2018年7月1日(日)
『PSO2』とアニメ『BEATLESS』のコラボインタビュー。イラストレーターredjuiceさんが考える見どころは!?
セガゲームスがサービスするオンラインゲーム『ファンタシースターオンライン2』とTVアニメ『BEATLESS』とのコラボ。それを記念したインタビューを掲載する。
ACスクラッチ“セラフィック・アンドロイド”では、TVアニメ『BEATLESS』とのコラボスクラッチを配信中。“レイシア”と“紅霞”のコスチューム、髪型、アクセサリーの他、2人のキービジュアルのポーズを再現したコラボロビアクが登場している。
インタビューでは、『PSO2』から木村裕也シリーズディレクター、『BEATLESS』からredjuiceさんを迎え、コラボの経緯や見どころなどをお聞きした。
こだわって作られたコラボアイテムの評価は!?
――はじめに『BEATLESS』とコラボを行うことになった経緯を教えてください。
木村:コラボ先はつねに模索してはいるのですが、『BEATLESS』については『PSO2』と同じSFの世界観で展開する作品で、TVアニメ化も決まったということもあり、ぜひコラボできたらなと考えていました。しかし、TVアニメが放送される時期と我々の開発期間を照らし合わせた時に、ベストなタイミングで配信するのは難しいという結論に達して一度はあきらめたんですよ。
――今からコラボ案を進めても、TVアニメ放送中の配信には間に合わないと。
木村:交渉などの段取りを考えると、本来ならそうでした。ですが今回は、アニメの制作スタッフのなかに『PSO2』が好きな方がいらっしゃいまして。その方から協力の話をいただけたおかげで、通常よりも短い期間で開発に着手できるスケジュールを組むことができ、コラボの実現にいたりました。
redjuice:それでもかなりギリギリだったんじゃないですか? 企画の話をいただいてからモデルがあがってくるまでが速くて、すごいペースで作業をしているなと感じていました。
木村:ギリギリでしたね(笑)。本当は6月末に配信するアイテムはすべて、すでに決まっていたのですが、追加で今回のコラボアイテムをねじ込んだりもしたんですよ。
――今回のコラボでレイシアと紅霞のアイテムを選んだ理由を教えてください。
木村:レイシアは作品のヒロインなので当然として、もう1人に紅霞を選んだのは、アニメのスタッフさんからの推薦と、僕が思う『PSO2』ユーザーさんの好みにあっていそうだと思ったところが大きいです。
redjuice:僕も2人選ぶとしたらレイシアと紅霞になりますね。原作でも目立ってますし。
木村:レイシアと紅霞の武器が、武器迷彩との親和性が高いと思った部分もあります。3人目としてメトーデも考えたりしましたが、今回は時間の問題などから2人に収めました。
――男性キャラ用のコスチュームとレイヤリングウェアがないのも、開発の時間的な問題でしょうか?
木村:コラボの時は、けっこうそういうことが多くなってしまって申し訳ないです。ただ今回は、『BEATLESS』に登場する男性陣が基本的には学生服ということもあって、入れたとしても目新しさが薄いものになってしまうかなと。
redjuice:戦闘服も無理やり考えるとしたら軍服ぐらいですもんね。仕方ないと思います。
――今回のアイテムのなかで特にこだわった部分を教えてください。
木村:ロビーアクションにはこだわりましたね。フィギュアにも使われているキービジュアル的なイラストの再現だったので、絵を見た時と同じようなインパクトを持たせられるよう心がけて作りました。あと、武器迷彩のサイズ感などもこだわった部分です。
redjuice:“*BLACK MONOLITH”のモーションは見ていてすごかったですね。“BLACK MONOLITH”はもとの形状で攻撃する想定ではなかったので、これで殴るとこんな感じになるんだ、って(笑)。
――“*BLACK MONOLITH”と“*BLOOD PRAYERS”を、ソードとランチャー以外にも対応してほしかったという声も多そうですね。
木村:案としてはアサルトライフルなんかも候補にあがりましたが、ちょっと印象が違うかなと。正直な話、モデルの潜りなどを一切気にせず、やろうと思えばどの武器カテゴリーにも適応できるんですよ。ただ、僕らのなかにもある程度の線引きがありまして。ユーザーさん側からすれば「やればいいじゃん」と思うかもしれませんが、これに関してはご理解いただけると助かります。
――監修するに当たって、redjuiceさんはどういったところを重点的に見られましたか?
