コンテンツに参加しない、1人でコツコツとプレイする方に向けて最強装備のデザインを入手する機会を作ろうという考えもありました。そこに、やり込み要素としてランダム性を加えて遊んでいただこうとした結果、現在の形にいたりました。
しかし、僕が言うのもなんですが、ユーザーの方からすれば「自分が所持している武器よりも性能の高い武器が出るなら欲しい」という気持ちになるのは納得の結果でした。
松川:自分のメインジョブの武器が入手できないという悲痛な叫びですよね。わかりやすいストレス要因になってしまったと思います。しかし、シーズン3.1では改善され、エピタフロードの武器を作成できる素材が排出されます。
――初代王装備は2部位のみでしたが、これに関しての理由はあるのでしょうか?
木下:一度に全部位を実装するのではなく、シーズンごとに異なる部位を集める遊び方にしました。シーズン3.0ではそれが頭と腕だったというわけですね。また、シーズン3.0の初代王装備はシーズン3.1のものと比べると性能に差がありますが、同性能になるように強化が可能になります。もっと先の話をすれば、最終的にはシーズン3.3のレベルまで強化可能になりますね。
――ハイオーブの入手手段に変化はあるのでしょうか?
木下:現在はエピタフロードのハイオーブの入手量が10や20ですが、常設の入手手段なので、獲得量を増やしています。その他にも、シーズン3.0のラスニテ納骨廟のような時限式の入手場所も引き続き用意しています。
――ラスニテ納骨廟の開放サイクルに変化はありますか?
木下:ゲームの性質上、時限式で開放するような波はゲームのおもしろさとしてあってもいいと考えています。そのため、そこは残しつつ、先ほど言った常設のハイオーブ入手手段であるエピタフロードでの入手量を増やすという形で、ハイオーブの入手しやすさを改善しました。
――ジョブエンブレムのリセットが黄金石のみですが、こちらは改善されたりするのでしょうか?
木下:シーズン3.1以降になりますが、改善しようと計画中です。
――EMやGMの仕様が変わりました。こちらについて反応はいかがですか?
木下:エクストリームミッションは日課的なエンドミッションではなく、皆さんにクリアしていただく中盤の共闘ミッションとして立ち位置を再調整しました。攻略面ではクリア率は高いものの、大変だったという反応もいただいてしまいました。
グランドミッションはパーティーで遊べるレベリングコンテンツとしてリニューアルをし、再度遊んでいただける方が増えたことはよかったと思っています。ですが難易度や排出のバランス面で一部ご意見もあったため、検討させていただく予定です。
『ダークアリズン』から来たイービルアイは小さかった!?
――話は変わるのですが『DDON』で『ドラゴンズドグマ』シリーズに初めてふれたという方はどのくらいいるのでしょうか?
松川:アンケート結果から言うと、3~4割程度でしょうか。
――「『ドラゴンズドグマ ダークアリズン』から『DDON』にこの要素をもってきてほしい」などの要望はありましたか?
松川:私が確認した限りだと、ウルドラゴンや混合職が多かったですね。あとは、黒呪島に似た要素があったらなという要望もありました。『DDON』で実装したいと思いつつも、実装するとなると開発が難しいモンスターが結構いるのは事実です。実は、シーズン3.1で登場するイービルアイも本当はその中の1種類でした。
木下:イービルアイは浮遊、触手、ワープなど特殊行動が多いため、とても手が掛かる敵なんです。しかし、『DDON』のサービスを続けていくうえで、無視できない存在でもありますよね(笑)。担当ユニットとしてもそろそろ感を感じていたようで、実現に向けた準備期間を取ったうえで、イービルアイの実装につながりました。
――イービルアイは竜の眼という位置付けですが、シナリオに関わってくるのでしょうか?
木下:立ち位置としてはメインクエストではなく、エリアミッションで立ちはだかる敵ですね。竜の眼という設定もありますが、『DDON』においては王家アッカーシェランに古くから歴史があり、その王家が誕生したころからこの地に災いをもたらし、王がやっとの思いで封印したモンスターです。しかし、封印されていたイービルアイが、悪しき竜の影響によって呼び覚まされてしまいました。
松川:戦闘においては、フィールド全体を霧で覆い尽くして奇襲を仕掛けてきたり、石化光線を放ったりと、『ドラゴンズドグマ ダークアリズン』で倒した方が『DDON』のイービルアイと戦ったら「えっ!?」と思う場面もあるかと。
木下:余談ですが『DDON』はモンスターのサイズを大きくする傾向にあるので、オリジナルのイービルアイを『DDON』に持ってきた時に、サイズがすごく小さく見えるモンスターだったので調整しました(笑)。比較すると大きさの違いがわかるかもしれません。
4将の中で1番の怪力を誇る“骸の将”
――“骸の将”はどのようなキャラクターなのでしょうか?
