2018年4月6日(金)
ゲームを快適にプレイするには、ハードウェアのグラフィックス性能やディスプレーの性能も重要だが、音の環境によってもかなり左右される。とくに、FPSではどこから弾が飛んでくるか、銃撃音の方向やかすかな足音でも認識できる解像感がないと厳しい。
FPSに限らず、音が鮮明で迫力があるほど、ゲームの臨場感は増し、高い没入感を得られる。そんな、良いゲームサウンド環境を手に入れるのに相応しいのがロジクールのゲーミングブランド“ロジクールG”のゲーミング ヘッドセットだ。今回は、7.1chサラウンド対応の『G433』とスタンダードな『G231』の2つのタイプを紹介する。
ロジクールGは、通常のロジクール製品と違い、eスポーツを中心にゲーミングのために開発された高性能、高品質の製品を揃えるブランドだ。サポートしているプロゲーミングチームのメンバーに実際使ってもらい、最適なデバイスになるよう調整されている。まさに全てのゲームをプレイするために生まれてきたデバイスたちなのだ。
▲『G433』はブラック、ブルー、レッドの3色が用意されている。 |
『G433』は有線接続のヘッドセット。実売価格は1万900円前後と有線タイプの7.1ch対応としては、割高ではあるがケーブルは着脱式で、複数の組み合わせでPCおよびPlayStation 4(PS4)やXbox One、スマホにタブレットといった、あらゆるデバイスで使用できる。
●『G433』の主なスペック
ドライバー | 40mm |
周波数特性 | 20Hz〜20KHz |
インピーダンス | 32 Ohm |
感度 | 107dB SPL/mW |
マイク周波数応答 | 100Hz-10KHz |
サイズ/重量 | 172(W)×81.7(D)×182(H)mm/259g(ケーブル除く) |
最近はUSBドングルを使って、手早く無線接続できるヘッドセットも多いが、ケーブルのわずらわしさよりも挿して使えるというシンプルな使い勝手が良いという人も多い。ケーブルが着脱式ならば、自分のスタイルに合わせてケーブルを変えて、手早くいろんなデバイスと接続できる。
▲PS4(左)やXbox One X(右)の場合は、コントローラーにあるイヤホンジャックにケーブルで接続して使用する。 |
▲PCのみならず、もちろんスマホやタブレットでも使用可能。軽量で着け心地も良いため、スマホゲームを長時間プレイしたり、音楽を聴いたりするのにも好適だ。 |
さらに、外側に疎水性に優れ、汚れにくい素材を使い、内側には通気性に優れた着け心地の良いスポーツメッシュ素材を採用したことで、蒸れにくく長時間プレイにも向いている。
▲スポーツ用メッシュ素材のイヤーパッドを採用。熱のこもりや汗による蒸れを軽減する。 |
加えて、パソコンで使用する際は、USB DACとロジクール ゲーミング ソフトウェアにより、各ゲームにさまざまなサウンドプロファイルをプログラミングできる。このように、これ1台であらゆるシーンでゲームを快適にプレイできると考えれば、決して高くない。
イヤーパッドは、マイクロファイバー製パッドも同梱されており、装着感によって使い分けることもできる。より柔らかな着け心地が好みならマイクロファイバーがオススメだ。
▲マイクロファイバー製バッドも同梱。装着感の好みによって変えられる。 |
重量は259gと軽量で、ヘッドバンド部分にはクッションがあるので着け心地は抜群。ケーブルは着脱式を採用。PCで利用するボリユーム付きのタイプ(2m)と、マイクの付いたモバイルケーブル(1.5m)の2本が同梱していて、使い分けられるようになっている。
▲右はボリューム付きのケーブル、左がマイク付きのモバイルケーブル。 |
また、マイクブームも着脱式なため、モバイルケーブル使用時はマイクブームを外した状態で利用可能。たとえば、外出先でスマホなどに接続して使う際はモバイルケーブルで、自宅でPCのSkypeやゲーム機のチャット機能で、クリアな音で音声チャットを行なう場合は、マイクブームでと環境によって使い分けられる。
▲マイクブームは変形可能で、最適な位置に調整可能。 |
▲ケーブルとマイクブームは取り外し式。 |
マイクブームは柔らかく可動するため、相手に声が聞こえ辛い場合など、簡単に位置を変えて調整することも可能。ケーブルやマイクブームなどは、すべて取り外しできるため、外に持ち出す際は付属のキャリーケースに必要なパーツだけ入れて、いつでもどこでも自分の好きなスタイルでゲームがプレイできるのもうれしい。
▲軽量なので持ち運ぶのもラク。キャリーケースも付属。 |
PCへ接続する際に使用する、マイクとヘッドホンのスプリッターケーブルと、7.1chサラウンドを可能にするUSB DACも同梱。『ロジクール ゲームソフトウェア』をインストールすることで、7.1chサラウンド『DTS HEADPHONE:X』を実現する。全方位の音像が認識できるので、FPSゲームには最適だ。ゲームやアプリごとにプロファイルを設定できるので、最適な音空間でプレイできるだろう。
▲スプリッターとUSB DAC。PCで利用する際は必須だ。 |
▲『ロジクール ゲームソフトウェア』とUSB DACを組み合わせると7.1chサラウンドを実現。 |
