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2018年8月1日(水)

5年前の『TERA』を完全再現したクラシックサーバーが8月8日公開。焚き火や黎明の島も復活

文:セスタス原川

 ゲームオンが運営するPC用MMORPG『TERA:The Exiled Realm of Arborea(以下、TERA)』にて、2013年5月15日のゲーム環境を完全再現したクラシックサーバーが8月8日にオープンします。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

 クラシックサーバーでは、フィールドやコンテンツ、UIなどすべてが当時のまま再現されます。開催期間は9月27日までの約2カ月を予定しており、期間終了後には5年分のアップデートが一気に行われ、新サーバーとしてサービスが継続される予定です。

 当時遊んでいたユーザーが思い出を振り返るのはもちろん、全員がゼロからのスタートとなるため、これを機会に『TERA』を始める人にとってもピッタリのサーバーとなっています。

 そんなクラシックサーバーについて、『TERA』日本運営プロデューサーの廣田瞬一さんを直撃しました。インタビューでは、クラシックサーバーを実施する経緯の他、5年の時を経て蘇った注目のコンテンツについてお話を伺いました。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』
▲『TERA』日本運営プロデューサーの廣田瞬一さん。

2013年の『TERA』を完全再現した新サーバー

――クラシックサーバーの仕様についてお聞かせください。

 クラシックサーバーは、『TERA』が2018年8月で7周年を迎えるにあたって、特別に用意したサーバーです。5年前の2013年5月15日に大幅なアップデートが行われまして、そのバージョンを完全再現したサーバーとなっています。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』
『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

――なぜ2013年5月15日のバージョンが選ばれたのでしょうか?

 『TERA』は2013年2月に月額課金制から無料化が行われ、4月~5月に基本無料化に適した大型アップデートを行いました。

 それにより『TERA』が盛り上がったという歴史がありますので、もっとも多くの方が楽しめる環境であると考え、2013年5月のタイミングにさせてもらいました。

――完全再現と言いますと、具体的にどのあたりまで再現されているのでしょうか?

 フィールドやコンテンツはもちろん、ダメ―ジの計算方式、根幹のシステムまで再現そのまましています。

 ぜひ、当時の仕様を楽しんでいただければと思います。重要な不具合は修正していますが、細かい不具合については、そのまま実装となるものもあります。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

 クラシックサーバーでプレイするには、専用のゲームクライアントをダウンロードしていただく必要がありますが、完全再現を行うためには致し方ないということで、ご理解いただければと思います。

――そもそもクラシックサーバーを立ち上げた経緯とはなんだったのでしょうか?

 以前から「昔の環境で遊んでみたい」という要望が多かったという理由があります。これまでに過去のコンテンツを復活させることはありましたが、まだやりきれてない部分もあったので、7周年を機に踏み切ったという感じです。

 それと、本サーバーのアップデートが落ち着き、準備する時間があったことも理由の1つですね。開発元のBluehole(ブルーホール)と協議し、このタイミングなら実現できるだろう、と。

――確かにこれまでも『TERA』では過去に登場したダンジョンの復活なども行われてきましたよね。

 はい。『TERA』ってすごく動きが激しいタイトルで、半年ごとに古いダンジョンを廃止して新しいダンジョンを追加しています。

 そのため、最新バージョンでは遊べないコンテンツが多数あり、お客様から「昔のコンテンツで遊んでみたい」という要望が多く寄せられるんです。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

――その要望に応えるのがクラシックサーバーというわけですね。

 ゲームが7周年を迎え、ゲームオンに運営移管してからも4年が経ちます。遊べなくなったコンテンツも増えてきましたので、なんとか皆さまの要望を叶えたいと思った次第です。

――クラシックサーバーは期間限定とのことですが、期間を終えた後は具体的にどうなるのでしょうか?

 旧バージョンでの稼働は9月27日までの期間限定となっていますが、期間終了時に5年分のアップデートを一気に行い、エリーヌサーバーと同じ環境で運営していきます。

――認識としては、新しいサーバーが立ち上がるという感じでしょうか。

 はい。クラシックサーバーでは、全プレイヤーがゼロからのスタートとなりますので、エリーヌサーバーでは取れない限定レコードも獲得できます。

 新しい環境で全員一斉にスタートしてもらうので、新たにゲームを始めたり、復帰したりするのに最適ではないかと思います。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

――クラシックサーバーが最新環境にアップデートされる際、専用クライアントはどのようになるのでしょうか?

 そのまま正規のクライアントとして使えるよう、パッチを適応する予定です。もちろん、正規クライアントからも新サーバー(期間終了後のクラシックサーバー)にログインできるようにします。

――今回のクラシックサーバーは日本に限られたイベントなのでしょうか?

 現状では他の国でやる予定はありませんので、『TERA』史上で世界初のイベントになります。

昔懐かしのコンテンツが一斉に復活

――クラシックサーバーの細部について、特に現行サーバーとの違いを教えていただけますか?

