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2018年4月21日(土)

『ガンダムNT』が発表されたイベントをレポート。濱口優さん専用フェネクスのプラモデルが登場!?

文:たく坊

 4月20日に東京で開催された“ガンダムシリーズ新作発表会”。『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』の続編として劇場アニメ『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』が発表された本イベントのレポートをお届けします。

『機動戦士ガンダムNT』

 本発表会に出演したのは、声優の浪川大輔さんやお笑い芸人の濱口優さん、『機動戦士ガンダムUC』ストーリーを担当する福井晴敏氏、サンライズ代表取締役社長・宮河恭夫氏、『ガンダムNT』プロデューサー・小形尚弘氏です。

 なお、本イベントで発表された内容は別記事で掲載しているので、ぜひチェックしてみてください。

『ガンダムUC』の続編『ガンダムNT』が発表

 最初に登壇したのは、サンライズ代表取締役社長・宮河恭夫氏。宮河氏は、これまでの『ガンダム』シリーズで展開された“宇宙世紀”100年までの説明を行います。そして、本発表会の目玉である企画、宇宙世紀100年の先の物語を描く“UC NexT 0100(ユーシーネクストワンハンドレット)”と題し、その第1弾として『ガンダムNT』が発表されました。

『機動戦士ガンダムNT』
『機動戦士ガンダムNT』

 『ガンダムNT』では、『ガンダムUC』の1年後を舞台にした物語が展開されます。劇場作品『機動戦士ガンダム F91』は、宇宙世紀100年を超えた時代ですが、その先の物語も描かれるとのことです。

 『ガンダムNT』をはじめとした“UC NexT 0100”の展開として、ゲーム“GUNDAM New Tactical Game Project”も発表されました。詳細は後日公開されます。

『機動戦士ガンダムNT』

 その後、『ガンダムNT』の映像が公開。初代『機動戦士ガンダム』の映像から歴代作品の各シーンが流され、『ガンダムUC ep7』まで続きます。そこから『ガンダムNT』へとつながり、登場人物が多数登場し、“ユニコーンガンダム3号機フェネクス”が動く姿も収録されていました。

『機動戦士ガンダムNT』
『機動戦士ガンダムNT』

 映像の迫力に、会場全体が息をのんでしまいました。映像公開の後は、『ガンダムNT』プロデューサー・小形尚弘氏と『機動戦士ガンダムUC』ストーリーを担当する福井晴敏氏が登壇し、『ガンダムNT』を解説していきます。

『機動戦士ガンダムNT』

 小形氏から「“NT”はやはりニュータイプとかけられているのでしょうか?」と早速気になる質問が福井氏に投げられ、「もちろん、それにかけていることもありますし、ナラティブには“語る”、“編集する”、といった意味があります。『ガンダムUC』でも大きかったところなんですが、今まで宇宙世紀の中でニュータイプ神話というものが語られてきたので、そこに1つ句読点を置く、そういう作品を目指していきたいです」と、ファンが気になるポイントをトーク冒頭から解決していきます。

 スライドで登場人物たちの画像とともにキャラクター解説が行われ、“幼なじみ3人の物語”であること、『機動戦士ガンダムZ』で聞き覚えのある“ルオ商会”などについてが語られます。

 また、「3人は幼なじみのはずが、1人“リタ・ベルナル”だけ2人に比べてとても幼いように見えますよね。これには事情があるんですよ」と福井さんは含みのある言い方をしていました。

『機動戦士ガンダムNT』

“ナラティブガンダム”のコンセプトは“着せ替え”ガンダム

 本作のメカニカルデザインは、『ガンダム』シリーズでおなじみ、コアなファンも数多くいるカトキハジメ氏が担当しています。本発表会で、主役機“ナラティブガンダム”のコンセプトが“着せ替えガンダム”であることが明かされました。

『機動戦士ガンダムNT』

 “ナラティブガンダム”は、なんだか頼りなさげなビジュアルをしていますが、“着せ替えガンダム”というコンセプトにのっとって、PVでも見られた“A装備”などの追加武装を換装していくとのこと。