ドライバーは、40mmの『ロジクールPro-G アドバンスト オーディオドライバー』を搭載。周波数特性は20Hzから20kHzで、深みのある低域と、明瞭感のある中高域を実現している。マイクブームはノイズキャンセリング機能付きで、チャット時にクリアな音声を届けることが可能。ゲームのマルチプレイ時にすばやく連携を行なうにはチャットが必要なため、音声が聞き取りやすいことは重要だ。
▲40mmの『ロジクールPro-G アドバンスト オーディオドライバー』を搭載。 |
▲『G231』はブラックとオレンジのツートンカラー。 |
『G231』も『G433』と同様、熱がこもりにくく装着感の良い、スポーツ用メッシュ素材のイヤーパッドを採用したヘッドセット。こちらは、ケーブルの着脱ができないなど、『G433』よりも簡易的になっている部分もあるが、その分実売価格は5400円前後と安価。
●『G231』の主なスペック
ドライバー | 40mm |
周波数特性 | 20Hz~20KHz |
インピーダンス | 32 Ohm |
感度 | 90dB SPL/mW |
マイク周波数応答 | 50Hz-20khz |
ケーブル長 | 2m |
サイズ/重量 | 190(W)×94(D)×180(H)mm/263g(ケーブル除く) |
『G231』もPCのみならず、PS4やXbox One、スマホ、タブレットでも使えるようケーブルは、CTIA規格の3.5mm4極ミニプラグを採用。PS4やXbox Oneなどは、『G433』と同じくコントローラー側のヘッドセット用ジャックに接続すれば使える。
▲ゲーム機で使う場合は、コントローラーのヘッドセット用ジャックに接続すればOK。 |
▲イヤーパッドはメッシュ素材を採用し、脱着可能。 |
ドライバーは40mmの『ネオジウム ドライバー』を搭載。周波数特性は20Hzから20kHz。『G433』ほどではないが、低域から高域までバランスの良い響きをしてくれる。マイクは、ノイズキャンセリング機能付きで、折りたたみ式を採用。
▲マイクは折りたたみ式で、ブームは変形可能な素材を採用。 |
ケーブルはインラインコントロール付きで、ボリュームとマイクのミュートが可能。PC接続用のマイクとヘッドフォンのスプリッターケーブルが付属している。
▲PC用のスプリッターも付属。 |
実際に使用してみたところ、『G433』はUSB DACに接続した際の7.1chサラウンドの臨場感がハンパなかった。低音の響きも良好で、爆発音もリアルで恐怖が倍増した。
『G231』は音の明瞭感や低音の響きとしては『G433』に引けをとらないが、サラウンド感は『G433』が一枚上手といったところだったが、価格差を考えれば十分な性能だ。
▲着け心地は『G299』も『G433』とほぼ同等だった。 |
また、PC以外にPS4やXbox Oneといったゲーム機でも、その良質なサウンドは有効だ。PC以外ではどちらも2chステレオでの利用となるが、マイクを備えるためボイスチャットをしながらプレイするゲームに最適だ。
たとえば、今流行りの『モンスターハンター:ワールド』では、モンスターの唸り声や足音が明瞭に聞こえ、視界に入っていなくても、ある程度位置を捉えることができるため、攻撃を避ける動作が一歩早くなるといった利点がある。
また、ボイスチャットの音の明瞭感はかなり良好だ。ちょうどVer.2.0へアップデートしたことで、ますます盛り上がりそうなので、今から始めようという人にも持ってこいだ。
加えて、筆者が気に入ったのが、最近お気に入りのPlayStation VR(PS VR)用ゲーム『Moss』で利用したときだ。PS VRは360度の音像が体験できるが、付属のイヤホンではいまひとつもの足りない。今回の製品は、どちらもPS VRの本体に干渉せずに装着可能で、音質が向上し、臨場感が増すことでVRの醍醐味をさらに堪能できる。
『Moss』は主人公のネズミを操作し、謎解きしながら敵と戦い進んでいくアクションアドベンチャーゲームだが、森の中を進んでいくステージでは、遠くのほうで動物の鳴き声や風に揺れる葉っぱ、水の流れといった環境音の繊細さが増して、本当に夜ふけの森の中にいる気分になってくる。音も右に左に移動するのがしっかり認識できるし、映像もキレイなこともあり、没入感はハンパない。『G433』や『G231』に換えるだけで真のVR世界が待っている。
▲通常プレイでもPSVRでのプレイでも、ヘッドセットが快適。 |
余談だが、PS4で利用するときは、コントローラーにヘッドセットを接続する。その際、PSボタンを長押しして表示される設定で、“サウンドと周辺機器”の“ヘッドホンへの出力”を“すべての音声”にしないと、ボイスチャットの声しか聞こえないので注意が必要だ。音が鳴らないときはこの設定を確認しよう。
『G433』と『G231』はどちらも通気性の良いメッシュ素材のイヤーパッドを採用し、長時間プレイするには最適だ。音質的には若干『G433』の方が上だが、ゲーム機器での利用なら、コスパを考えたら『G231』でもアリ。
しかし、PCでの利用も考えているのであれば、USB DACで7.1chサラウンドを実現できる『G433』の方を推したい。PC以外にもゲーム機、スマホ、タブレットなどでも使えるので、これからだんだんと暑くなるこの時期に、快適にゲームを楽しみたいすべての人に、ぜひ検討してほしい。
(提供:ロジクール)
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