2018年9月22日(土)
スクウェア・エニックスが2018年12月6日に配信する、PS4用ダウンロードソフト『THE LAST REMNANT Remastered(ラスト レムナント リマスタード)』。“TGS 2018”のスクウェア・エニックスブーススタジオにて、本作のスペシャル生放送が実施されました。その模様をまとめてお届けします。
スタジオには、『ラスト レムナント』オリジナル版ディレクターの高井浩さん、オリジナル版アートプロデューサーの直良有祐さん、リマスター版ディレクターの坂本幸一郎さんが登場し、オリジナル版開発当時の話も交えてリマスター版についてのさまざまな情報が紹介されました。
▲左からMCを務めたペンギンズ ノブオさん、高井さん、直良さん、坂本さん。 |
まず、坂本さんから『ラスト レムナント』のストーリーや特長などの概要が紹介されました。ここで紹介された年表に“Xbox 360、PS3用ソフトとしてタイトル発表”と書いてあることに気づいたノブオさんから鋭い質問が。
年表にもある通り、『ラスト レムナント』はXbox 360版に続きPC版が発売されたのですが、PS3版は発売予定となったまま発売されなかったのです。そのことを高井さんに突っ込んだノブオさんに、高井さんは苦笑いしつつも回答。
当時まず、Xbox 360版をリリースし、そもそも開発はPCで行っていたためPC版はスムーズに発売できたそう。しかし、PS3に移植するにあたり試算を出した際に、それなりの月数がかかってしまうことがわかったそうです。
あまりにも長期間、開発に時間をかけるわけにいかず、いったんプロジェクトがストップ。そのうちに当時のメンバーは各々違うプロジェクトに行ってしまい、気づいたら10年も経ってしまっていた、というのが正直な事情とのこと。
高井さんは、それでもPSハードへの移植の夢は捨てていなかったので、今回のPS4リマスター版の開発に手を挙げてくれた、坂本さんをはじめとしたスタッフに感謝しているとコメントしていました。
続いて、オリジナル版のアートが紹介され、直良さんから当時の話が飛び出しました。
直良さんによると、『ラスト レムナント』はアート担当のみでチームを立ててもらい、チームのいろいろな人たちで相談しながら、世界観やキャラクターを作り込んだ作品だそうです。
本作の世界をアートで表現するにあたり、そもそも“レムナント”って何だろう? というところからチームで議論し、すごく時間をかけて下準備をし作り上げていったので、重厚なハイファンタジーの世界が作り出せたと紹介していました。
ただ、かなり議論を繰り返したにもかかわらず、“レムナント”は最後まで謎の物体だった、と高井さん。直良さんもこれに大きくうなずいていました。
また、リマスター版のキービジュアルについても紹介されました。坂本さん曰く、直良さんが『ラスト レムナント』にすごく思い入れがあるため、完成までかなり時間がかかったとのことです。それだけ力の入ったビジュアルというだけあって、視聴者からも好評なコメントが寄せられていました。
▲『ラスト レムナント リマスタード』のキービジュアル。 |
次に坂本さんから、リマスター版の変更点について紹介されました。大きな部分では、ゲームエンジン変更によるグラフィックの高画質かつ美麗化、PC版追加要素の全収録、ラッシュのフィールドでの高速移動機能追加が挙げられました。
▲ラッシュの高速移動機能は、同じ場所を行き来することが多いやり込み勢にはうれしい変更点になりそうです。 |
さらに細かい変更点として、細かいテクスチャの作り直しや、ラッシュの走るモーションの変更も紹介されました。
ラッシュの走るモーションについては、開発時からカッコ悪いと多くの人から言われてしまっており、高井さんからかなりリテイクしたのにしっくりこなくて、最後にはみんな正解がわからなくなってしまいそのままリリースされてしまったと裏話が披露されました。
実は、ラッシュのモーションアクターの方が大柄でラッシュと体型があっていなかったため、どう調整してもおかしくなってしまっていたのが原因だったようで、坂本さんはそこもしっかりと直したとのこと。新しいモーションを見た高井さんも「すごく自然になっている!」と驚いたそうです。
続いて、リマスター版プロジェクトアシスタントの堅田愛咲美さんによる、本作の実機プレイが行われました。
まず紹介されたのは、聖都エリュシオンのヘンドラー街。地面や建物の壁などもテクスチャが一新され、街並みがかなり美しく表現されていました。また、細かなところですがフォントも新しくしているそう。移植しただけだと文字が小さくなってしまうため、読みやすくなるように調整しています。
バトルを見せるためにディル高原へ。直良さんは石や木、草の質感がかなり綺麗になっていることに注目。ここまで綺麗になるとは思っていなかったそうで、最初に見せてもらった時はびっくりしたとコメントしていました。
バトルについては、キャラクターが最大5人まででユニオンを組んで、ユニオン単位で指示を出して戦うのが本作の特長。また、士気(モラル)という要素も重要で、戦闘でうまく立ち回ることができれば上昇し、強力なバトルコマンドが使えるようになります。
▲バトルのエフェクトもゼロから作り直されています。 |
高井さんは開発当時は、「こんな簡単なゲームはない」と思いながら作っていたそうですが、今のタイミングで冷静に見ると、さまざまな要素があり正直難しいゲームだなと思い直したそうです。
また、士気についてはオリジナル版でエグゼグティブプロデューサーだった河津秋敏さんから提示されたものだそうで、ゲームにありがちなデジタルな数字ではない要素で、戦場の気の流れのようなものを表現したいというオーダーから、用意されたものだと紹介していました。
▲エマと挑むナムル・ニラム戦も紹介されました。「エマは僕の中ではヒロイン」と高井さん。 |
最後に、出演者から本作を楽しみにしているファンへ向けてメッセージが送られました。
坂本さんは、10年前のタイトルとは思えないほどストーリーもシステムもおもしろいので、以前にプレイした方も忘れてしまっている部分もあるかと思うのでプレイしてほしいとコメント。
また、高井さんは、オリジナル版は初挑戦したことが多く難産だったと思い出を語り、移植スタッフのおかげで、自分がこういうふうにPSハードで動いてほしい! と思う通りのものになったと思うので、皆さんに遊んでほしいと語っていました。
なお、ノブオさんから『ラスト レムナント2』など続編の可能性を聞かれると、高井さんは「このゲームが大好きな人に作ってもらいたい!」とコメントしていました。
続編がどうなるかはわかりませんが、『ラスト レムナント』はRPG好きなら遊んで損はないタイトルです。PS4用ダウンロードソフト『ラスト レムナント リマスタード』は、12月6日に配信となりますので、ぜひ注目してみてください!
■東京ゲームショウ2018 開催概要
【開催期間】
ビジネスデイ……9月20日~21日 各日10:00~17:00
一般公開日……9月22日~23日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料
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