2018年5月29日(火)
戦術級RPG『グランクレスト戦記』の感想をお届け。“キャラゲー”の一言でスルーすると損する骨太な作品
バンダイナムコエンターテインメントから6月14日に発売されるPS4用ソフト『グランクレスト戦記』。本作のレビューをお届けします。
本作は、原作があるいわゆる“キャラゲー”ではあるのですが、その言葉で片づけるにはもったいない歯ごたえのある作品です。そのため、記事の序盤では作品の簡単な紹介&キャラゲーとしての要素を評価。そして中盤以降はシステムの解説&ゲームとしてのおもしろさを評価していきたいと思います。
“混沌”の渦巻く大陸に、“聖印”を持つ主人公テオが理想を目指して立ち上がる!
まずは、『グランクレスト戦記』をそんなに知らない人のために簡単に紹介しておきましょう。
『グランクレスト戦記』は、『ロードス島戦記』で知られる作家・水野良さんの最新作となる戦記ファンタジー小説(全10巻)です。TVアニメ化もされたので、そちらでおなじみの方も多いでしょう。
物語の舞台となる“アトラタン大陸”では、人々は物理法則をねじ曲げる“混沌”によって生じる災害におびえて暮らしており、混沌を浄化して吸収できる“聖印”を持つ〈君主〉が、人々を守っていました。ところが君主たちはいつしか、互いの聖印と領土を奪い合う戦乱を繰り広げるようになったのです。
そんな中、故郷を圧政から解放するという理想を持つ放浪の騎士テオと出会った魔法師シルーカは、彼と主従の契約を結びます。そしてテオとシルーカは、戦乱の続く大陸に変革を巻き起こしていくのです。
▲理念を持たない君主たちに失望していた天才少女魔法師シルーカ・メレテスは、若き騎士テオと出会い、彼の理想を実現するために大陸の統一を目指すことになります。 |
▲本作では、アニメタッチの2Dイラストと3Dキャラクターを使い分けたイベントシーンで、物語が進行していきます。 |
▲テオの右手で輝く“聖印”は、混沌を浄化して吸収するとより強い力を発揮します。また君主は、他の君主の聖印を奪って相手を従属させることもできるため、君主たちは互いの聖印と領土を奪い合う戦乱を繰り広げています。 |
『グランクレスト戦記』はまずなによりも、混沌と聖印によって築き上げられた独自の世界設定が非常に魅力的。混沌による災害としてさまざまなモンスターが各地に出没する一方で、聖印を持つ君主たちが群雄割拠して争っている――この2つの状況が、この世界設定によって違和感なく共存しているのです。
アトラタン大陸では、“幻想詩連合(げんそうしれんごう)”と“大工房同盟(だいこうぼうどうめい)”と呼ばれる二大勢力が対立しています。そんな中、新たな君主として旗揚げしたテオが、領地を獲得して自らの理想に向かって進んでいく過程は、歴史物語を思わせるような、ワクワクする感覚を味わうことができます。
▲アトラタン大陸の全体図。白い紋章が幻想詩連合の勢力を、赤い紋章が大工房同盟の勢力を、それぞれ表しています。 |
このゲームでは、プレイヤーは主人公のテオとなり、自軍の部隊を指揮して戦いを繰り広げることで、その勢力を拡大していきます。
基本的には原作のストーリーに沿った展開が用意されており、“アルトゥーク戦役”や“システィナ解放戦”といった原作の名場面を追体験することが可能です。
ところがプレイヤーの選択や戦闘の結果によっては、原作では死亡したはずのキャラが生存したり、仲間になるはずのキャラがテオの元を去ったりといった具合に、原作とは異なる展開になる場合もあるようです。いったい物語がどのように分岐していくのか、気になるところですが……!?
