News

2018年5月18日(金)

『キングダム ハーツIII』プレイ動画&先行体験レポート。キーブレードのアクション性の高さに感動

文:Z佐藤スズタク

 スクウェア・エニックスから2018年に発売される予定のPS4/Xbox One用ソフト『KINGDOM HEARTS III(キングダム ハーツ III)』。その先行体験レポートをお届けします。

『キングダム ハーツIII』

 本作は、『キングダムハーツ』シリーズの最新作で、2005年に発売した『キングダム ハーツ II』以来の正統続編。成長した主人公ソラが新たな冒険に旅立ち、これまで以上の爽快なアクションに加えて、アトラクションの様なバトルシステム、シリーズの集大成ともいえる圧倒的スケールのストーリーを楽しめます。

 全世界同時で公開となった先行体験のレポートを2人の目線でお届けします。なお、画像は英語版ですが、日本語版をプレイしています。また、画面・仕様は開発中のものです。

 あわせて、さまざまな要素を確認できる動画を掲載します。アクションやステージの様子、新要素などを見られるので、ぜひご覧ください。

先行体験動画

その1

その2

想像のはるか上をゆく完成度で、ドキドキ・ワクワクは頂点に!(ライター:Z佐藤)

 『キングダム ハーツ(以下、KH)』シリーズの1作目から記事に携わり、新作が発表されるたびに先行体験してきましたが、ファーストタッチでこんなにも衝撃を受けたのは初めてかも! 『KHIII』のクオリティは、昨年1月に発売された『KH HD 2.8 Final Chapter Prologue』に収録されているアクアが主人公のエピソード『KH 0.2 Birth by Sleep -A fragmentary passage-(以下、KH0.2)』に近いと言われていました。

 けれど、もはやそれも1つの通過点だったようで、すべてにおいてあのクオリティを軽々と上回るものに仕上げられている印象を受けました。

原作そのままのクオリティに仕上げられたカットシーンにオドロキ!

 今回プレイできたのは、2つのワールドで、1つは『ヘラクレス』の世界。山のように巨大なロックタイタンとのバトルがメインの“OLYMPUS”。もう1つは『トイ・ストーリー』の世界“TOY BOX”で、プレイ時間は約60分ほどでした。その中でも特に印象深いのは“TOY BOX”で見ることができたカットシーン。個性あふれるキャラクターたちのディテールや質感はもちろん、目の動き、口の動き、そのほか細かなリアクションに至るまで、その完成度は原作のフルCGアニメそのまま! 『KHIII』としてプレイしていることを忘れてしまいそうなほどです(笑)。

『キングダム ハーツIII』

 その他、マップを構成するオブジェクトの素材感も凄まじいデキで、1つ1つチェックしていくのも楽しそうです。また、遠くにあるものや背景はピントがズレ、話をしているキャラクターにピントが合うといったカメラ効果も自然で、臨場感のアップにつながっている気がしました。

 イベントシーンの尺はほどよい長さで、キャラクターたちの活躍をじっくり楽しむことができました。もちろんソラとドナルド+グーフィー、ソラとワールドのキャラクターたちの軽妙な掛け合いやボケ&ツッコミなどもふんだんに盛り込まれており、『KH』らしさもしっかり感じられました。

『キングダム ハーツIII』

 カットシーンの終了後、そのまま移動やバトルシーンに移行するなどシームレスに作られている点も好感触です。シームレスといえばステージの作りも。1つの地区やエリアごとにシームレスに作られているようで、ストレスを感じることなく探索できました。この部分は『KH0.2』でも体感できましたが、『KHIII』ではそれ以上の驚きと発見が待っていることでしょう。

気軽にも、テクニカルにも楽しめそうなバトルシステムに期待

 バトルシステムの基本部分は『KH0.2』と変わりませんが、3つのキーブレードを方向キーの左右で持ち替えながら戦えたり、それによって繰り出せる攻撃が変化したり、さらにジェットコースターやコーヒーカップに乗って攻撃する“アトラクションフロー”、ウッディとバズがパーティーにいる時に発動できる連携技“ロデオロケット”、その他“ギガース”というオモチャのロボットに乗って戦えたり、ロボットのタイプごとに特徴や攻撃方法が違っていたりと、攻撃手段の豊富さに驚かされました。

『キングダム ハーツIII』 『キングダム ハーツIII』

 キーブレードの持ち替えは攻撃中でも可能なので、テクニカルなコンボを繰り出すこともできそうです。とはいえ過去の作品と同じく、攻撃の基本は敵のロックオンとボタンの連打なので、初心者でも気軽に楽しめる親切設計な点はしっかり継承されています。

