2018年2月20日(火)
【おすすめDLゲーム】『ブレイクアーツ2』のこだわり尽くせるロボカスタマイズが気持ちいい
ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回は、MercuryStudioさんが開発したPC用ソフト『BREAK ARTS II(ブレイクアーツ2)』を取り上げます。
『ブレイクアーツ2』は、ロボット(マシン)をカスタマイズして、その愛機を駆ってレースを戦っていくアクションゲームです。ロボット同士のレースなので、武器による攻撃でライバルを妨害するのもアリ。オンラインとシングルプレイでレースを遊べます。
とはいえ、本作のもっとも楽しい部分は、非常に自由度の高いマシンのカスタマイズです。ロボット好き、ロボカスタマイズ好きの人であれば、ああでもない、こうでもないと機体を組み上げるだけで、時間を忘れて没頭できると思います。
実際、カスタマイズだけに何時間費やしたかということが実績になっていて、筆者も気づいたら10時間経過の実績をアンロックしていました。まあ、実績は99時間まで用意されているので、まだまだ序の口ですが(笑)。
納得行くまでこだわれるロボカスタマイズの世界
カスタマイズの特徴として、本作はカテゴリごとにパーツを選択するシステムではなく、マシンの素体のようなものが存在して、そこに好きなモジュールを配置していく形式になっています。
例えば、ブースター系のモジュールがあったとして、それは決まった位置に配置されるのではなく、背中でも肩でも腰でも脚でも、あるいは工夫すればもっと別のやり方で、自分の好きなところに取り付けることができます。同じモジュールを複数使うことも可能です。
▲エネルギーを消費して高速移動するためのブースター。背中に付けるのがオーソドックスな気もしますが……。 |
▲腰に付けたり、脚に付けたりすることも可能です。性能は変わらず、デザインだけ変わるので、納得行くまでこだわれます。 |
▲あるいは背中、腰、脚の3カ所に付けたり……背中にゴテゴテとブースターを付けてしまったり。実践向きに調整できるかは要検討ですが、試せる幅が広いので楽しい! |
もちろん、機体の重量やエネルギーなど、レースの実用性を満たすためには数値的な考慮が必要になってきますが、デザイン的にはモジュールの配置上限を超えない限り、自分の好きな外観のマシンを自由に作れます。しかも機体だけでなく、武器までモジュールを組み合わせて自分好みにカスタマイズ可能です。
この自由度は本当に圧倒的。カテゴリ別にパーツを選択するカスタマイズより、自分で“作り上げる”感覚を強く体験できるので、ロボットに愛着やこだわりを持てる人ほど、どっぷりカスタマイズの世界に浸れるでしょう。
▲ごついバーニア風のモジュールを付けた機体。モジュールを複数組み合わせて、1つのパーツのように見せることもできます。このマシンは練り込みが大甘なので実用性は低いですが……(苦笑)。 |
▲上と同じモジュールを使って同じ性能のマシンですが、配置を変えるだけでデザインを変えることができます。なるべく上はスッキリした方が、レース画面は見やすいメリットもあります。 |
また、単に眺めて格好いいマシンを作るだけでなく、可動ジョイントというモジュールを活用することで、レース中の動きに合わせて機体の一部がどのように可動するか、といった部分までこだわれるのも大きいかと思います。
例を挙げると、下の画像のように翼のような複合モジュールをマシンに取り付けたとして、この翼は普段たたまれた状態で、ブーストを噴かした時だけ展開するようにしたいなぁと思ったら、可動ジョイントのコンフィグをいじることで、それが可能になります。
▲例えば、翼を持つような機体を作ったとして。この機体は、翼の根元にあたるモジュールが可動ジョイントになっていて、可動用のパラメータを調整できます。 |
▲動作条件は、ブースト時、オーバーライド(一定条件で発動できる超高速移動)時、左右の武器リロード時、構え時など非常に細かく設定できます。 |
可動ジョイントは、ジョイントの動作条件、動作開始時の角度、動作終了時の角度、可動する速度を設定可能で、何によって可動するか、さらに可動域や稼働するスピードを自分の好きに演出できます。
可動ジョイントはいくつか種類があり、例に挙げたものはシンプルな活用法にすぎません。自機にどういったギミックを施すかは、想像力や工夫次第でいくらでもアイデアがあるでしょう。まさに痒いところまで手の届く仕様で、ここまで細部にこだわれると、マシンのカスタマイズをしているだけで脳汁があふれてくるってものです。
▲今回は、通常時は翼を折りたたみ、ブースト時に展開するように設定。 |
▲試しにコースへ出ると、非ブースト時は翼をたたんだ状態で走行しています。 |
▲ブーストを噴かすと根元のジョイントが可動して、翼が徐々に展開。 |
▲可動を終了し、格好よく翼を広げます。テスト気に入らなければ、納得できる可動パラメータを探すのみ。それをできるのがいい……! |
機体デザインの自由度ばかり書きましたが、本作は機体の性能パラメータも詳細な設定があり、性能が変わればレースでの触り心地が変わってくるので、自分の手に馴染む機体、コースの特色に合った機体を作るのも、カスタマイズの自由度と相まって奥深いです。
しかも、性能を変えずにモジュールの配置だけを変えて、同じパラメータでも違うデザインの機体を組み上げることができます。
