2018年1月20日(土)
『D×2 真・女神転生リベレーション』直前レビュー。『D×2』が提示する新たなメガテンの未来とは?
アトラスが原作、セガゲームスが開発を担当するiOS/Android用RPG『D×2(ディーツー) 真・女神転生リベレーション(以下、D×2)』。まもなく配信となる今回は、リリース時のバージョンによるレビューをお届けします。
『D×2』は、悪魔を使役するD×2(デビルダウンローダー)となって、人類の敵と戦っていく『真・女神転生(以下、メガテン)』シリーズの最新作。スマートフォンで展開する基本無料の『メガテン』となっています。
前回、インターナショナルβテスト版の体験レビューをお届けしましたが、今回はβテストから変化した要素や、前回お届けできなかった要素についてお伝えしていきましょう。
ソーシャル要素をシナリオとシステムに絡めた『メガテン』らしい切り口に注目!
私はライター・まさん。コンゴトモヨロシク……。という訳で、お久しぶりです。『D×2』の時間がやってまいりました。前回、インターナショナルβテスト版をレポートしましたが、いやー、楽しみですね正式な配信。この記事が上がったときには、きっとみなさんもすぐに遊べるころだと思います。
実は、過去にも携帯電話アプリやソーシャルゲームでシリーズが展開されていたのですが、どれもサービスや配信が終わっていて寂しかったんですよね。特に、携帯電話の系列には『新約ラストバイブル』や『魔神転生 blind thinker』といった名作が多くて語ると止まらなくなるのですが、そんな携帯系『メガテン』の歴史に新たな1作! うれしすぎますわ。
今回、セガと手を組んだことでこれまで以上に大規模に展開しそうで、期待値がMAX。ホワイトメンだったら、逆の選択肢を選んでも「お前は現状の破壊に偏りすぎた……」みたいなことを言われて属性が確定してしまう感じです。何言ってんの、この人。
そんなわけで、早速ですが製品版と同じバージョンでプレイした感想を、いつものごとく『メガテン』好きすぎな自分(メシアきょうと・きょうしんしゃ的な存在)視点から語っていきたいと思います。もっとも、基本的な遊びのベースは“前回のレポート”と同じなので、まずはそちらをご覧ください。シリーズおなじみのプレスターンバトルに、現代的なテーマ(動画配信やVR、秋葉原の若者文化)を若者の視点から取り扱った物語と、いわゆる『メガテン』のエッセンスはしっかり散りばめられています。
前回のバージョンと大きく違ったのは、ガチャやジェム(いわゆる課金石)で買えるアイテムが使用可能になったことで、実際のゲームバランスと同じ体験ができたこと。物語のキャラクターイラストや演出が加わったことで、よりストーリーを受け入れやすくなった点でしょう。
▲Youtuber的なメガキンによるログインボーナスの画面なども正式なものに。ホーム画面のショートカットも増えてにぎやかな感じになりました。 |
特に、演出面の強化は大きいですね。前回のバージョンでは、ほとんどのキャラが仮画像としてメガキンになっていたのでシュールだったんですよ。いろいろなキャラクターの正式なイラストが入ったことで、話が頭に入りやすくなりました。キャラクターも話ながら立ち絵が細かく動き、パターンが複数用意されているのでしっかり個性を感じられます。
▲表情やポーズ、背景のちょっとしたカットインが加わり、物語がよりわかりやすく。フルボイスの力も大きいですね。テンプラドラゴン(梨花)さんのポンコツぶりが強調されて好きになってしまいそう。 |
主人公が選択肢を選んで物語に介入できるのですが、選択肢を選んだ結果で明らかに好感度のようなものが上下している演出もあり、ものすごく気になるところ。『メガテン』なので単純な好感度では済まなそうですが、残念ながらまだ詳細は不明でした。
▲選択肢の結果で、明らかに何かの値が上がる演出(正解っぽい選択肢だと↑のアイコンと音がなります)も。何に影響してくるのかわからないのがイロイロ怖い! |
あまり語るとサービス開始後の楽しみを奪ってしまうのでシナリオについて詳しくは語りませんが、全体的に“ソーシャル”が強調されており、それがシステムにも絡んでくるのがおもしろいところです。
ネットや最新のトピックスを絡めたメインストーリーはもちろん、フレンド登録した仲間の悪魔がパーティの5人目としてサポートに入るシステム。戦闘中に救援依頼が発生し、受けることで名声(いろいろなアイテムと交換できるポイント)が獲得できるシステムなど、ゲーム的な要素が物語と乖離してないんですよ。
▲戦闘中に救援依頼で他のプレイヤーを助けたり、逆に別のプレイヤーからサポートの攻撃が飛んできたりします。 |
物語も2章以降に進むと『D×2』の仲間たちがどんどん登場し、単純に群像劇として楽しくなってきます。個性的なキャラクターをしているので、もっと絡みが見たくなる。ここら辺のキャラを推す感覚は現代的ですね。『真・女神転生IV Final』で『メガテン』シリーズがうまく取り入れていた“仲魔”と“仲間”との絆を感じます。個人的にはリリンがいいキャラしていると思いました。
