2018年1月12日(金)
マグノリアファクトリーが開発、1月より配信予定のiOS/Android向けRPG『ミラーズクロッシング(以下、ミラクロ)』。マスコミ向け先行体験会でプレイした本作のレビューをお届けします。
『ミラクロ』は2015年の発表以来、マグノリアファクトリーが開発を進めていたファンタジーRPG。シナリオの伊藤龍太郎氏や、楽曲を手掛ける音楽ユニット・Miliなど、豪華なスタッフが制作を手掛けています。東京ゲームショウ2015でも展示されており、電撃プレイステーションのインディーコーナーでも過去に触れたことがあるくらい、個人的にも楽しみにしていた1作でした。
この体験会では、リリース時に実装されているゲームの要素をひと通り遊ぶことができました。当日は、マグノリアファクトリーのクリエイティブディレクター・高橋秀明氏が登壇。ゲームの説明を直接聞きながら、冒頭部分からの試遊が可能となっていました。
さっそくゲームを始めると、最初に世界観を説明するムービーが流れます。製品版では、このムービーが流れている間にゲームのリソースをダウンロードする仕組みだそうです。世界観に関する説明を見ている間にダウンロードが終わるので、待たされている感じも受けないと思います。
高橋氏の説明を聞いたところ、バトルだけではなくシナリオにも力が入ったゲームになっており、海外ドラマのようにストーリーが交差する点と、ハイファンタジーの世界観になっている点がウリ。“ストーリーが交差する”という部分については、メインシナリオやキャラクターエピソード、イベントシナリオがそれぞれ単独で完結しつつ、密接に絡み合う構造になっていると説明がありました。
ムービーが終わると、チュートリアルシナリオがスタート。本作ならではのマスをなぞって戦う“陣形パネルアクション”のやり方がひと通り学べます。これは、3×3のマスのうち、3カ所をなぞる(スワイプする)ことで陣形が組み代わり、配置した場所によって攻撃する相手が切り替わっていくシステムです。
戦闘部分の動きについては、『ミラクロ』公式サイトで公開された映像を見るとより詳しくわかると思います。
横一列になぞるとパーティ全体で同じ敵を一斉に攻撃し、縦一列になぞると縦のラインに並んでいる敵をそれぞれが分散して攻撃する……といった具合に、なぞり方によって攻撃する相手が変わります。
装備している“精霊石”に対応したなぞり方をすれば、攻撃力アップなどのバフがかかる特殊な“陣形効果”も発生。コマンドRPG的な戦闘なのですが、リアルタイムで陣形を変化させていくアクション性も混ざったバトルになっています。
さらに、陣形はこの写真を見てもらうとわかるように、攻撃だけではなく回避行動も兼ねているのが特徴。敵の攻撃範囲が赤いマスで示されるので、そこを避けるようになぞれば、回避しながら攻撃できます。特に、ボスは攻撃範囲が広いので回避しながら戦うことが重要になりそうです。
以前、TGS2015で『ミラクロ』の開発版を体験した時もこの戦闘システムに可能性を感じたのですが、やっぱりよくできていますね。レスポンスも気持ちよく、陣形効果が切れないようにタイミングを考えて発動したりと、ちゃんと“考えながら戦っている感覚”を味わうことができました。
とはいえ、陣形をただなぞっているだけでは勝てません。ボスの中には全画面の範囲攻撃をしてくる敵もいます!
▲全画面攻撃をしてくるボス。なぞっただけでは回避できないので、別の方法でダメージを抑える必要があります。 |
この場合は、先ほど説明した“陣形効果”を利用して回避率を上げたり、各キャラクターに用意されている“アクティブスキル”を発動してダメージを抑えたり、回復したりといった防御行動がカギになります。
なお、アクティブスキルは、画面上部にあるキャラクターのアイコンか、パネルの上にいるキャラクターそのものをダブルタップすると選択可能です。基本的にリアルタイムで時間が動いているゲームなのですが、スキルの選択中は時間が停止するので焦らずに選べます。
スキル呼び出しの入力方式が2つある点は、個人的にうれしい部分でした。戦闘中は基本的にパネルの近くに指を置いているため、上のアイコンに指を持っていくのがうっとおしかったりするんですよね(※タブレット端末で遊ぶ場合には、特に顕著)ですが、ダブルタップでスキルを起動できるのは、9枚のパネル部分から手と目を離さずに済むので細かい部分ですが非常にありがたかったです。
スキル以外にもボス戦で主力となる“プリズムバースト(必殺技)”というシステムも忘れてはいけません。これは、画面左上にある3つのゲージ(クリスタル)をためることで発動できる強力な必殺技です。
ゲージ1つにつき1人が発動できるようになっており、3個貯めてから発動すると“フルバースト”が発動します。ボーナスで追加ダメージが入り、これを狙っていくことでより効率よく敵を倒せるようです。
▲陣形をなぞって回避しつつゲージをため、フルバーストで一気に削る。これが戦闘のキモになりそうです。 |
体験会なのでバランスについては言及できませんが、戦闘システム自体はしっかりと練られており、UIも特に不満がありませんでした。あと、個人的に推したいのですが、このゲームはミニキャラクターも見どころです。アクセサリーやちょっとした仕草まで、ミニキャラクターがすごく細かくて美麗なんですよ!
