2018年8月9日(木)

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』制作P・高山祐介さんにインタビュー。読者からの質問にどう答えたのか?

文:てけおん

 スマートフォン向けブラウザゲームプラットフォーム“enza(エンザ)”でサービス中の『アイドルマスター シャイニーカラーズ(シャニマス)』。その制作プロデューサーを務める高山祐介さんに、『シャニマス』をプレイしている皆様から寄せられた質問に答えていただきました。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

 質問は、7月5日~12日にかけてお送りいただいたものから選出し、若干内容を調整させていただいたものです。質問をお送りくださった皆様、ありがとうございます。それでは以下で、皆様からいただいた質問に高山さんがどう答えてくれているのか見ていきたいと思います。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲高山祐介さん。

●このゲームを作るうえで、制作陣が一番大事にしている部分、『アイドルマスター』シリーズであることを意識してこだわった部分を教えてください(デェタさん、けけさん)

 『シャニマス』は、『アイドルマスター』シリーズの作品ですので、これまでのシリーズ作品と同じように、“アイドルとプロデューサーの関係性”はとても大事にしています。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

 それが具体的に現れているのは、シナリオとゲームシステムです。アイドルと二人三脚でトップアイドルを目指していくようなものにしています。そこはシリーズ作品としてブレないようにしたいと考えています。

●本タイトルは各々のユニットでの活動がメインとなっていますが、そのようにした理由を教えていただけますか? また、今後の展開として、ユニットの枠を越えたアイドルたちの活躍は考えているのでしょうか?(イトウさん)

 本作で最初からユニットを打ち出した形にしているのは、先に述べた“アイドルとプロデューサーの関係性”だけでなく、“アイドル同士の関係性”もしっかりと描いていきたいと考えたからです。

 アイドルたちがプロデューサーに見せてくれる表情と、アイドル同士、女の子同士で見せあう表情って、違うと思うんです。その両方をしっかりと描くことで、アイドルたちにより愛着がわくのではないかと思っています。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲こちらは“L’Antica(アンティーカ)”のアイドルたちが話している一幕です。

 ユニットという形を取ったことについては、「このユニットではこんなドラマが展開します」「こんな楽曲を歌います」といったカラーを明確に出せるとの狙いがあります。

 もうひとつご質問いただいている“ユニットの枠を越えたアイドルたちの活躍”については、同じ283プロに所属するアイドルたちなので、可能性はあると思います。本作をプレイしていただいている皆様のご要望が多くなっていって、そういうことができれば素敵なことですね。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲“放課後クライマックスガールズ”からのお手紙に、感激している様子の甜花。ほんのちょっぴりですが、アイドルたちのつながりを感じられるシーンです。

●『シャニマス』は、無名のアイドルを有名にするまでのドラマ性をかなり重視して作られている印象を受けています。そのドラマ性を作成する上で特に意識されたことなどがあればぜひお伺いしたいです(柳 悠歩さん)

 先ほど“アイドルとプロデューサーの関係性”を大事にしていると言いましたが、シナリオについて詳しく言いますと、アイドルとプロデューサーが徐々に信頼関係を築いていく様子は段階的にしっかりと描いているつもりです。

 また、プロデューサーについても少し話したいと思います。本作のプロデューサーは社会人であり、ビジネスとしてアイドルをプロデュースしてはいますが、1人の人間としてアイドルと向き合い、彼女たちをケアしていく立場の人物です。「ああ、これならアイドルから見ても信頼できるよね」と思ってもらえるような人物を想定して制作しています。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲成長したかどうか悩む真乃に、言葉をかけるシーンです。プロデューサーとしてアイドルたちを育ててきたからこそ出るひと言。、

 とはいえ、まじめになり過ぎないように、ひょうきんでおもしろいところもある人物になるよう意識もしています。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲上と同じく真乃と会話するシーン。「かわいい」と言われて照れる真乃に、こんな言葉をかけたりすることも。

 これまでの作品、特にアニメに登場したプロデューサーはキャラクターが立っているので、かぶらないようにはしています。かと言って、かぶらせないようにトリッキーなことを『シャニマス』のプロデューサーにさせようとは思っていません。特にゲームにおいては、プレイしてくださる皆様の分身でもありますので、あまりに極端なキャラクターにしてしまうのはよくないと考えています。