なお、前回はフレンド機能についてあまり触れませんでしたが、本作ではメチャクチャ重要です。っていうか、フレンドを戦闘に出すと味方のプレスターンアイコンが単純に1個増えるんですよ。これだけでも、メチャクチャおいしい。
弱点を突くことでターンが増える“プレスターンバトル”は、いかに相手より早く行動してターンを多く稼ぐかが重要。単純に最初からターン数が増えるだけで戦略が違ってきます。フレンドの重要度が高いソシャゲなので、積極的にフレンド登録したくなりますよ。
▲フレンドがいれば、5人パーティになってアイコンが5個に。サポート仲魔は勝手に動きますが、弱点を突いてくれるとうれしくなります。 |
ソシャゲということで、単純にどうなってくるのか気になっていたのですが“ソーシャル要素”をガツッと入れつつ、ゲーム性とシナリオの両面に昇華しているのは、とても“『メガテン』らしい”アプローチ。最初は理解することが多いのですが、いろいろと新しい部分と『メガテン』らしさがあってワクワクしっぱなしでした。
▲マップ画面のトイレマーク(クルクル回るいつものアレ)で、プレイヤーがたくさん表示されているのも新鮮。マップに出てくるコメントの編集もできます。自分は、こんな感じで信者っぷりを強調しながら遊ぶ予定。 |
合体を繰り返すよりも1つの悪魔をじっくり育成!? 『メガテン』的な要素を踏襲しつつも、ちょっと違う育成システム
『メガテン』といえば、悪魔の育成とバトル。本作でも会話によって悪魔を仲間にして合体し、新たな悪魔を生み出していくというシステムは健在です。ところが、ガッツリ遊んでみたところ、合体でガンガン悪魔を作っていくというわけでもなさそうなんですよ。むしろ、今回は“万魔の社”の存在が大きいです。
この施設では、スキルを継承する“継承”や、覚醒して★のランクを上げ、新たなスキルを解禁する“覚醒”。悪魔の部位に細かく装備して、ボーナスなどの補正がかかる“烙印”などなど、1体の悪魔をガッツリ育てられるようになっています。
これまでのシリーズだと合体でスキルを継承し、どんどん悪魔を作っていったのですが、合体ではスキルを受け継ぎません。あくまでも、新しい悪魔を入手する手段に過ぎないのです。もっとも、強い魔法を持っている悪魔がいないと辛くなるので進行度に応じた合体や悪魔の更新は必須ですが、育成から合体までのスパンがこれまで以上に長く、悪魔1体1体を育て切るのが重要っぽいです。
▲烙印を装備して能力値を底上げ。好きな悪魔をじっくり長く使えるのがうれしい。強い魔法を継承できれば、もっと長く使えるはず……。 |
当然、課金で強いパッシブスキルや耐性を持つ悪魔を召喚したほうが即戦力になりますし、ルシファーとか召喚所のバナーでチラチラ見せられたら、そりゃ引くってものですが、それだけではダメっぽい。前回、召喚した課金悪魔だけでは合体ができず、交渉で加入する〝素体”の悪魔が必要だと説明しましたが、ここがキモなのです。多神合体で作れる強力な悪魔は〝素体”同士でしか合体できないので、即戦力の課金悪魔ばかり充実していると合体が活用できなくなります。
召喚所では強いスキルを持った特殊なアーキタイプ(攻撃系スキルを持つ粗神や防御系を持つ防魔といった分類)の悪魔が手に入ります。素体のようにスキル継承をしなくても、最初から強い技を持っているので即戦力として便利。ただ、多神合体には使えないという悩みもあり、合体素材には不向きなので〝交渉”で手に入る素体悪魔も欠かせません。
合体で新たな素体悪魔を作って育成していくことと、課金で召喚できる特殊な悪魔を戦力に組み込んでいくこと。2つの要素が絡まりあって必然的にいろいろな悪魔を使うことになり、悪魔好きにはたまらない感じ。相手の弱点に応じていろいろな悪魔を用意するプレスターンのよさが味わえます。
▲合体で所持魔法が強い悪魔やグレードの高い悪魔を作れば、それらも戦力として十分活躍できます。好きな悪魔をじっくり育てましょう。 |
むしろ、いろいろな悪魔がいないと戦闘で困ることに。プレスターンバトルは、悪魔そのものの強さよりも攻撃属性や弱点属性の相性が大切だからです。たとえば、強い悪魔で組んだパーティでも、氷属性が弱点だとジャックフロストのマハブフ連発でジリ貧になりかねません。というか、油断しているとなります。
他のゲームでは事前登録の仲間だけを使っていれば楽なのですが、本作ではちゃんと属性を分けてパーティを組まないと厳しいことに。ハマ系ばっかり偏っても困るので、ちゃんと他の悪魔も入れましょう。プレスターンなので魔法が利かないと悲惨ですからね。無効化して相手のターンになると泣きを見ます。
逆に、こちらの悪魔が弱くても相手の魔法を無効化する耐性だったり、弱点であるアギ系を持っていたりすれば、一方的にボコれる。ここら辺はちゃんと『メガテン』。弱点属性はシリーズファンならわかりやすく、初見の人は何度もやられて弱点を探る楽しみが味わえます。初心者が象を物理で殴ったり、氷属性だと思ったアイツに思いっきり炎をぶつけたりする事故が起きたりすると思うとワクワクするホー!
