2017年12月31日(日)
ほっこりキャラがたくさん登場するACT『Wattam』は『塊魂』高橋慶太氏の新作で2018年登場予定!
『塊魂』を作った高橋慶太氏が現在手がけているのが、ほっこりキャラがたくさん登場するACTの『Wattam』。PS4とPCで2018年に発売予定のタイトルだ。
ご覧のとおり、高橋さんらしいポップで個性的なキャラクターが印象的なゲームだ。ジャンルとしてはアクションで、物語は、なぜか長い間1人ぼっちだった主人公のMayer(町長)が、友だちを復活させていって世界がどんどんにぎやかになっていくお話。
先日、アメリカで行われたPlayStation Experience 2017の会場でプレイヤブルで出展され、多くのゲーマーがプレイした。印象的だったのは女性のプレイヤーが多かったことと、プレイした人がみんな笑っていたことだった。
発売元となるAnnapurna Interactiveのブースでは、『Wattam』のキャラクターに模した椅子が置いてあったり、キャラクターカードが配布されていたりと、かなり力の入った展示となっていた。
そんなわけで高橋慶太さんに『Wattam』について、ゲームをプレイしながらいろいろ聞いてみました。ちなみにですが、この記事の筆者は電撃PlayStationで連載している高橋慶太さんのコラム“電撃ゲームとか通信。”の担当編集でもあります。
⇒高橋慶太さんのコラム“電撃ゲームとか通信。”第105回全文掲載はこちら
高橋慶太氏インタビュー
――(プレイを始めながら)まずゲームの説明をしてもらえますか?
高橋慶太氏(以下敬称略):ゲームなんで説明するもんじゃないでしょう。野暮なこと言わないでください。なんか疑問があったら聞いてください。
――Mayerが暗がりにぽつんと1人で寂しそう。Mayerはなんで1人ぼっちなんですか?
高橋:ゲームを始める前にオープニングがあるんですがそこで説明されます。今回のバージョンには入ってないんですよ。
(画面を見ながら)Mayerを当てているスポットライトは、マルチプレイだと2人目はスポットライトを最初は操作します。
――Mayerが爆発した! みんな笑ってる笑ってる!
高橋:お話の説明すると、さっきの石を見つけるのと同時に人が戻ってきます。周りが明るくなったのは朝がきたわけじゃなくて太陽が戻ってきたからなんです。こうやってみんながどんどん戻ってくるお話です。
いまは、水と太陽が出会ったから芝生が生えました。こんな感じでキャラクターごとに能力があって、その能力でなんかしたりすると何かが起きます。Mayerは爆発が得意で、みんな爆発が大好きです。
――みんな「爆発してー爆発してー」て言ってますね(笑)
高橋:選択したキャラクターごとに音楽も変わります。
――話している言語が違うキャラもいますね? ハングルとかロシア語とか。
高橋:それは後々に違う場所が出てくるんですが、そこから来たキャラなんです。
――(Smellと表示された場所で)ドカーン! ドカーン! 爆発楽しい(笑) けど先に進まない……
高橋:ニオイ嗅ぐのはなんですか?
――鼻? あ、鼻かーーー!(鼻のキャラでニオイを嗅ぐ) 進みました!
高橋:すぐ気がつくかと思ってましたよ(笑)。今度はそのどんぐりをどこかに連れて行ってください。そして、みんなで手をつないで輪になって回ってください。
――みんなでぐるぐるするの楽しいですね! あ、木が登場しましたよ?
高橋:この木には登れますよ。木はほかのキャラを食べる能力がありますよ。全部のキャラを食べてみてください。
――あ、なんかテーブルが出てきました。
高橋:よかったですね、これで食べ物が食べられますよ。できることが増えました。
――口のキャラがいますね。みんな食べちゃいますね。あ、うんち! うんちになった! うんちいっぱい!(笑) うんちは食べられないんですか?
高橋:うんちは食べないでしょ?(笑) あ、みんなMayerに爆発して欲しがってますよ。
――あ、ほんとだ。ドカーーーン! みんな楽しそう(笑)
高橋:子どもを思い出してください。キャラはみんな子どもなんですよ。あ、トイレが来ましたよ。
――トイレでうんちを洗うと……金色になりました!
