2018年8月17日(金)
『あかねさす少女』は『メモオフ』や『Ever17』好きにオススメ!? 桂正和さんのキャラ原案を見て感動!
アニメとゲームで展開するオリジナル作品『あかねさす少女』。本作を手掛ける開発スタッフへのインタビューを掲載する。
『あかねさす少女』は、アニマックス開局20周年記念作品として、TVアニメとスマートフォンゲームで展開する。シナリオ原案を打越鋼太郎さんが、キャラクター原案を桂正和さんが担当するなど、豪華スタッフの起用が話題となっている。
前回に続いて、打越鋼太郎さんとゲーム版のプロデューサー・須田浩行さんへのインタビューを掲載する。『あかねさす少女』のシナリオ設定やゲームについてお聞きしていく。
▲左が打越さんで、右が須田さん。 |
なお、インタビュー中は敬称略。
設定を固めすぎないことを意識
――打越さんは桂正和さんのキャラクター原案をご覧になられていかがでしたか?
打越:まず、『ウイングマン』などを読んで育った世代なので、キャラクター原案が桂さんと聞いてとても驚きました。そして完成したイラストを見た時はとても感動しました。
――アニメ版のキャラクターはツインテールのギャルやマジメそうなメガネッ娘などバラエティに富んでいますが、おふたりのお気に入りのキャラは誰ですか?
打越:クロエですね。クールなところが好きです。
須田:自分は奈々です。彼女はもともと、もっと髪色が派手なうえに“パリピ感”のあるキャラクターだったのですが、現在の形に落ち着きました。
▲森須クロエ | ▲七瀬奈々 |
▲土宮明日架 | ▲みあ・シルバーストーン | ▲灯中優 |
打越:物語に出てくる少女たちは鉱石ラヂオ研究会、“ラヂ研”のメンバーなのですが、最初は奈々だけが違うんです。彼女はもともとはギャルのグループにいたのですが、根がギャルじゃないのでなじむことができず、ラジ研の仲間に加わることになります。
須田:ちなみに、ラヂ研という設定について説明すると、鉱石ラヂオを研究する部活になります。部活といいつつゆる~く集まって都市伝説を検証するなど、その活動方針は決まったものではない集まりです。もともと御神木にラジオのチューナーを合わせることでパラレルワールドに飛べる設定があったので、その名残が部活名に残っています。
――学園モノのアニメということで打越さん自身でこだわった部分はありますか?
打越:最近はシリアスな作品を作ることが多かったのですが、今回は女の子たちの魅力を伝えることをメインに考えました。
――限られた話数にアニメのストーリーを落とし込むことに苦労しませんでしたか?
打越:今回は原案だったので好きなだけ詰め込むことができました(笑)。どの設定を入れ込むか、外すのかなどは脚本の方にお任せしましたね。というのも、アニメの企画なのでデザインや絵コンテの作業などもありますし、自分だけで設定を固めすぎないほうがいいかなと思ったんです。
――打越さんはゲームについてのインタビューを受けることが多いと思うので、アニメについてお聞かせください。好きな作品や影響を受けた作品はありますか?
打越:『コードギアス 反逆のルルーシュ』ですね。ゼロのような悪役の主人公って、格好いいですよね! 自分はそういったピカレスクものを作ったことがないのでいつか挑戦してみたいです。あとは最近だと『ポプテピピック』が最高でした(笑)。あんなに笑ったのは久しぶりでした。
――須田さんはこれまでに影響を受けたアニメやゲームはありますか?
須田:自分は格闘ゲームが好きで影響を受けています。駆け引きこそゲームならではのよさで、それをわかりやすい形で楽しめるのが格闘ゲームだと思っています。そのためゲーム『あかねさす少女』にも駆け引きの要素を入れています。
打越:どんなタイトルをプレイされるんですか?
須田:なんでもやりますね。2D格闘も3D格闘も両方プレイやっていますが……まぁ弱いんですけど(苦笑)。
アニメとゲームそれぞれで完結するストーリー!
――ゲーム『あかねさす少女』はどのタイミングで配信されるのでしょうか。
須田:アニメの放送と同じタイミング(2018年10月予定)になります。
打越:アニメとは別のストーリーなので、どちらか片方だけでも楽しめる作りになっています。ただ両方の作品を追っていたほうがより楽しめますね。
須田:ゲームのほうのストーリーは段階的に遊べるようになるので、ゲームをプレイしていて、いきなりアニメの重大なネタバレを知ってしまうということはないので、そこは安心してください。
――どんなシステムになっているのでしょうか。
須田:ジャンルはターン制のシミュレーションRPGで、ゲームオリジナルのキャラクターも多数登場します。シミュレーションRPGと聞くと難しいと思われるかもしれませんが、カジュアルなテンポ感を重視して誰でも気軽に駆け引きが楽しめるゲームに調整しております。もちろん、深く遊び倒していくこともできます。
――打越さんはクリエイターとしてゲームとアニメの両方をマルチに手掛けられていますが、それぞれの違いを感じることはありますか?
打越:最近は“時間が違う”ということを大きく感じます。昔はアニメが短距離走でゲームは長距離走だと思っていました。ただよく考えるとアニメの1クールは3カ月間ありますし、ゲームは集中すれば1週間でプレイし終わってしまうので、逆なのかなと思うようになりました。もちろんアニメは1話30分で、それを一気に見れば短距離走になるのですが。
また、アニメは基本的に違う絵が毎回表示されますが、ゲームは同じ背景やイラストをどう使い回すのかという部分が制作では重要になってきます。そのため、ゲームとアニメで表現は大きく変わってくるため、『あかねさす少女』もそれぞれ異なるアプローチになります。
――最後に作品を楽しみにしている方々にひとことずつお願いします。
打越:自分の手掛けた『Memories Off』や『Ever17』といった作品を好きと言ってくださる方は絶対に楽しめる作品になっています。逆に『極限脱出』シリーズなどで自分を知った方には、新しい打越を見ることができるので、ぜひ注目いただければと思います。
須田:今までオリジナルゲームから『ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!』のようなIPを使ったゲームまでいろいろ作ってきましたが、自分の企画原案をもとにアニメとゲームを作るというのは初めてのプロジェクトです。チャレンジであり集大成のような作品ですので、ぜひご期待ください!
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