●今回新たなアイドルたちを生み出すにあたって新しいアイドルたちの性格や容姿で何か気を付けたことはありますか?(なむやんPさん)

 “ちょっと身近で、どこか人間くささを感じられるような性格”のアイドルにしたいと意識しています。本作では16人のアイドルが登場しますが、『シンデレラガールズ』や『ミリオンライブ!』と比べると少ないですよね。そのぶん、アイドルたちのいろんな側面を見せてあげたいと考えています。これは、多人数が登場する作品と少人数が登場する作品のどちらがいいか? ではなく、人数が少なければ、そうした掘り下げを深くできるということです。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲アイドルに対してもまじめであるがゆえに、真乃やめぐるとの距離感に悩む灯織。彼女の人間くささがあふれるエピソードもあります。

 容姿に関しては、性格から派生するものだと考えて制作しています。例えば、田中摩美々は、パンキッシュであまのじゃくなところがありますが、それが服装であったり、髪型であったり、さまざまな形で表出しています。

●ユニットはどのように決めたのですか?(ヘロさん)

 まず最初にアイドルを作り、それをユニットに当てはめていく形で作っていきました。最初に組み上げたのは“イルミネーションスターズ”で、『アイドルマスター』シリーズにおける、いわゆる“信号機ユニット”となることを意識して組みました。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

 “アルストロメリア”については、大崎姉妹は最初から一緒にするつもりでした。そこにもう一段別の視点を加えたいとの理由で、事務所においてはお姉さんポジションである千雪を加入させました。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

 “L’Antica(アンティーカ)”は、“イルミネーションスターズ”が正統派のユニットだとすると、個性のとがったユニットにしようとの狙いでスチームパンクやゴシックなどの要素を盛り込み、その強い印象に負けない5人を選びました。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

 “放課後クライマックスガールズ”は、年齢の幅を持たせた時にどんなドラマが生まれるのかを考えて組んだユニットです。20歳の夏葉と12歳の果穂、その橋渡しとなる高校生たち……という形だったんですが、高校生3人もだいぶ個性のある面々になっています。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

●今後、ゲーム内において、今までと異なる方式のイベントが開催される予定はありますか?(ほうじちゃさん)

 このインタビューが掲載されるころには、すでに“グレードフェス”が始まって少し経っているくらいだと思います。この“グレードフェス”をフィーチャーしたイベントは実施するつもりです。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

 現在実施しているものとしては、プロデュースでミッションを達成していくイベント、フェスでミッションを達成していくイベント、天井社長の指令をこなしていくものなどがありますが、新しい立て付けのイベントはこれからも実施していきたいですね。鋭意検討・制作中です。

 今までのイベントの反応については、最初に実施した“イルミネーションスターズ”の結成秘話を描いたイベントは、「難しいよね」との声を多くいただいていて、制作サイドでも認識しています。こうしていただいた声をもとに、以降のイベントのバランスを調整していっています。

 イベントのシナリオについては、おかげさまで大変いい反応をいただいています。特に各ユニットの結成秘話などを知りたいと要望をいただいているので、少しづつ描いていければと思っています。

●控室にいるアイドル(ガシャでかぶったアイドル)は今後どのような使い道ができますか(74さん)

 まだ具体的にはお伝えできないのですが、控室にいるアイドルを活用できる要素をご用意させていただきます。そこはご安心ください。

●今後の追加アイドルの予定はあるのかを知りたいです(コールPさん)

 新しいアイドルの追加は……するかもしれませんし、しないかもしれません。こういった回答しかできずに申し訳ありません(笑)。

●たくさんのカワイイキャラがおりますが、素敵な声がついていてとてもうれしいです。キャラクターの声優さんを選ぶ時、なにを重視されているのでしょうか?(パッキンガムさん)

 お芝居や歌については、声を担当するアイドルの演技や歌を無理なくしっかり演じ、歌える方であることを大事にしています。

 また、本作のオーディションで特殊な点として、お芝居と歌以外に“一緒に『シャニマス』を作っていく仲間”としての適性というか、相性を重視していることが挙げられます。音響監督とランティス(現在はバンダイナムコアーツ)のスタッフ、シナリオを担当するライター、そして私の4人が声優さんたちを面接をして、今の皆さんに決定しました。

●ユニット曲がひと通りリリースされた後は、各アイドルのソロ曲のリリースも考えられているのでしょうか(あいてぃーさん)

