2018年9月25日(火)
2Dメカアクション『HARDCORE MECHA』のストーリーモードに大興奮! レビュー&インタビューを掲載【TGS2018】
9月23日まで4日間にわたって開催されていた東京ゲームショウ2018のインディーゲームコーナーにて、高い人気を誇っていたタイトルの1つであるPS4/PC用ソフト『HARDCORE MECHA』。
本作を試遊し、開発元のRocketPunch Gamesを率いる穆飛(Louiky Mu)氏から話をうかがうことができたので、プレイした感想とインタビューをお届けする。
▲RocketPunch Gamesブースの写真。 |
ロボット好きにはたまらない濃い体験を楽しめるストーリーモード
『HARDCORE MECHA』は、TGS2016では『Code:HARDCORE』のタイトル名で出展されていた2Dメカアクションゲーム。今後、日本での正式名は『HARDCORE MECHA』で展開していくようだ。
今回の出展では、初公開となるストーリーモード(キャンペーンモード)の試遊台が用意され、4人で遊べる対戦モードとあわせて2種類の試遊台でプレイが行えた。なお、対戦モードの試遊台で選択できたメカは7機だが、製品版だと15機から選べるようになる。
試遊して印象的だったのは、操作感や目に見える動きに“メカらしい挙動”を強く感じること。むしろメカメカしいくらいで、機体を動かすことにとても没入感がある。
▲ストーリーモードと対戦モード、どちらでもメカらしい挙動を感じる操作感を楽しめた。 |
さらに、個人的な好みではあるが、格闘攻撃ボタンが2つあるのも熱くなれる。射撃のほうが無難に優位を保てるとしても、やはり接近戦にロマンを見出してしまう。本作は、そんなメカ好き野郎の気持ちを受け止めてくれるゲームに感じた。格闘攻撃の手応えもすごくよくて、タイミングよくキメられた時の気持ちよさがたまらない。
対戦モードは4人で戦うと乱戦になりがちで、格闘攻撃も実用性と見せ場が意外とあるのではないかと感じた。もちろん、機体の特徴によって大きく変わるだろうし、試遊で格闘攻撃を何度も当てられたのは、操作に慣れない者同士で遊んだからかもしれない。
▲対戦時に写真を撮るのは無理があったのでプレスキットの画像から。 |
また、今回の試遊の目玉であるストーリーモードはゲーム中の第1章をプレイでき、ロボット好きの心を虜にするような抜群のおもしろさを体験できた。
ストーリーモードは横スクロールでプレイが進むが、道中で物語に沿ったさまざまなシチュエーションに遭遇し、ゲームとストーリーが一体化したプレイ体験を楽しめる。
▲ストーリーモードでは、主人公機サンダーボルトを操作してプレイする。 |
特に、山場にあたる主人公とライバルの対峙シーンがとにかく秀逸。戦いの前にイベントシーンが挿入されるが、これが非常に作り込まれており、いざバトルが始まった時に、まるで自分がロボットアニメの中に入り込んでプレイしているかのような興奮を覚えた。
該当のシーンは、主人公のタレサー・オコーネルが、もぬけの殻で佇む赤い旧式機を発見する場面から始まる。
いぶかしむタレサーが慎重に進むと……突如、建物の陰から赤髪の人物が飛び出してくる。赤髪の男はサンダーボルトに取りついて爆発物を仕掛けると、颯爽と離脱していく。
強烈なフラッシュが機体を襲い、サンダーボルトの光学センサーが焼かれてしまう。タレサーは、光学センサーを再起動して態勢を立て直そうとするが、そこに赤い旧式機からの体当たりを受け、窮地に追い込まれる。
サンダーボルトの上に馬乗りになった赤い旧式機が、ダガーを振り上げる――。
絶体絶命の中、胴体部の機銃で赤い旧式機を牽制し、ブーストを噴かして何とか危機を脱するタレサー。
「こいつ、今までの連中とは違う……」
タレサーが身構えると、プレイヤー操作に切り替わって、赤い髪の男――ヴォルフェス・ボナパルトが駆る赤い旧式機とのバトルに突入する。
シーンの構成もさることながら、メカの間接部の挙動など、ロボットらしい動きの作り込みもすごく、いやが上に熱くなる。特別に未公開の映像も見せてもらえたのだが、これまたロボット好きのツボをおさえた大興奮のクオリティで、ストーリーモードのイベントシーンはとにかく期待が持てた。
なお、ストーリーモードのクリア時間をうかがったところ、だいたい7~10時間を想定しているとのこと。試遊のクオリティから考えると、その時間が、とてつもなく濃い時間になるのは間違いないだろうと思えた。
ストーリーモードでは武器の開発が可能! Louiky Mu氏にインタビュー
開発を率いるLouiky Mu氏からゲームのさまざまな話をうかがったので、ここからはそのインタビュー内容をお届けする。
▲スタジオ名にちなんで、ロケットパンチのポーズをとるLouiky Mu氏。サービス精神旺盛に対応していただいた。 |
――主人公のタレサー・オコーネルはどのような立場で戦っているのでしょうか?
