2018年4月27日(金)
『オルサガ』3周年記念企画。物語を彩る名脇役にスポットを当てながら第二部を振り返る
2018年4月22日で3周年を迎えた、セガゲームスのiOS/Android用RPG『オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-』。電撃オンラインでは、3周年のお祝い企画として激動の第二部を、さまざまなキャラクターにスポットを当てながら振り返ります。
まず初めに、今回お届けする振り返り記事はメインストーリーのネタバレを含みます。「最近『オルサガ』を始めたばかりで、これから読むよ!」というユーザーの方は、お気を付けください。
現在、メインストーリーは第三部“未来への翼”が配信されていますが、この記事では第二部“受け継がれしもの”を中心に振り返ります。第一部の展開を知りたい方は、キャラクター紹介や第一部ストーリープレイバックといった過去の記事をご覧ください。
第二部を振り返るその前に
そもそも戦乱の歴史が目まぐるしくてよく覚えていないという方向けに、第一部のポイントをわかりやすく解説しておきましょう。ぶっちゃけて言ってしまえば、第一部は“王族の歪んだ願望が招いた内乱”です。
表向きのお話
カメリア公ルギスの謀反で乱れまくったオルタンシア王国で正教会の権力が肥大。怪しげな人体実験や魔女狩りなど、教会の暴走に巻き込まれた従者マリユスが自らの正体を明かし、行方不明とされていた王女の帰還を宣言。主人公と王女率いる反乱軍が王都に乗り込み、激闘の末に黒幕のバルデブロン教皇を討ち果たします。
原因その1
そもそもの発端のひとつにオルタンシア国王の亡き妻・エレアノールへの妄執が挙げられます。彼女の死を境に、賢王と謳われた彼が変貌してしまったという事実。そして、聖遺物の力を借りた秘術“死人還り”を欲していたことから、わりとろくでもないことを考えていたのでしょうか。
彼がルギスに酷い仕打ちを行ったのも聖遺物絡みの実験のようなものですから、なんとも迷惑な話です。
原因その2
そしてもう1人、国王の妾の息子にして、教皇の座をつかんだバルデブロン。そもそも彼と母親が冷遇されていなければ、「母の仇である王族を傀儡にして権力を奪ってやる」などという復讐劇は起きなかったのかもしれません。
まあ、魔物という目に見える外敵を用意することで人心をまとめるなどと教皇なりの言い分もあったようですが、巻き込まれる方はたまったものではありません。
裏側も含めたお話
復讐心を利用しようとした黒騎士ディディエの思惑通り、余計な知識と聖遺物を貸し与えられたバルデブロン教皇が王城で暗躍。さらに、教皇に入れ知恵されたオルタンシア国王が、国境最前線で奮闘する忠臣ルギスをあの手この手で虐めまくり。
ちょっとやり過ぎちゃった国王がルギスに殺された結果、前代未聞の壮絶な内乱に発展。密かに逃げ延びた幼い王女が貧乏領主(主人公)の従者に身をやつして、いつしかかけがえのない相棒となった主人公とともに政権を奪還するという物語でした。
オルタンシア王国をめぐる国家情勢は?
第二部では周辺諸国との関係が複雑に入り乱れるため、まずは各国家の関係と全体の流れをまとめておきましょう。
大まかな歴史の流れ
・死の淵から蘇った主人公が遊撃部隊として活躍
・沈黙していた北方諸国のゼムセリア王国がオルタンシア侵攻を開始
・北方諸国連合からグラナダ市国とバラミティース国が離脱
・オルタンシア王国とゼムセリア王国との休戦協定が実現
・決戦を前に、主人公たちがカメリア国へ潜入
・エルプ高原にてオルタンシア王国とカメリア国が武力衝突
・オーベル領に潜入したルギス公が英雄バルトハウザーを殺害
・グラナダ市国がバラミティース国へ侵攻
・ゼムセリア王国とオーベル騎士団がバラミティース救援へ
・第二次エルプ高原攻防戦にてオルタンシア王国勝利
第一部で描かれた“聖権奪還戦争”終結後、カメリア国含む周辺諸国とオルタンシア王国のキナ臭い情勢が動き出します。カメリア国に加え、長年脅威とされてきたダーイラ帝国、さらには北方諸国連合までもがオルタンシア王国を脅かすかと思いきや、北方連合の混乱で事態は急変。
主人公たちの暗躍の甲斐あって、ゼムセリア国との休戦協定&同盟を取り付けたものの、ダーイラ帝国の後ろ盾を得たグラナダ市国の艦隊や、バラミティース国と手を組んだカメリア国の襲撃にさらされることに……。
グラナダ市国のバラミティース侵攻が引き金となり、各国の情勢はさらに複雑怪奇なモノへと変化を遂げます。
グラナダ国の侵攻に乗じて姿を現したダーイラ皇帝の強大な魔力により、バラミティース国は壊滅。
一方、不死身の英雄を殺されたことで決定的に溝が深まったオルタンシア王国とカメリア国は最終決戦へ。
第二部の見どころをプレイバック
国同士の関係に軽く触れたところで、お次はストーリーについて。第二部は物語のスケールが壮大すぎるため、ここでは筆者が特に印象深かった4つのエピソードにスポットを当てて語ります。
ベルナデッタとの再会
事故で亡くなったと思われていた主人公の妹ベルナデッタ。彼女がテレジアと名を変えて生きていたということ自体はそこまで驚かなかったのですが、よもや使徒「赤火竜(サラマンドル)」の力を宿して変身までするとは意外でした。
単純に真紅の戦装束姿がカワイイから気になるとか本当の理由はさておき、兄(主人公)と再会を果たしながらも、ある目的(悲劇的な未来を変える)のため今はまだオーベルに帰らないという展開がもどかしいったら……!
