2018年1月16日(火)
ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はNintendo Switch用ダウンロードソフト『ドラゴンファングZ 竜者ロゼと宿り木の迷宮』をお届けします。
『ドラゴンファングZ』は、入るたびにマップが変わるダンジョンに挑むローグライクRPGです。主人公が1回行動するとモンスターも1回行動するターン制となっていて、敵の行動を考えながらダンジョンを探索していきます。
手に入るものも毎回異なるため、いい武器や道具と出会って深く潜れるか、プレイヤーの引きと粘り、そして知識がものを言うタイトル。遊ぶ度に、モンスターや罠に気をつかいつつ、ランダム要素に対応しながらダンジョンに潜っていきます。
主人公は、竜人の女の子ロゼ。尻尾がカワイらしい竜と人とのハーフです。育ての親である妖精さんと一緒に、“時の宿り木”という異世界に迷い込んでしまいました。家に帰るため、たくさんのモンスターが待ち受けるダンジョンの最奥にあるという秘宝を目指します。
▲途中、ロゼを助けてくれるキャラと出会うことがあります。出会ったキャラは拠点で待っているので、賑やかになります。 |
ローグライクRPGでおなじみのシステムですが、ダンジョンの途中で倒れると、スタート地点に戻されてしまいます。この時、レベルは1に戻り、手に入れたアイテムも“倉庫”に送り届けたもの以外はすべて失うのです。時には、成果なく戻される冒険もあるかもしれません。
しかし、それでも繰り返し挑みたくなるんです! モンスターの行動やアイテムの活用法を覚えることでプレイヤー自身のスキルがアップしていくので、だんだんいい戦いができるようになっていくかと。
倉庫にアイテムを送り届けるための“倉庫行きの箱”も、毎回拾えるわけではありません。手に入れたら、無駄なく有効に使うべきです。筆者は、武器や防具を強くするアイテムを積極的に倉庫に送ります。鍛え上げた装備で、一気に攻略を目指す計画を立てているんです。武器や防具の種類が豊富なので、どの武器や防具を育てるのかも楽しい悩みどころ。
▲純粋に防御力が高い盾? 状態異常を防ぐ盾? 何を育てるのか、よく考える必要がありますね。 |
目当てのアイテム回収を目指しつつも、もしかしたら展開がよくて深く潜れるかも……という夢を抱いて毎回スタートします。たまに、序盤でいい武器を拾うなど展開に恵まれることがあるので、夢は膨らみ続けます。何度倒れても挑み続けたい! この、プレイヤーに食事や睡眠を忘れさせるほどの中毒性の高さが本作最大のおすすめポイントです。
ダンジョンには手ごわいモンスターがたくさん登場しますが、ときにはそのモンスターの力を活用することもあります。それが“ファングシステム”です。モンスターを倒すと、ときどき“牙”を落とすことがあります。これを装着することで、モンスターの能力を自分のものにすることができます。
ファングの装着枠は3つ。HPを回復するものや敵を状態異常にするもの、大きなダメージを与えるものなど、いろいろな種類があります。自分の戦い方に合うものを装着してください。
ファングは装着すだけでなく、“ささげる”ことでステータスアップなどの効果を得ることができます。ささげると牙はなくなってしまうので、装着するものとささげるものを慎重に選ぶ必要があります。牙の存在がダンジョンの進み方を多彩にし、奥深さをもたらしています。
▲牙は余らせたらもったいない! 持ちきれない時はささげてステータスをアップさせます。 |
順調に進んでいると思った次の瞬間、突然ピンチに陥る。これこそ、ローグライクの醍醐味です。踏んだらまずい罠、呪われていて外せない武器、敵だらけのモンスターハウス……などなど、いつどこでピンチに陥るかわかりません。その逆境に対して、知恵を巡らせて切り抜けるのが最高に気持ちいいんです。
さらに本作ならではの切り抜け方もあります。ロゼは、周囲8マスに障害物が何もない場所で戦うと“竜人結界”を展開してパワーアップします。つまり、広い場所で戦ったほうが力を発揮できるんです。敵が多いモンスターハウスを引いてしまった時の対処法として、真っ先に思い浮かぶのが通路に逃げ込んで1対1の状況を作る……ですが、広い場所のほうがロゼ自体は強いんです。ローグライクの基本戦法を覆すこのシステムのおかげで、これまでになかった戦い方が試せます。
▲ロゼのセリフ「私の勇気が試されている!」という言葉の通りです。広い場所に踏み出すかどうか、手持ちの道具などから判断しましょう。 |
ピンチは、ひとつのフロアに長居することでも起こります。1ターンにつき1減少する“竜の時”。この数字にも気を配る必要があります。フロアを移動すると150回復し、最大は500。この数字がゼロになると、一歩進むごとにHPが1ずつ減っていくんです。早く階段にたどり着くか、“竜の時”を回復するアイテムなどを使わなければ倒れてしまいます。
ターンはロゼが歩く、武器を振る、アイテムを使うなど、何らかの行動をひとつ行った際に経過します。フロア探索や道具の使用も、順番を考えて効率よくこなす必要があります。1フロアにがっつり滞在してレベル上げ……ということができないことが、逆に本作の手応えをほどよいものにしてくれていると感じました。
個人的にはローグライクの中でも難易度が少し高いと感じました。特殊な攻撃をしてくる敵や物理で殴るだけでは勝てない敵が、早い階層で出現する印象です。“竜の時”はわりとギリギリですし、1ターン1ターンを大切にしなければなりません。先へ進むために必要なのは、プレイヤーの知恵と勇気! ローグライクのプレイスキルを試すのにもってこいです! 1ターンをじーっくり考えるという、まるで将棋の長考のような楽しみ方もできます。
倉庫から持ち出した装備や道具を持って挑み、それを倉庫に戻すことなく倒れてしまう。そんな、心がポッキリ折れてもおかしくない状況が多々あったにもかかわらず、筆者はまだまだ挑み続けたい気持ちが冷めません。
これまでにいくつかローグライクを遊んだことのある人に、ぜひプレイしていただきたいです。プレイスキルがぐっと上がると同時に、ローグライク感が変わります。ただし、時間の奪われすぎにはご注意を。
(C) 2017 Toydea Inc. All Rights Reserved.
(C) 2017 Nintendo.
データ