2018年7月22日（日）

“ダンガンロンパ3 THE STAGE”は集大成の舞台に。出演陣の舞台あいさつとゲネプロの様子をレポート

文：kbj

　7月20日より東京と大阪にて行われている“ダンガンロンパ3 THE STAGE 2018 ～The End of 希望ヶ峰学園～”。7月20日の初回公演に先駆けて、出演者によるあいさつとゲネプロ公演が行われた。

　本公演は、TVアニメとして放送された『ダンガンロンパ3 -The End of 希望ヶ峰学園-』を舞台化したもの。“未来編”をベースにした物語で、“未来機関”の極秘施設にて極限状態での“コロシアイ”をしながら、メンバーの中にいる“裏切り者”を探していくことになる。

　主人公の苗木誠は西銘駿さんが、苗木を支える霧切響子は岡本夏美さんが熱演。豪華キャスト陣に加えて、過去の舞台に出演したメンバーが映像で出演する。さらに5人のキャラがWキャストとして組まれている。

出演者によるあいさつ

　西銘さんら登壇キャストは集まった報道陣に対し、公演に際しての意気込みを語った。


▲左から脚本・演出の西森英行さん、天願和夫役の竹若元博さん、十六夜惣之助役の神永圭佑さん、霧切響子役の岡本夏美さん、苗木誠役の西銘駿さん、朝日奈葵役の飯田里穂さん、塔和モナカ役の市川美織さん、宗方京助役の仲田博喜さん。

西銘：いよいよ初日です。『ダンガンロンパ』はファンから愛されているので緊張しているのですが、肩の力を抜いて頑張っていきたいです。

　本作は、『1』や『2』と比べて重たいシーンが続きます。人の命を感じられるような芝居をしているので、泣いたり笑ったりしてほしいです。

　座長でしたが、皆をまとめられるような感じではないので、雰囲気を大切にすることを心掛けました。引っ張るというよりも、皆が引っ張ってくれて、そのレールに乗ってきた1カ月でした。

岡本：皆で丁寧に気持ちをつむいでいきたいと思っています。劇中ではいろいろなシーンがあるので、これまでのシリーズの歴史をつむぎながら、苗木くんに話かけることを意識しました。

　（西銘くんとは）以前に映画で共演しました。当時高校生だったので、大人になった自分たちがいるのかと思っていたのですが、いい意味でまったく変わっていませんでした。それどころか駿くんの明るさは、前より増していると感じました。

神永：以前に先輩から「役者は汁を出せ！」と言われました。今回は稽古から汁を出してきています。本番も変わらず出していきたいと思います。

　見どころはダブルキャストです。自分が主にお芝居で絡むのは2人ともダブルキャスト。どちらも違う演技ですが、どちらも素敵な芝居になっているので、そこが見どころですね。

飯田：このような2.5次元に出演することについて、緊張しています。演じた朝日奈さんは、絶望に対面している皆の中で唯一の光。そこをしっかり演じていきたいと思っています。最後まで欠けることなく、やりきりたいと思います。

竹若：スタッフ、役者が力をあわせて、舞台を1つにしています。年季は入っているので、2.5次元で活躍していたような雰囲気を出せたらと思っています。生徒を見る優しいおじいさんでありつつ、おしりをつつく役です。

仲田：ここにはいないメンバー、さらにアンサンブルもいて、それぞれに見どころがあります。アクションでは殺陣（たて）があって、さらにプロジェクションマッピングやモニターを使った演出があるので、そこに注目してください。1カ月積み上げてきたものを出せるように頑張ります。

市川：私は、NMB48を卒業して初の舞台です。このモナカちゃんの役では、カワイイところだけでなく、ダークなところを出して、見た人の心に刻んでいただけるように、先輩方と一緒に頑張ります。

　モナカちゃんが出るシーンは全部が見どころ。衣装はとにかくカワイくて、自分で言うのはなんですが、似合っていると思います！　熱意を持って役に向き合って、モナカちゃんを自分の中で作り上げて出していく感覚で挑みました。

西森：舞台としても、『ダンガンロンパ』としても、シリーズの歴史を踏まえて作る“集大成”だと思っています。稽古中に迷ったら原作を見て、皆から愛される作品を目指しました。作品の素晴らしさを一丸となって伝えていきたいです。

　このタイトルはとにかく仕掛けが多い。アニメでやっていることをどこまで舞台でやれるか……。サスペンス性に、舞台ならではの人間ドラマをつめているので、そのあたりを感じていただければと思います。

　『1』や『2』にあった学級裁判は本作にはないのですが、今回は長い学級裁判のようなイメージ。頭から終わりまで、ドラマがとぎれないことを年頭に作っています。そういう意味でも集大成です。また、『1』や『2』であったシーンが密かに入っています。それをキャストが広げてくれました。その愛情が皆さんに届けばいいなと思っています。