 その他『KH0.2』にも採用されていましたが、進行方向に左スティックを入力しておくと、自動的に小さな段差を飛び越えてくれたり、足場を渡ってくれる“オートラン”の機能がパワーアップ! 薄く光っている壁なら、地上から駆け上がることができるようになっています。しかも壁に対して横方向から近づくと、姿勢をナナメにして壁に沿って走れたりと(忍者走り!?)、とっても便利。

『キングダム ハーツIII』

 さらに“OLYMPUS”ではロックタイタンとのバトルで壁を駆け上がりながら、左右に岩石を避けるシーンもあるなど、こちらも幅広く利用することになりそうです。

 約60分のプレイから体験できたことをできるだけレポートしましたが、この段階でもかなりの密度でしたね。おそらく“ほんの一部”だと思いますが十分楽しめましたので、「製品版ではどうなるのか!?」と、プレイを終えて末恐ろしくなり、同時に発売はいつなのかますます楽しみになりました。

『KH』シリーズのアクションの歴史が、『KHIII』でひとつにつながる!(ライター:スズタク)

キーブレードの勇者、壁を華麗に登る

 マスター・ゼアノートを首謀者とした、長きにわたる“ダークシーカー編”の物語。その最終章となる『KHIII』を、ついにこの手で体験できる日がやってきました!

 今回プレイできたのは『ヘラクレス』のワールドである“OLYMPUS”と、『トイ・ストーリー』のワールドである“TOY BOX”の2種類を収録。2つのワールドを合わせて、だいたい1時間ほどのボリュームとなっていました。ここでは、主にバトルやシステムに注目して、両ワールドのプレイレポートをお届けしていきます。

 まず“OLYMPUS”ですが、開始してすぐに“壁を走って登りながら目的地へ進め”という、ワイルドな指示が出されます。本作では、光っている壁に向かって走るとオートランが発動し、垂直の壁でもスルスルと登ることが可能。登りながら横移動もできるので、ソラがさながら忍者のようでした(笑)。壁走りは“OLYMPUS”だけでなく“TOY BOX”のワールドでも使えたので、冒険における重要なアクションとなりそう。

『キングダム ハーツIII』

 岩山のなかを進んでいくと、おなじみのシャドウを含めたハートレスたちが出現し、いよいよバトル開始。基本的なシステムは『KH 0.2 Birth by Sleep -A fragmentary passage-』と同じで、魔法がMP制だったり△ボタンで“シチュエーションコマンド”が使えたりといった点も変わらずです。『KH Birth by Sleep』のシュートロック、『KH Dream Drop Distance HD』のフリーフローアクションなどもあり、過去作の代表的なシステムを集約したという印象です。

 ちなみに、地味に気になったのは魔法のリストにあった“エアロラ”。エアロ系の魔法といえば、『KH』で強力なバリア技として登場しており、個人的にとても記憶に残っているんですよね。そんなエアロ系は『KHIII』ではちょっとおもしろい魔法になっており、風で敵を攻撃するだけでなく、発生させた風に乗ることでソラが大ジャンプできるという仕掛けも! これはいろいろな使い方があるかも?

 先に進んで岩山のなかから外壁に抜けると、突然来た道が崩れるという演出が起こります。これといった重要な場面ではないのですが、操作パートからシームレスで起こったので、プレイ時はけっこう驚きました。カメラワークも激しく、こういった演出が各ワールドの探索に用意されてると思うとワクワクしますね。

『キングダム ハーツIII』

 最後に待ち受けていたのは、ロックタイタンとのボス戦。まず岩壁を登って接近し、次に足を攻撃して動きを止めたあと、弱点の頭を攻めることで倒せました。この戦いで注目すべきは特殊なシチュエーションコマンドの“アトラクションフロー”で、発動するとソラたちがジェットコースターに乗ります。そのまま敵の周囲をジェットコースターで回りながらシューティング形式で攻撃するという、とにかくド派手で爽快な技でした(笑)。

 ロックタイタンに勝つと“OLYMPUS”のワールドは終了で、ボリュームとしてはざっと15分ほど。この時点でもバトルシステムが盛りだくさんで十分な遊びごたえだったのですが、実はまだまだ序の口。次の“TOY BOX”は、さらに遊び要素が増えて目を見張る内容でした……!

ソラもついにキーブレードの変形を修得!

