2018年9月23日(日)
インディーコーナーでPLAYISM、架け橋ゲームズ、3gooが出展していた異彩を放つゲームをレポート【TGS2018】
千葉・幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2018のインディーゲームコーナーより、取材中に試遊する機会を得たタイトルをまとめて紹介する。
本記事では、PLAYISM、架け橋ゲームズ、3gooのブースで出展されていたゲームのプレイレポートをお届け!
『Night in the Woods』 PLAYISM(9-B43)
『Night in the Woods』は、動物が人間のように暮らす独特な世界観と物語、そして不思議なゲーム性を持つアドベンチャーゲームだ。2019年に、PS4/Xbox One/Nintendo Switch/PCで日本語版が配信される。
主人公はネコの女の子であるメイ。彼女は大学をやめて故郷に戻るが、故郷を離れた2年の間に、町も友人の生活も変わってしまったことを知る。さらには奇妙な出来事に遭遇し、やがてメイは深い森の奥へと足を踏み入れていくことになる。
……とあらすじを書いても、本作の奇抜なゲーム性や作品性は伝わらないので、もう少し“ぶっちゃけた”話を書くと、このゲーム、非常にアクが強い。
序盤で特にインパクトを感じるのが、動物たちのキャラクター性。脱力感と毒舌がシーソーゲームをするような会話を繰り広げ、実にシュールな魅力を放っている。メイが帰宅した翌朝に母親へ放った言葉が、「鍵を変えないでくれてありがとうね!」なのは笑ってしまった。
アートスタイルにしても、一見するとかわいい雰囲気だが、目を凝らすとどこか不気味さが漂う。これは平凡なゲームではあるまい……という空気が、ビンビン伝わってくる。ゲーム画面を見つめる筆者の髪は、鬼○郎の妖怪ア○テナのごとく、逆立っていただろうと思う。
また、プレイヤーを飽きさせない豊富なインタラクティブ要素も特徴だ。最初にジャンプアクションが続いたので、本作は操作する部分はアクションゲーム風になるのかな? と思いきや、唐突に始まるリズムゲーム。それが終わると、友だち同士でピザを食べるところまでインタラクティブに作られている。
まるで闇鍋のように材料をそろえたなと思うのだが、ゲームとして遊んだ時にとてもおもしろい。それぞれの要素が絶妙なバランスで作品の世界を構築して、プレイヤーを引きずり込んでしまう。アクの強さがクセになるゲームだ。
そして、ゲーム性以外の部分で付け加えておくと、ローカライズが非常にいい! ゲームに登場するのはクセのあるキャラクターばかりだが、日本語のセリフに、そのキャラクター性がよく表現されていて、体験版の時点でこのクオリティであれば、製品版もゲームを余すことなく楽しめるだろうと感じた。
『Black Future ’88』 架け橋ゲームズ(9-B38)
架け橋ゲームズのブースでは、『Black Future ’88』と『Tangledeep』の2作が出展されていてた。筆者は前者の『Black Future ’88』を触らせてもらった。
本作は、年内にPC版の配信が予定されている横スクロールの2Dアクションシューティングゲーム。世界を核の脅威にさらす狂気の人物を止めるため、ローグライクなタワーに挑む物語とゲーム内容だ。
▲プレイ開始時にキャラクターを選択できる。 |
ひと目で引きつけられるのは、いい意味でクレイジーな、サイバーパンクとディストピアのクールさを前面に押し出す世界観である。
ビジュアルやシナリオのインパクトもそうだが、“心臓が爆発する”という設定がまたよい。ゲーム的には制限時間になるわけだが、ひとひねり加えるだけで、イカれた世界観をよく表現したゲーム要素になってしまう。
また、ローグライクは1度に“どこまで進めるか”という部分もおもしろさになるので、そこに制限時間が加わるゲームデザインも、非常に相性がよさそうに感じる。
さらに、心臓が爆発するまでの時間を含めて、さまざまなリソースを消費してバフ(呪い)を入手する要素もある。これが「安全策をとるか、リスキーに攻めていくか」というジレンマを生んで、おもしろいゲーム性になっている。
▲“呪い”は通常のバフと違い、制限されたメリットであったり、デメリット含むメリットだったりするため、うまく使いこなせないとリソースの無駄使いに……。 |
操作は、左スティックで移動し右スティックで照準と射撃を行うので、両方のスティックを使用する。
ツインスティックシューターやFPSなどのゲームで、2つのスティックを使う操作に慣れていない人は、まず慣れるまでにハードルがあるかもしれないが、弾丸が大きめなので、厳密なエイムを要求されるゲームと比べると、かなり操作しやすいのではないかと感じた。
▲ハンドガンは無限に撃てるが、メインウェポンは弾薬の管理も重要。弾薬に限らないが、ローグライクらしく、リソース管理がおもしろいゲームでもある。 |
『バトルプリンセス マデリーン』 3goo(9-B17)
『バトルプリンセス マデリーン』は、Causal Bit Gamesを率いるChristopher Obritsch氏が、娘であるMadelynちゃんの「『大魔界村』の中に入ってグリーンヘッド(シールダーの頭)と戦いたい」という願いを叶えるため、Kickstarterで支援者を集めて開発を始めた2Dアクションゲームだ。
そのため、槍を投げて戦う攻撃方法であったり、鎧を着た主人公のマデリーンが攻撃を受けると鎧が壊れて寝間着姿になったり、『魔界村』を彷彿とさせるエッセンスが随所に見られる。
ただ、遊び心地としては、ステージを攻略するアクションゲームというよりも、横スクロールの冒険をするアクションゲームという感覚。性能が異なる鎧のバリエーションや、愛犬フリッツィーの幽霊と一緒に冒険を繰り広げる要素など、独自のエッセンスもあって、完全にオリジナルのゲームとしてのプレイフィールとおもしろさを感じた。
ドット絵ゲームの黄金時代に通じる、シンプルな操作でもゲームにのめり込める感覚や、何度もチャレンジしたくなるゲーム性を、現代的な遊びやすさで楽しめるゲームという印象だった。何より、触っていて気持ちいいアクションゲームだと思う。
他にも3gooブースには、バイクに乗って、前輪ホイールやさまざまな武器を駆使して戦う、パンクなゲーム内容のアクションゲーム『スティール ラッツ』が出展されていた。尖った世界観とゲーム性が気になるタイトルだったが、残念ながら試遊の機会を逃してしまったのが心残りだ。
▲『スティール ラッツ』のゲーム画面。 |
なお、『バトルプリンセス マデリーン』はPS4/Nintendo Switchで12月20日に、『スティール ラッツ』はPS4で11月29日に発売となる。いずれもパッケージ版/ダウンロード版の両方で販売される。
■東京ゲームショウ2018 開催概要
【開催期間】
ビジネスデイ……9月20日~21日 各日10:00~17:00
一般公開日……9月22日~23日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料
※画面はすべて開発中のもの。
Battle Princess Madelyn (C)2018 Causal Bit Games Inc., All Rights Reserved.
Global Marketing by Hound Picked Games. Published and distributed by 3goo K.K.