▲魔法師のシルーカや彼女に仕えるアーヴィンはもちろんのこと、アイシェラやプリシラといった、原作でおなじみのキャラクターたちが続々と登場してきます。 |
▲原作ではテオに従属して仲間となったラシックですが、実は筆者がプレイした際には、ラシックがテオから逃れて在野に下り、再起を画策するという展開が発生しました。彼はどのような形でテオの前に再登場するのでしょうか……!? |
本作は戦記物であり、また同時に異世界を舞台にした原作ありのファンタジーとなっています。
そのため本作独特の世界設定や用語、人名などが多数登場してきます。もちろんそれは本作の大きな魅力でもあるのですが、中には「聞いたことのない単語が多くて把握できない……」という人がいるかもしれません。
ですが本作では、ゲームをプレイしているその時点での各勢力の動きなどが丁寧に説明されており、原作を知らない人でもしっかりと物語に入り込めるようフォローされています。また、プレイ中にはいつでも用語集を参照できるため、気になった人名などをすぐ確認できるのも嬉しいところです。
▲用語集では、世界観を表す単語や人名などを確認可能です。そのため「原作はよく知らないんだけど……」という人でも、安心してゲームを楽しむことができます。 |
“キャラゲー”としての魅力っていろいろな形があると思うのですが、本作では原作通りの展開も楽しめるし、if展開もしっかりと楽しめる懐の深い作品となっています。あくまで5時間ほどプレイした時点での感想ですが、原作のイメージを大事にしたい人も安心して楽しめるんじゃないかと感じました。
戦略シミュレーション+RPG+アクションと、多彩な要素が融合した作品
ここからは、本作のゲーム部分にスポットを当ててレビューしていきたいと思います。
“戦記物でもあり、異世界ファンタジーでもある”本作では、そうした設定を反映して、ゲームシステムも多彩な要素を兼ね備えたものとなっています。おおまかに4つの要素に分けられます。
【1】領地を整備して戦闘部隊を編成する“戦略シミュレーション”要素
【2】それらの部隊を指揮して戦う“リアルタイムシミュレーション”の要素
【3】プレイヤー自身でキャラを操作して敵と戦う“アクション”要素
【4】敵軍やモンスターを倒して経験値やアイテムを獲得する“RPG”の要素
ジャンルが異なるこれらの要素が互いに連動する形で、本作のゲームプレイは進行していきます。こう説明すると、なんだかややこしく聞こえるかもしれませんが、1つ1つの要素は決して複雑なわけではありません。
また、操作の途中で時間を停止してじっくり考えることも可能になっているなど、細かい配慮も行き届いています。
それでは、個々の要素を順に見ていくことにしましょう。君主となったテオが支配する本拠地や支配地で実行可能な拠点メニューでは、部隊や拠点の軍備を整えることができます。
▲ワールドマップ上に表示されている、テオが支配している拠点にカーソルを合わせることで、拠点メニューを実行できます。 |
拠点メニューで最も重要なのは、兵士を雇用して、テオや仲間のキャラクターたちをリーダーとする部隊を編成することです。1人のキャラクターにつき、最大5名の兵士を雇用することができます。
兵士はリーダーと一緒に戦ってくれるのはもちろん、存在するだけでリーダーのダメージを軽減してくれる効果もあるので、出撃前は可能な限り兵士を補充しておくことを忘れずに。
ちなみに、雇用できる兵士の種類は、リーダーとなるキャラによって異なります。また拠点を強化して成長させることで、より強力で特殊な能力を持つ兵士が雇用可能になります。
▲プリシラがリーダーとなる部隊を編成してみましょう。プリシラ同様に回復魔法を使える回復魔法師を雇用することもできますが、ここでは敵の攻撃からプリシラを守ることを優先して、盾兵を雇用することにしました。 |
拠点メニューでは兵士の雇用だけでなく、支配地の税率を変更したり、物資の生産量を向上させたりといった内政を行うこともできます。また、ゲームが進むと支配地に他国が侵攻してくる事態も発生するため、防御施設を強化したり、駐屯軍を配置したりすることも大事です。
▲税制の変更や軍事施設の建設といった内政を完了するには、各行動ごとに数週間の時間経過が必要です。そのため状況の推移を確認して残された時間を計算しつつ、行動を選択することが重要になります。 |