 まず、レベルキャップが異なります。エリーヌサーバーではレベル65が上限となっていますが、これは2014年に解放されたものなので、クラシックでは最高レベルが60になっています。

 また、クラスは当時からあった8種類で、現在エリーヌサーバーで追加されている5種類は使用できません。フィールドも、現在は合計4つに分かれていますが、アルン北大陸は65レベルのフィールドのためクラシックサーバーは3大陸となっています。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

――昨年に仕様変更された装備システムも、当時の方法に戻るわけですね。

 『TERA』の醍醐味でもある装備強化システムは、昨年10月に“装備強化昇給システム”というものになりました。

 今回はそれ以前の仕組みである、【装備を名品化する】→【強化する】→【オプションを厳選する】という、昔ながらの強化システムとなっています。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』 『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

 また、PvPを行う戦場は“闘志の戦場” 、“名誉の戦場”、“精鋭名誉の戦場”となっており、それ以外はクラシックサーバーには実装されていません。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

――ダンジョンはどの辺りまで実装されているのでしょうか?

 エンドコンテンツを盛り上げるということで、2012年から当時まで実装された“シャンドラ・マナイア(上級)”などを用意しています。

――“シャンドラ・マナイア”は高難易度で話題となったダンジョンですよね。

 そうですね。上級者の方にとっては“シャンドラ・マナイア”は印象深いのではないでしょうか。5人用の高難度ダンジョンで、ストーリーの区切りとなるラスボスの位置にあたるダンジョンでした。

 実装当時はクリア自体が相当難しいダンジョンで、ここに再度挑戦したいと思う方もいらっしゃるかと思います。

 『TERA』はダンジョンがメインコンテンツといっても過言ではないので、復活した中でも大きいポイントだと思います。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

――他にも、当時のユーザーが楽しめるようなコンテンツはありますか?

 一番大きい点となるのが、チュートリアルが現行のサーバーと違っているところです。“黎明の島”というフィールドで、「TERAと言えば“黎明の島”」というくらい、ゲームを象徴するものでした。

 今もフィールド自体は存在しているのですが、ストーリーの進行によって荒廃し、見るも無残な姿になってしまいました。ぜひ、エリーヌサーバーの姿と見比べていただければと思います。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』
『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

――今は見ることができない美しいフィールドが復活するというわけですね。

 「このマップを復活させてくれ」「もう一度行かせてほしい」という要望があり、公式サイトの掲示板でも、当時のスクリーンショットを載せて思い出に浸っている方を、時折目にします。

 当時からプレイしている方には思い出深い場所なので、そこに入れるというだけでも、30ギガバイトくらいのクライアントを落としてもらう価値があると思います(笑)。

――確かに「クラシックサーバーで見に行ける」というだけで喜ぶユーザーも多いと思います。

 他にも、押し寄せるモンスターを倒す“暗黒の領域”、領主のキャラクターを選出する “政治システム”、コンディションを焚き火で回復するシステムなど、現在は利用できないコンテンツが限定コンテンツとして復活しています。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』
『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

 当時は焚き火を焚いてその周辺で休まないとHP、MPの最大値が下がってしまうというのがあり、これも『TERA』の代名詞だったものです。

 昔は見ず知らずのプレイヤー同士が焚き火に集まり、“護符”というアイテムを使ってバフを与え合うのが定番でした。

 護符を使ってくれた人に、みんなで「ありがとう」とお礼を言う。そんな昔ながらのMMOを感じるシステムです。

――当時のシステムのほうがよかったという人も多かったのではないでしょうか?

 そうですね。人気が高かったコンテンツだと“装備外見抽出システム”があります。現在の『TERA』はファッションスロットっていうのがあって、胴から足まで一括でアバターを変更できるのですが、当時は部位ごとに外見を変えたりできるシステムになっています。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

――とはいえ、やはり当時と現在を比べてしまうと不便と感じる部分もありますよね。

 UIが当時のままになっているので、不便に感じることはありますね。恐らく一番に驚かれるのが、NPCの会話方法だと思います。

 現在はNPCの近くでFキーを押すと会話できるのですが、当時はマウスで1つずつクリックする必要がありまして。不便ではありますが、UIが変わってきた歴史を体感していただくために、あえて残しました。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』
『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

――『TERA』はレベリング(レベル上げ)しやすい部類ですが、当時はどのような方法が主流だったのでしょうか?

 現在だとダンジョンを周回すれば効率よくレベリングできますが、当時はフィールドで狩りをするのが定番でしたね。

 強いモンスターを狩るためにパーティーを組み、みんなで経験値の多いモンスターを倒していた記憶があります。こうしたパーティープレイを意識したゲームデザインも昔のMMOらしいデザインだと思います。

――ではクラシックサーバーでは、少しレベリングがしにくくなっているんでしょうか?

