2018年8月23日(木)
『デビル メイ クライ5』のネロは『4』と同じ感覚で遊べる。オートアシストやダンテの新武器の情報も
ドイツのケルンで現地時間の8月21~25日に開催されているコンピュータゲームの見本市“gamescom(ゲームズコム) 2018”にて、カプコンから2019年3月8日に発売されるPS4/Xbox One/PC用ソフト『デビル メイ クライ5』の開発者インタビューが行われた。
本作はカプコンが贈るスタイリッシュアクションゲーム『デビル メイ クライ』シリーズの最新作。『デビル メイ クライ 4』から数年後の世界を舞台に、悪魔退治を生業とする青年ネロたちの活躍が描かれる。
インタビューには伊津野英昭ディレクター、岡部眞輝プロデューサーとマシュー・ウォーカープロデューサーが対応。出展されているバージョンの特徴やネロのアクションについて、今後の展開などについて聞いている。
▲左から岡部プロデューサー、伊津野ディレクター、マシュープロデューサー。 |
なおインタビュー中は敬称略。
――先日から出展されていますが、手ごたえはいかがですか?
伊津野:実はまだそこまで多くの声を聴けていないのですが、皆さま「早く遊びたい」が強いのか、なかなか説明を読んでくれないなあと……。チュートリアルを読まずにアクションをしているという知らせが来ています。
LBボタンで発動する“デビルブレイカーを破壊しつつ、緊急回避するアクション”を普通の攻撃だと勘違いして、早々にブレイカーをすべて使ってしまう人が多くて、伝わっていないなあと。
(一同笑)
岡部:アクション的に気持ちがいいから、ついつい使ってしまうのかもしれません。
マシュー:そうなる可能性があったので、今回ウェブサイトを作っています。体験まで並んでいる間にQRコードを読み込むと携帯電話で説明を見られるので確認してください。
現状で届いている感想はすごくいいです。SNSでもアクション、グラフィックについて評価されていました。
伊津野:クリア率はそこまで高くないようで、現時点では1/3くらい。クリア後の評価がSランクだと、特別に1枚絵が出てくる仕様になっています。
――Sランクをとるためのポイントは?
伊津野:今回のデモではスタイリッシュポイントだけで評価しているので、攻撃を受けないことです。もし攻撃を受けてしまった場合はとにかくがんばって、Sの高ランクをキープしないと難しいです。一発勝負なので、あえて本編よりも評価基準は高くしています。
実は、今回のバージョンは大サービスでスキルをたくさん解放しているので、うまく使いこなせばSSSまでいけると思います。
――音楽も特徴的。遊んでいて盛り上がるところで、テンションが上がりました。
伊津野:感想を聞いていると、気に入っていただけているようです。曲ごと変わるのではなく、小節単位で変わるので、そこは新鮮なんではないかと。コンボをつなげて、自然にテンションが上がる感覚とうまくマッチするといいですね。
――遊んでいて、『デビル メイ クライ 4』のネロと同じような感覚でプレイできると思ったのですが、操作感は意識的に残しているのですか?
伊津野:剣を振った後に持ったまま歩いたり、イクシードをチャージできたり、左右に動いたら足を踏ん張ったりとか、リアルな画に負けないアクションをさせた結果、「もっさりしているのでは?」と感じられたかもしれません。ところがさわったら、動きをキャンセルさせてバシバシつないでいた“これまでと同じ操作感”というのは、目標だったのでそう言っていただけるとすごくうれしいです。
――デビルブリンガーがなくなったことで、スナッチがなくなっているのですが、義手からケーブルが出て(ワイヤースナッチ)アクションとして残されている。“悪魔の腕”がなくなりつつもネロらしさを出すことは大変でしたか?
伊津野:企画書はすぐに書けるんですが、前とはプログラム的に仕組みが違う。同じ結果に感じられるようになるまで、つい最近まで調整していました。たとえなんでもないことでも別のプログラムで再現するのは大変ですね。
マシュー:ワイヤースナッチは、デビルブレイカーがすべて壊れたらできないと思われるかもしれませんが、実はできるような仕組みにしています。
伊津野:ワイヤーの機能はブレイカーをセットする基部のほうについています。
――技も同じものを同じ操作で使えて安心しました。
伊津野:技が減ると、すぐに気づかれるんですよね(笑)。「これないじゃん!」と最初にならないように気を付けています。そのうえで、新しい技はまだ内緒にしています。
――レッドクイーンのアクセルを回したデザインが変わっていたのですが、あれは序盤の演出ですか?
伊津野:今回はメーターの表示ではなく、ジェットエンジンの噴射口から炎が出て、色が変化するタイプになっています。その色で確認してください。
――魔人化にとってかわる要素はありますか?