リアルタイムで行動する味方部隊に“戦術視モード”で指示を与えよう
敵軍やモンスターとの戦闘では、拠点で編成した戦闘部隊を最大9部隊まで、同時に出撃させることができます。
戦闘は基本的に、3D表示のフィールド上を各キャラクターや兵士たちがリアルタイムに行動する形になっています。プレイヤーは、出撃したテオや仲間のうち1人を直接操作します。残りの仲間や兵士たちはAIによって行動を自ら判断して、敵と戦ったり味方を支援したりするのです。
▲3D画面によってリアルに表現された戦場で、プレイヤーが直接操作するのはテオや仲間のキャラクターのうち1人のみです。残りのキャラや兵士たちは、近くの敵と自動的に戦います。 |
各キャラが自分で行動するといっても、攻撃タイプや使用スキルなどはキャラクターや兵種によって決まっている他、進撃するルートをプレイヤーが指示することもできます。進撃の指示を行いたい場合は、戦闘の途中で○ボタンを押して“戦術視モード”に移行します。
戦術視モードでは時間の流れが遅くなるため、周囲の状況を冷静に確認することが可能です。十字キーの左右で時間の流れる速度を調整できるので、じっくりと考えたい場合には時間を完全に停止させることもできます。
戦術視モードで部隊が進撃するルートを矢印で指示すると、部隊はその矢印に沿って移動し、敵に接近したら自動的に攻撃を行います。ちなみにプレイヤーが操作しているキャラも、何も操作せずにいると近くの敵を自動で攻撃しますから、あえて自分では操作せず、戦いぶりを見守るといったプレイスタイルも可能ですよ。
▲戦術視モードに移行すると、敵と味方の部隊が分かりやすく色分けされて表示されるため、敵の現在位置や味方の状況などを確認するのに便利です。バトルの途中で何か気になることがあったら、すぐ○ボタンを押して戦術視モードに切り替えるようにするとよいでしょう。 |
▲味方の部隊を選択して、移動したいルートに青い矢印を伸ばしていくと、その矢印に沿って進撃していきます。複数の部隊に移動を指示して敵を挟み撃ちにしたり、敵部隊に味方をぶつけておいて自分は別の場所に移動したりといったことが、簡単に実行できます。 |
また、進撃ルートの矢印を味方の他の部隊に向けると、その部隊の移動に歩調を合わせて追従するようになります。プレイヤーが操作するキャラに付き従わせて一緒に戦うこともできますし、進撃を指示した部隊に追従させて、大部隊で行動させることも可能です。
▲追従を指示する際は、味方部隊を中心とした周囲8方向のどこに位置するかを指定できます。これによって、味方部隊の前方をガードさせたり、味方部隊の後方から支援を行わせたりすることが可能になるわけです。 |
進撃ルートや追従の指示と、自分で操作するキャラクターの移動を上手く組み合わせれば、戦場の広範囲にわたって部隊を展開し、複数の戦闘を同時に戦うといった戦略も実行できます。
ちなみに戦術視モードでL1ボタンを押すと、各部隊のリーダーとなる仲間を自由に切り替えて、操作キャラクターとして選択できます。自分で操作して敵と戦っているあいだに別の部隊を進軍させておいて、目的地に到着したらそのリーダーに切り替えて、新たな場所で敵と直接戦うといったことも可能です。
▲後方で支援を行っていたシルーカとプリシラの部隊の背後から、敵の増援が接近! とはいえ正面の部隊も手強いので、テオを操作して正面の部隊と戦いつつ、追随していた味方の一部に進軍を指示して、シルーカたちの救援に向かわせることに。 |
▲敵部隊の上に表示されているラインでつながったアイコンは、敵軍の指揮系統を表しています。後方で支援を行っている魔法師を倒せば、敵軍は弱体化するはずです。そこで味方部隊に正面の盾兵を引きつけておいてもらい、その隙にテオを操作して盾兵の背後に回り込み、魔法師を強襲します! |
また、詳しくは後述しますが、戦術視モードで時間を止めて操作キャラを切り替えるというテクニックは、アクションによる攻撃でコンボ倍率をアップさせる際にも有効です。
戦術視モードを使いこなすことで、リアルタイムシミュレーションの緻密な戦略と、アクションによる爽快なバトルを同時に楽しめるというのが、本作の大きな特徴になっているのです。
キャラクターが連携して攻撃するアクションで、高倍率のコンボを繰り出せ!