redjuice:主に衣装と武器のディティールですね。衣装に関しては靴まわりやスキンのラインなどがきちんと再現されていて、わかって作られているなと感じました。武器ももとがかなり大きいので小さくなってしまうだろうと思っていましたが、かなり忠実に再現してくださいましたね。
木村:武器は多少小さくはなっていますけど、パッと見た時に違和感がないものにできたとは思っています。他の武器と比べると相当大きいですし、コラボの時じゃないと作らないサイズなので、ユーザーさんに喜んでもらえてるとうれしいですね。
redjuice:“BLOOD PRAYERS”のグリップ位置なんかもちゃんと作っていただけていて。実は武器のディティールや変形機構などは、TVアニメ化するに当たって作り込んだ部分なんですよ。そういった部分もきちんと再現されていたので、文句なしのデキだと思います。
――自身が考えるコラボアイテムを使った楽しみ方などがあればぜひ教えてください。
木村:まずは自分なりのレイシアや紅霞を作ってから、アレンジを加えて楽しんでもらえるとうれしいですね。サンプルはTVアニメに寄せていますが、それこそredjuiceさんのイラストに寄せた2人もいいですし、豊富なメカ系アクセサリーなどを組み合わせてフルアーマーバージョンのレイシアや紅霞を作ってみるのもいいと思います。
redjuice:TVアニメでもレイシアがモデルになったり、紅霞がカジュアルな服を着ていたりなどいろいろな姿を見せてくれましたし、TVアニメの何話かを再現した格好もいいですよね。あと僕としては薄着の2人もぜひ見てみたいです。時期的にウエディングドレスや水着、あとは大胆に下着エプロンぐらいなら全然OKですよ(笑)。
木村:公式にOK出ましたよ、みなさん!(笑)
redjuiceコラボアイテムも今後登場!?
――ここからはゲーム内のコラボから少し離れた質問をさせていただきます。まず木村さんは『BEATLESS』、redjuiceさんは『PSO2』を初めて知った時の印象をお聞かせください。
木村:僕が『BEATLESS』を初めて知ったきっかけは、redjuiceさんの画像をインターネットで検索していた時ですね(笑)。最初に見たレイシアのビジュアルのインパクトがすごく印象に残っています。作品の内容としては、すごく繊細なテーマを描かれているなと。
人型のロボットが普通に働いていて、主人公は受け入れているけど、友人たちなど大半の人々は彼らをモノとして見ている。フィクションではあるけど、リアリティがあって、もしかしたら将来こういったこともあるんじゃないかと思わせてくれるような、考えさせられる内容だと感じています。
redjuice:『PSO2』はキャラや武器を強くするというより、着せ替えを楽しんでいる方が多いなという印象です。僕自身は『PSO2』をプレイしていないものの、ツイッターなどで新しい服やアクセサリーが出たと盛り上がっているのをよく見るんですよ。
木村:他のゲーム以上に、キャラの外見を楽しんでくださっているユーザーさんが多いですね。『PSO2』の一番の特徴ではあると思います。
――もしredjuiceさんが『PSO2』のキャラを作るとしたら、どんなキャラを作ってみたいですか?
redjuice:やっぱり女性キャラですね。肌が白くて、白髪で、薄幸そうな……。ファンタジー風の見た目で、SF世界の中にあって少し異質な印象を受ける神秘的なキャラを作ってみたいですね。
木村:redjuiceさんは、普段ゲームを遊ばれたりするんですか?
redjuice:今はスマホのものを少しぐらいですね。学生のころは『ウィザードリィ』シリーズや『クロノ・クロス』、『カルネージハート』などにハマった記憶があります。あと子どものころは家がゲーム禁止だったので、友だちの家で『ファイナルファンタジーII』をクリアするまで遊んでたりもしましたね(笑)。
――redjuiceさんがイラストを描かれるようになったのはいつごろでしょうか?
