2018年2月15日(木)
日本一ソフトウェアは、PS4/PS Vita/Nintendo Switch用ソフト『嘘つき姫と盲目王子』を5月31日に発売します。価格はPS4/Nintendo Switch版が7,538円(税込)、PS Vita版が6,458円(税込)です。
『嘘つき姫と盲目王子』は、少女に変身できる狼の化け物と幼い王子を主役にしたアクションアドベンチャーゲームです。
プレイヤーは、狼の化け物を操作して、異形の狼と少女の姿を使い分けながら、時に王子と協力して森の奥にあるという魔女の館を目指していくことになります。絵本のようなビジュアルや、風変わりな森を舞台にした謎解きアクション、異形と人間の交流を描いたドラマなどが、ゲームの魅力になるとのことです。
ある森に、狼によく似た人食いの化け物が住んでいました。その化け物は恐ろしい姿に似合わぬ美しい歌声を持ち、月夜の晩には誇らしげにその歌声を響かせていました。
しかし、その夜はいつもと様子が違いました。狼の化け物が小高い岩の上で歌を歌い終えると、どこからともなく拍手が聞こえてきます。
狼がそっと岩の下をのぞくと、身なりの良い少年がこちらを見上げていました。森のそばにある小国の王子が、狼の歌を聴きに来ていたのです。岩が邪魔で、王子からは狼の姿が見えていないようでした。
普段の狼ならば、すぐに王子を捕らえて食べてしまっていたことでしょう。しかし、狼は王子を見逃しました。それは単なる気まぐれでした。
それからというもの王子は毎晩、狼の歌を聴きにやって来ました。ふたりが言葉を交わすことはありません。けれども、いつしか狼は王子を食べようという気持ちを失っていました。
その夜も狼は王子に歌を聴かせていました。しかし、狼が歌い終えても拍手が聞こえてきません。不思議に思い足元をのぞくと、なんと王子が岩を登ってきているではありませんか。きっと歌声の主に会おうと思ったのでしょう。
自分の正体を知ったら、王子はもう歌を聴きに来なくなってしまう――そう思った狼は王子の顔に手を伸ばしました。目を覆い、姿を見られないようにするつもりでした。
しかし大きな爪がついた狼の手は、誰かに優しく触れるにはあまりにも不向きでした。狼の意に反して、鋭い爪が王子の顔を切り裂きます。突然の痛みと化け物の大きな手に驚き、王子は地面に落下し気を失ってしまいました。
王子の叫び声を聞きつけたのでしょう。お城の兵士たちが王子を助けにやって来ました。兵士たちに矢を射かけられ、狼は森の奥へと逃げ込むしかありませんでした。
王子はもう、狼の歌を聴きに来ません。狼の歌を褒めてくれる者など、この森にはひとりもいませんでした。きっと、そんな変わり者はこの先もいないでしょう。
やがて狼は、王子が盲目となったこと、顔の傷を忌み嫌った王族によってお城の塔に幽閉されていることを知りました。狼はいてもたってもいられず塔に忍び込むことにしました。
薄暗い牢の前で狼が目にしたのは、ぼろぼろの服をまとった王子の姿でした。醜い傷を隠すためでしょうか。顔には粗末な布が巻かれています。
狼の胸は痛みました。しかし王子の目を切り裂いたのは自分です。今更どう声をかければ良いのでしょう。
聡明な王子は、牢の前にたたずんでいるのが、あの美しい声の主であることに気が付きました。ですが、それが自分を傷つけた化け物だとは知りません。
王子の目が見えないのをいいことに、狼はとっさに嘘をつきました。
「わたしは隣国の姫。あなたのお見舞いに来たの。その目、森の魔女に治してもらおうよ」
狼は知っていました。森の奥には恐ろしい魔女が住んでいることを。代償を支払えば、彼女はどんな願いも叶えてくれるのです。
そう。王子を魔女のもとへ連れて行けば、彼の目を元通りに治してくれるはずです。
けれども自分は化け物です。こんな体で王子に触れれば、きっとまた傷つけてしまうに違いありません。狼は後で迎えに来ることを王子に約束し、森の奥にある魔女の館へと走りました。
王子を、あの冷たく寂しい牢屋から連れ出す“姫”となるために。
森に住む人食いの化け物です。自慢の歌声を魔女に捧げ、人間の姿を手に入れました。
魔法で少女の姿となった狼です。自分を隣国の姫と偽り、王子を連れ出します。そのため、王子に正体を知られるのを恐れています。
森に囲まれた小国に暮らす王子です。狼によって顔に深い傷を負い、視力を失ってしまいました。自分を傷つけた化け物のことを恐れています。
森の奥深くに住む魔女です。あらゆる願いを叶えてくれる存在ですが、そのためには自分が“最も大事にしているもの”を差し出さなければなりません。
『嘘つき姫と盲目王子』は、ステージクリア型のゲームになっていて、各ステージともNPCである王子を導いてゴールを目指します。