 将来的な選択肢としては、もちろん考えています。ただ現状では、それがいつになるのかは未定です。本作ではユニットを出発点として、現在はユニットの魅力を伝えることに重点を置いています。ソロ曲については、ユニットの魅力が十分に浸透した後になると思います。

 ユニットの話で付け加えると、ゲームをプレイしてくださっているプロデューサーさんの感想で、「ゲームを始める前はこのユニットが好きだったけど、ゲームを始めてから別のユニットも好きになってきた」という声を結構いただいているんですよ。

 シナリオなどを通じて、各ユニットのアイドルたちの魅力が次第に伝わっていっているようで、とてもうれしく思っています。

●本作のアイドルたちの中には、ステージ上で普段と大きく違う髪型を見せてくれるアイドルもいます。これは「このアイドルならライブで一風違った姿を見せてくれそうだな」といった考えがあってのことなのでしょうか?(べぇぐるさん)

 そうですね。例えば三峰や摩美々みたいな子は、それがやりやすいアイドルだというのはありますね。これも、先ほど言った“性格が容姿に反映する”の延長にあるものです。明確に誰が……とは現時点では言えないのですが、今後、髪型が変わるアイドルは増えていくと思いますので、楽しみにしていてください。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲こちらは【夕つ方まみみチック】田中摩美々のフェスアイドル姿。ライブシーンではサイドテールにした摩美々のパフォーマンスが楽しめます。
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲こちらはサポートアイドルのものですが、普段と異なる髪型を披露している三峰と摩美々。

●キャラデザが今までと違うのには何か狙いがあったのでしょうか? 個人的にはとても好きなんですが、これまでのシリーズ作品と比べると、だいぶ違うなぁと気になっておりました(ぎしおさん)

 デザインのテイストや、ビジュアルにした時の色の塗りなどは意識的に変えています。清潔感が感じられ、女の子らしい柔らかな雰囲気は保つなど、今までのシリーズ作品のエッセンスは大事にしつつ、最近のニーズやトレンドなどを取り入れた形です。

●アイドルの出身地はどのようにして決められましたか?(北陸のゆきさん)

 出身地はシナリオチームと設定を作る時に決めています。意図的に決めたアイドルと、そうでないアイドルがいます。例えば恋鐘なんかは、方言で話す女子っていいよね、という立脚点があるのと、シナリオライターさんに佐世保出身の方がいたので、長崎になっています。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

 大崎姉妹については、ご両親の関係で、生まれは富山ですが東京に引っ越ししてきたという設定なんですよ。2人は両親と一緒に暮らしています。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

●今後、スクール水着や園児服などの、『アイドルマスター』を彷彿とさせるような、少し攻めた衣装の実装予定などはありますでしょうか?(A.C.スパニエルさん)

 せっかく盛り込んだ衣装着せ替え機能ですので、それを生かす形にはしたいと思います。すでに予告していてインタビュー掲載時には実施中かもしれませんが、水着などですね。事務所で水着って、なかなかインパクトのあるビジュアルですので、ぜひ見ていただきたいですし、逆に違和感を覚えた人は着せ替え機能などで変えてみてもいいかと思います。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲水着姿で事務所にいる智代子。この状態だと、ラジオなどのお仕事の時も水着のSDキャラが表示されます。

 園児服は……坂上(※『アイドルマスター』総合プロデューサー・坂上陽三さん)が“変態”と呼ばれる由来となったものなので、ちょっと相談してみます(笑)。

●プロデュースデッキ欄に育成シナリオがあり、今は“W.I.N.G.編”となっていますが、シナリオは今後どんどん新しいものが追加されていくのでしょうか? また、もし追加されるなら内容(フェスの難しさ、ステータス値、イベントなど)も変わってきたりするのでしょうか? それともうひとつ気になるのが、コラボイベントなどは今後開催されたりするのでしょうか?(嶺凛(れいりん)さん)

 新しいシナリオは入れていきます。ただ、それが“W.I.N.G.編”の後なのか前なのかについては、シナリオ担当ともんでいるところです。また、“W.I.N.G.編”のような大きめなシナリオはロングスパンで追加することを想定しています。新しいシナリオを追加しても、“W.I.N.G.編”は変わらず遊べるようにする予定ですので、ご安心ください。