先に説明したように、戦闘ではテオや仲間のうちいずれか1人をプレイヤーが直接操作して、敵を攻撃することができます。剣などの近接武器で周囲の敵兵士たちをまとめてなぎ倒したり、弓矢や魔法で離れた位置から攻撃したりと、そのアクションはキャラクターによって異なります。
さらに、さまざまな種類のスキルによる特殊な攻撃を繰り出したり、敵の攻撃をガードしたりといったことも可能です。
▲テオの特殊攻撃であるエリアルブレイクは、ダメージでひるんでWeak状態になった敵を、空中に打ち上げ可能です。さらに連続して特殊攻撃を入力すると、より強力なベリアルブローへと派生します。 |
▲テオはガードの性能が優秀で、敵の攻撃を防いで、自分や味方の兵士を守れます。また、敵の攻撃をタイミングよくガードすると“ジャストガード”が発動し、カウンター攻撃で相手をひるませてWeak状態にできます。 |
魔法師は離れた位置から敵に魔法を繰り出して攻撃できるため、かなり有利に戦うことができます。ただし、魔法を使って敵を攻撃したり、味方を回復したりすることが可能な範囲が決まっているので、戦場ではそれらの範囲を確認して位置取りを行う必要があります。
▲魔法師は、緑色の円出表される“ヒールエリア”の範囲内にいる味方を、魔法で回復できます。 |
▲赤い円の“アタックエリア”にロックオンした敵に対して、遠距離から魔法で攻撃! 魔法の発動には詠唱の時間が必要で、詠唱中に敵の攻撃を受けるとキャンセルされるので要注意。 |
実際のバトルも漫然と攻撃するのではなく、通常攻撃とスキル攻撃や魔法を組み合わせて、敵に対して大ダメージを狙うのがセオリーです。そのために重要なのが、敵を“Weak状態”にして連携攻撃によるコンボをつなぐこと。
まず、敵をひるませる効果のある攻撃やジャストガードからのカウンターで、敵をWeak状態にします。Weak状態となった敵の上に“コンボチャンス!”と表示されたら、打ち上げ技で敵をダウンさせましょう。
ダウンした敵に連続で攻撃を当てると、コンボLvがx2、x3、x4と上昇していきます。これはコンボ中の攻撃によるダメージが2倍、3倍、4倍と増加することを表しており、さらに部隊の相性やスキルに設定された特攻ボーナスも加えると、最大で24倍までダメージが増加します。
このようにダメージが増加した状態で強力な攻撃を命中させると、敵に強烈なダメージを与えられます。24倍までボーナスをつなげられるとかなりの爽快感が味わえますよ。
▲Weak状態となって“コンボチャンス!”と表示された敵に、△ボタンで打ち上げ技を繰り出すと、大きくのけぞってダウンします。この状態からコンボが発動! |
▲ダウンした敵に連続して攻撃を加えると、コンボLvがアップしてトータルダメージが加速度的に増えていきます。 |
このゲームで操作可能なキャラクターはそれぞれ、敵をWeak状態にする“崩し役”や、崩した敵に特攻攻撃を繰り出してコンボ倍率を上昇させる“攻撃役”、倍率がアップした際に強力な魔法攻撃を命中させる“爆撃役”といった具合に、その特徴に応じて戦闘での役割が決められています。
これらのキャラを上手に連携させることが、コンボの成功を担うカギとなっているのです。
「でもプレイヤーが一度に操作できるのは1人のキャラだけだよね?」と思った人がいるかもしれません。ここで忘れてはいけないのが、戦術視モードで時間を止められる点です。
テオが敵をダウンさせたら戦術視モードで時間を止めて、操作キャラをアーヴィンに変更。アーヴィンが連続攻撃でコンボ倍率をアップさせたらまた時間を止めて、今度はシルーカの攻撃魔法で大ダメージ! ……と、こんな感じで戦術視モードを使いこなせば、爽快なコンボを決めることができるはず。
