2018年7月20日(金)
7月18日より日本版テストが開始されているPC用ソフト『World of Warplanes』。本作の開発ディレクターであるアレクサンダー・カシアネンコさんとパブリッシング・アジアパシフィックプロデューサーの藤田健さんにインタビューを実施しました。
▲アレクサンダー・カシアネンコさん(写真左)と藤田健さん(写真右)。 |
『WoWP』は現在1200万人以上の会員数を誇り、使用できる陣営も日・米・英・独・ソ連・中国と、第二次大戦の主要参戦国の多くを網羅しています。日本版テストでは、これらのうち日本・アメリカ・ドイツを選択できます。
インタビューでは、本作の魅力やこの時期にテストを実施する理由について、カシアネンコさんと藤田さんに語っていただいています。
――『World of Warplanes』は2013年からサービスされているタイトルですが、日本でのテストがこのタイミングになった理由はなんでしょう?
藤田さん:2013年11月からサービスを開始しており、『World of Tanks』や『World of Warships』と同様に日本でのサービスも行いたかったのですが、当時のシステムで日本のユーザーに受け入れられるか疑問がありました。
2017年10月に2.0という大幅なアップデートが行われ、グラフィックや航空機の操作など7割ほどゲームが変わりました。それがすでに展開しているリージョンで好評だったことがあり、そこで日本でのリリースを考えました。それでもこれが日本で受け入れられるかを知りたかったので、日本版テストという形になったのです。
カシアネンコさん:以前の『WoWP』は難しくてコアゲーマー向けでした。それが2.0でマウスとキーボードだけで操作できるようになって、いろんな人が気軽にプレイできるようになりました。そうすることによってアジアでユーザーニーズが見込めるだろうと思っています。日本のプレイヤーが一番熱心にフィードバックをくださいますし、世界的に見ても大きな市場ですので、日本でテストして今後の展開を考えたいということです。
――『World of Warships』の日本サービスはかなり早かったわけですが、『WoWP』との違いは、コアゲーマー向けというゲーム性によるものということでしょうか。
カシアネンコさん:コアゲーマー向けなのか、一般向けなのかの違いですね。『WoWP』はすでに1200万人のプレイヤーがいるのですが、それでも『WoT』の10分の1ですし、そこを一般向けにすることで、アジアや日本のユーザーも取り込めると考えています
――日本でサービスをすることでどれくらいのユーザー数を見込まれているのでしょうか?
藤田さん:まだテスト段階なのでなんともいえないのですが、なるべく多くの方に遊んでもらいたいと思っています。今現在で何人ということは考えていません。
プロジェクトの途中段階なので、フィードバックをどれだけ早く、どれだけ質のいいものを得られるかが一番重要な時期です。今回3陣営に絞っていますが、アジアの皆さん、特に日本のプレイヤーがどのような開発を行っていくのかなどを観察してデータを取っていきたいと思っています。日本のプレイヤーがどのように楽しんでいくか、それを知るためのテストです。
――運営型のゲームはプレイヤーもどれくらい長く遊べるかということが気になるところだと思いますが、『WoWP』はどれくらいを考えられているのでしょうか?
藤田さん:ほかのタイトルと同じようにTier分けの育成システムもあり、チームでの戦略もそれぞれに構築できる深さもあります。そういう意味でほかのPvPゲームに劣るものではないと思っています。そこでコミュニティができてチームで勝つことを目標として継続していただければ。
2.0で大きく変わったこととして操作系以外に、チーム戦での戦術が大きなファクターになったことです。それにより継続しやすい要素が増えたと考えています。
――そこで気になるのは航空機ということで戦車や艦船にくらべてより編隊の組み方が重要になるのではないかということですね。スコードロンのようなものは再現されるのでしょうか?
カシアネンコさん:私たちはフライトと呼んでいますが、『WoT』におけるプラトゥーンのような形で対戦に入っていただくことをお勧めしています。ひとりよりふたりのほうが戦略的な目標の達成に有利になります。人数が多ければ戦術の幅が広がりますので。
カシアネンコさん:戦略的に施設の占領が重要なファクターになります。攻撃するのか、防御するのか、いずれにしてもふたりでチームを組んでのコミュニケーションが重要になるわけです。
5つのクラスがあって、それぞれ得意不得意があります。そこを補いあって、攻守のバランスを取るためには、複数のプレイヤーと連携する必要があるということですね。
――通常の航空編隊は同型機による最低2機の編隊がベースになりますが、本作では異なる機種によるものが有利に働くということでしょうか。
カシアネンコさん:通常、爆撃機で占領に向かう場合、占領時に中立軍からの防衛機が上がってきます。それを戦闘機が護衛するというメリットなどがありますので、異なる機種での編隊も有利に働きます。
――『WoT』や『WoWS』に比べて、各クラスの役割が明確ですが、そこら辺のバランス取りはどのようにされているのでしょうか?
カシアネンコさん:2.0になって、各クラスが自分に与えられたミッションをどれくらい上手くこなすかが勝利のカギになるようになっています。各チームの編成も、最適化された比率で編成されるようになっていますので、そこでバランスはとれているかと。
――ほかのシリーズに比べてより専門に特化した行動を要求されるということですね。
カシアネンコさん:それまでのバージョンでは、個人の技量に由来するところが多かったものが、2.0ではそれぞれがそれぞれに与えられたミッションをどれだけ高度にこなすかが必要になり、それがチーム要素につながっていく部分です。2.0では自分のクラスの役割を理解してそれを行っていれば楽しめるバランスになっています。
藤田さん:いろいろなアクションをしながらタイピングするのは難しいので、ホットキーなどは用意していて、コミュニケーションを簡略化するようにしています。
――日本でのフィードバックを求めているとのことでしたが、日本サーバーとほかのサーバーでサービスが変わることはあるのでしょうか?
藤田さん:技術ツリーが限定的であること以外は、異なるサービスはありません。
――『WoWS』ではアニメーションとのコラボレーションもありましたが、『WoWP』ではそのような展開はお考えですか?
藤田さん:現在はまだ考えておりません。まずは正式サービスができるように頑張る時期ですので、皆さんに遊んでいただいて、その先にそういう展開ができたらいいですね。
■“『World of Warplanes』日本版テスト”概要
【実施期間】
月~木曜日:18:00~翌日1:00
金~日曜日:金曜18:00~月曜1:00
※時間は予告なく変更される場合があります。
(C) Wargaming.net
データ