 レベル上げや装備集めは年を重ねるごとにどんどん効率化されてきたので、この時代はまだ大変だったはずです。

 とはいえ、約2カ月間でいろいろなコンテンツを楽しんでいただくのが目的なので、クラシックサーバー専用のイベントなどで育成をサポートしていこうと考えています。

――これから始める人に向けたアドバイスとして、おすすめのクラスなどはありますか?

 パーティープレイが重要になってくるので、需要が多いという面でランサー(タンク役)やプリースト(ヒーラー役)でしょうか。使いやすいかどうかは好みによりますが、パーティーを組む際に誘われやすいのは初心者にとって大きな利点だと思います。

 特に、当時のタンク役はランサーのみで、ウォーリアーで代用できる場面がたまにあるといった感じでした。パーティープレイを楽しみたい人は、このどちらかを作っておくのが手かなと思います。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

エリーヌサーバーでも並行してアップデートを実施

――クラシックサーバーが運営される2カ月間、エリーヌサーバーはどうなるのでしょうか?

 エリーヌサーバーも並行してアップデートを行います。7周年ということで豪華キャンペーンを開催しますし、特別に作ったアバターや豪華な報酬を用意しています。

――クラシックサーバーでも遊びたいと考えている既存ユーザーにとっては、忙しい日が続きそうですね。

 両方プレイするのは大変かもしれませんが、クラシックサーバーで遊ぶことによるエリーヌサーバーでの特典を検討しています。

――サーバーの移転サービスはどういった扱いになりますか?

 しばらく制限する予定です。エリーヌサーバーの方々がクラシックサーバーにたくさん来てしまうと、プレイヤー格差が広がり、せっかくゼロスタートにした意味がなくなってしまいますので。

目指すのは、『TERA』の新たなユーザコミュニティ

――お話を伺っていると、やはり当時は昔のMMORPGならではよさがありますよね。

 焚き火なども、火かあればそこに人が集まるというコミュニケーションツールの役割を持っていました。そういった部分も含めて、当時のMMOらしさを楽しめるようになっているはずです。

 クラシックサーバーには、新しいコミュニティを形成し、それを期間終了後の新サーバーまで引き継いでいただきたいという狙いがあります。ぜひ新しくできたフレンドと、長く遊んでいただきたいですね。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

――その他、7周年を記念したイベントやキャンペーンがあればお教えください。

 現在、エリーヌサーバーで“夏の祝祭”というイベントを実施しているのですが、これをクラシックサーバーでも実施する予定です。特定のフィールドが飾り付けられていて、ちょっとしたミニゲームを楽しみながら豪華報酬が手に入ります。

 また、7周年記念のスクリーンショットコンテストやイラストコンテストを行う予定ですが、これもエリーヌ・クラシックの両部門を用意しようと考えています。

――最後に読者へメッセージをお願いします。

 今回のクラシックサーバーは、通常の新サーバー立ち上げよりもハードルが低くなっています。初めてプレイする方も、過去にプレイしていた方も安心ですので、ぜひこれを機会に『TERA』を目一杯楽しんでください。よろしくお願いします。

『TERA:The Exiled Realm of Arborea』

クラシックサーバーの仕様

最高レベル60
クラスウォーリアー、ランサー、スレイヤー、バーサーカー、アーチャー、ソーサラー、プリースト、エレメンタリスト
フィールドアルン南大陸、シャラ南/北大陸
大規模コンテンツ政治システム
強化システム強化/名品化/オプション
戦場闘志の戦場(3vs3)、名誉の戦場、精鋭名誉の戦場
ダンジョンシャンドラ・マナイア(上級)、苛虐のケルサイクの聖域(上級) など
チュートリアル黎明の島

クラシックサーバー限定ダンジョン

5人用ダンジョン

入場Lv ダンジョン名
Lv.60 シャンドラ・マナイア(上級)
Lv.60 アルゴンメルデティア(上級)
Lv.60 業火の洞穴
Lv.60 封禍神蝕の冥堂(上級)
Lv.60 バルダーの神殿(上級)
Lv.60 シュリカの回廊
Lv.58 ケルサイクの巣(上級)
Lv.58 グラドゥシの結界
Lv.58 黒紋塔(上級)
Lv.58 ビビッシュの実験場
Lv.58 鉄壁の修練場
Lv.58 恐怖の迷宮(上級)

■レイドダンジョン

入場Lv ダンジョン名
Lv.60 苛虐のケルサイクの聖域(上級)
Lv.60 猛悪のケルサイクの聖域(下級)

Copyright (C) Bluehole Studio Inc. All rights reserved.
Copyright (C) GameOn Co., Ltd. All rights reserved.

データ

▼『TERA:The Exiled Realm of Arborea』
■メーカー:ゲームオン
■対応機種:PC
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■サービス開始日:2011年8月18日
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

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