『ソウルリバース』稼働記念インタビュー! 本作の魅力や『ソウルリバース ゼロ』との関係性に迫る
セガ・インタラクティブが贈る、AM2開発による完全新作の多人数ネットワーク対戦アクションゲーム『ソウルリバース』。
2月22日より稼働を開始した本作について、プロデューサーである酒井清隆氏、ディレクターの小田嶋大士氏、そして、『ソウルリバース ゼロ』のプロデューサー・平井徳一氏を迎えて行ったインタビューを公開!
▲左から平井徳一氏、酒井清隆氏、小田嶋大士氏。 |
『ソウルリバース』シリーズ開発の経緯
――セガ・インタラクティブが推進する“マルチデバイス×ワンサービス”のなかで、『ソウルリバース』シリーズはどのような経緯で企画が立ち上がったのでしょうか。
平井徳一氏(以下、敬称略):『ソウルリバース』という新規IPを立ち上げるにあたり、『ソウルリバース』というIPそのものを広く知ってもらうために、プレイヤーの数が多いスマホ版をまずはリリースして認知度を上げ、アーケード版を展開する流れを作ることにしました。
ほかのマルチデバイス×ワンサービスタイトルとは大きく違う点は、『ソウルリバース』という世界観を軸としつつ、それぞれが各プラットフォームに合った最高のコンテンツを作っていく、ということをコンセプトにしているところです。
双方のゲーム的なつながりをあまり強くせず、それぞれだけでも楽しめるような設計にしています。『ソウルリバース』シリーズというIPへの接点は、アーケード版でもスマホでもどちらでもよく、最終的に本シリーズを好きになってもらえたらうれしいですね。
――基本的なシステムが『ボーダーブレイク』に似ているように思われましたが、『ボーダーブレイク』に似ているシステムを選んだ理由とはどのようなところにあるのでしょうか?
小田嶋大士氏(以下、敬称略):10vs10でコア(神将)の攻防戦をするルールは、今なお色褪せないおもしろさを保つシステムだと考えているからです。そもそもとして、本作は"対戦、協力戦、ボス戦とさまざまな要素を一気に詰め込めないか”という、欲望丸出しの企画から開発がスタートしました。
その際、どれも叶えたいからベースがほしいね、ということから、一番慣れている『ボーダーブレイク』のシステムを採用したという経緯になります。このシステムは、対人戦がメインのゲームだけど、巨大なボス戦も楽しみたい、といった欲張りな欲求にもすんなりと応えられます。とくに“コアが移動する”というアイデアのおかげで、ゲーム前半と後半でまったく違った展開も実現できました。
平井:あのシステムのいい所は違ったプレイスタイルの人がランダムに入ることで、毎回違うゲーム展開になる点だと思います。あの場を提供さえできれば、プレイヤーの数だけおもしろいゲーム性が生まれる。そういう所に魅力を感じていますね。
――『ソウルリバース』というタイトルの意味を教えてください。
酒井清隆氏(以下、敬称略):意味としては“転生”で、英雄たちの魂を呼びだし、その力を宿して戦うというところからきています。再構築的な意味の“Re:birth”ではなく、呼び戻す力を借りるの意味の“Reverse”ですね。アーケード版のメインモードは“創世戦役”と呼びますが、神同士が世界を創り上げるところに呼び出されて、1人の先兵として戦っている世界観となります。
つまり、プレイヤー自身もある意味で“転生”をしているところがポイントです。このあたりのアーケード側の世界観については、少しずつオープンしていきたいと思っています。
――“協力プレイ”という点において、今後レイド戦のようなバトルも楽しめるようになるのでしょうか?
小田嶋:考えてはいますね。それが戦友共闘のフォローシステムに繋がっていたりします。そういった大型ボスをみなで倒すレイド戦の要素は、人数がそろいやすいと楽しいシステムなんですが、スタートするまでの待ち時間などを考慮すると、稼働の様子を見てから、という感じです。本作がプレイヤーに受け入れられて、共闘の要望も多ければ実装する可能性はあります。
――『Quest of D』や『シャイニング・フォース クロス』からの影響は受けていますか?
酒井:とくに意識をしているわけではありませんが、開発メンバーには『Quest of D』や『シャイニング・フォース クロス』の開発に携わった者も多くいるので、その血は受け継いでいる部分もあるかと思います。
困難を極めた10vs10の近接戦闘を可能とするシステム開発
――開発時のおもしろい、または苦労したエピソードなどをお聞かせいただけますか?
