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2018年6月17日(日)

【電撃PS】吉田修平プレジデントに漢と書いて男を見たSNSに関する話。山本正美氏コラム。

文:電撃PlayStation

 電撃PSで連載している山本正美氏のコラム『ナナメ上の雲』。ゲームプロデューサーならではの視点で綴られる日常を毎号掲載しています。

『ナナメ上の雲』

 この記事では、電撃PS Vol.663(2018年5月24日発売号)のコラムを全文掲載!

第132回:ありがとうSNS!

 SNSは、TwitterとFacebookとInstagram、あと、SNSと呼ぶのかは微妙ですが、LINEを使っています。

 自分の中では一応それぞれ使い分けをしていて、まずTwitterは、最初にやり始めたということもありますが、担当コンテンツ拡散とセルフプロデュースが目的で、とにかくフォロワーを増やして自己メディアとしてのパワーを獲得したいがために使っています。

 Facebookは、基本的に自分からフレンド申請をすることはなく、申請をいただいたとしても「一度会ったことのある人」だけ承認させてもらう、というスタイルで運用。なので公開範囲も友達までにして、家族のこともポストしたりします。

 インスタは、高校生になってスマホを手にした娘に「インスタだけは入れて欲しい!」と懇願され、とりあえず親の目を光らせる意味で僕も使っている程度。しかし何人か娘の友達とフレンドになり、まったく別種の世界を勉強させてもらっていてこれはこれで面 白い。

 LINEは、実家の親に近況報告がてら投稿するぐらい。という感じで、使い方や目的もそれぞれ。面倒といえば面倒なのですが、僕、結構書かずにはいられないことが毎日ちょこちょことある人間なので、RTやいいねなど、フィードバックの刺激もあって飽きずに続けられています。

 しかしSNSにもそれぞれ一長一短がありますよね。数年前まではTwitterを一番に使っていましたが、日本語が多国語に比べ一文字で表現できる意味が多いとはいえ、やはり文字数の壁はキツい。

 遊んだゲームや観た映画の感想なども、かつては10個に小分けしてツイートするなど結構な労力を使っていたのですが、最近はそれがさすがに手間で、Facebookに書いた長文のリンクをツイートするといった合わせ技を使うことが多くなりました。

 あと、「プロモーション」ツイートや「最近のハイライト」など、システムからの余計なツイートも流れてくるので、時事性の高い「タイムライン」というコンセプトが、本来の意味をなさなくなってきたのも残念です。

 FacebookはFacebookで、長文は書けるもののリコメンドされるポストのアルゴリズムがいまだによくわからないし、過去ポストの検索もしづらい。

 インスタは、「映え」がメインなのでそもそも「書く」にはあまり向いておらず、一方で「ストーリーズ」という24時間で消えるポストが大人気。おっさんは「残す」ことに一生懸命になりがちですが、いまどきの女子高生はガンガンに自分の時間を華麗に消費しま くっていて、まさに別世界。

 ときに機能的に迎合したり、また個性を打ちだすために棲み分けたり、その狭間で揺れる各SNSの運営苦労がしのばれます。

 そういえば、昨年の秋に、人生初ワンちゃんを我が家に向かい入れたのですが、しばらくして娘と近所の多摩川に散歩に連れて行ったときに、こんなことがありました。

 河川敷を無邪気に走り回るワンコの姿が可愛くて、これはFacebookにアップだ! とスマホで写真を撮りまくっていた僕に、娘が、「ちょっとこのまま持ってて」とスマホを渡してきました。渡した瞬間、娘はワンコと走り出してしまった。え、何をすりゃいいの? と画面を見ると、スマホがインスタライブのモードになっている。

 「そのままカメラで写しといて~!」とワンコと駆け回っているわけです。つまり、いきなりその場で友達に向けてライブ配信を始めたのですね。写真を撮ってコメントを書いてポスト、という従来の発信をしようとしていた僕は、「ええ! 今ってもうそんな時代なの!?」と、寄る年波を痛感したのでした。

 思えば最初にTwitterをやり始めたとき、リツイートとリプライの違いもよくわかりませんでした。公式リツイートと引用リツイートってナニ? みたいな感じでしたが、でも使い続けていると当然理解も深まる。ちょっと考えたツイートでRTが伸びたり、その後フォローされたりすると嬉しい。

 こういうことも、小さなことだけど大事な成功体験。以前このコラムで書きましたが、僕はTwitterをやっていたからこそ、ツイートを読んでくれた社内の女性から「書いてみませんか?」とありがたい打診をいただいたことが、奇跡的にこのコラムの連載へと繋がっています。

 あ、それと、TwitterやFacebookをやっていなかったら、吉Pさんことウチの有名人、吉田修平プレジデントからも、あまり認識されない男になっていたかもしれません。

 というのは、実は僕、過去にTwitterでプチ炎上したことがありまして……。社内でも色んな方々に謝ったりして、ボコボコに落ち込み大反省していたちょうどそのタイミングで、当時の僕のグループの忘年会があり、あろうことかゲストとして吉田さんを呼んでいたのです。

 合わせる顔がない……と思いつつ、まずは吉田さんによる乾杯のご挨拶に。そこで吉田さんが発した言葉を、たぶん僕は一生忘れません。「キミたちの上長が炎上しているけど、情報発信できるツールがこれだけ隆盛で、それをクリエイターが積極的に使わない手はない。上長のミスにビビらず、みんなも積極的に使いなさい。乾杯!」……漢と書いて男を見た瞬間でした。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント JAPANスタジオ
エグゼクティブプロデューサー

山本正美
『ナナメ上の雲』

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント JAPANスタジオ 部長兼シニア・プロデューサー。PS CAMP!で『勇なま。』『TOKYO JUNGLE』、外部制作部長として『ソウル・サクリファイス』『Bloodborne』などを手掛ける。現在、『V!勇者のくせになまいきだR』を絶賛制作中。公式生放送『Jスタとあそぼう!』にも出演中。

 Twitterアカウント:山本正美(@camp_masami)

 山本氏のコラムが読める電撃PlayStationは、毎月第2・第4木曜日に発売です。Kindleをはじめとする電子書籍ストアでも配信中ですので、興味を持った方はぜひお試しください!

データ

▼『電撃PlayStaton Vol.664』
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2018年6月14日
■定価:694円+税
 
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