 新たなシナリオが追加されても、コミュニケーションやレッスンなどを重ねてアイドルが実力を磨いていくというコアの部分は変えません。ですが、違った遊び方、楽しみ方を提供できればいいなと考えています。

 “W.I.N.G.編”クラスの大きなシナリオについてはそのような感じですが、例えば、今現在も楽しんでいただいている“夏は短し海でしょ! 乙女たち”のような形式の、イベントの中でシナリオを楽しめるものはだいたい月に1つくらいのペースで増やしていく予定です。(※“夏は短し海でしょ! 乙女たち”は8月9日に終了)

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

 コラボについては……まだそこまで考えてはいません。まずは、プロデューサーの皆様に本作をしっかりと楽しんでいただくことを優先したいと思っています。

●ユニットをまたいだアイドルの交流シナリオやイベントは作られる予定はありますか?(メノウさん)

 こちらもたくさんのご要望をいただいている項目のひとつですね。将来的に、ということになってしまいますが、ユニットを越えたアイドルたちの関係性を描いていきたいと考えています。

●プロデュースアイドルとサポートアイドルとカードの種類を分けた理由が知りたいです。 同じカードでプロデュースとサポートを兼ねることもできたと思うのですごく気になりました(新作大好きさん)

 プロデュースとサポートでは、絵柄であったり、その中のシナリオであったり、表現したいものが違うんです。プロデュースアイドルのカードでは、“プロデューサーとアイドルの関係性”というものにスポットを当てています。サポートアイドルは“ユニットとしての関係性”を深く描いたものになっています。その違いを明確にするために、プロデュースとサポートはわけています。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲2枚並んだ夏葉のカードビジュアル。上はプロデュースアイドルのもので、下はサポートアイドルのものとなっています。並べて見ると、描きたいものの違いがわかるのではないかと。

 また、プロデュースアイドルのカードには、これまでのシリーズ作品でもあったように、“普通の女の子がアイドルになる”という部分を、ビジュアルでわかっていただくためのギミックを仕込んでいます。そうしたギミックを設けたり、プロデュースの幅を広げるために、この2つはわけています。

●本作にはプロデュースアイドルとサポートアイドルの2種類がありますが、どちらのほうが作るのが大変などあるのでしょうか?(新茶さん)

 アニメーションがあるという意味では、SSRのプロデュースアイドルはやはり大変ですね。あの演出って、普通のアニメーションではなくSpine(スパイン)というゲーム用の2Dアニメーションソフトウェアを使って作っているんですね。

 Spineだとアングルの制限があり、アングルが変わってしまうとパーツを新たに作らないといけないんです。最近では3Dも使ったりしているので、どんどんと手が込んだものになっているんですよ。また7月に登場した【アルティメットマーメイド】有栖川夏葉のアニメーション演出は、一部3Dアニメも演出に取り入れています。

 個人的にお気に入りの演出は、櫻木真乃のSSR演出ですね。これは待ち受けにしています。最初あえて顔を見せずに、そのあと表情とともにパッと明るくなるところがお気に入りなんですよ。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲真乃のSSR演出がお気に入りという高山さんは、スマホの待ち受けを真乃のSSR演出の出だし部分にしていました。

 本作を制作していく中で、初めて見た演出が真乃のものなので、そういった意味で思い入れの強い演出のひとつですね。

●16人のアイドルの中で、「このアイドルは今までの『アイドルマスター』にないアイドルだ」とか、「この子は勝負できる」と思ったアイドルがいれば理由も含めて教えてください(あの字さん)

 一応全員、今までの『アイドルマスター』シリーズにはいないようなアイドルを目指してはいます(笑)。中でも特徴的なのは、真乃になるんじゃないかと。パッと見だと、色で言うところのいわゆる“赤”のアイドルとはイメージが違うかもしれません。

 ですが、シナリオをご覧になっていただくうちにわかっていくと思うんですが、実はとても芯が強いところがあったり、決める時には決められる女の子なんです。遊んでいくうちに「ああ、やっぱりこの子は“赤”なんだな」と理解していただけるんじゃないかと思います。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲フェスなどでメンタルにダメージを受けても「全然平気です」とへこたれないところなどにも、芯の強さが表われています。