高橋:トイレはいろんなものをきれいにするので、ピカピカになります。
――なんかあれですね、やるべきことはありますけど、それはさておいてわいわいとキャラをいじってるだけで楽しいですね。
高橋:そうですね、クリアを目指さなくてもいいです。今回遊んでもらったのは春のステージですが、あと夏、秋、冬のステージがあります。
――2年前のE3で見たビルドの印象とはかなり変わってました。
高橋:あのときはほんとにやりたいことの何%もできていないまったくのデモだったので比較にならないです。物語もきちんと入ってきています。
――PSX直前の高橋さんのツイートで、「みんなをハッピーにするゲームを作ってます」というのがありましたけど……
高橋:あ、あれは、Mayerがため息をついている写真も載せて、それについて突っ込んだものなので、『Wattam』のことじゃないんですよ。
――そうだったんですか? そういうゲームなのかなと思ってプレイしてました。
高橋:まだ制作中のゲームだから、先入観なしでフラットで見てほしいです。
――ゲーム中はほとんど文字は出てこないんですね。
高橋:文字が多いとローカライズが大変になるので、というのはさておき、最低限の感情表現だったりは吹き出しで。ハングルだったりロシア語だったり、あそこの文字は自分が描いてます。開発チームは6、7人ぐらいなので、やれることはきちんと選んでやってます。
――プレイさせてもらった感想としては、さわっているだけで楽しいし、そうしていたらなんか目的もあってゲームも進んでました、みたいな曖昧な感じが心地よかったです。
高橋:曖昧なゲームを作るのって難しいんですよ。みんな目的がないといやだから。『Wattam』はフリースタイルで明確な目標はあわないけど、『塊魂』には時間制限もあって大きくしないといけないとか明確な目標はありました。
ゲームによってそこは変わりますね。ただ『Wattam』にもところどころにゲームにするための目標はあります。
――『Wattam』は子どもががちゃがちゃ遊ぶと楽しくやりそうですね。
高橋:子どもから発想は来ています。彼らの感情表現のコントラスト、泣いたり笑ったりの起伏が激しい。それが凄いなと思って影響を受けてます。複雑な感情表現もありますけど、そんなの必要ない。
――なんかデジタルの0と1みたいな感じですよね、子どもって。
高橋:0と1でも感情って表現できるんだってのが驚きで。『Wattam』を作っていてもキャラクターの気持ちがそれで伝わってくるんです。子どもが笑っているのを見るとこっちも釣られて笑っちゃいますよね。なんでだろう。そのへんもゲームとして表現できないかなーとは思います。
――『Wattam』をプレイしている人がみんな笑ってるのはそういうことかもしれませんね。
高橋:『Wattam』では"日常生活へのリスペクト"を意識してます。テーブルとか当たり前だけどないと困るじゃんとか。食べ物とか、みんな満たされているからありがたみが薄れてるけどなかったら困りますよね。
そもそもゲームができている人にそういう感覚はあんまりないかもしれない。というようなことを考えて作ってますけど、まだこのゲームがなんだ、という明確なものはできてないです。ジャンルはRPGです。アクションRPG。
――RPG要素はないですよね???
高橋:本来の意味でのRPGですね。ロールプレイするという。でもボスとかもいますよ。
――戦うわけじゃないですよね?
高橋:みんなを助けるゲームなので戦わないです。
――コラムでも書かれていましたけど、戦うことにもう飽きてるって。
高橋:戦うことが面白いのはわかりますけどね。今の大半のゲームはそれが基本になっちゃってますよね。
――『Wattam』はわかりやすいけどわかりにくいですよね。笑ったりするのは凄くストレートだけど、ゲームとしてはあえて今までの論法というのは崩しているというか。わかりやすい目標があってそれをクリアしていけばいいよ、にはなっていないというか。
高橋:でもそんなにわかりにくくはないですよね?
――はい、わかりにくくはないです。楽しい場所があって、なんかがちゃがちゃやってればいいんじゃない?みたいな。
高橋:自分で考えていくのが楽しいですよね。
――ではそろそろ。完成を楽しみにお待ちしております。
(C) Keita Takahashi