2018年2月24日(土)

『エウレカセブン ハイエボリューション』BD限定版を開封。真っ白なアイテムには作り手の情熱が満載でした

文:てけおん

 2月23日に発売されたBD&DVD『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』。そのBD特装限定版を開封してみました。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』

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 本作は、TVアニメ『交響詩篇エウレカセブン』から12年を経て、新たにレントンとエウレカの物語を描いた全3部作の劇場アニメ『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の第1作目です。

 すべてのセリフが再構築され、新作映像と再撮影された映像で構成されているなど、実はかなりこだわりの詰まった作品なのですが(電撃オンラインの特集記事を読んだ方はおわかりいただけるかと)、このBD特装限定版もまた熱量が非常に高いアイテムとなっています。

 この記事では、実際にBD特装限定版を開封しつつ、特典などの魅力をお届けしていきたいと思います。

 さっそく開封! とその前に、まずはじっくりと外観をながめていこうじゃありませんか。手に持ってみると、500ミリリットルのペットボトルよりはズシッとくる感じです。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
▲オビをはずして、吉田健一氏描き下ろしのボックスイラストをじっくりと。

 レントンの今まで、そしてこれからをイメージしたようなボックスイラストとなっています。レントンの前後に倒れているのは、パイルバンカーでしょうかね? パイルバンカーを見ると、なんとなくTVシリーズ第25話“ワールズ・エンド・ガーデン”を思い出させます。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
▲レントンのジャケットの袖をイメージさせる赤。こちらはボックスの裏面です。一色だけでなく、上から下に向かってグラデーション仕様になっています。
『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
▲こちらは本で言う小口の部分です。収録アイテムが見えますね。左側の白一色の部分は、隙間を埋めるスペーサーではなく、特典のコンテ本です。

 こうして眺めてみると、“サマー・オブ・ラブ”コンテ本の存在感がすごいですね! それでは内容物を並べてみますよ

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
▲ボックスにはこれらのアイテムが収められています。右から本編Disc&特典Discのケース、サウンドトラックCDのケース、コンテ本(“サマー・オブ・ラブ”パート)、ブックレットです。

 内容物を並べての第一印象は「白い!」でした。描かれているのは吉田健一氏が描き下ろした2人のレントンとエウレカ、サマー・オブ・ラブのものと思われるブックレットのビジュアルのみ。

 『エウレカセブン』という物語のある意味始まりであるものと、主軸にあるものを描いただけの、シンプルかつわかりやすいビジュアルですね。そして裏返すと・・・・・・。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
▲サウンドトラックCDのケースにはアドロックのイラストが描かれています。こちらも吉田健一氏の描き下ろしです。

 レントンではなく、サマー・オブ・ラブ時のエウレカが描かれたサウンドトラックCDケースに描かれているのが、いろいろと想像させてくれる取り合わせですね。

 また、アドロックのみが写真のようにフレームでくくられており、10年前のレントンとエウレカ、そして現在のレントンがそうなっていないところも含めて、すばらしいデザインだと思います。では、本編Disc&特典Discを開いてみましょうか。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
▲こちらもやっぱり「白い!」

 左にメインディスク、右にボーナスディスクが収められています。本編については、特集企画のレビューに掲載しているので、そちらをご覧ください。

 特典ディスクには、本編ノンクレジット版や、劇場公開時の舞台挨拶映像、京田知己総監督×佐藤大氏×尾崎裕哉氏のクロストークムービー、そして各種MVが収められています。

充実の26曲を収めたサウンドトラック!

 こちらもやっぱり開封すると白一色といった感じです。ちなみに、ディスクをはずすと写真のように“そこに置かれていたディスクの名称”が書かれています。てけおんのようなずぼらな人間にはうれしい配慮ですね。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』

 さて、そんなサウンドトラックですが、個人的にはこのBD特装限定版の大きなポイントのひとつだと思っています。というのも、本作の劇中曲などは、このアイテムでしか聞くことができないからです。

 サウンドトラックは2枚組みとなっていて、1には本編で使われた劇伴曲すべてと、尾崎裕哉氏さんが歌う主題歌『Glory Days』のMovie Editionなど22曲を、そしてサウンドトラック2には、本作を彩るテクノ楽曲を収録しています。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
▲サウンドトラックの表紙には、“サマー・オブ・ラブ”時のエウレカの姿が。裏にはアドロックのイラストが描かれています。

