2018年8月11日(土)
スクウェア・エニックスより9月14日に発売されるPS4/Xbox One/PC用ソフト『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』をプレイした感想をお届けします。
本作は、20年以上もの歴史を持つアクションアドベンチャーの最新作であるとともに、シリーズの主人公ララ・クロフトが駆け出しの考古学者だったころを描く、3部作の完結編となります。
体験プレイでは、厳しい自然環境にさらされた険しい地形や数々の罠が待ち受ける古代遺跡を、多彩なアスレチックや謎解きを駆使して突破したり、敵の兵士やどう猛な野生動物との戦いを切り抜けたりして目的地を目指す、かなりクオリティの高いゲーム内容を約5時間にわたって楽しめました。
『トゥームレイダー』シリーズで欠かせないのが、断崖やジャングル、遺跡といった険しい地形を高い身体能力とさまざまなガジェットで踏破していくアスレチック要素。今作では、高台へ壁を蹴ってよじ登る独特のアクションに加えて、表面がでこぼこした壁にアックスを突き立てて登ったり降りたりできます。
垂直の壁に張り付いた状態からは、ロープを伸ばしてラペリング(ぶらさがって降りる)も可能。ラペリングを利用することで、通常は大ダメージとなる高さからでも安全に降りられるほか、ぶら下がった状態からロープを揺らして反動をつけ、別の足場へ飛び移る、といった芸当もできます。
なお、こういったアスレチックの起点となるポイントは難易度設定によって見やすさが変化します。ノーマルやイージー設定なら周りの地形からハイライトして表示されますが、高い難易度だとよく観察しないと見つからないため、よりプレイヤーの注意力が試されます。
さらに、洪水に巻き込まれる、遺跡が崩壊するなどで主人公がアクシデント見舞われた場合は、これらのアクションをプレイヤーの瞬時の判断で行う必要があります。鬼気迫る展開でのプレイングは、アクション映画の主人公になった気分でした。
アクションや探索、戦闘のあらゆる面で活躍する要素が“インスティクト”と呼ばれる主人公の能力。この能力は、R3ボタンを押すと発動し、現在の目的地のほか、素材を入手できるオブジェクトや周辺にいる敵キャラクターの位置などが強調表示されます。
使っても体力などのリソースを消費しないうえ、謎解きのキーとなるオブジェクトも強調表示されるため、迷ったらとりあえずインスティクト(R3ボタン)がおすすめです。初体験だった私も、これを活用したことでスムーズにプレイできました。
ちなみに、インスティクトで強調表示されるものやその度合いも難易度設定によって変わってくるようです。
フィールドには、侵入者を阻むワナや巧妙に隠された宝のある部屋など、パズルめいた仕掛けが点在します。プレイヤーの観察力と直感をフルに使い、これらの謎を解き明かすのも本作の魅力の1つです。
謎解きはスイッチやレバーを動かすだけではなく、複数のオブジェクトを正しい順番とタイミングで作動させたり、主人公のアスレチック技術を活用して仕掛けを動かしたりするものもあり、かなり凝った作りになっています。
主人公が装備する弓矢が、謎解きで活躍する場面もあります。離れた場所の仕掛けを作動させる、火矢で邪魔なものを燃やすといったほか、ロープをくくりつけた矢を放ってオブジェクトを引っ張る、2つのオブジェクトをロープでつないで仕掛けを作動させるという使い方もできました。
本作には、前作より主人公と因縁のある組織“トリニティ”の兵士や、危険な肉食動物などさまざまな敵キャラクターが登場します。これらの敵と対峙した際、いかにして気づかれずに倒すかという緊迫したバトルが楽しめます。
そうしたステルス戦闘では、先にあげた“インスティクト”の能力が役立ちます。私は難易度ノーマルだったので、“インスティクト”発動時に敵は黄色、もしくは赤色で表示されました。
黄色は、周囲から孤立していて他の者に見つからずに倒せる敵、赤色は別の敵の視界内にいてうかつに手を出すと発見されてしまう敵を示しています。敵の動きをよく観察し、黄色く表示された瞬間を見計らって攻撃すれば、安全にステルスキルができるでしょう。
状況によっては、敵がなかなか孤立しない場合もあります。その時に役立つのが周囲にあるビンなどのアイテムを使った陽動です。これらのアイテムを投げて敵の注意をそらすことで、こちらに有利な状況を作り出すことができます。
また、拾ったアイテムを組み合わせて火炎瓶などの即席武器を作ることも可能です。火炎瓶は銃と違って発砲音がないため、主人公の位置を知られることなく爆発範囲内の敵をまとめて倒すことができます。
アイテムの作成は、メニュー画面に戻ることなくワンボタンで行えるため、途中でプレイが途切れることはなく集中力を保ったままゲームに専念することができるのも本作の優れたポイントです。
フィールドに点在するキャンプでは、スキルポイントを使ってスキルを習得し、主人公を強化できます。スキルポイントは、敵を倒したり、謎を解いたりすることで入手できる経験値が一定以上たまると獲得できます。
スキルはおおまかに、戦闘能力が向上するウォーリアー、探索や移動に便利な効果をもたらすスカベンジャー、発見能力が向上するシーカーの3つのカテゴリがありました。バランスよく育てる、戦闘に特化させるなどプレイヤーの好みに強化できます。
素材を使った武器のアップグレードもできます。弓であれば、ダメージ、発射レート、ドロースピード、ホールド時間のパラメータを強化でき、使い勝手が向上します。特定のスキルを身につけることでより強力なアップグレードも可能になるようです。
スキルの習得や武器のアップグレードの他にも、素材集めやコレクティブアイテムの収集、“チャレンジトゥーム”の探索、サイドミッションといったやり込み要素があります。サイドミッションは、多くの人が集まる街や集落で特定の人物から受けられ、彼らの頼みを聞くことでさまざまな報酬を得られます。
一度訪れたキャンプはファストトラベルで自由に行き来できるので、ひたすら本編を突き進むのではなく、収集要素やサイドミッションを意識してじっくりプレイするといいでしょう。
今回は、アスレチックや敵とのステルス戦闘、謎解きなど、さまざまな要素を5時間にわたって体験しましたが、完成度はいずれも高く、集大成にふさわしい作品でした。
ストーリーの進行度としては、主人公が外界と隔絶した隠された都“パイティティ”に到着したところまででしたが、その道のりを描く展開もじつに巧妙! この先どういった展開が待つのか、とても気になります。
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