伊津野:ゲーム的にパワーアップする要素はないのですが、いままで魔人化でやっていたような技は割りとあります。例えば、掴まれた時の脱出であれば、義手を破壊することでの緊急回避。同じボタンで、同じような操作感覚でできるようにしていますね。
――さわっていて、オートアシストがかなり優秀だと感じました。
伊津野:うちのボス(※CS制作管理統括の竹内潤さん)から、「気軽に試せるように、いつでも切り替えられるようにしたほうがいいんじゃないの?」と言われて、RS長押しでリアルタイムでの切り替えを入れています。我々、アクションに対して厳しく見てしまうのでそこに考えが及ばなかったのですが、それはいいですね。
岡部:今回のバージョンでは技が解放されているので、オートアシストで連打しているだけでもいろいろな技を出してくれて、かなり気持ちいいです。ぜひ試してほしいです。
伊津野:オートアシストを使うと、クリア率がぐっと上がるかと。あと、オートでコンボを見た後に、自分で再現を試すということもできるのでいいかと。
――オートアシストで攻撃を繰り出している最中でも自分で操作に介入できて、出したいアクションを出せることはすごく楽しかったです。
伊津野:実は『デビル メイ クライ 3』くらいの時から、“オートはマニュアルにたどり着くための手段であるべき”ということにこだわっています。オートにしていても、入力したアクションは優先して出る、オートを使っていてもいつか外せるように誘導したいというのがあります。
岡部:自分が考えていることと違うアクションをするので、最終的にはマニュアルの気持ちよさにたどり着くと思います。
伊津野:自動でアシストしてくれる便利な一方で、リザルト(評価)は少し下がるようになります。それにストレスを感じるようになったらぜひ外してください。
――キーアサインは用意されているのでしょうか?
伊津野:前作以上に自由に変更できるようにしています。
――ニコの大型のトレーラーが来たのですが、入れませんでした。
伊津野:あくまでお目見えということで。入ってしまうとプレイ時間が長くなってしまうので、入った時のポーズは出しています。
――今回のバージョンでは、電話ボックスが鳴っていましたが、「今後は自分で呼びな」と言われました。製品版ではあちこちにあるのですか?
伊津野:今回は電話が鳴っていたのですが、次からは自分でかけるようにという意味です。電話ボックスはわざわざ探さないといけないようにはしていません。そのうえで「買い物をしてもいいよ」というくらいのペースで用意しています。
――ゴリアテとのバトルに際して、アドバイスはありますか?
伊津野:頭に攻撃するとダメージが多く入ります。エフェクトが違ったり、ひるんだりするので、リアクションで気づくといい感じで戦えるかと。あとは、ガーベラの空中で使うブレイクエイジ技の“ペタルレイ”という技があるのですが、それは『3』の“スパイラル”のような挙動で、壁で跳ね返るほど攻撃力が上がるので、室内でうまく使って当てると、たくさんダメージが入ります。
今回のバージョンは買い物ができないので、デビルブレイカーはMAP上に多めに配置しています。デビルブレイカーは、ボスの体力を見ながら使い切るくらいの感覚で使っていただければと。
あと、外にある金色の像は壊すと体力を回復できるグリーンオーブが手に入ります。そしてステージを通してグリーンオーブを多数配置しているので、ちゃんと探せばクリアできると思います。
――東京ゲームショウにはもちろんプレイアブルで出展……されますよね?
岡部:はい! 次はTGSで日本の皆さんに楽しんでもらいたいと思っています。日本語ボイスに対応しています。
――ダンテのプレイアブルが明らかになりました。現状でコメントできることは?
岡部:ダンテはTGSで情報を出します。なのでTGSのステージ情報はお見逃しなく! ダンテは映像の中で、バイクを振り回しています。新たにクレイジーな武器がいっぱい入っていますからね。
伊津野:ダンテの新しい武器にご期待ください! 結構新しい武器をいろいろ作ったので。
岡部:今回は、とりあえずもっともキャッチーなバイクを選びました。
伊津野:マシューにバイクが一番外国のファンに受けると言われたんです。
マシュー:E3の最後に出す映像を選ぶ際にも「絶対にバイクのシーンを使ったほうがいい!」と言いました。
伊津野:個人的にはメカが変形するのが大好きなので、デザイナーと「こうやったらキッチリ変形して2つの武器になるでしょ!」と楽しみながらやっています。以前のパンドラは嘘変形でしたが、今回の武器の変形はダンテしかり、ネロしかり完全変形です。
――グッズ化も可能だと。
伊津野:フィギュアを作っているメーカーの方々、お願いいたします。
岡部:皆様の声が大きければ力になります!
――最後に何か補足があればお願いします。
岡部:TGSで発表する情報は本当に盛りだくさんなので、期待していてください。そして来年3月8日、全世界同時発売を目指してがんばっています。
伊津野:いまは、最高難易度の調整を必死でやっているので……がんばっていきます!
マシュー:発売日をやっと発表できて、皆様に遊んでいただいていい反響をいただけてうれしい限り。ぜひ日本の方にもTGSで遊んでいただき、感想を聞けるのが楽しみです。
伊津野:TGSでいっぱい情報は出すので、本当に楽しみにしてください!
岡部:むしろ多すぎると思われるくらいの情報量はあるので!
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データ
- ▼『デビル メイ クライ 5(ダウンロード版)』
- ■メーカー:カプコン
- ■対応機種:PC
- ■ジャンル:アクション
- ■発売日:2019年3月8日
- ■価格:6,480円+税