2018年6月5日(火)
ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回は『Bloodstained: Curse of the Moon』をお届けします。
本作は80年代の雰囲気を味わえるステージクリア型のサイドビュー2Dアクション。ゲームクリエイター・五十嵐孝司さんが贈る『Bloodstained: Ritual of the Night』のスピンオフ作品で、8bitテイストの開発に定評のあるインティ・クリエイツが担当しています。
今回はプレイして感じた本作の特徴や魅力をレポートしていきます。なお、画面はNintendo Switch版のものです。
悪魔によって月の呪いを受けた、悪魔と錬金術師を憎む東洋の退魔師である主人公“斬月”。プレイヤーはこのキャラを操作し、悪魔が住む城へと挑んでいきます。
▲月を見上げる主人公“斬月”。 |
物語の中で出会う人物を仲間にすると、操作可能なキャラクターが増えていきます。操作可能なキャラクターは、剣術で戦う主人公の“斬月”、リーチのあるムチを使うヒロインの“ミリアム”、錬金術を駆使する錬金術師の“アルフレッド”、コウモリとなって飛行できる“ジーベル”の4人です。
▲リーチは短いが全キャラクターの中で、最高のHPとDPSを誇る主人公“斬月”。 |
▲リーチが長い武器と高いジャンプ力、そしてスライディングで狭い場所を進めるヒロイン“ミリアム”。 |
▲通常攻撃こそ弱いが、得意の錬金術を駆使して戦う錬金術師の“アルフレッド”。 |
▲自由自在に空中を移動できるうえに、通常攻撃が上方向に広がる性質をもつ“ジーベル”。 |
このように個性的な能力を持った仲間と協力することによって、主人公だけでは進むことができないルートを開拓することができるようになります。
このキャラの使い分けが特徴でもあり、おもしろいところ。ルートを開拓できた時のうれしさ、使い分けていく楽しさが刺激となり、ついついいろいろなところをチェックしてしまうのです。
ゲーム開始時に“VETERAN(ベテラン)”と“CASUAL(カジュアル)”という2つのスタイル(難易度)が選択できます。
“VETERAN(ベテラン)”は、レトロタイプのシビアなスタイルと説明されていて、昔ながらの8bitゲームの難しさをそのまま再現した難易度。一方の“CASUAL(カジュアル)”は、残機無制限で被ダメージ時の吹き飛ばしがないうえに、各キャラクターが使えるサブウェポンという技の使用回数が増えています。
筆者はまずベテランでクリアをしたのですが、一瞬の判断の迷いが致命傷になったり、逆に焦って転落死をしたりと「アクションゲームを満喫している!」という感覚を存分に味わうことが出来ました。
歯ごたえのあるアクションゲームをやりたい!という人には特にオススメですが、アクションゲームが苦手な方でも、“80年代のアクションゲーム”を体験するという意味を含めて、ぜひ一度だけでも挑戦してみてください。
なお、スタイルはゲームオーバー時とデータロード時に変更が可能。ゲームオーバーになったら“CASUAL(カジュアル)”に変更してプレイを再開してください!
分岐ルートはいくつもあるため、どのルートを進めばいいのか悩んでしまう時がありますが、“先人の骸”が最短ルートを示してくれます。
本作にはキャラクターを強化するレアアイテムが存在するのですが、それらはすべて最短ルートで獲得できます。よくある「遠回りしないと手に入らない!」といったことはなく、むしろ遠回りすればするほど、敵の数が増えていき、ステージの難易度が上がっていくので、自信のない人やとりあえずクリアしたい人は“先人の骸”が指し示す最短ルートを進むのが、ポイントです。
▲“先人の骸”が指し示す方向にドアがあるのですが、“ミリアム”のジャンプ力がないと進めない場面です。 |
分岐ルート以外にも、隠しアイテムや、回復アイテムなどが大量に手に入る隠し部屋が存在。“VETERAN(ベテラン)”でプレイしていると回復アイテムは枯渇するので、それを見つけられるとだいぶ楽になります。
隠しアイテムや部屋は城の壁や足場のブロックなどに隠れているので、一見何もなさそうな所も武器で攻撃してみると、もしかする壊れてアイテムや部屋の入り口が出てくるかも知れません! なかなか発見できないので、見つけた時には思わず「おぉぉぉ!」と声が出るくらいうれしくなります。この作りが秀逸で、止め時がわからなくなるほどプレイに熱中します。
▲普通の足場ですが、そこを攻撃して破壊すると回復アイテムが出現! |
▲何もなさそうな壁ですが、攻撃すると崩れて入り口が出現! 新たなマップが現れます。 |
記事に際して全エンディングを見たのですが、どのエンディングもそれぞれ違った味わいがあり、かなり魅力的でした。「お? これは?」と思わせるような含みがあるエンディングで、早く本編をプレイしたくなりました。
そして当然のように存在する、BAD ENDとTRUE END。どのエンディングにも、それぞれに驚きや熱い展開があり、思わずコントローラーを強く握りしめてしまいました。
なお、少しだけ書くのですが、マルチエンディングへのプロセスが秀逸です。制限時間以内クリアするとかノーダメージクリアなどの手法ではなく、前述した戦いの中で出会う“仲間”がカギになります。
仲間との向き合い方で物語はさまざまな結末へと向かっていきます。昨今では攻略サイトなどを見ないで、ぜひ自身の手でそのプロセスを発見していただきたい!
最初のプレイでは気づきにくいのですが、ストーリーや仲間との会話の中にヒントがあるので、細かいところまで注目して遊んでほしいゲームです。
あくまで8bitテイストのゲームなのですが、プレイしてみると「これはテイストではなく80年代に発売したゲームの移植版なのでは……」と錯覚するようなクオリティのデザインとBGMでした。30代以上のプレイヤーなら、その懐かしさを目、耳、そして手で感じ取れると思います。
レトロ風なのにプレイ感は新しいというゲームは最近増えてきていますが、本作はレトロ風を超えて、“あの頃のゲーム”を体感できるゲームとなっているかと。
PS4、PS Vita、Nintendo Switch、3DS、Xbox One、Steamと現行で稼働している多くの機種で発売されているので、万人がプレイできるのも魅力です。ぜひプレイをして、筆者も感動した熱量と愛を感じ取ってください。
▲各ステージに現れるボスのデザイン、ボス戦のBGM、すべてカッコよく思わず見入ってしまいます。 |
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