スマホゲームなので攻略情報が充実するとは思いますが、個人的には初見で攻略情報を見ないで楽しんで欲しいですね。弱点を探りつつ、失敗してタコ殴りにあうのもプレスターンのだいご味。セーブデータが2時間飛んだりしませんし、失敗を恐れず戦いましょう!
レベリング用のクエストやスキルで育成の時短も! じっくりと長く、好きなペースで遊べる!!
じっくり遊んでみてわかったのですが、とにかくリリース開始当初から遊べる要素が多く、オートや倍速、レベリングクエストなど時間短縮やテンポにも気を使われているのが見て取れました。
戦闘はオート&倍速ができるうえに、なんと〝交渉オート”まであります。オートで戦いつつ、交渉できる悪魔がいたら自動で仲魔に勧誘してくれます。弱い相手なら、気軽にオートが使いやくてありがたいところ。
▲たまにヤバい交渉の選択肢もあるので任せっきりは危険ですが、交渉オートでガンガン仲魔にしつつ、敵も一掃してくれるのでオートが非常に便利です。 |
さらに、レベル上げ専用のレベリングクエストも存在。第1章の場合は、全属性が弱点のスライムしか出ないので、オートで殴っているだけで経験値がモリモリ入ります。合体後や覚醒後など、レベル1の悪魔が加入したら、レベリングクエストでレベル上げすればOK。レベリングクエストは2パーティ同時に出撃できるので、レベルが低い人間の仲間を鍛えることもできます。
おっと、言い忘れていました。本作は、主人公たちにもレベルの概念が存在します。直接戦うわけではありませんが、レベルが上がるとSPが手に入り、専用スキルを修得可能。仲魔の能力を底上げしたり、経験値の獲得量を増やせたりするので、好きな物を覚えていきましょう。
▲レベルアップで入手したSPを使うことで、主人公たちもスキルを修得します。スキルの効果で悪魔たちを強化していきましょう! |
全体的に、スマホゲームなので長く楽しめる要素がありますが、その本質はまごうことなき『メガテン』。シリーズのお約束的な弱点属性や魔法の有効性を知らない人はもちろん、わかっていても、なかなか歯ごたえがある感じのバランスがうれしいです。
隣りのザコがボスにタルカジャをかけてから、ボスがチャージ。次のターンでこちらを殺しにかかってきたり、全体属性魔法連発で防御できる属性がないとなぶり殺しにあったりと、ああ、最近の(プレスターン以降の)『メガテン』だわ……と。
▲おなじみの魔法に加え、ディアラなどの新魔法も。ボス戦に有効で強いスキルを探すのも、『メガテン』の楽しみです。 |
ここら辺、初めてシリーズに触れる人も多いと思うので、すぐに序盤の攻略記事を上げたいと思いますが、すごくプレスターンのだいご味を味わえて逆に好きなんですよ。理不尽ではなく、対策できる難しさ。
▲いわゆるミッションにあたる〝訓練”など、小目標も多いです。やれることが多く自由なのですが、その分序盤はチュートリアルが多いので、ちょっと窮屈かも。2章以降が本番ですよ! |
▲毎日、1回だけ買えるお得なセットアイテムもあります。時間さえあれば、課金が必須ではないタイプのゲームのようですが、つい買っちゃうかも。 |
これまで『メガテン』に触れたことがない人でも、遊んでみるとバトルのよさが伝わると思いますし、万魔の社の育成も複雑なように見えますが、じつはそこまで複雑ではありません。いい意味で『メガテン』よりも『ペルソナ』や『デビルサバイバー』らしさがあるシナリオ展開は、オカルト的なイメージが薄くて入りやすいと思います。
まもなく配信となる本作。あなたも一緒にリベレイターズとなって、アコライツとの戦いに身を投じましょう!
(C)SEGA/(C)ATLUS
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