木下:手に持っている巨大なスレッジハンマーからもわかるように、怪力が特徴となっています。また、骸骨系のモンスターを強引に操って覚者を襲わせたり、背中にある魔女の首を使って冥府から亡者の腕を呼び出し、覚者を足止めしたりと、厄介な攻撃を仕掛けてきますね。
しかし、一方的な攻撃ではなく、召喚された骸骨系の敵は残らずせん滅することで骸の将を弱らせることも可能です。物語では展望城を侵略した将軍で、シーズン3.1で最後に戦う敵となっています。
松川:ちなみに、覚者を足止めする攻撃は捕獲系に分類されるので、“ハンズオブゴッド”などでも防げません。
――また、タンク職が喜ぶ敵になりそうですね(笑)。出現するタイミングは“獣の将”と同じでしょうか?
木下:ウォーミッションの通常戦況ではまれに出現する他、特別戦況やワールドクエストでも出現します。
――引き続きウォーミッションに登場するんですね。ちなみにシーズン3.1のウォーミッションの内容はどのようなものでしょうか?
木下:砦の周囲が毒沼で囲まれており、まずは跳ね橋を掛けることになります。中に入ってからは呪符が配置されているので、それを壊すことで通常とは異なる突破口が広がったりしますね。前回のようにシーカーやアルケミストが活躍するルートもあるので、探してみてください。
――シーズン3.1のサブストーリーは、どのような遊びになっているのでしょうか?
松川:隠密行動で敵の戦力を少しずつ削ぎ落す内容になっています。その過程が重要で、すっ飛ばしていくと最後の局面で大勢の敵と戦うことになってしまいますが、要所要所で敵を倒していると敵が少ない状態で戦うことができますね。
カスタムスキルEXにあのスキルの名前が!
――カスタムスキルEXに“柄打ち”の名前があって驚きました!(笑)
木下:なんと申し上げればいいか複雑です……。スキルの使用率を見たときに“柄打ち”の使用率が低かったことと、シークレットコアや戦甲部位を攻撃する際に“柄打ち”を使っていただきたいという2つの要因からカスタムスキルEXに採用しました。
松川:すべてが“柄打ち”で網羅できる訳ではないので、敵の足元周辺や小型に有効くらいであれば現状問題ないかと(笑)。
――あとは“爆炎刃”もかなり気になりますね。技にすると空中で2回発動できるようになるのは素直にうれしいです。
松川:シーカーをプレイされる方は、もっと飛び回りやすくなったので、アクション面で楽しんでいただきたいです。
木下:シーカーは他にも“構え直し”で使用するスタミナ量も減らしています。より、空中での戦闘が気持ちよくなるジョブ、特徴が出るジョブにしたいので、このような調整を施しました。
――カスタムスキルEXは今後すべてのスキルに適用されていくのでしょうか?
木下:シーズン3が終わるまでには各ジョブ4種類のスキルをEX化していき、さらに残りのカスタムスキルに関しても徐々にEX化する予定です。ただ、新たなアクションの幅も広げたいので、バランスを見つつ検討していきたいと考えています。
――ちなみに、シーズン3.0でとくに反応がよかったスキルはありますか?
木下:まったく違うスキルに変化した“アースシェイク”は、反応がよかったですね。他には“ウォール・グラスタ‐技‐”にスタミナ回復が追加されたので、スピリットランサーをプレイされている方に喜ばれました。
シーズン3.0にも劣らないシーズン3.1を期待してほしい
――今後、初心者に向けた施策はどのようなものを予定していますか?
木下:リファイン要素として、装備の性能が100%反映されるような修正を加えました。というのも今までは、IR80の武器や防具をLv1で装備しても、純粋なその装備の性能は引き出せない仕様でしたが、それをリファインします。そのため、今までのシーズンよりも、ラクに駆けあがれるようになりますね。
あとは、パーティープレイ時でレベルが高い覚者とレベルが低い覚者が組んだ時に、レベルが低い覚者が得られる経験値に補正がかかっていましたが、これも緩和しました。
松川:その他のキャンペーンも随時実施予定です。
――読者の方にメッセージをお願いたします。
木下:シーズン3.1もコンテンツのボリュームやバラエティ感は落とさずに開発しています。また、そのなかでご不満をいただいてしまった部分はシーズン内に修正し、ユーザーの方に楽しんで頂けるように調整やリファインを行えるように努めて参りますので、ご期待ください。
松川:実は現在『DDON』を休止されてる方はレベル70前後の方が多く、そのような方がシーズン3.0に触れるためには少しレベルを上げる必要があると思います。しかし、シーズン3.1ではレベル79まで大量の経験値を獲得できる“スペシャルクエストボード”が毎日1回利用可能になります。
また、マンドラゴラ育成に新種が追加されたり、クラン拠点をクリスマス仕様に飾り付けできたりと戦闘以外の要素も充実させているので、一度レスタニアに戻ってきていただけたらうれしいです。
引き続きプレイさせている方にはイービルアイやウォーミッション、そして『DDON』らしいおもしろいアクションを追加していきますので、よろしくお願いいたします。
木下:言い忘れてましたが3.1ではこれまでにはない新たなコラボレーションを行う予定です! そして1月中には11番目のジョブの新情報をお届けする予定なので、ご期待ください!
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
※掲載内容は記事作成時のもので、アップデートなどで変更になる可能性がある。
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