つまり、性能とデザインの両方について納得行くまでこだわれるので、本腰を入れて自分の機体カスタマイズを追求しようとすると、時間がいくらあっても足りません。ロボカスタマイズ好きであれば、「ほほう……ここまでいじらせてくれるのか」と思わず頬も綻び、気持ちよくプレイできるのではないかと。
▲カスタマイズは甘いですが、目下のメイン機体はこんな感じです。重量はかさむと操作しづらくなるので、左腕武器を犠牲にし、右腕武器の性能や非ブースト時の推進力を上げています。 |
レースは慣れるまで難しめ。リバースシフトで格段におもしろく
レースは、操作感がわりと独特で、慣れるまではコースの内側を真っ直ぐ走るだけでも苦戦すると思います。ちなみにレース中はXinput対応のコントローラを使用でき、ゲーム内のアナウンスでもコントローラでの操作が推奨されています。
▲収録されたコースは6種類。シングルでは、複数コースで競うグランプリ、手軽に遊べるクイックレース、オンラインランキングで競えるタイムアタックをプレイできます。 |
本作はレースでありながら、攻撃してライバル機を破壊(ブレイク)し、走行を妨害することも勝敗を分ける要素になってきます。
そのため、横並びでスタートするレース開始直後の駆け引きがもっとも白熱し、勇んで出過ぎれば後ろから集中砲火を浴び、慎重になり過ぎると出遅れるという、コツをつかむまでが難しい局面でもあります。
▲集団から抜けるためスピードを上げるタイミングはコースや相手によって違い、ちょっとでも間違えると無惨にブレイクされることもしばしば……。 |
すべてのレースに通用するわけではありませんが、個人的には、最初のうちは勝負を捨てるつもりで撃ち合いに付き合い、ライバルの様子を見ることが慣れるための近道かと感じました。
1位を取るマシンの動きを観察すると、スタート直後の撃ち合いからどのタイミングで抜け出すかなど、そのコースで仕掛けやすいタイミングが少しずつ見えてくるはずです。それを参考に、開始時の撃ち合いや抜け出した後の首位争いなど、局面ごとの立ち回りを考えれば、だんだんと勝率が上がってくると思います。
操作や立ち回りに慣れても苦手なコースがある場合は、カスタマイズを見直すだけでも全然結果が変わることもあります。これはカスタム機能のあるロボットゲームの醍醐味でもあり、カスタマイズのおもしろさと直結してうれしく感じるところです。
▲画面右側の表示がマシンの性能に関するパラメータで、見てわかる通り非常に細かいです。それだけに、コースに合わせたカスタマイズを考えるのは遊びごたえがあります。 |
また、本作はあらかじめメイン機とサブ機のマシン2種類を登録でき、レース中にワンボタンで切り替える“リバースシフト”というシステムが存在します。
例えば、メイン機は撃ち合えるマシンに組み上げておき、サブ機は攻撃面やシールド耐久値を捨てたスピード重視のマシンにしておくと、ライバルをメイン機で潰した後にサブ機で首位独走の体制をキープするとか、ブレイクされたらサブ機で追い上げるとか、いろいろな場面で使い道が出てきます。
▲どのような機体を用意し、どこで使い分けるか。リバースシフトは、カスタマイズ、バトル、レースとさまざまな遊びを兼ね備えた本作にマッチしたシステムだと思います。1人チームのような感覚もあり楽しいです。 |
そんな感じでレースにおける戦術の幅が広がり、2機のマシンを用意しておくことでカスタマイズの重要性も増すので、リバースシフトを活用するとプレイが格段におもしろくなってきます。序盤のレースはこの機能を使用できませんが、中盤以降のレースはリバースシフトを踏まえたカスタマイズ戦略とレース中の戦術が熱いです。
ロボカスタマイズ好きなら間違いなくおすすめ
原稿を書きながらプレイを振り返って思うのは、本作は自分のマシンを格好よく見せることにこだわり、とことん愛でられるゲームだということです。機体のデザインに関して自由度が高く、ディテールにはてしなくこだわれる仕様なので、ロボット愛がある人ほど、カスタマイズにハマれると思います。
▲こだわって作った機体を最後までいかにかっこよく見せるか、レースで上位に入った時のポーズを決めることもできます。 |
レースはオンライン対戦にも対応していて、ちょっとだけプレイできましたが、やはり人間同士だと撃ち合いが熱くなりますね(笑)。まだオンライン対戦を遊んでいる人は少ないですが、負けても勉強になる部分は多いですし、機会があったら逃さないほうがいいと思います。
本作は、ロボットのカスタマイズが好きな人には、間違いなくおすすめできる1本です。あまりその手のゲームを遊んだことがない人も、ロボットが好きであれば、新たな境地を開けるかもしれません。価格も1,480円(税込)とかなり手ごろなので、興味を持った人はロボカスタマイズの世界にどっぷり浸かってみてはいかがでしょうか。
(C) MercuryStudio All Rights Reserved. Licensed to and published by Active Gaming Media Inc.
データ
- ▼『BREAK ARTS II(ブレイクアーツ2)』
- ■メーカー:PLAYISM
- ■対応機種:PC
- ■ジャンル:アクション
- ■配信日:2018年2月9日
- ■価格:1,480円(税込)
- ※開発:MercuryStudio