2018年9月22日（土）

ステルス・メトロイドヴァニア『シージ＆サンドフォックス』は日本語対応予定。プレイレポを掲載【TGS2018】

　9月20日～23日に千葉・幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2018において、インディーゲームコーナー内のCardboard Swordブース（9-A43）に出展されているPC用ソフト『The Siege and The Sandfox（シージ＆サンドフォックス）』。

　本作を試遊し、スタジオCEOのオリー・ベネット氏から話を聞くこともできたので、その話を交えたプレイレポートをお届けする。

　『シージ＆サンドフォックス』は、メトロイドヴァニアの名で親しまれる探索型2Dアクションゲームとステルス重視のゲーム性を掛け合わせたタイトル。アンリアル・エンジン4で制作され、コンソール展開も予定されている。

　主人公のサンドフォックスは、いわくつきの暗殺者で、砂漠の大都市を治める王が反逆者の手にかかる現場を目撃し、濡れ衣で地下迷宮に落とされてしまう。彼は真実を伝えるため脱獄を決意し、都市の滅亡を回避するために迷宮からの脱出を目指す。

　そうしたストーリーの背景のもと、上層にある王宮や、下層の古びた監獄、古代の大霊廟が複雑な洞窟でつなぎ合わさった広大なマップを探索していくことになる。試遊をした限り、最初は基本的なアクションを1つ1つずつ実践で覚えられるチュートリアルになっていて、道なりに進むしかないが、ある程度進むと、自分で行き先を考えて探索できる。


▲チュートリアルは、言葉ではなく立ち位置やボタン操作が表示され、視覚的にわかりやすくテンポを阻害しない。

　サンドフォックスは、壁への張り付きや、それを利用しての多段ジャンプ、ぶら下がりなど、最初から多様なアクションを使用できる。それに加えて、探索中に見つかる宝箱から装備を見つければ、新たなアクションを使用可能だ。試遊版では、敵を気絶させるブラックジャック（棍棒の一種）や、壁走りができるようになる靴を確認できた。

　レベルデザインは丁寧で、1つのアクションで道中の障害を乗り越えると、だんだんと覚えたアクションを組み合わせて乗り越えられるようなシチュエーションが出てくる。応用の段階では、「どうやって先へ進めばいいのだろう」と自分で考えるおもしろさがあって、いろいろなアクションを使って先に進むだけでも楽めた。


▲箱があれば隠れることも可能。敵をやり過ごすためのオーソドックスな手段だ。

　ただ、試遊版は20分の時間制限があり、その中でスムーズに遊べるよう敵のAIがわざと貧弱な設定にされていたため、敵の脅威が少なく、ステルス性の部分をどのように楽しめるかは、残念ながら限られた体験しかできなかった。

　本作は主人公にライフが存在せず、攻撃を食らえば1撃で死ぬので、いかに敵に気づかれず先に進むかという部分では、頭を使うおもしろさと緊張感を味わえるはずである。

　特に“（製品版では）敵が大きな脅威を感じる存在になる”という部分は、ベネット氏が強調しているところだった。

　同氏によれば、開発の進捗は7割ほどで、マップのコンテンツを増やす本格的な作業とバランス調整はこれからなのだという。最終的には、プレイヤーがいろいろなシチュエーションを体験できるようにしたいとも話していた。


▲柱から柱にジャンプして、先に進んだり、敵を避けたりする場面もある。

　また、本作は戦闘が“避けるべきもの”になっているので、ボスの存在などはいるのかと尋ねると、ボスは今のところ考えていないとのことだった。代わりに、難易度の高いチャレンジ性のあるシチュエーションを置くという。

　セリフを聞けるNPCが何人かいたので、ストーリーについても話をうかがったところ、本作はプレイヤーを導く形でストーリーは語られず、NPCが物語や世界観を匂わせるセリフを口にし、そこからプレイヤー自身がストーリーを想像して、つなぎ合わせていくようなスタイルになるそうだ。


▲マップの随所にNPCが存在し、セリフを聞ける。重要なヒントを得られる場合もある。

　ちなみに日本語の対応予定を聞くと、ローカライズを委託する会社に日本人がいるので、テキストが日本語に対応することはほぼ確定しているという。ただし予算の問題から、ローンチ時に合わせられるかは、何とも言えないとのこと。

　バトルを軸にしたメトロイドヴァニアが多い中、戦闘を避けることに頭を使うメトロイドヴァニアは新鮮なゲーム性なので、日本語でプレイできる日が楽しみなタイトルである。

■東京ゲームショウ2018 開催概要
【開催期間】
　ビジネスデイ……9月20日～21日各日10：00～17：00
　一般公開日……9月22日～23日各日10：00～17：00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般（中学生以上）1,200円（税込）/前売1,000円（税込）
※小学生以下は無料

※画面はすべて開発中のもの。
(C) Cardboard Sword