2018年6月13日(水)
10月4日にカプコンから発売されるPS4/Nintendo Switch/Xbox One/PC用ソフト『ロックマン11 運命の歯車!!』。本作をプレイしたレポートを掲載します。
本作は、誕生から30周年を迎えた『ロックマン』シリーズの最新作。2017年12月にタイトルがアナウンスされるや、世界中から大きな反響が上がりました。
現在行われている“Electronic Entertainment Expo 2018(E3 2018)”に出展されている『ロックマン11』のレポートを、シリーズタイトルを遊びつくしてきたライターがお届けします。
いまさら説明不要かと思いますが、まずは『ロックマン』の概要を紹介。プレイヤーは好きなステージを選んで挑戦し、最後に待ち受けているボスを倒すとステージクリア。撃破したボスの能力をロックマンの特殊武器として獲得し、再びステージを選択する……というのがゲームの流れとなっています。
ゲーム自体はシリーズ定番の2D横スクロールアクション。昨今のゲームと比べると全体的にシンプルな作りになっており、画面がゴチャゴチャして見えにくいということもありません。
キャラクターやステージは3Dで描写されており、ただただレトロなわけではありません。そのうえで実際にプレイしてみると「これぞ『ロックマン』だ!」と感じられるような快適なアクションを楽しめます。
ロックマンやロールちゃん、ライト博士やDrワイリーといった面々はフルボイス。この辺りを含め、FCテイストだった『ロックマン9』や『10』よりも『8』の進化形を感じさせる作品になっています。
▲特殊武器を使うとロックマンの外見が変化するという新要素も。 |
選べる難易度は4段階。最初にプレイしたのはシリーズプレイヤーに向けた“ORIGINAL SPEC.”。現役プレイヤー向けという文言に偽りはなく、このモードでもしっかり歯ごたえがあり、ボスに到達するのにも苦労しました。
後からと、一段階下げた“ADVANCED”に変更すると、受けるダメージが下がったことや回復アイテムのドロップ率が上がったことから、サクサク進めるように。
ちなみに最高難易度の“EXPERT”はシリーズに手慣れたプレイヤーですら、しっかり攻略を組み立てて挑まないとクリアがおぼつかないほどの歯ごたえらしいです。腕がなってきましたか?
本作の特徴として“ギアシステム”があります。ギアには“スピードギア”と“パワーギア”があり、ステージ中、いつでも発動可能。ギアの効果時間は決まっていて、制限時間を超えると一定時間ギアを使用できなくなります。このため、ギア発動→オーバーヒート前に解除という、ピンポイントで使うことを推奨されるシステムになっています。
▲画面左上の体力ゲージの下にあるのがギアゲージ。 |
スピードギアは移動速度が上昇する能力で、ゲーム的には周りの動きがスローになります。対するパワーギアはバスターと特殊武器の威力が上昇。スピードギアはR1、パワーギアはL1で発動しました。もう一度同じボタンを入力することで解除できます。ステータスウィンドウに切り替える必要もないので、ゲームのテンポが悪くなることもありません。
このスピードギアはとにかく便利で、プレイ中に多用しました。スロー効果は敵の攻撃を回避する際はもちろん、ギミック突破時にもひと役買ってくれます。初見プレイでは突破が難しいギミックも多くあるため、使うタイミングが重要になります。
▲スピードギアを発動すると敵の攻撃が遅くなり、回避をしやすくなります。 |
もう1つのパワーギアは、チャージショット後に反動や硬直があり、使いこなすのにやや慣れる必要がある印象。その分、うまく使いこなせた時の爽快感はバツグンなので、やり込む価値のあるギアになっています。
▲パワーギアによってバスターの威力がアップ。チャージショットが2連発になり、攻撃力が増加します。 |
さらに体力がギリギリになると両ギアを同時に使う“ダブルギア”が発動可能に。発動すると能力が大幅にアップするものの、途中解除はできず、効果が切れるとオーバーヒートして能力ダウンが続くというデメリットがあるため、ボス戦での切り札として使うことになりそうです。
▲強力な反面、デメリットもある“ダブルギア”。うまく使えれば、起死回生の切り札になるかと。 |
『ロックマン』シリーズといえば高難易度のステージギミックは外せません。本作でも歯ごたえは健在で、ジャンプの着地点に出現する敵、強制スクロール&即死ギミックなど、プレイヤーの腕が試されるようなギミックが満載です。