 シリーズ初登場の『トイ・ストーリー』のワールドとなる“TOY BOX”。こちらはイベントシーンもふんだんに用意されていて、ウッディやバズたちとの会話を楽しみながらプレイできます。

『キングダム ハーツIII』

 操作パートになって最初に驚いたのが、キーブレードの切り替えについて。なんと『KHIII』では、戦闘中に装備するキーブレードを切り替えられるんです! 体験版では、『トイ・ストーリー』のワールドの武器“インフィニティバッジ”、『モンスターズ・インク』のワールドの武器“スマイルギア”、『塔の上のラプンツェル』のワールドの武器“エバーアフター”の3種をリアルタイムで切り替えられました。バトルの目玉の1つである武器変形は、装備中のキーブレードによって異なるので、まずは3種のキーブレードそれぞれで変形を試してみることに。

『キングダム ハーツIII』

 武器変形はシチュエーションコマンドの一種で、基本的にはそのキーブレードでコンボを当てていれば使用可能になります。“インフィニティバッジ”には“ブーストハンマー”というコマンドがあり、名前のとおりキーブレードをハンマーに変形させます。変形後は重い一撃で広範囲を攻撃でき、爽快感バツグンでした。

『キングダム ハーツIII』

 “スマイルギア”のコマンドは“アサルトクロー”という名称で、発動すると両手に爪のような武器を装着。軽快なラッシュで攻撃し、近距離戦が得意そうな動きでしたね。最後の“エバーアフター”には“ミラージュロッド”というコマンドがあり、キーブレードを杖に変形させます。杖から想像できるとおり多彩な魔法を繰り出すタイプで、出現させた分身とともに一斉攻撃を仕掛けることもできます。あと、地面から塔を出現させ、繰り出すフィニッシュ技がインパクトあり!

 キーブレードの変形というと、ファンにとっては『KHII ファイナルミックス』の留まりし思念がなじみ深いんじゃないでしょうか。あの隠しボスがキーブレードを大砲や弓、乗り物などに変形させて襲いかかるのを見て、戦慄した人も多いかと。ソラが『KHIII』にて、留まりし思念と同じ高みに踏み入ったと考えると、なんだか込み上げるものがありますね(涙)。

 なお、武器変形だけでなくシュートロックもキーブレードに紐づいており、装備しているキーブレードによって扱える技が変化します。さらに、シュートロックのロック数がMAX時とそうでないときでも発動する技が変わるので、とにかくアクション数の豊富さには驚くばかりです。

『キングダム ハーツIII』 『キングダム ハーツIII』

 また、ディズニーのキャラクターたちとの協力技、“リンク”にも注目。これは、わかりやすくいえば従来の“召喚”コマンドですね。使用できたのは2種類で、1つは『リトル・マーメイド』のアリエル、そしてもう1つは初登場となる『シュガー・ラッシュ』のラルフを呼び出せました! どちらのリンクも演出が派手で、フィニッシュ技は思わず見入ってしまうほど。

 アンディの部屋から始まる“TOY BOX”のお話は、新しくできたおもちゃ屋へ向かうことで進んでいきます。そこで最初に起こるのが、ギガースというロボットのおもちゃに乗って戦う特殊バトルでした。ソラがギガースに乗っている間はFPS形式の画面になり、コマンドもギガース用のものが使えます。

 この特殊バトル、ストーリーの流れで行う簡易的なものと思いきや、かなり本格的に作り込まれていてビックリ。ギガースは色別で3体あり、紫色はショット性能が高い、赤色は格闘性能に長けているなど違いがあります。ほかにも、ブーストダッシュによる移動のしやすさや専用コマンドなどに個性があり、3体のギガースを乗り回しているだけでも楽しいです。

 ギガースの力を借りながらおもちゃ屋を探索していき、最後にボスである西洋人形風の怖いハートレスと戦って勝つと“TOY BOX”のワールドは終了。“OLYMPUS”以上にシステム的にも探索エリア的にも遊びごたえがあるので、時間が許すならいつまでもプレイしたいくらいでした。

『キングダム ハーツIII』

 今回はシステムまわりを中心にレポートしていきましたが、もちろんキャラクターやグラフィックも魅力的です! ソラ、ドナルド、グーフィーの3人のやり取りを見ていると実家のような安心感がありますし、“TOY BOX”のイベントシーンは『トイ・ストーリー』の新作映画と勘違いしそうなほどのクオリティを感じます。

 よく見るとウッディの顔に細かい汚れやキズがあったり、バズの衣装の細かい文字もくっきり読み取れたりと、グラフィックの美しさは筆舌に尽くしがたいので、実際にプレイするときはぜひ大型のモニターを用意したいものです。

 先行体験した限りでも、『KHIII』はこれまでのシリーズ作が築いたアクションの集大成だということが伝わりました。発売に向けて加速していく本作に、今から胸が高まります!

(C)Disney (C)Disney /Pixar
Developed by SQUARE ENIX
※画面・仕様は開発中のもの。

データ

関連サイト