2018年9月24日(月)

『コダマヨーコ』『Flan』『DEVIL STONE』インディーゲームコーナーで気になった作品を紹介【TGS2018】

文:キャナ☆メン

 9月23日まで4日間にわたって開催されていた東京ゲームショウ2018のインディーゲームコーナーより、試遊して開発者やブーススタッフからいろいろと話を聞くことができた3タイトルを紹介する。

『地獄調査官 樹神妖子(コダマヨーコ)』 ノーマナ・インタラクティブ(9-B37)

 『コダマヨーコ』は、ローグライクのツインスティックシューターとして開発されている作品。特徴的なのは、ダンジョン内の“床を塗る”という要素があることだ。

インディーゲームコーナー
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 敵側が塗った赤い床に乗ると、“穢れ”の値がたまり、これが100%になるとライフが残っていてもプレイヤーキャラは死んでしまう。

 “穢れ”の要素は、『不思議のダンジョン』における空腹度のようなバランスと役割を想定しているという。奥に進むほど、プレイヤーの首を締めるようになってくるというわけだ。非常にユニークなゲームシステムで、ローグライクとの相性がよさそうだと感じた。

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 一方のプレイヤーキャラ側は、水色に塗った床を広げて敵がその上に乗るようにすることで、ダメージを与えやすくなり、有利に戦えるようになる。テクニカルに戦えれば、そのぶん穢れのたまり具合も少ないし、プレイの上達に喜びを見出せるゲームシステムにもなりそうだ。

 そもそも“塗り”の要素を入れた経緯としては、ツインスティックシューターというジャンルに、“線”ではなく“面”で遊ぶ要素を入れたかったからだという。そして、1人用のゲームに合うように、“塗り”のもたらす効果を非対称にして、ローグライクのゲーム性と合うように落とし込んだそうだ。

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 試遊してみると、まったく新しいゲーム体験でおもしろい。単に敵を倒すことだけを考えると、赤い床が増えて立ち回りが厳しくなるし、ちゃんと全体を見て攻撃と立ち回りを考える必要があるため、敵との戦いが非常に奥深い。

 1つ1つの要素は既存のものでも、“塗り×ローグライク×ツインスティックシューター”という組み合わせのゲームは、おそらく他に存在しないだろう。素晴らしいオリジナリティを持ったタイトルとして、完成が非常に楽しみだ。

 今後については、まずはPC版を2019年に完成させ、Steamとitch.ioでの配信を予定しているという。その後は、PS4版とNintendo Switch版を開発することも考えているそうだ。TGS2018は終わってしまったが、イベントなどで触れる機会があったら、ぜひ遊んでみてほしい作品だ。

 なお、ノーマナ・インタラクティブのブースには、//commentoutの開発による『常世ノ塔』も出展されていた。電撃PlayStationのレポートにて紹介されているので、チェックしてみてほしい。

『Flan』 アネラ(9-B53)

 アネラブースでは、サークル“AECRNIA(アエクルニア)”が開発した『ELMIA』、『URO』、『Flan』の3タイトルが出展されていた。筆者は、開発中のPC用ソフト『Flan』をプレイさせてもらった。

インディーゲームコーナー
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 『Flan』は、対処できるギミックが違う2人のキャラを操作して、ステージを進むアクションゲーム。キャラは切り替えるのではなく、左右のスティックで2人同時に動かせるのが特徴で、そのユニークなプレイ感がおもしろい。

 また、印象的なのは、言葉を使わないシーンによって、温かくも切ないような独特の空気と世界観を漂わせているところだ。

 本作では、プレイヤーの心に訴えかける“雰囲気”を1番大事にしているという。そのため、言葉を極力排した方針でゲームを作っているとのこと。試遊の範囲では、特に最後のシーンがよくて、心に風が吹くような、そんな気持ちよさを覚えるゲームだった。

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 開発中のバージョンであるため、ステージ上にどうすれば先に進めるかわからない場面がところどころにあったが、そこはレベルデザインの改善によって、プレイヤーが自然とゲームを覚えてストレスなく先に進めるようにしたいと話していた。

 ゲームの完成はコミックマーケット95を目標にして、12月30日の発売を目指しているという。SteamやDMM GAMESなどでの配信も予定されているようだ。雰囲気がとてもよい作品なので、そうしたゲームを好む人は、覚えておいてほしいタイトルだと思う。

『DEVIL STONE 魔石伝説』 DEVIL STONE(9-B50)

 『DEVIL STONE 魔石伝説』は、香港のデベロッパー・SIMPLISTが開発するJRPG志向のスマートフォン用RPG。価格は480円の予定で、追加課金なく最後まで遊べる。クリアまでの時間は、10時間ぐらいを想定しているとのことだ。

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 ストーリーは、魔王の10代目継承者である魔人族のフィクスが、力の元である“魔石”を魔王に奪われ、人間界に送り込まれたところから始まる。フィクスは力を取り戻すため、魔石を探す冒険に出る……という流れだ。

 なお、キャラクターデザインは内部スタッフの手によるものだが、メインビジュアルはイラストレーターの風間雷太さんが担当している。

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▲風間雷太さんが描いたメインビジュアルを使ったクリアファイル。試遊者に配布されていた。

 ゲームをプレイすると、ビジュアルの雰囲気がよく、背景グラフィックには温かみがあり、キャライラストやモデリングも日本人が慣れ親しんだ雰囲気になっている。開発中のバージョンであるために日本語未実装の部分が残っていることを除けば、国内で作られたゲームだと言われても違和感がない。

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▲ヒロインのソフィアとは誤解のある出会いが……。

 会話もコメディッチックな雰囲気が適度にあって、キャラ立ちを重視した内容になっている。試遊であるため、ストーリーの良し悪しまではわからないが、キャラ同士のかけ合いは楽しめそうな雰囲気であった。

 バトルはオーソドックスなターン制コマンド選択式で、通常攻撃の他にスキルなどを使って戦う。試遊だとパーティメンバーはフィクス1人だったが、冒険を進めれば4人パーティで戦えるようになるとのことだ。

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▲バトルシステムはシンプルなので、誰でもプレイできるだろう。
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▲メインビジュアルの一部ためゲーム内のイラストと異なるが、この4人がパーティメンバーとなる。

 配信については、10月中旬を目処に近日行われる予定だという。日本語版もローンチでの配信を予定しているそうなので、気になる人はチェックしておこう。

■東京ゲームショウ2018 開催概要(※終了)
【開催期間】
 ビジネスデイ……9月20日~21日 各日10:00~17:00
 一般公開日……9月22日~23日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料

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