小田嶋:苦労した点でいえば、10vs10で近接戦闘を行えるようにするのはとてもたいへんな事でした。例えば『ボーダーブレイク』のような射撃メインのゲームの場合は、大まかにいえば弾丸が当たるかどうかの判定が主となっていますが、アクションゲームでは“ガードした”“攻撃を受けてよろけた”“回避した”といったヒット判定に関わるさまざまな要素を厳密に見る必要があり、開発の難易度が非常に高くなります。
かつ、全体的な速度が遅いと爽快感は減りますし、かといって速すぎると攻撃されている方があっという間にやられてしまいます。そのちょうどいい頃合の見極め、歩きで攻撃を避けられるのか、ガードできるのか、眷属兵のようなNPCの動きなどなど、そういった細かな部分の調整がとてもたいへんでした。
接近戦に重きを置いてるぶん、敵に攻撃をするため“追いつけなければならない”というバランス調整も難しかったですね。そのため、マップの広さ、副装備のあり方、コカトリスなど移動システムなどを練り込んで作り上げました。
楽しかったのは本作の必殺技ともいえる、“ソウルリバース”関連の制作についてですかね。みなで意見出しあって好き勝手に考えました。デザイナーやプログラマーは嫌がってましたけど(笑)。希望をかなえてもらえたぶん、おもしろくなったと思います。
例えば”モーガン”のソウルアーツは、スタッフから“敵をカエルにしたい”という案を出されて、作るのにすごくたいへんそうだったので、猛反対にあいました。しかし、それはおもしろそうだからと押し切って、制作を実現した経緯があります(笑)。
――本作ならではの魅力、おもしろさについて教えてください。
酒井:やはりタイトルにもなっている“ソウルリバース”ですね。一定時間、強力になって戦局を動かせるようになった瞬間が魅力かと。あとはデッキのカスタマイズが、やればやるほどおもしろくなっていきますね。使用する“ソウル”しだいで遊びの幅も広がりますし、何度やっても正解が見当たらないのが、奥が深く、楽しい点だと思います。
小田嶋:20人が集まったときに生まれるランダム性がおもしろさの1つかなと。多人数対戦のだいご味だと思っています。近接に特化する人もいれば、遠距離攻撃主体の人もいる。仲間の援護を考える人もいれば、防衛や妨害に主眼を置く人もいます。そういうプレイスタイルの入り乱れた環境がおもしろいと思います。
ロケテストを触ったプレイヤーの反応に対する解答
――昨年のお話になりますが、ロケテストでのプレイヤーの反応はどうでしたか?
酒井:とてもやりこんでいただいた方もいらっしゃって、やり応えのあるゲームになったかなと感じました。また初回無料プレイにしたことも功を奏し、“ちょっと触ってみようかな”と思っていただいた方には、触っていただきやすくできたかなと思いますね。
――ロケテストを触ったプレイヤーのなかには、スタミナ関係に不満を持った方もいらっしゃいました。現状のスタミナシステムを採用している理由と、それがある故にどのようにゲームがおもしろくなるのかについて教えてください。
小田嶋:『ソウルリバース』はマップが広いゲームなので、“追いかけっこ”が不毛になりがちです。いわゆる、ひたすら回避したり逃げ回ったりという状況ですね。
これは本当にストレスで、近接戦闘メインの本作で10vs10をやる上での最大の問題点でもありました。かといってマップを狭くしすぎることで、いろいろなことができるという楽しい部分をスポイルしたくもなく、そのなかでの1つの答えとして、持久力(スタミナ)を実装しました。
持久力切れという、あきらかなスキを作ることで相手に追いつける。もしくは持久力切れがあるから、スキを晒さないように動き方を考える。持久力が十分にあるなら、敵を追いかければいずれ追いつく。ないならほかの立ち回りを考えるといった駆け引きの1つにもなるため、その部分も楽しんでいただければ思います。
――移動速度が遅いのではないかという声もありました。現在のスピードに調整している理由を教えてください。
小田嶋:本作での立ち回りの重要な要素として、“神将を攻める/守る”というものがあります。移動スピードが速すぎればあっという間に神将が攻撃を受けてしまうため、その攻防がとても荒いものになってしまいます。
また、このゲームは“移動”にそれほど力点を置いていません。もちろん位置取りといった意味での移動はありますが、一番楽しんでほしいのは“戦闘”です。移動は思考をめぐらす時間と捉えてもらえたらいいかもしれません。
かりに移動スピードを上げたとしてもその速度にもすぐに慣れてしまい、より上のスピード感を求めます。このいたちごっこともいえる状況は、移動スピードそのものをアップすることでは打破できません。
そこで、局所的な戦闘に関しては、各種の硬直キャンセルのテンポ感を早め、スピーディなゲーム性にしています。また、こうした点を合わせて、それでも移動スピードを求めたいプレイヤーには、基礎能力の“敏捷”を重視した装備を選択することをオススメします。ロケテストでは初期装備のこのパラメータが低かったため、余計にそうした印象が強かったのであろうと推測できますね。
とはいえ、爽快感につながる重要な部分でもありますから、ダッシュ硬直や行動可能距離など、細かな部分ですがロケテストでの反応を受けて改善もしています。
『ソウルリバース』と『ソウルリバース ゼロ』の関連性について
――本作と『ソウルリバース ゼロ』の物語の関連性を教えてください。
酒井:時系列としては、アーケード版はスマホ版の後の話です。現時点では、ルーチェ、英霊(ソウル)、レリクスが共通な要素ですね。英霊のアーサーもスマホ版では若々しいですが、アーケード版は少し年齢が上だったり、ゼノビアやモルゴースのように同じ時間軸のキャラが登場したりしています。
また、クロウ・クルワッハはスマホ版ではボスとして登場しますが、アーケード版ではソウルとなって力を貸す存在になっていたりと、物語上での関連性が気になるポイントをたくさん用意しています。これらは、ゲーム上なのか読み物なのかはまだ決めていませんが、何かしらでお伝えしていきたいと思っています。
平井:未来の“if”がアーケード版と思っていただければ。可能性のお話ですね。『ソウルリバース ゼロ』の世界の先に、こういうお話があるかもと。
――アーケード版とスマホ版には同じキャラクターが登場しますが、表現がアニメ系とリアル系などと大きく異なる部分もあります。それはどのような意図があってのことでしょうか?
