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2018年3月14日(水)

アニメ『妹さえいればいい。』オフレコ話が飛び交ったトークイベントをレポ

文:てけおん

 2017年10月~12月にかけて放送されたTVアニメ『妹さえいればいい。』。そのトークイベント“OAさえ済めばいい。~『妹さえいればいい。』酩酊ぶっちゃけ座談会~”が3月6日に開催されました。

『妹さえいればいい。』
『妹さえいればいい。』
▲イベントに出演した声優陣の写真です。

 このイベントは2部制となっていて、第1部では声優の小林裕介さん(羽島伊月役)と山本希望さん(羽島千尋役)、シリーズディレクターの玉村仁さん、キャラクターデザインの木野下澄江さん、メインアニメーターの青木慎平さん、設定制作を手がけたシルバーリンクの郡司一貴さん、原作小説の担当編集である小学館の岩浅健太郎さん、アートディレクションを手がけたBALCOLONY.の加藤祐太さんが登場。そしてバンダイビジュアルの田中プロデューサーが司会進行を担当し、動画配信も行われました。

 第2部ではゲストを入れ替え、小林さん、山本さん、岩浅さん、田中さんに加えて大沼心監督、原作者の平坂読さん、キャラクター原案のカントクさん、加隈亜衣さん(白川京役)が登場。よりディープな話が繰り広げられました。記事では、その一部をお届けしたいと思います。

『妹さえいればいい。』
▲会場となった新宿・ロフトプラスワンでは、作品にちなんだスペシャルメニューも提供されていました。メニュー名がとても『妹さえ』らしいですね。

 第2部で話題になったのは、原作小説第9巻で触れられたアニメ制作現場について。制作進行を担当する人間がいなくなってしまうことについては、大沼さんによると「ないことではない」そうです。また、入ってから2~3日の人間が気付いたらいなくなっていたこともあったそうです。

 アニメの制作現場についての話では、大沼さんが若いころの話なども飛び出しました。作業に追われていた当時、電話などで呼び出されることが多々あったそうですが、つかれきっていた時には電話を布団に突っ込んで無視したこともあったのだとか。

 この他、キービジュアル制作にまつわる裏話も明かされていました。

『妹さえいればいい。』
▲本作のキービジュアルは、実写とアニメのビジュアルが組み合わさった形で作られています。

 撮影された場所などについては、参加した人だけの秘密にしておきますが、かなり交通量がある場所。BALCOLONY.の加藤さんによると、納得いくものが撮れるまで何日間も朝の5時くらいにこの場所に来ては撮影していたそうです。

 他にもBALCOLONY.は、サブタイトル部分やボードゲームのプレイ中のシーンなどでデザイン面のアイデアを提供していたそうで、大沼さんは「アニメーターは絵を動かすことに特化した人間なので、なかなかああいうデザインはあがってこない。とても助かりました」と話していました。

『妹さえいればいい。』 『妹さえいればいい。』
▲サブタイトルや予告です。
『妹さえいればいい。』 『妹さえいればいい。』
▲こちらはボードゲーム中のシーンです。

 そして、放送当時ちょっと話題になっていた第9話のエンディングについても裏話が披露されていました。TV放送版では、制作陣や声優陣が“下着派か全裸派か”が書かれており、山本さんは“下着+猫耳派”となっていました。

 しかし、本当はもっと詳細にどんな派閥に属しているのか書かれていたのですが、長すぎたためにカットされてしまったそうです。BD BOXでは、修正されて山本さんが実際に書いた「女性には可愛い下着に猫耳さえあればいい!! 男性には黒いタンクトップに胸毛さえあればいい!!」の表記で記載されているとのことです。

 次に話題になったのが、アフレコ現場について。本作では性的な意味でかなりきわどいセリフが多かったのですが、お客さんからアフレコ現場の雰囲気がどうだったか知りたいという質問が上がっていました。

 すでに本作をご覧になっている方はご存知だと思いますが、中でもきわどいセリフが多かったのは可児那由多役の金元寿子さん。加隈さんは、そんな金元さんが堂々と那由多を演じている姿を見て、むしろ清々しい感じがしたと評していました。

『妹さえいればいい。』
▲こちらは第1話の那由多。毎回きわどいセリフが多いキャラクターでした。

 そして小林さんからは、『妹さえいればいい。』関連で演技した中で、特に大変だったセリフが挙げられていました。そのうち1つは第1話ラストの「さて、仕事するか」、そして第2話の「にゃんぱすー」だそうです。

『妹さえいればいい。』
▲第1話ラストの「さて、仕事するか」のシーンです。

 どちらもかなりリテイクしたそうですが、「にゃんぱすー」については山本さんが「リテイクを見るうちに、まわりも“どう演じるのが正解なんだろう?”と考えるくらいリテイクしていました」と話していました。

『妹さえいればいい。』
▲第2話の「にゃんぱすー」のシーンです。

 他にもさまざまなエピソードが開陳されていましたが、記事ではこれくらいにしておきます。イベントの最後のあいさつでは、声優陣を筆頭に、制作陣からも第2期を望む声があがっていた本作。今後の展開が気になる人は、第9巻で大きな動きがあった原作小説や、発売中のBD BOX上巻、そして3月23日発売のBD BOX下巻を購入してチェックしてみてはいかがでしょうか?

■TVアニメ『妹さえいればいい。』
【スタッフ】(※敬称略)
原作:平坂読(小学館「ガガガ文庫」刊)
キャラクター原案:カントク
監督:大沼心
シリーズディレクター:玉村仁
シリーズ構成・脚本:平坂読
キャラクターデザイン・総作画監督:木野下澄江
メインアニメータ―:青木慎平
プロップデザイン:泉美紗子
美術監督:坂上裕文
色彩設計:平井麻実
撮影監督:臼田睦
編集:坪根健太郎
アートディレクション:BALCOLONY.
音響監督:土屋雅紀
音楽:菊谷知樹
オープニング主題歌:『明日の君さえいればいい。』ChouCho
エンディング主題歌:『どんな星空よりも、どんな思い出よりも』結城アイラ
音楽制作:ランティス
アニメーション制作:SILVER LINK.

【出演声優】(※敬称略)
羽島伊月(はしま いつき):小林裕介
羽島千尋(はしま ちひろ):山本希望
可児那由多(かに なゆた):金元寿子
白川京(しらかわ みやこ):加隈亜衣
不破春斗(ふわ はると):日野聡
土岐健次郎(とき けんじろう):鳥海浩輔
恵那刹那(えな せつな):代永翼
大野アシュリー(おおの あしゅりー):沼倉愛美
三国山蚕(みくにやま かいこ):藤田茜

(C)平坂読・小学館/妹さえいれば委員会

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