2018年8月16日(木)
電撃PlayStationにて掲載中のロングレビューコーナー“レビューエクストラゴールド”。本コーナーは、そのタイトルをクリア、またはクリア相当までやり込んだプレイヤーが語る、愛のあるレビューが見どころとなっています。
今回は、電撃PlayStation Vol.666にて掲載したレビューの転載をお届け。『ストリートファイター』シリーズ30周年タイトル『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション』(海外版)を電撃PS編集の団長が熱く語ります。
『ストリートファイター』シリーズ30周年を記念して日本版の『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル(スト30thアニコレ)』が、10月25日に発売!
今年5月に海外版が先行発売されてから、国内では多くの対戦格闘ファンたちがその発売を待ち望んでおりました。なかには待ちきれず、さまざまなルートで海外版を購入し、ひと足先に対戦ざん昧な日々を送るプレイヤーたちの姿も。オレもその待ちきれなかったプレイヤーの1人です! なのでここでは、日本版の発売に先駆けて、海外版の『スト30thアニコレ』についてを語っていきたいと思います。
まず『スト30thアニコレ』のすごいところは、なんといっても収録タイトル数が多いところです。プレイできるのは、1987年から1999年までに登場してきた『ストリートファイター』シリーズ12作品! 初代『ストリートファイター』、『ストII』、『ストIIダッシュ』、『ストIIダッシュターボ』、『スーパーストリートファイターII』、『スーパーストII TURBO(スパIIX)』、『ストリートファイターALPHA(ストZERO)』、『ALPHA2(ストZERO2)』『ALPHA3(ストZERO3)』、『ストリートファイターIII』、『ストIII 2nd IMPACT』、『ストIII 3rd STRIKE』。国内版はこれらタイトルの日本版の12作品がプラスされ、合計24タイトルが楽しめるとのこと!
うっひょー! 収録タイトル名を聞いただけでも、もうお腹いっぱい! この1本にオレの学生時代から社会人(?)に至るまでに輝いていた、カプコンの名作格ゲータイトルたちが詰まっているわけです。
ああ思い出す……あの頃の戦いの記憶。『ストII』では仲よし台(※1)で「対戦いいですか」と一声かけてからが対戦マナーだったとか、『ストIIダッシュ』ではザンギエフ使いの兄ちゃんが筐体を激しく揺らしたせいで、置きコイン(※2)がメチャクチャになってもめたこととか、その兄ちゃんの汗がすごかったとか、『ストZERO』で連勝してたらガラの悪いケン使いのおっさんにからまれて、リアルファイトになりそうになったところをサラリーマンのおじさんに止められたりとか。いい時代だったなぁ…しみじみ。まあ『スパIIX』と『ストZERO3』は現在進行形でアーケード対戦をしているので「懐かしい」という感じは微塵もありませんでしたが!
※1…【仲良し台】90年代初期では1台の筐体で2人のプレイヤーが横に並んで座り対戦を行っていた。殺伐とするなか、必ずしも仲良しとはいえない場合も。
※2…【置きコイン】次のプレイヤーの順番待ちをわかりやすくするため、テーブル筐体右側にコイン(50円貨幣など)を置いていたローカルルール。
とにかく格ゲーの黄金時代を築き上げた名作がそろっているので、これは一家に一本のレベルだと思いますよ。あとタイトルはすべてアーケード基準。つまりコンシューマ機への移植版ではなく、アーケードの実機とほぼ一緒ということ! 日本版の発売を待たずして海外版の『スト30thアニコレ』を購入した目的はここだったりします。
オンラインモードの対応タイトルは、『ストIIダッシュターボ』、『スパIIX』、『ストZERO3』、『ストIII 3rd STRIKE』で(日本版でも英語表記の海外版と同じこの4作品が対応)、これらタイトルではトレーニングモードがプレイ可能。ダメージ表示やキー入力表示に、ダミーのレコード設定など、最低限にして最高の練習が自宅(主に編集部)にいながらいつでもできるという幸せを手に入れました! なお『ストIIダッシュターボ』以外は、現在アーケードでも大会やイベントが盛んに行われているタイトルなので、『スト30thアニコレ』はその練習としてもバッチリ!
そしてオンライン対戦は、日本でも問題なくプレイできました。今現在『スト30thアニコレ』をプレイしている人は日本以外のプレイヤーがメインなので、まあオンライン対戦につきものの通信ラグはもちろんあります。日本のプレイヤーともたまにマッチングすることもありますが、そのときはラグも少なくかなり快適でした。
でも「この動き、ぜったい日本人でしょ!?」と思って“一緒に遊んだプレイヤー”で確認してみるとアメリカ人や韓国人だったりすることも。回線しだいでは海外のプレイヤーともわりと快適にプレイできるみたいです。ていうか回線うんぬんよりも『スパIIX』をやり込んでいる海外勢がけっこういるということに驚いています。世界は広いのう!
あとオンラインモードでは“オンラインアーケード”、“ランクマッチ”、カジュアルマッチ”、“ロビー作成or参加”があります。ランクマッチは勝敗のポイントが記録されるというよくある仕様ですが、勝敗決定から再戦までのテンポが非常に早くてストレスは一切ありませんでした。あと4つのタイトルから自分の得意なタイトルを選んで勝負を持ち込むような遊びができる点もいい! シリーズの歴史やキャラ設定、サウンドが聴けるなどのミュージアムもあり、『スト30thアニコレ』は現時点でも値段が安すぎると思うくらい満足度が高いです。
しかし最後に、もしも今現在、キミの近場のゲーセン(アーケード)で『ストII』シリーズの対戦ができる環境があるならば、『スト30thアニコレ』で満足して終わらずに、ぜひゲーセンに足を運んでほしい。対戦相手とガチれるあの場でしか得られないものがたくさんあります。対戦格闘ゲームは日本の文化の1つ。対戦相手との交流の場は、これからも大切にしていきたいと思うのです。
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