平井:あえてお互いの表現を近づけすぎず、『ソウルリバース』という世界観に幅を持たせたいいう意図からですね。
――ルーチェのアーケード版での位置づけの違いについてお聞かせください?
酒井:アーケード版では、この世界でのナビゲーターの役割として登場しています。じつは境界の浮島では顕在していますが、普段のバトル中では腰に付けたビンの中に入っているんです。なぜプレイヤーを助けているのか? なぜビンの中に入っているのか? これらも、今度少しずつ明らかにしていきたいですね。
――『ソウルリバース』と『ソウルリバース ゼロ』の連動企画は、どのような内容のものを行っていく予定でしょうか。
平井:『ソウルリバース』シリーズにおいての連動コンセプトとして、“どちらもやらなければ損を感じる”というような、重い連動企画には絶対したくないと考えています。それぞれのタイトルだけでも楽しんでもらえるコンテンツにしようと。ただ、もちろん両方プレイしたほうがお得になることには間違いありません。
――『ソウルリバース ゼロ』では、『ベルセルク』や『シャイニング・レゾナンス』、『戦場のヴァルキュリア』などとコラボ企画を行ってきましたが、アーケード版でもコラボ企画の予定はありますか?
酒井:まだ具体的な中身についてはお話できませんが、アーケード版もコラボ企画を予定しています。そのタイトルは今後公開していきますので、お楽しみに!
今後のアップデートについて
――今後のアップデートの頻度や、今度導入したいステージやギミックについて教えてください
酒井:アップデートの内容については、先日のJAEPOでも発表させていただきましたが、
春:“始まりの戦地”のスキップ機能など初期段階を遊びやすくなるよう改善
夏:“ソウル強化/武器防具の強化”を中心としたやりこみ要素を実装
秋:2タイトルとのコラボ企画を行う。『ソウルリバース ゼロ』とも共同で開催できるよう進行中
冬:“イベントモード”を追加して、期間限定型の遊び、もしくは、報酬獲得方法が変わるような要素の実装
などを予定しています。ステージについては、各バージョンアップで新しいバリエーションであったり、今あるものの配置換えなど、追加していく予定です。
――動画サービスについての予定を教えてください。
酒井:元々、ターミナルに対戦動画を取り出す機能を内蔵してありますので、時期を見て公開させていただく予定です。ただ、まず最初にゲームの中身をさらにしっかり作り上げてから着手しようと思っていまして、少々お時間をいただければと思います。
――スマホなどからアクセスできる、プレイヤーズサイトではどのようなことができるのでしょうか?
酒井:装備変更や倉庫整理などができます。あとはフォローやフォロワーの管理など、基本的な要素が網羅されています。
――それでは、最後に読者に向けてひと言ずついただけますでしょうか。
平井:『ソウルリバース ゼロ』側としては、本当に待ち焦がれていました! ようやく元々のコンセプトに沿った『ソウルリバース』シリーズが始まります!
今後は連動企画なども含めて、よいサービスを提供し続けらればと思います。なるべくなら両方遊んでいただければうれしいですし、それに対してお得な要素も作っていきたいと思います。もちろん、今まで通り片方だけ遊んでいただいても問題なく遊べるタイトルだと認識いただければ幸いです。
小田嶋:色んな要素を詰め込むことができ、プログラマーやデザイナーが苦戦したぶん、かなりクオリティの高い仕上がりになっているかと思います。ゲーム内容もスタッフの力で上手くまとめ上げられたタイトルですので、楽しんでいただければと思います。
酒井:私は本作の“戦友共闘”というシステムがすごくお気に入りなんです。友達と一緒に楽しむという要素は、遊びの原点だと思っているからです。ぜひ、お友達を誘って一緒に遊んでいただければうれしいですね。これからは『ソウルリバース』シリーズとして、みなさまが楽しんでいただける要素を展開していきたいと思っておりますので、よろしくお願いします!
――ありがとうございました!
(C)SEGA
データ
- ▼『SOUL REVERSE』
- ■メーカ:セガ・インタラクティブ
- ■稼働日:2018年2月22日(木)
- ■プレイ人数:最大20人(10VS10)