カメリア城内での再会シーンは美男美女の組み合わせでものすごく絵になってましたよね。
ベルナデッタ関連でいえばもう1つ。争いを止めようとした彼女が独断でオーベルに向かわなければルギスが動くこともなく、バルトハウザーが非業の死を遂げることもなかったのでしょうか。
直接の原因はフレーゲルの勇み足だったわけですが、ルギスの刃から身を挺して庇った瞬間、不死身の英雄・バルトハウザーも孫がかわいくて仕方ない1人のおじいちゃんなんだなと涙腺が緩んだものです。
北方の王子と大国の王女
季節限定の水着イベントでも描かれた関係ですが、恋愛要素としては気になっている方も多いのではないでしょうか?
これまでは主人公をめぐってマリエルVSノンノリアという構図(第三部ではここにベルナデッタまで参戦)だったのですが、第二部ではマリエルを狙う伏兵・スレヴィ王子との関係も見逃せません。
休戦交渉のためマリユスとして面会したマリユスの貴族性にうっすらと感づいて、オルタンシア城でまさかの再会。よもやひと目ぼれして告白までしてしまうとは予想外でした。
ちなみに、一連の奇妙な恋のさや当てについてはこちらの記事などでも振り返っていただけます。
黒騎士ディディエの再来
黒騎士ディディエといえば、今のところ問答無用で「こんちくしょう」と憎める貴重な存在です。第一部で描かれた内乱の原因も彼の仕業ですし、数百年昔の出来事に精通しているあたり、主人公とは別の意味で不死性を感じざるを得ません。
第二部でさらにやきもきしたのが、正教会の信徒・セウェルスと身分を偽って主人公に手を貸した点です。自身に暗示をかけていたとはいえ、危険な敵国の偵察に赴いたり、凶悪な使徒を退けたりと、立ち居振る舞いが善人すぎ。そのギャップのあまり、いざ正体を明かしたときの憎らしさもひとしおです。
物腰穏やかで剣の腕もたつ、銀髪長身の優男。わりと完璧な美形キャラだけに、容赦ない悪役が似つかわしいという……。
八英雄と使徒の物語
魔女ラクロワによってようやく明かされた『オルサガ』の背景設定のひとつで、コラボイベントでなにかと便利に使われている“マゴニアの力”についても合点がいきます。
英雄たちに聖遺物をもたらした9人目の英雄“原初の魔女”がマゴニア世界の住人だったことや、ラクロワが魔女の末裔にして使徒の監視者だったことなど、国家間の小競り合いでドロドロとした展開が続く中、急にファンタジーに引き戻された瞬間でした。
人狼(ルギス)、赤火竜(ベルナデッタ)、不死者(主人公)、邪眼毒蛇(クリシーヌ)、堕天使(マリエル)、悪魔(ディディエ)と第二部では6人までその正体が明かされました。
聖遺物のシステムにも思うところがあります。「筆記者」が願いを書き加えて「願望者」が願いを込め、「承認者」が承認してはじめて叶えられる。さらに、野望や欲望による乱用を防ぐため「抑制者」は消し去る力を持つ。
8人の英雄にそれぞれ2人ずつ役割を与えたまではいいのですが、万一の事態に備えて、他の使途を殺めることで力を受け継ぐことができるという緊急措置だけは「なぜそんな物騒な手段にした……」と思わずにはいられません。
ルギスの死で幕を閉じる第二部
クライマックスで訪れるルギスの死。かつて親友であるフェルナンド(主人公の父)を手にかけたことへの贖罪なら何も死ななくてもという気もしますが、「使徒である主人公の手にかかり、人狼の力を受け渡す」という目的を果たすためには、結局彼の死は避けられなかったわけですね。
ディディエとの戦いで瀕死の重傷を負いながらも、あえて主人公に戦いを挑んで剣を受けるルギス。王女や主人公への謝罪の言葉もさることながら、娘のように接してきたベルナデッタに対して「お前に貸していた名前を……生まれてくるはずだった俺の娘に……返してやってくれ」というセリフで涙腺が崩壊しました。
本編は第三部へと続き、いよいよダーイラ帝国との本格的な戦いが火蓋を切ります。しばらく『オルサガ』をお休みしていた人も、3周年のこの機会にぜひ、壮大な物語を味わってみてください。
最後に、『オルサガ』における名バイプレイヤー・ルギスのたどった足跡など簡単にまとめておきましょう。
766年8月31日 | カメリアへの支援打ち切り |
767年12月5日 | オルタンシア国王を殺害。同年、カメリア独立。 |
768年3月9日 | ダーイラ帝国と同盟を締結 |
771年8月13日 | アーデルハイドの窮地を救うべくオリヴィエ公国へ侵攻 |
772年5月25日 | バラミティース王国と同盟締結 |
772年6月2日 | オルタンシア王国へ侵攻開始 |
772年7月25日 | テレジア奪還のためオーベルに潜入、バルトハウザーを殺害 |
772年9月24日 | カメリア城内にて、主人公の手にかかり戦死 |
??年4月1日 | オルタンシア商事支店長に就任 |
??年4月1日 | 肥える |
▲他意はありません |
(C)SEGA / f4samurai
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