▲ギミックに追われる場面でもスピードギアを駆使することで攻略しやすくなります。 |
ただ、プレイヤーの心をポッキリ折るのではなく、「もう少しでクリアできるかも」と思わせてくれる絶妙な難易度設定がニクイところ。実際、試遊し始めた時はてんてこ舞いだったギミックも、何度か挑戦することでスムーズに突破できるようになりました。こういったプレイヤーの上達を感じさせてくれるだいご味は本作でもしっかり健在です。
▲手ごわい中ボスも各種ギアを使うことで攻略の糸口が見えてきます。 |
今回挑戦できたのは“ブロックマン”ステージと“ヒューズマン”ステージの2つ。
ブロックマンのアクションは岩石投げと突進ぐらいで、比較的組みやすい相手。スピードギアのお世話になったもののサクッと倒せる……かと思いきや、耐久力が減るとボスがパワーギアを発動。画面の半分を覆うほど巨大な姿に変化して、強烈な攻撃をくり出してきます。
ヒューズマンも前半は電撃を飛ばしてくるのが目立ったのですが、後半ではスピードギアを使用。もともと素早かったスピードにさらに磨きがかかり、こちらのスピードギアを使っても回避するのが精いっぱいでした。
このように本作ではギア使用によってボスの性質がガラリと変化。見た目を含めて、慣れてしまうとやや単調になりがちなボスバトルでのスパイスとなっています。
プレイして感じたのは、「やっぱり『ロックマン』ってこうだよね」という印象。ミスした時の悔しさとクリアできるようになったときの達成感、そしてサクサク進めるようになったときの爽快感。この辺りの絶妙な難易度設定はこれまでの『ロックマン』シリーズ同様のものでした。
ギアシステムについては、アクションや演出を含めて『ロックマン』らしさを損なわず、それでいてシリーズの進化を感じられました。難易度設定があるので、アクションが得意ではない人も安心して遊べるのもポイントです。特に「そもそもアクションが不得意だからプレイしない」という人、ちょっと待ってください!
繰り返しプレイすることで突破できる難易度ということは、プレイを続けることでプレイヤー自身のレベルが上がっていること。キャラクターのレベルを上げればクリアできるRPGとは一味違う、良質な2Dアクションゲームの新作をプレイできるチャンスです。
シリーズ未経験の人も、一度プレイしてみてください。コントローラを投げつけたくなるほどの悔しさの先にある、クリアできた時の達成感に病みつきになると思いますよ。
『ロックマンX』誕生25周年を記念した『ロックマンX アニバーサリー コレクション』・『ロックマンX アニバーサリー コレクション2』。本作にはシリーズタイトルが遊べるほかに、新モード“Xチャレンジ”が収録されています。
Xチャレンジとは、タッグを組んだ歴代のシリーズボスを撃破していくやり込み系のモード。1つのチャレンジに3ステージ用意されており、事前に複数の特殊武器から3種類を選択し、3つのステージに挑みます。難易度は“イージー”、“ノーマル”、“ハード”の3段階で、ハードはノーマルをクリアすると挑戦できるようになります。
9つの特殊武器から3つを選択にしてステージに挑戦。特殊武器の変更はできないため、どの武器を選ぶかが攻略のカギです。最初にノーマルをプレイしたのですが、ファンに向けた歯ごたえのあるチューニングとのことで、ボスの攻撃を避けるのが至難の業。ボスの組み合わせによっては逃げ場がほとんどない状況も多く、そのあまりの無慈悲さには思わず笑ってしまうほど。
▲文字通り“画面せましと暴れまわる”ボスたち。この暴れっぷりは一見の価値があります。 |
当然サブタンクなどは使えないので、どちらか一方を素早く倒すのが攻略のキモ。どちらかのボスの弱点を突ける特殊武器を用意し、どれだけ早く片方を倒せるかが重要になりそう。
難易度ノーマルはステージクリア後にライフ回復などの措置もないため、いかに被ダメージを押さえられるかもポイント。3ステージを突破するだけでも難しく、かなり歯ごたえのあるモードになっています。
ちなみに難易度イージーは被ダメージがかなり減るのでクリアするのは難しくはありません。まずはこちらでボスの出方をうかがってからノーマルに挑戦するのがよさそうです。
本モードはオンラインランキングにも対応しています。腕に自信がついてきたら世界中のプレイヤーたちとスコアを競い合うという遊びも楽しめます。
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