ゲネプロ公演

　以下で、ゲネプロの様子をお届けする。なお、ゲネプロのダブルキャストはAチームとBチームの混合という仕様となっていた。

　物語は、“絶望の残党”をかばった苗木誠が、絶望に対抗する組織“未来機関”に呼び出されるところからスタート。プロローグでは『1』や『2』で描かれたこれまでの大まかな物語が説明される。

　苗木を呼び出した“未来機関”のメンバー一同であったが、モノクマによって施設に監禁されて、“最後のコロシアイ”を行うことに。腕にはバングルが巻かれ、一定時間で睡眠薬が投与される。メンバーの中には“裏切り者”が存在するため、生き延びるためには“裏切り者”を見つける必要がある。

　登場人物はやや多いように感じるが、ほとんどのキャストは冒頭のシーンが終わると苗木誠から説明される。原作アニメを見ていなくてもある程度はわかるが、これまでを踏まえた人間関係となっているので、舞台『1』や『2』などを見ておいたほうがよりスムーズに楽しめると感じた。

　今回の舞台は全体的にアクションが多いと感じた。キャラの中でも、逆蔵十三と宗方京助は、序盤から後半までステージ上を走り回っていた。

　プロジェクトマッピングは随所で確認でき、背景だけでなくエフェクトとしても使われていた。またアンサンブルメンバーも大活躍。オブジェだったり、演出だったり、人だったりと、とにかくいろいろな場面で登場するので、こちらにも注目してほしい。

　アクションが多いと記したが、キャラ同士の人間模様が随所で描かれているのも特徴の1つ。そのキャラが何を思って行動しているのか、以前どんなことがあったのかを見られるため、キャラの心情を理解して物語を楽しめるだろう。

　シリアスなシーンが多いが、くすっと笑わせるようなシーンも何カ所か存在していた。アドリブだと思われるようなものも入っていたため、これから見に行く人は楽しみにしておいてほしい。

　どのキャストも、特徴的なキャラをしっかり演じていたが、その中でも仲田博喜さんの演技が光っていたと個人的には感じた。先ほどあげたように、剣を振るうアクションシーンが多いにもかかわらず、最後までやや難しいセリフをしっかり読み上げ、感情の上下が激しいキャラを見事に演じていたと感じた。

　また今回は5キャラがダブルキャストであることも特徴の1つ。自分が見たキャストだけでなく、見ていないキャストも見たいと思える満足度であった。

■“ダンガンロンパ3 THE STAGE 2018 ～The End of 希望ヶ峰学園～”概要（※敬称略）
【公演日程】
2018年7月20～23日：東京　サンシャイン劇場
2018年7月27～29日：大阪　森ノ宮ピロティホール
2018年8月03～13日：東京　ヒューリックホール東京
【原作】スパイク・チュンソフト
【脚本・演出】西森英行（Innocent Sphere）
【音楽】高田雅史（サウンドプレステージ）
【演出助手】陶山浩乃

【主演】
苗木誠：西銘駿
霧切響子：岡本夏美
朝日奈葵（Wキャスト）：飯田里穂
朝日奈葵（Wキャスト）：工藤紬
十六夜惣之助：神永圭佑
逆蔵十三：鮎川太陽
御手洗亮太：木津つばさ
月光ヶ原美彩：三秋里歩
安藤流流歌（Wキャスト）：山下まみ
安藤流流歌（Wキャスト）：石田安奈
忌村静子（Wキャスト）：永島聖羅
忌村静子（Wキャスト）：船岡咲
雪染ちさ（Wキャスト）：高橋りな
雪染ちさ（Wキャスト）：七海
万代大作：一徹（トリテン）
グレート・ゴズ：大久保圭介
黄桜公一（Wキャスト）：永山たかし
黄桜公一（Wキャスト）：玉木健仁
天願和夫：竹若元博（バッファロー吾郎）
塔和モナカ：市川美織
葉隠康比呂：松風雅也（映像出演）
十神白夜：中村優一（映像出演）
モノクマ：TARAKO（声の出演）
月光ヶ原美彩（モノミ）：貴家堂子（声の出演）
宗方京助：仲田博喜
江ノ島盾子：神田沙也加（映像出演）

アンサンブル：Akari、大隈あずさ、大野愛、北浦真子、KOH、ココナ、高見彩己子、寺内巴、遠山結子、永井理沙、馬場美代子、牧内美空

“ダンガンロンパ3 THE STAGE 2018 ～The End of 希望ヶ峰学園～”公式サイトはこちら