2018年8月30日(木)
セガゲームスから発売中のPS4/Nintendo Switch用ソフト『ソニックマニア・プラス』。本作のレビューをお届けします。
『ソニックマニア・プラス』は2017年8月に配信されたダウンロード用ソフト『ソニックマニア』に、新キャラクターや新モードなど新要素が追加されたパッケージ版。ゲームソフトに加えて、『ソニックマニア・プラス』オリジナルサウンドトラックCD(2枚組全54曲)とアートブック(36P)が同梱されます。
すでにダウンロード版『ソニックマニア』を購入しているユーザーに向けて、追加要素がセットになったDLC“アンコールパック”が配信されています。
本記事では、『ソニックマニア』の要素も含めて、実際にプレイしてみての感想や新キャラクターの使用感をお届けしていきます。
本作は、『ソニックアドベンチャー』シリーズや昨年発売された『ソニックフォース』のような3Dアクションではなく、『ソニック』シリーズの原点である2D横スクロールアクションが主体となっています。頻繁にある横移動だけではなく、上下に大きく移動することが本シリーズの特徴となっています。なお、本作に含まれる3Dアクション要素は後述します。
エッグマンを追うためにあらゆる地形で、画面狭しとステージを駆け巡ります。ファンにはたまらない、昔のテイストをオマージュしつつ、最新機器ならではの高画質で遊べる『ソニック』となっています。さらに本作には、ミニゲームや対戦など、横スクロールアクションではない要素も楽しめます。
物語は、エッグマンが持つ“ファントムルビー”という不思議な石により、シリーズファンには馴染みの深い“グリーンヒル”ゾーンに飛ばされたところからスタートします。“ファントムルビー”が登場することから、『ソニックマニア』が3Dアクションシリーズの最新作である『ソニックフォース』へと続く物語ということを察することができますね。
“グリーンヒル”ゾーンには、基本的な“ダッシュ”やスプリングなどが設置されており、過去に2Dシリーズをプレイしたことがある人は操作感を思い出し、初心者の人は本作に慣れるためにはうってつけのステージとなっていました。
それにしても、シリーズの原点をオマージュしている作品だけあって、スプリングにぶつかって逆方向に飛ばされたり、空中制御で落下する位置を予測したり、イメージは過去2D横スクロールアクションシリーズ作品にかなり似ています。ダッシュをし続けて最高速度に達し、そのままスプリングでステージを駆け抜ける感覚が懐かしいです。
“グリーンヒル”ゾーンのボスとして、エッグマンが駆るロボットが待ち構えています。なお、ステージ2以降からはエッグマンが作ったロボットと敵対することになります。シリーズおなじみとなった“あのキャラクター”も登場するので、注目してください。
続くステージは、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』でも見られた“ケミカルプラントゾーン”。ステージが進むにつれてスプリングだけではなく、水や風が進行を妨害します。すべてのステージでそれぞれ少しずつ異なった攻略法が必要なので、クリアできない場合は、どういうステージなのかを考えつつ、何度も挑戦してみてください。
▲ステージ中に『ぷよぷよ』で対戦することも。パズルゲームが苦手な人は悩んでしまうかも……? |
本作では、『ソニックマニア』でも遊べた青いハリネズミ“ソニック・ザ・ヘッジホッグ(ソニック)”や“マイルス“テイルス”パウアー(テイルス)”、“ナックルズ・ザ・エキドゥナ(ナックルズ)”に加えて、新キャラクターとして、1993年に展開されたアーケードゲーム『セガソニック・ザ・ヘッジホッグ』よりアルマジロの“マイティー・ザ・アルマジロ”とムササビの“レイ・ザ・フライングスクイレル”を操作できます。
既存キャラクターの“ソニック”、“テイルス”、“ナックルズ”は、これまでの作品と同じようなアクションを行えます。例えば、ソニックはスピンダッシュ、テイルスは2本のしっぽを使った飛行、ナックルズは壁のぼりを行えるなど、ファンであればどこかで見たことのある行動をしてくれます。