 “A装備”について、「“デンドロビウム”や、世界観は異なりますが“ミーティア”のような見た目」と小形さんが紹介。

 本作はこれらのモビルスーツが活躍し、“ユニコーンガンダム3号機フェネクス”をめぐる物語が描かれます。“ユニコーンガンダム3号機フェネクス”は、過去に暴走を起こして行方不明となりましたが、『ガンダムUC』のストーリーの後、目撃情報が出てしまいます。それに対し、“ユニコーンガンダム3号機フェネクス”を捕獲せんとする“不死鳥狩り”が行われることになるのです。

『機動戦士ガンダムNT』

 “ユニコーンガンダム3号機フェネクス”は、過去にプラモデルが展開され特別映像などが公開されたり、福井氏が執筆した『ガンダムUC 11巻』にも登場したりしましたが、基本的なものを除いて、まったく新しい物語が繰り広げられると語っていました。本作の“ユニコーンガンダム3号機フェネクス”は、しっぽのようなものが付いていることにも注目です。

 『ガンダムUC』で登場した“シナンジュ”の試作機である“シナンジュ・スタイン”は、主人公のライバルが搭乗します。

『機動戦士ガンダムNT』

「なんで僕は呼ばれたのでしょうか?」ゲスト・浪川さんと濱口さんが登壇

 『ガンダムNT』の情報がひとしきり公開された後は、ゲストである声優の浪川大輔さんとお笑い芸人の濱口優さんが登壇しました。

『機動戦士ガンダムNT』

 登壇者4人は、『ガンダムUC』がTVで放送された際、副音声を収録したメンバーなのだとか。収録時には浪川さんがいじられていたというエピソードが赤裸々に語られました。

『機動戦士ガンダムNT』

 「浪川さんは誰を担当するんですか?」と聞かれますが、福井氏が「浪川さん、つまりリディは動けないですからね。1年後の話ですから。」と解答。それに対し浪川さんは、「となると、リディは登場しないんですか? 皆さん気になるでしょうし、一番気になるのは僕なんです。発表会に呼ばれましたこともあり、わくわくしているんですよ。」と期待のまなざしを向けます。

『機動戦士ガンダムNT』

 『ガンダムUC』から1年後ということもあり、『ガンダムUC』に登場したキャラクターはもちろん登場することが明かされ、リディは政治家になると福井さんは語ります。なお、小形さんいわく「台本に“リ”の文字はあまり見なかったですね……」とのことです。

 「えっ……、なんで僕は呼ばれたのでしょうか? 僕は『ガンダムNT』のオファーは受けていないんですよ。ということは今後『ガンダムNT』のオファーは今後おそらく来ないということ……?」と焦る浪川さん。福井さんは「なんだろう、リディは大事に扱いたいので、本編ではおそらく(笑)。まぁ、“UC NexT 0100”は100年ありますから」と冗談めかしく語りました。

『機動戦士ガンダムNT』

 「濱口さんはもし出演できるどの作品に出てみたいですか?」と話を振られた濱口さん。宇宙世紀の作品をこよなく愛することで有名な濱口さんですが、「声的にはおじさんになってきてますからね……。もし出られるなら『ガンダムUC』関係に出てみたいですね」と最新作に興味を示します。

 すると小形さんから「あ、ちょうど“リディ・マーセナス”ってキャラクターがいてですね」とまさかの返答。浪川さんが食い気味で「ちょっと待ってくださいよ! 大事に温存されたまま交代って!」とツッコむなど、息の合ったコンビネーションで会場を笑いに包みました。

濱口さん専用“ユニコーンガンダム3号機フェネクス”が立体化!? 思い出のプラモデルを紹介

 ここで、“THE GUNDAM BASE TOKYO”に、今まで発売されたプラモデル約2,200体がすべてそろっていることにちなんで、出演者が思い入れのあるプラモデルが用意されました。

『機動戦士ガンダムNT』

 浪川さんが選んだのは“バンシィ”と“ガンダムNT‐1”です。アレックスという名でも呼ばれる“ガンダムNT‐1”は、浪川さんが過去に出演した『ポケットの中の戦争』に登場した機体ということで、特別な思い入れがあるようです。