また戦術視モードでは、仲間のキャラにスキルの使用を指示することもできるので、詠唱にかかる時間を計算して、あらかじめ魔法師に攻撃魔法を指示しておくといった戦略も可能でしょう。
▲テオの奥義技“リスクパニッシャー”が発動! 奥義技は専用のゲージを消費するため、使える状況が限られますが、そのぶん敵をWeak状態にしたり大ダメージを与えたりと、戦況を左右する強力なものです。 |
▲獲得したスキルポイントで、各キャラは新たなスキルを習得できます。スキルの説明には、敵をWeak状態にする、特攻ボーナスが付くといった効果が書かれているので、自分がどのようにプレイするのかを考えて、スキルを選びましょう。 |
このように本作では、戦術視モードでいったん時間を停止させることで、落ち着いてプレイできるようになっています。
リアルタイムシミュレーションが苦手な人でも部隊の進撃ルートをじっくりと考えることができたり、アクションが苦手な人でも落ち着いて操作するキャラを切り替えることができたりと、自分の好みに応じて好きな遊び方を選べるだけの、懐の深さがあると感じました。
正直言うと、筆者も最初はコンボをどうつないでいけばいいのか戸惑ったのですが、次に紹介する混沌災害のクエストやエリアの探索でモンスターを討伐することで、自分なりの戦い方をいろいろと試行錯誤できました。
各キャラの特徴を理解して、自分なりの組み合わせを見つけることができれば、迫力満点で爽快なバトルを楽しめますので、みなさんも本作をプレイする際にはぜひいろいろと試してみてください。
各国の戦況が変動する合間を縫って、モンスター討伐のクエストにチャレンジ!
続いて、ゲームがどのような形で進行いていくのかについても見ていきたいと思います。
本作のストーリーは、戦況に変化を及ぼすイベントが発生したり、歴史の起点となる“ミッション”を実行したりすることで進んでいきます。これらのイベントやミッションは、敵軍の侵攻のように、「残り○週」という形で決められた時間が経過すると、自動的に発生するものもあります。
▲3週間後にラシック軍が侵攻してくると判明。戦況に変化を及ぼすイベントや、ミッションが発生するまでの残り期間は、ワールドマップ左上の表示で確認できます。 |
そうしたミッションとは別に、プレイヤー自身の判断によって各地で発生している“混沌災害”を解決したり、拠点のあるエリアを“探索”してレアエネミーを討伐したりすることも可能です。こうした行動を実行するか、あるいは自分の意志で時間を進めることで、1週間が経過します。
▲“混沌災害”とは、混沌による影響で出現したモンスターにより、人々の生活に被害が出ている状況を意味しています。モンスターを討伐して混沌災害を解決することが、クエストの目的です。 |
▲モンスターの討伐に成功すると、報酬としてアイテムや経験値が入手できます。ちなみにクリアした混沌災害は、しばらく時間が経過して混沌濃度が蓄積すると再度発生するので、繰り返し攻略して経験値稼ぎなどを行うことも可能です。 |
混沌災害を解決したり、探索でレアエネミーを討伐したりすると、装備などの“遺物”や経験値を報酬として得ることができます。
つまり、戦況によって決まっている残り期間を逆算した上で、内政を行って支配地の防御を強化したり、混沌災害の解決や探索によってキャラクターを強化したりといった具合に、次のミッションを迎えるための準備を進めていく必要があるというわけです。
