2018年6月9日(土)
タニタが実施する、PS4用周辺機器『ツインスティック VTX(Version TANITA eXtra)』のクラウドファンディング。そのインタビューを掲載する。
『ツインスティック VTX』は、セガゲームスから発売中の『電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録(インデックス) とある魔術の電脳戦機(バーチャロン)』のPS4版で使用できる周辺機器。6月8日12:00~7月30日23:59にクラウドファンディングが行われ、目標金額に達成した場合、商品化される。
今回、クラウドファンディングの仕掛け人にして、『バーチャロン』シリーズを愛していることで有名なタニタの代表取締役社長、谷田千里さんにお話を伺った。
▲タニタ代表取締役社長 谷田千里(たにだ せんり) |
――『とある魔術の電脳戦機』をプレイされたご感想を教えてください。
私はPS4版をプレイしたのですが、最新の技術で作られているだけに、そのクオリティーの高さに驚きました。『バーチャロン』ならではのスピード感や爽快感は相変わらずで、対戦が本当に楽しいですね。ただ、ロボットを操作しているという没入感を得るには、標準のコントローラでは物足りません。やはりツインスティックでプレイしてみたいですね!
――改めて、ツインスティック製作を決めた経緯について、教えてください。
私自身、『バーチャロン』シリーズの大ファンなのですが、最新作『とある魔術の電脳戦機』に対応するツインスティックが発売されないと伺い、非常に残念に思っていました。ツインスティックは、バーチャロイドのコクピットに乗っているような疑似体験をさせてくれる、『バーチャロン』シリーズに欠かせない要素だと思っています。
私と同じように、今回ツインスティックが発売されないことを残念に思われているチャロナーの方は多いと聞ききました。“ものづくり”を手がける企業として、「何かできることはないだろうか」と考えたのが、今回のプロジェクトの出発点です。
――今回、クラウドファウンディングを行われるということですが、このような形式での企画にされた理由は?
ゲーム分野は、タニタにとって新たな事業領域へと踏み出すチャレンジとなります。ユーザーの皆さんと対話しながらものづくりを進めたいと考え、クラウドファンディングを活用することにしました。また、この手法を選んだのにはもう1つ大きな理由があります。新しいものづくりの在り方を示せるのではないかと考えたのです。
新領域のものづくりを進めるには、資金の調達や販路の開拓が課題となります。どんなにすばらしい企画を考えても、これをクリアしなければ商品化には至りません。そこには、これまでの慣習やリスク、会社組織の構造なども壁として立ちはだかります。これはタニタにおいても例外ではありません。
クラウドファンディングを活用することで、これを乗り越えていけるのではないかと思っています。「自分のアイデアは今の組織では通らないから」、「自分は商品企画に携わっていないから、ものづくりはできない」……そんなことはありません。あきらめないでほしいのです。
この手法なら、誰もがつくりたいと思うものをつくれます。日本には、優れた技術を持った人材や企業が多数あります。これらが連携すれば、ユーザーが欲しいと思う商品をかたちにすることができます。この手法こそが、“ものづくりの日本”を元気にする1つの解になるのではないかと考えています。
――今回の価格設定にはどのような理由、経緯で至ったのでしょう。
『ツインスティック VTX』が目指したのは、『バーチャロン』シリーズの原点であるアーケードの興奮を完全再現する“一生もののツインスティック”ですので、コストとクオリティーのバランスを最後まで妥協せずに煮詰めていきました。スティックの傾斜角度をこれアーケードの筐体と同じ“8度”としたり、耐久性やメンテナンス性を高めたりしていますので、価格に見合う価値を感じていただけると思います。
――『とある魔術の電脳戦機』では、これまでのシリーズよりもボタンの数が増えていますが、デザインや製作面で苦労はありましたか?
『とある魔術の電脳戦機』では、第4の兵装“ブーストウェポン”や新アクション“トランジション”が追加されたこともあり、チャロナーの皆さんがこれまで親しんできたツインスティックと違和感がなく、最新作に対応できるデザインとすることに苦労しました。本商品では、自然に操作できるボタン配置を検討し、“トリガー”部分を2つにしています。
▲『ツインスティック VTX』のイメージ画像。 |
――“健康に関連するものをいれられるのでは?”と憶測も流れましたが真相は?
健康づくりは“楽しく続けられる”ことが重要です。タニタでは、ゲームやアミューズメント分野のコンテンツは健康づくりを継続させる有効なツールになり得るととらえており、セガグループ様と連携した取り組みを進めています。
本商品はその一環で、特に健康をはかる機能はありませんが、今後は消費カロリーがはかれたり、脈拍がはかれたりするような機能を持つ商品も検討したいですね。今回と同じようにクラウドファンディングの手法を使えば、実現しやすいのではないかと考えています。
――企画中、セガさんとはどのようなやりとりがありましたか?
セガさんとは、“チャロナーが満足できる一生もののツインスティックを作ろう”という共通目標を持ち、連携してプロジェクトを進めていきました。特に、『バーチャロン』シリーズの生みの親である亙プロデューサーとは密にやり取りをさせていただき、微に入り細にわたって多くのアドバイスをいただきました。
――今回のスティックはPS3やPCでも使えるのでしょうか?
本商品はPS4専用となります。ニーズがあれば、他の機種にも挑戦したいですね。
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(C)SEGA CHARACTER DESIGN:KATOKI HAJIME
(C)2017 鎌池和馬
キャラクターデザイン・原作イラスト/はいむらきよたか
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