 福井氏が紹介するのは“ジュアッグ”です。「『ガンダムUC』のイベントなどで“ジュアッグ”だけがいつも売れ残っていて、『ガンダムUC』にコンサートをやった時に、頼むから連れて帰ってください、と頼んだら完売したんです。」と思い出を熱く語りました。

 濱口さんは、懐かしいテイストの“グフ”と“ドダイYS”を紹介。“グフ”は当時手に入りにくく、唯一手に入ったのが“ドダイYS”であったとのことです。

『機動戦士ガンダムNT』

 小形氏は、「僕も全然買えなくて、最初に買ったのが売れ残った“ゾッグ”でした。2体目はガンキャノンを買えたんですよ。本当は“ガンダム”が欲しかったけど手に入らなかったんですよね。それが今やここに来ればすべて手に入りますからね。いい時代になりました(笑)」と紹介し、当時から強かったであろう出演者のガンダム愛が感じられるコーナーとなりました。

『機動戦士ガンダムNT』

 その後、『ガンダムNT』に登場する“ナラティブガンダム”などのプラモデルの未完成版が公開されました。「これが動くところを見たいですね!」「“フェネクスにしっぽが生えている!」とゲストの2人は大興奮。

『機動戦士ガンダムNT』

 発表会を記念して、濱口さん専用の“フェネクス”が制作され、ステージ上で披露されました。三叉槍を装備しており、先端には魚が刺さっているところが印象的でした。濱口さんは自分専用のガンダムを持ち「持ったど~!」と叫ぶ姿に会場は大盛り上がりとなりました。

『機動戦士ガンダムNT』

ゲーム先行でストーリーが展開される!?

 “GUNDAM New Tactical Game Project”では、年末(予定)から新しく宇宙世紀の話が展開されます。小形さんは「プラモデルもそうですが、『ガンダムロワイヤル』などのゲームでも、“UC NexT 0100”は密接に連動していきます。」と語ります。

 『ガンダムNT』の後の話といったシナリオをゲーム上で読めたり、新キャラクターを見られたりなどをゲームで体験できるようになります。ゲーム先行で物語が描かれる場合もあるとのことです。

 ちなみに、浪川さんは声優仲間であり、『ガンダムOO』の刹那・F・セイエイを演じている宮野真守さんに勧められて、『LINE:ガンダム ウォーズ』にハマっているというエピソードを語りました。

ファンの支援のおかげで成立した“UC NexT 0100”に注目

 “ガンダムシリーズ 新作発表会”は最新情報やトークが盛りだくさんとなりました。

 小形さんは、「責任をもって宇宙世紀のガンダムを作っていこうと思っています。生きているうちに終わるかはわかりませんが。これは皆さんの応援があって、ともに作っていけたらと思います」と、熱い思いを述べました。

 続いて福井さんは「“UC NexT 0100”は、『ガンダムNT』を皮切りにプロジェクトが続いていきます。皆さんがよく知っているような“あれ”も披露されるかもしれません。皆さんのご支援があったうえ成立した企画です。これからもよろしくお願いします」と感謝の気持ちを伝えます。

 浪川さんは、「“宇宙世紀”にはさまざまな作品で出させていただきましたが、今回はリディを大切にしていくとのことで、僕もいちファンとして応援していきたいと思います。じゃあなんでお前が発表会にいるんだ、と感じるかもしれませんが、僕も同じ気持ちです(笑)」と笑いながらコメントしました。

 最後に濱口さんは「『ガンダムUC』の副音声で出演した時に、「終わりましたね」と言ったら「まだまだですよ」と返されていたので、それがやっときたか、という気持ちです。これからも応援していきたいと思います」という言葉でイベントを締めくくりました。

 『逆襲のシャア』や『ガンダムUC』でも語り切れていない“ニュータイプ”の不自然なところが、キレイにわかりやすくなるかもしれないと解説された『ガンダムNT』。これからの展開に目が離せません。

(C)創通・サンライズ

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