 続いての「この子は勝負できる」というご質問には……16人全員とお答えします。がんばって彼女たちの魅力をお届けしていきます。

●『シャニマス』には初代『アイドルマスター』の要素が数多く盛り込まれておりますが、初代から変えた点・変えなかった点について、理由もふくめて教えていただけないでしょうか? 特に『シャニマス』のオーディションシステム(ルール)をどのように決めたのか知りたいです(藤本Pさん)

 プロデュースやオーディションの流れといったものは、特に参考にしている部分ですし、演出にもところどころオマージュを入れています。

 変えた点としては、例えばレッスン中のミニゲームですね。家庭用ゲームとF2P(フリー トゥ プレイ。“無料でプレイできる”という意味)とでは、やはり若干アプローチを変えなくてはいけないと思っていて、こうしたミニゲームをスマートフォンで遊ぶユーザーに毎回やってもらうのは、テンポ感や遊びやすさの面であまり好まれないかと思い、オミットしています。

 変えなかった部分は、“ゲームの流れ”ですね。“限られた期間でアイドルとふれあい、育成し、目標を達成する”。これは『アイドルマスター』というタイトルを冠したゲームの一番重要な核となる部分ですので、変えていません。

●アーケードの『アイドルマスター』にあって『シャニマス』にまだ実装されていない重要な要素として“オーディション後のライブシーン”があると思います。ぶっちゃけそのあたり実装される可能性はあるでしょうか?(enzaプラットフォーム上で可能なのか、というのはあると思いますが……。あるといいなあ)(煙々羅さん)

 “圧巻のパフォーマンス”をどうにかしてほしいとのご意見も数多くいただいているところです。こちらもF2Pとしてスマホで遊ぶ際のテンポを優先してしまっているところですね。2Dベースですのでなかなか難しいところですが、演出を豪華にしていきたいという思いはあります。

●アンティーカのアイドルが持ってるメンタルが少ないほどアピール値が上がるライブスキルや、SR千雪(プロデュース)とSR智代子(プロデュース)、SR凛世(プロデュース)が持っている回復や、特定の属性をUPさせるライブスキルが今のフェス仕様だと生かされてないように思えるのですが、今後救済の余地はあるのでしょうか?(かいひろさん)

 回復やバフにかんしては、使いようによっては活躍させられると思います。回復は、後半でメンタルが高ければ、パーフェクトを狙いやすくなりますし、バフもあるとないとではかなり違います。ですが、おっしゃっていることは、こちらでもある程度認識してはいます。新たにライブスキルを加えていくことで、シナジーを作り出していきたいと考えています。ライブスキルは強いものからクセのある特殊なものまで、今後もどんどん追加していく予定です。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
▲“高いアピール値を出すかわりにメンタルを減らす”という新しいライブスキルを持つアイドル【紺碧のボーダーライン】白瀬 咲耶が登場しました。

 ただし、あまりにも明確に強すぎるカードを出してしまうと、ゲーム的にインフレを起こしてしまうので、その点には注意しながら作っていきたいと思います。

●プロデュースでのオーディションやフェスにおけるゲームの楽しさについて、何に重点を置いていますか。例えば、快適性・ライバルアイドルとの駆け引き・戦略性・運要素などなど(脊髄さん)

 私が開発チームと仕様について話していた時、「ユニットを編成する(デッキを編成する)ところから楽しめるようにしたいね」と話しながら作っていました。ここは重視したポイントのひとつです。またフェス自体について言うなら、テンポ感や、リンクアピールやパーフェクトが決まった時の気持ちよさはとても重視しています。

 フェスの仕様については、6月10日ごろに大きなアップデートを行い、さまざまなご意見をいただきました。あの時点ですでに、プレイしてくださっている皆様に“あえてバッドを取ってライバルのアピール値を調整する戦法”が根付いていたので、実は「あのまま残そうか?」という声もあったんですよ。

 ですが本来プロデューサーの皆様に楽しんでいただきたい遊びとは異なるものであり、今後登場を予定しているライブスキルのことを考えた時に、今のうちに調整したほうが後々いいだろうということでアップデートを決めました。

 ここは「かいひろさん」のご質問とかぶる部分でもありますが、6月10日の調整以降、速攻型の構成で一気に押し切るプレイスタイルが一般的になり、よけいに回復系のライブスキルが目立たなくなっている面は確かにあります。そうした部分については、今後調整していきたいと思っています。

●ゲームの新要素や新イベントなどをリリースするにあたって気を配っている点などあれば教えてください(かふはらさん)