▲混沌災害の解決や、探索によるレアエネミーの討伐に成功すると、報酬として“遺物”と呼ばれるアイテムを入手できます。より強力な装備を獲得すれば、キャラクターの能力アップや、銭湯で有利な特殊効果が得られます。 |
ミッションでのバトルは、軍隊どうしの激突が中心となるため、まさに戦略シミュレーションといった雰囲気で、自分の部隊を戦場でどのように進撃させて、どう行動させるのかをあれこれ思い悩むことが多くなります。
それに対して混沌災害の解決やエリアの探索は、フィールドを歩き回ってモンスターを見つけ出し討伐するという、RPG色の強いプレイ感覚になっています。自分が操作するキャラの周囲に仲間を追随させて、巨大なレアエネミーを全員で一斉に攻撃していると、まるでMMORPGをプレイしているかのような気分が味わえるのです。
1つのゲームの中で同じバトルのシステムを使いながらも、戦略シミュレーション的な大部隊どうしの激突と、MMORPGのような巨大モンスター討伐を楽しめるのは実にユニークなのですが、いちばん最初に紹介したように、これこそがまさに『グランクレスト戦記』の世界観にピッタリだと感じました。
▲エリアに遠征して探索すると、レアエネミーと呼ばれる巨大モンスターを発見できます。ただし、まれに想定していない強力な敵と出くわす可能性も!? そのエリアに出現するモンスターのレベルは、マップ情報で確認できます。 |
▲レアエネミーを討伐すれば報酬を入手できますが、強すぎるモンスターと遭遇した場合は帰還するのも手。その場合、報酬を得られずに1週間が経過しますが……。 |
多彩な要素を自分の好きなように遊べる懐の深さが本作の魅力
これまで見てきたように、本作は多彩な要素が盛り込まれており、遊びごたえもボリュームもある骨太なゲームになっています。
大部隊を動かす戦略シミュレーションの魅力と、キャラクターを自分で操作して活躍させるアクションの魅力、そして小説やアニメの物語を再現し、さらにifの展開をも楽しめる物語の魅力。これらの要素がすべて組み合わさって、ゲーム『グランクレスト戦記』の世界は構成されています。
▲拠点メニューを開いた際に、執務室に“!”マークがある場合は、テオが特定のキャラクターと親しくなるイベントが発生します。 |
▲キャラの信頼度がアップすると、プロフィールの項目がアンロックされ、より深く知る事ができるように。さらにパッシブスキルも解放され、より強く成長します。こういう“キャラへの愛着が深まる要素”って、大事ですよね。 |
多彩な要素にガッツリとむかいあっていくことが本作の醍醐味ですが、たとえば“部隊の進撃の指示を緻密に行って、アクションによるバトルは自動で任せる”や、“仲間のキャラをすべてテオに追随させて、自分自身によるアクションを駆使して敵を倒していく”など、自分の好きなように遊べる“懐の深さ”も、本作は持ち合わせているように感じました。
本作をキャラクターゲームと割り切って遊ばないのは損だと思います。特に、じっくりとひとつのタイトルを遊びこむ派の人は、6月14日から『グランクレスト戦記』の世界にどっぷりと浸かってみてはいかがでしょうか?
(C)Ryo Mizuno,Yutaka Izubuchi,Group SNE Illustration by 出渕裕
(C)2017 水野良・深遊/株式会社KADOKAWA刊/エーラム魔法師協会
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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