以下では、新キャラクターの“マイティー”と“レイ”を紹介します。
アルマジロの“マイティー”は、かつて過去のシリーズに登場したキャラクターで、地面に攻撃できる“ハンマードロップ”を得意としています。
“ハンマードロップ”は、空中から真下にいる敵を攻撃します。激しい衝撃により画面が揺れ、壊れる地面で行うと、破壊して進行できます。なお、空中から真下へ直下するため、落下するステージでは注意が必要です。
発売前に公開されたWEBアニメーションでは、敵の攻撃を甲羅で受け止めるという、アルマジロらしい特徴が見られました。ゲーム中でもその要素が散在しており、丸まっている間はトゲなどの地形ダメージを無効化します。
動物的な特徴を生かしたアクションは、本シリーズの魅力の1つでしょう。マイティーでもその要素をぜひ確認してみてください。
ムササビの“レイ”は、“飛行”を得意とするテイルスのように、ムササビよろしく飛膜を広げてステージ内を滑空できます。十分にスピードをつけてから一気に上昇する気持ちよさは、攻略時に使用するには多少の知識が必要なものの、他のキャラクターにはない爽快感を味わえます。
しかし、初のステージ攻略に使用するには少し困難なように感じました。なぜならば、マイティーのような“ハンマードロップ”やナックルズのような“壁のぼり”といった攻略時に便利なアクションが搭載されていないからです。
戦闘向きではないレイですが、ステージの地形を理解し、操作に慣れてきたころには、本作随一のスピードでゴールまでたどり着けるかもしれません。
アンコールモードは、『ソニックマニア・プラス』で追加された新モードです。ストーリーモードと同じようで少し違う物語を遊べます。
また、背景の色が通常の配色と異なることも大きな特徴となっており、発売前に公開されたインタビュー映像では、制作陣から配色についての特徴が詳しく語られています。
ストーリーモードと大きく異なる点は、操作キャラクターが増えて、ステージ攻略時にいつでも交代できること。アンコールモードの序盤でマイティーかレイを選択し、パートナーとともにステージを攻略していきます。
ステージ中には残機の代わりにパートナーのアイコンを取得でき、それぞれのキャラクターが脱落するたびに、操作するキャラクターが取得したキャラクターに変更されます。
各キャラクターをまんべんなく扱えるようになり、本作の操作感にも慣れてきたストーリーモードのクリア後に適したモードという印象を受けました。
序盤のストーリーがストーリーモードのクリア後のことなので、クリア後にもストーリーをまた楽しめるところも個人的にはうれしい要素です。
一通り遊んだ感想は、“3D技術やアクション要素が発展した昨今だからこそ、本作のような元祖『ソニック』らしいゲームにハマってしまう”ということでした。
最近のゲーム業界の技術の発展には目を見張るものがあり、それは『ソニック』シリーズにおいても例外ではありません。例えば、『ソニックフォース』では、オリジナルのアバターを作成できます。世界観に溶け込んでソニックとともに世界を救うゲーム内容に感動を隠せませんでした。
しかし、2Dアクションゲームの深さ、単純ではまり込んでしまう中毒性の高さという点で、筆者は本作にも夢中になりました。また、ところどころにちりばめられた小ネタに、思わずクスっときてしまうことも。エッグマンが自分のメカに怒っている様子を見て「いつもやっているなあ」と感じるなど、『ソニック』の知識に長けている人であるならば、本作をより楽しめることでしょう。
ミニゲームなどについても、さまざまなジャンルが混同して『ソニック』らしいな、と感じました。ファンからだけでなく、公式映像でも感じられるように制作陣からも愛されている『ソニックマニア・プラス』。「もう一度過去のソニックを遊んでみたい」という人や、「3Dのゲームしかプレイしていないけど、昔のソニックってどんな感じだったんだろう」という人にオススメできる作品です。
(C)SEGA
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