 一番大きなところは、プロデューサーの皆様からいただいている要望だったり、「ここはストレスになっています」といったご意見は、次のイベントに反映するようにしています。

 また、イベントのシナリオについては、特にこれまでのものは“どうすれば各ユニット、の魅力をよく知っていただけるのか?”を意識していました。今後はもっとアイドル個々人の魅力を発見できるようなものも入れていきたいと思っています。

 また最近、プロデュース時にアイテムを持っていけるようになりましたが、あれは、狙ったレッスンやお仕事に“絆”を深めたいアイドルがいないことへの救済措置的な意味合いがあります。

●プロデュースがメインで、比較的簡易にできるのがフェスという位置づけだと感じているのですが、プロデュースは時間がかかるのでなかなかできず、フェスも毎日2回できるかどうかというテイタラクです。他作品における“営業”のような、別軸でアイドルと触れ合えるシステムは追加されないのでしょうか?(ぽやよんさん)

 入れたいという気持ちはあります。おっしゃることは私自身も感じていまして、例えば、土日などの休日にプロデュースを楽しんでいただき、平日はもう少しライトなものにするなど……。現時点では未定ですが、検討します。

●他のPさんたちと競い合ったり協力したりする要素は今後追加される予定なんでしょうか?(左腕サイコガンダムPさん)

 他のプロデューサーたちと腕を競い合うグレードフェスが追加されていますが、協力要素も何かしらできればなと考えています。ちなみにグレードフェスでは、他のプロデューサーさんの編成をチェックできたりするので、どんな編成にしているのか参考にしてみるのもおもしろいと思いますよ。

●トゥルーエンド達成がどうしてもできず、涙で枕を濡らす日々が続いています、バランス調整などの予定はありますでしょうか?(崖の下さん)

 確かに難しいところですよね……。もともとトゥルーエンドの難易度は、高いものとして設定していますので、それをすぐに簡単にしてしまうことは、現時点では考えていません。ただし、プロデュースアイテムだったり、流行を調整してチャンスを増やすアイテムだったりが追加されていますので、そうしたものを使ってクリアしていただければと思っています。

 実際に、サービス開始からトゥルーエンドを達成しているプロデューサーさんは着実に増えており、プロデューサーさん同士で情報交換をしたり様々なプロデュースを試したりしてくださっているな、という印象です。

●ハム蔵、ぴにゃこら太、カレー、茜ちゃん人形といった、各コンテンツを象徴するようなマスコットの追加は、シャニマスでは有りますか?(月曜から焼肉Pさん)

 今、マスコットというと、真乃が飼っている鳩のピーちゃんと凛世の持っている藁人形あたりが候補ですよね。あとは、甜花のベッドなどにいるぬいぐるみなどですかね。実は、凛世の持っている藁人形って、表情が変わったりするんですよ。キーホルダーとか作れるといいですね。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』
『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

 また、小物って結構背景などいろんなところに登場しているんですよ。イラスト制作チームがそういったネタを仕込むのが好きなので、細かいところに注意して見ていただけると何かおもしろいものを見つけられるかもしれないですよ。

●『シャニマス』独自の展開、施策などあれば教えてください(しるふさん、コンタ欽テさん)

 現在実施しているものですと、バンダイナムコアーツさんやバンダイナムコアミューズメントさんと連携して、シリアルコードを付ける施策などがあります。それと、アソビストアでのラジオ番組でシリアルコードをお伝えするなどもしています。

 このように、ゲームとゲーム外コンテンツを回遊しつつ、『シャニマス』を楽しんでいただくようにしています。これは、“enza”というプラットフォームならではの利点だと思いますので、今後もこうした試みは続けていきたいと思っています。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』

記事をご覧になったプロデューサーさんに一言

 たくさんの質問をお送りいただき、ありがとうございました!

 『アイドルマスター シャイニーカラーズ』のサービス開始から4カ月近くが経ちまして、順調にイベントや新しいカード、グレードフェスなどの要素をリリースできています。今後も新しい体験や、ストレスのない環境の提供を目指していきます。

 『アイドルマスター』シリーズとして大事にしている部分はしっかりと守りつつ、おもしろいゲームを作っていきたいと思っています。そして、ゲーム以外の展開についても各所と連携しながら『シャニマス』の世界をどんどんと広げていくつもりです。引き続き、ご期待ください!

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