サウンドトラック1収録内容

01.覚悟/佐藤直紀 12.蔑視/佐藤直紀
02.戦場の猛り/佐藤直紀 13.抗いの先/佐藤直紀
03.後退不可/佐藤直紀 14.嫌いと好きと怖い/佐藤直紀
04.怪奇現象/佐藤直紀 15.拠り所/佐藤直紀
05.英雄アドロック/佐藤直紀 16.アドロックの残したもの/佐藤直紀
06.後の世界/佐藤直紀 17.隠していた真実/佐藤直紀
07.レントン・ビームスという少年/佐藤直紀 18.襲来/佐藤直紀
08.レントン、その日常/佐藤直紀 19.事実と決心と/佐藤直紀
09.屈折と寂しさと/佐藤直紀 20.レントン・サーストン/佐藤直紀
10.微妙な距離/佐藤直紀 21.Glory Days Movie Edition/尾崎裕哉
11.家族の思いやり/佐藤直紀 22.予告/佐藤直紀

サウンドトラック2収録内容

01.Acperience 7/Hardfloor
02.Get it by your hands HI-EVO MIX/HIROSHI WATANABE
03.Get it by your hands & Acperience 7 OST用DJMIX/DJ:HIROSHI WATANABE
04.Get it by your hands HI-EVO MIX Beatless Ver/HIROSHI WATANABE

 個人的には『レントン・ビームスという少年』が、レントンの抜けたところも一途なところ、シリアスに行くのかと思いきや、それに徹しきれないところを表していて、とても彼に“似合う”曲になっていると感じました。

 そして、この映画のための曲と言っても過言ではない『Acperience 7』、チャールズのフェイバリットにして、TVシリーズでも印象的なシーンで使われていた『Get it by your hands』のHI-EVO MIX。これらが聞けるのは本当に、本当にうれしいところです。

 なお、公式サイトのサウンドトラックのコーナーでは、ディスク1から4曲を試聴することができます。佐藤直紀さんのサウンドを確認できるチャンスですので、まずはこちらをチェックしてみるといいでしょう。

本編の理解をより深めてくれるコンテ本&スペシャルブックレット

 このBD特装限定版に封入されている、2つの冊子を見ていきましょう。まずは、本編の冒頭で描かれる“サマー・オブ・ラブ”シーンのコンテ本から。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
▲こちらがコンテ本の表紙です。

 手に取ってみてまず思うのは「ぶ厚い!」ということ。このボックスの存在感を強くしているのは、なんといってもこのコンテ本でしょう。コンテとは、いわば映像を作るための設計図のようなもの。ファンからすれば、京田監督が何を考えて“サマー・オブ・ラブ”のシーンを作っていったのかを読む説くためのヒントがちりばめられたアイテムです。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
▲横から見ると、その厚さがよくわかります。

 “サマー・オブ・ラブ”のラストでアドロックがどんな気持ちであの表情を浮かべ、あのセリフを言ったのかなど、本編映像とあわせて読んでみるのがオススメです。

 続いてはスペシャルブックレットを見ていきましょう。こちらはコンテ本と比べてしまうと薄手に見えますが、詰め込まれた情報はものすごいですね。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』

 京田監督と佐藤大氏によるテキストのコメンタリーや、世界観からキャラクターなどの各種設定、TV本編の加筆・修正がどのように行われたのかがわかるような1冊になっています。

 本作の加筆・修正部分は本当に多くて、特にレイがめっちゃかわいくなっていると思うんですよ。レントンとチャールズの会話を聞いて、廊下に料理を落としてしまうところなんて、ビックリするくらい変わっているので、興味がある人は見比べてみてください。

 そしてこのブックレット最後のページ……。これはもうズルいとしか言いようがないですね。6枚の画像とわずか9行のテキストで構成されたいわば“『ハイエボリューション2』の予告”なんですが、6行目のテキストを読んだとたん、ちょっと涙腺にきました。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
▲さすがにネタバレ全開なのでモザイクで。これはぜひ、『ハイエボリューション2』を待つファンの皆さんに読んでもらいたい!

 この記事ではブックレットに何が書かれているかは言いませんが、『ハイエボリューション』を見て、ひとつ不安に思っていたことが解消され、早く次回作を見たい! と思わされました。

 と、BD特装限定版の開封レビューをお届けしてきましたがいかがでしたでしょうか? レビューやインタビューを通じて本作の魅力をお伝えしましたが、TVシリーズの映像を使った再構築モノだからという理由で見ないのはもったいないと思うんですよ。

 見どころたくさんの本編と、それをより深く楽しむためのアイテムが満載となったBD特装限定版。ぜひ皆さんも、この真っ白な収録アイテムが手垢で汚れるくらいまで楽しんでみてください。

『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』

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