本作の背景として、火星の反乱軍と地球軍との間で戦争状態にあります。主人公のタレサーは、地球側に属する傭兵です。傭兵として戦場に送り込まれ、テロリストとの戦闘をきっかけに、物語の中で描かれる戦いに巻き込まれていきます。
▲TGS2018に先駆けて公開された、ストーリーモードに登場する人物らのキャラクターデザイン。 |
――ストーリーモードの試遊版では、仮あての日本語ボイスが入っていましたが、製品版では日本の声優を使ったボイスは入りますか?
日本語版には、日本の声優さんによるボイスを入れる予定ではあります。ただし、十分な予算がないので有名な声優さんの出演は期待しないでください(苦笑)。
(※編注:本作のキックスターターが行われた際、人気声優出演追加のストレッチゴールまで届かなかった)
――ストーリーモードのイベントシーンでは、ロボット好きの心をくすぐる演出がふんだんに盛り込まれていました。イベントシーンを作るにあたり、影響を受けた作品はありますか?
『機動戦士ガンダム』や『スーパーロボット大戦OG』などが大好きで、他にもいろいろなロボット作品を観ています! ですが、本作のゲーム中に特定の作品から影響を受けて作ったというシーンはないです。
――なるほど。ロボット作品について、さまざまな引き出しが増えて、そこから本作のシーンが生まれたのですね。
その通りですね。自分の中で描きたいシーンがたくさんあったので、それをゲームに入れ込みました。
――イベントシーンの中でも、特にライバルのヴォルフェス・ボナパルトは、パイロット自身の白兵も駆使した戦い方をして、ものすごく興奮する展開を見せてくれます。
ありがとうございます(笑)。彼は、サンダーボルトに白兵戦を仕掛けるシーンもそうですが、(ライバルとしての格好よさを出すために)旧式機を使って主人公を追いつめるというシーンもこだわって作りました。すごく描きたかったシーンです。
――そういえば、本作は実際のプレイでもパイロットが機体を降りて戦うこともできて、すごく熱いですよね。このゲームシステムはどのような経緯で導入したのでしょうか?
もともとは、ロボット作品にある緊急脱出のようなシーンをゲームの中にも取り入れたくて、パイロットが機体から降りられるシステムを入れました。
また、ストーリーモードでは、パイロットがいるということをプレイヤーに感じてもらいたくて、機体からパイロットが降りるシチュエーションを入れました。こちらは特定のシーンだけ、パイロットを操作できます。
対戦モードでは、戦術として機能するように入れています。すごい人は、パイロットを操作して機体を撃破できてしまいますよ(笑)。なお、撃破時に得られるポイントは、主にパイロットに割り振られているので、パイロットが脱出した機体を撃破しても、獲得ポイントが少ないようになっています。
――ストーリーモードでは、武器を拾うことができました。あのような武器はいくつも用意されているのですか?
ストーリーモードは、主人公の話をしっかりと描きたかったので、プレイヤーの操作できる機体がサンダーボルトだけになります。そのぶん、マップの途中で武器を拾ったり、拠点で武器を付け替えたりできるようにしました。
ストーリーは章で区切られていて、1章ごとに拠点に戻る流れになります。拠点では武器の開発が可能で、設計図を入手すれば、いろいろな武器を開発することができます。なお、開発した武器はステージ中で自由に付け替えるのではなく、拠点で選択してから出撃する仕組みになります。
――武器の設計図はどのようにして手に入れるのでしょうか?
特殊任務のボーナスやストーリーモードのマップ中で入手可能です。試遊できる第1章のステージにも、設計図が隠されていますよ。
――それは見逃してしまいました……。設計図のように隠された要素があるということは、1度クリアしたステージもプレイ可能なのでしょうか?
はい。プレイ可能です。
――ストーリーモード中は戦闘で主人公がレベルアップしましたが、レベルアップすると、どのようなメリットが得られるのでしょう?
開発した武器を使用するには、その武器に設定された必要レベルを満たす必要があります。ですので、主人公がレベルアップすると、いろいろな武器を使えるようになりますね。
――対戦モードで武器を付け替えることはできますか?
対戦モードの武器は固定になります。ストーリーモードは機体が固定なので、武器でバリエーションをつけていますが、対戦モードでは機体の個性がプレイヤーの選択肢になるようにしました。製品版では15機の中から機体を選べるので、自分に合う個性を持った機体を見つけて戦いを楽しんでほしいですね。
――ゲームの発売時期はいつごろになりますか?
ゲーム自体はほぼ完成しているのですが、発売の日程はパブリッシャーと相談中であるため決まっていません。また、パブリッシャーが全リージョンを担当するか、国によって変わるかも現在のところ未定です。ただ予定としては、日本語版をローンチに合わせて出したいと思っています。
――ありがとうございました! 製品版がプレイできる日を楽しみにしています。
■東京ゲームショウ2018 開催概要(※終了)
【開催期間】
ビジネスデイ……9月20日~21日 各日10:00~17:00
一般公開日……9月22日~23日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料
※画面はすべて開発中のもの。
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