ステージ中に存在する花を集めることでサイドストーリーが解放される要素もあり、1度クリアしたステージに再挑戦してやり込む楽しみがあります。
また、行き詰まった時のためにステージスキップ機能が搭載されており、パズルやアクションが苦手な人でも気軽に物語を楽しめるとのことです。
グラフィック面では絵本のようなビジュアルとゲームの融合を目指した表現が行われ、イベントシーンは、声優による朗読と、絵本のページをめくるような演出が取り入れられています。
さらに、ストーリーパートの一部にはアナログで描かれたイラストが使用され、温かみのあるグラフィック表現で物語と世界が描かれます。
また、キャラクターやステージ、UIのデザインなど、ゲーム画面を構成する多くの要素がデザイナーの手描きによって作られているのも特徴です。アクションパートでは、クロスハッチングで表現された陰影、森の奥行きを感じさせる多重スクロール、柔らかな光の質感など、繊細な2Dグラフィックを堪能できます。
歌声と引き換えに少女へ変身できる力を得た狼ですが、少女の姿のままでは、道をふさぐ障害物をどかし、森に住む恐ろしい化け物から王子を守ることができません。
そこで困った狼は、王子が盲目であることから、触れさえしなければ自分が化け物に戻っても気付かれないと考え、2つの姿を使い分けながら、王子を魔女の館へ連れて行くことを考えます。
▲姫から狼への変身。ステージ中のギミックを攻略するため、2つの姿を使い分けていく必要があります。 |
そのため狼を操作するプレイヤーは、狼と姫、2つの姿を使い分けてステージのクリアを目指していくことになります。
強い脚と鋭い爪を持つ狼は、高い場所へ登ったり、障害物をどかしたり、森を徘徊する化け物を倒したりすることができます。
小さな体と器用な指先を持つ姫は、狼が入れない隙間をくぐり抜け、王子と協力して仕掛けを解くことができます。また、収集要素である花を摘むことが可能です。
そして、姫の姿の時だけ王子と手をつなげます。
手をつないで森の奥へ
森は狼にとっては見慣れたすみかでしたが、王子にとってはまったく見知らぬ場所でした。
盲目の王子がひとりで魔女の館を目指すなど夢のまた夢。
狼は王子の手を取り、一緒に歩くことにしました。
人間は非力です。
化け物ならば一晩で駆け抜けることができる道のりでも、姫と王子の足ではきっと何日もかかってしまうでしょう。
けれども狼は、新しく手に入れた体に大変満足していました。
この小さく柔らかな手のひらならば、王子と手をつなぐことができるのですから。
▲王子は、長い距離を1人で歩くことができません。手をつないでステージのゴールを目指しましょう。 |
やさしく切ない物語を独特のビジュアルで描く『嘘つき姫と盲目王子』。ゲームの世界がどのように作られていったのか、世界観や雰囲気などイメージを共有するために使用されたアートの何枚かを紹介します。
以下のイメージボードをじっくり見て、『嘘つき姫と盲目王子』の世界や物語について、さらに想像を広げてみるとおもしろいかもしれません。
▲世界観を共有するために描かれたイメージボードです。 |
▲森には人食いの化け物が数多く暮らしていて、人間が立ち入ることは滅多にありません。 |
▲森の地下に広がる洞窟です。 |
▲魔女が住む森です。木々の葉はすべて枯れています。 |
▲巨大なキノコが生える森です。 |
▲幽閉された王子と姫が出会うシーンを描いたというイメージボードです。 |
『嘘つき姫と盲目王子』を所定の店舗で購入すると、店舗ごとにオリジナルの特典が付属します。ここでは、店舗特典用に用意されたラフイラストを紹介します。
特典内容:オリジナルビジュアルブック
特典内容:描き下ろしアクリルキーホルダー
特典内容:描き下ろし大型布ポスター
特典内容:ファミ通DXパック
・描き下ろしB2サイズ タペストリー
・オリジナルブックカバー
・オリジナルマイクロファイバークロス
▲描き下ろしB2サイズ タペストリー |
特典内容:描き下ろしイラスト 2L判ブロマイド&100mm缶バッジ
特典内容:描き下ろしアクリルスマホスタンド
特典内容:アイテム検討中(描き下ろしイラスト使用)
Nippon.jpショップでは、『嘘つき姫と盲目王子』のキャンバスアートが付属する通販限定版を予約することができます。価格は、PS4/Nintendo Switch版が10,778円(税込)、PS Vita版が9,698円(税込)です。
キャンバスアートのイラストは、本タイトルの企画・キャラクターデザインを担当する小田沙耶佳さんが描き下ろしたものになるとのことです。
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