▲メニュー画面でキャラクターを長押しすると能力値とミニキャラクターが表示。ここでもしっかりと動いています。 |
▲キャラクターの全身イラストも見られます。レアリティに関わらず、キャライラストも全体的にクオリティが高いです。 |
チュートリアルのバトルが終わると、マイページ画面に移行します。ここで、初回10連ガチャとパーティ編成、装備についての解説を受けたあと、クエストに出るとチュートリアル終了。ここからは、自由にゲームをプレイできます。
なお、ガチャはキャラクターのほかに装備と精霊石が出るようになっていますが、チュートリアルガチャではキャラクターが1体以上確定で登場。ちゃんとパーティを組んで、冒険できるようになっています。事前登録特典やプレイでの報酬などと合わせ、無料でもすぐに30連分のガチャを回せるそうなので、序盤からつまずくようなこともないでしょう。
高橋氏によれば、キャラクターはリリース時に30人以上登場するとのこと。現在でも70人以上が完成済みで、随時投入されていくそうです。また、キャラクターを次々と増やしていく方式ではなく、完成しているキャラクターを1人1人掘り下げていくような流れを予定しているとも発言していました。
低レアリティのキャラクターでも、いずれ高レアリティのものが出る可能性があるのは、キャラクターに愛着を持って遊ぶタイプの人にとってはうれしいポイントだと思います。
▲リリース当初からキャラクターも豊富に用意されている『ミラクロ』。キャラのところに表示されている黄色い六角形は覚醒段階を表しており、好きなキャラクターを強化していけます。 |
キャラクターもそうなのですが、2015年から時間をかけて作られただけあって、リリース当初から大ボリュームなのもうれしいところ。やり込み用のエンドコンテンツ“四神魔討伐戦”や、キャラクターごとに4段階用意された“キャラクターエピソード”など、リリース時点で2,500以上のクエストが存在します。
メインシナリオも4章まで実装されており、新機能と合わせて随時追加されていくそうなので、プレイ初期のコンテンツ不足を感じることもなさそうです。
体験会では、チュートリアルが終わったあとに強いデータの入った端末でクエストやガチャを試せたのですが、そこで遊んだ“タイニー討伐戦”というコンテンツもよくできていました。
タイニー討伐戦は、全範囲に強力な攻撃を仕掛けてくるボスが登場するのですが、ここでカギを握るのが“パーツブレイク”と呼ばれるシステム。じつは、ボスには部位が存在しており、特定の部位を破壊することで強力な攻撃を封じることができるのです。
▲もっとも難しい上級クエストでは、タイニーの槍をパーツブレイクしないとジリ貧に……! |
タイニーの場合は、槍を壊すことで全範囲攻撃を一定時間封じられます。リアルタイムで攻撃を避けつつ瞬時の判断で部位を破壊して……と、とにかく戦闘が忙しいRPGなのですが、そこが魅力。一風変わったリアルタイムなバトルの楽しさが感じられました。
▲巨大なワールドマップがあるのもRPGらしさを感じられるポイントですね。ただ単にクエストを選ぶだけではなく、世界をめぐって冒険している楽しさがあります。 |
今回は体験会ということで、キャラクターや精霊石、装備の強化。覚醒まで体験することはできませんでしたが、こうした強化、育成もRPGのだいご味。装備も剣を3つ装備すればOKという物ではなく、ちゃんと武器、鎧、盾など、同じカテゴリーの物は同時に装備できないようになっています。
「効率を求めて強い剣ばかり装備する……というのもおかしいでしょう?」と高橋氏はコメントしていましたが、そんな部分にもこだわりを感じられます。
メインストーリーを4章まで進めれば、“錬金”要素が開放され、素材から装備を作り出す“錬金生成”や、同じレアリティの装備を合成してより強い装備を作り出す“錬金合成”が可能になります。
今回は1時間程度の短い体験会でしたが、基本的な要素はバッチリ体験できました。個人的には伊藤龍太郎さんのシナリオが楽しみなので、リリースされてからのメインストーリーが気になるところです。
配信は1月中となっており、この記事が掲載されてから、そう遠くないうちに遊べるとのこと。手間ヒマをかけてじっくり作られた本気のハイファンタジーとなっているので、ぜひ遊んでみてください!
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