redjuice:本格的に描き出したのは24~25歳のころですね。ちょうどネットでお絵描き掲示板が出だしたあたりでしょうか。
木村:それまでは特に描かれていなかったんですか?
redjuice:そうですね。美術部に入っていたわけでもないですし、他の人と比べてちょっと絵がうまい子レベルといった感じでした。
木村:イラストを描こうと思ったきっかけはなんだったんですか?
redjuice:う~ん……ひまだったからでしょうか(笑)。ひまつぶしに、お絵描き掲示板で『ジャンプ』漫画のファンアートなんかを描いたりしていまして。そこが始まりです。
木村:ご自身の中でSF系の描き方が確立されたのはどのぐらいの時期になります? ゲーム業界のデザイナーには、ファンタジー風の絵や現代的なカジュアルな絵を描ける人材は多いのですが、SF系やメカのデザインを描ける人間ってかなり限られているんですよ。
redjuice:時期は厳密には覚えていませんが、とりあえずよく見るのは海外のアーティストさんが描かれているイラストですね。SF系は海外の方のタッチがすごくよくて、刺激になるんですよ。
――『BEATLESS』でいうと、レイシアと紅霞を描く際に気にしている部分はどこですか?
redjuice:僕の場合はキャラ性より、イラストを見る方にキャラのどういったところを見せたいかを考えて描いています。挿絵、扉絵、表紙など、それぞれで違うレイシアというイメージですね。
その中で、例えばレイシアのかわいいところを見せたい時と、内面にある恐ろしさを見せたい時では、それぞれの絵柄を意識的に変えています。
――シチュエーションに応じてわざと絵柄を変えていると。
redjuice:バストアップのイラストなら瞳の描き込みで印象を変える、引きならポーズでイメージを出すなど、見せたいものを一番表現できるタッチでイラストを描くのが僕のスタンスですね。僕の場合は漫画家さんと違って、いろんな絵柄で描いても許される……と思って描いています。
――ちなみに、木村さんがredjuiceさんに『PSO2』のキャラを描いてもらうとしたら誰になりますか?
木村:リサですね。眼が印象的なキャラですし、redjuiceさんなら彼女の瞳をどう描かれるんだろうと思いまして。あと、欲を言うならredjuiceさんオリジナルの『PSO2』のキャラも見てみたいです。例えば双子や兄妹といった設定で、男女がセットになったキャラと衣装をデザインしていただいて、それを『PSO2』に……ぜひお願いします!(笑)
redjuice:お約束はできませんが、機会があれば描かせていただきます(笑)。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
木村:コラボで『BEATLESS』を初めて知った方もいると思いますが、『PSO2』を遊んでいる方なら、きっと好きになる作品です。『PSO2』ユーザーの方はコラボアイテムを使ってゲームを遊びつつ、『BEATLESS』という作品を目に。
『BEATLESS』ファンの方は、今回のコラボをきっかけに『PSO2』に触れていただけると、本当にうれしく思います。基本無料ですので! 『PSO2』のユーザーさん、『BEATLESS』のファンの方ともに、今回のコラボを楽しんでください。
redjuice:SF作品として、『BEATLESS』はすごく楽しめるものになっています。クライマックスに突入したアニメを観ていただくのもいいですし、レイシアや紅霞、世界のことをより深く知りたいと思った方は小説を読むのもおすすめです。もちろん、『BEATLESS』は知らないけどアイテムがカワイイから使ってみよう、といった楽しみ方も大歓迎です。いろいろなスクリーンショットも期待していますので、ぜひよろしくお願いいたします。
(C)SEGA
(C)2018 長谷敏司・redjuice・monochrom/KADOKAWA/BEATLESS製作委員会
データ
- ▼『ファンタシースターシリーズ30周年記念「ライブシンパシー2018」メモリアルアルバム』
- ■メーカー:フロンティアワークス
- ■発売日:2018年7月26日
- ■価格:3,800円(税抜)
- ▼『ファンタシースターオンライン2 クラウド』
- ■メーカー:セガゲームス
- ■対応端末:Nintendo Switch
- ■ジャンル:RPG
- ■配信日:2018年4月4日
- ■価格:基本無料/アイテム課金