News

2018年9月25日(火)

VTuberによる『おあめ どみねいてぃんぐ』や高校生が作った『モチ上ガール』など個性あふれる作品たち!【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 9月20日から、幕張メッセで開催されていた東京ゲームショウ2018。担当ライターが遊んで気に入ったインディーゲームを紹介していきます。

⇒『N1RV Ann-A』や『HARDCORE MECHA』など、TGSのクオリティの高いインディゲームに注目!【電撃PS】

⇒『Armcair Detective』や『伊勢志摩ミステリー案内』で探偵気分を味わえるゲーム特集 in TGS2018【電撃PS】

⇒『有翼のフロイライン』や『果てのマキナ』など。TGSで見かけた日本のインディゲーム【電撃PS】

 “TGS2018”のインディーゲームレポートもいよいよラスト! 最後は、個性あふれるゲームを一気に紹介していこうと思います。すでにTGSは終わってしまいましたが、本当におもしろいゲームが揃っているので、イベントや体験版などで触れる機会があったら、ぜひ遊んでみてください!

『インディー』

 ちなみに会場内には、電撃PSでたびたび取り上げている『グノーシア』も展示されていました。CPUと自分の最大16名で人狼ゲームを遊べるフリーモードのデータが用意されており、結託するCPUを推測しながら、人狼(グノーシア)を暴く駆け引きが楽しめます。

 以前まで展示されていたチュートリアルではなく、やっとこのゲームの魅力である“人狼ゲーム”がきちんと楽しめた感じですね。ますます、製品版が楽しみになってきましたよ。

斬新かつゲーム的魅力が詰まったターン性アクション『おあめ どみねいてぃんぐ』

『インディー』

 つぐりやブースにあった『おあめ どみねいてぃんぐ』は、前々から気になっていた1作。以前、第1章の体験版を遊んだことがあるのですが、非常におもしろかったのでずっと紹介したいと思っていました。

 このゲームは、ボスと1対1で戦う“ターン性アクションバトル”という斬新なジャンル。攻撃ターンと防御ターンで使える行動が変わり、アクションなのにターン性RPGのようなメリハリが効いたバトルが楽しめます。

『インディー』

 戦闘は、自分の攻撃ターンと防御ターンが交互に発生。攻撃ターンでは、2段ジャンプやゲージがたまった時だけ使える魔法攻撃をボスに当て続けて体力を削ることが目的となります。一定時間が経過すると、こんどは防御ターンに移行。

『インディー』
 

 防御ターンでは、ガードや回避しかできなくなるのでボスの攻撃から一定時間ひたすら逃げ回ることに。攻撃と防御がきっちり分けられていて、とても変わったゲームなのですがアクションとしての手触りも良好です。製品版が楽しみになるゲームでした。

 ちなみに、このゲームはバーチャルYouTuberのおあめとぺれっ太くんが制作したという設定らしく、VTuber自身が解説している動画も存在します。う~ん、今風!

グラフィックもゲーム性も個性爆発のSFアクション『ヴァルカン3055』

『インディー』

 インディーコーナーで、ひと際異彩を放っていたのがクラスタの『ヴァルカン3055』。サイケデリックのようでいて統一性のとれたグラフィックは、ほかに例えようがない独特さです。

『インディー』

 機械が機械を生み続ける禁断の惑星ヴァルカンで、ロボットたちが戦い続けているという硬派な設定と、断片的にイラストで語られるストーリー。縦に構築されたステージを飛び回り、ロボットをボコボコ殴っているうちに、どんどん奇妙な気分になっていきます。

『インディー』

 “運命の車軸システム”をはじめとするシステムも超独特! 敵を倒してポイントをためると画面上部のゲージが回り、止まった状態に応じてランダムイベントが発生。敵が次々と登場したり、ボスが登場したり、長く伸びた塔のようなものを破壊するイベントに移行したりと紹介したい要素がたくさん……正直遊んでもらうのが一番です!

『インディー』

 1回のプレイが長くなりすぎる可能性やアクションの操作感など、まだ完成形ではないようで気になる部分もあったのですが、とにかく弾けた個性が欠点を塗りつぶしている怪作。遊んでみたいと思わせる力のある作品でした。

ポーランド×伊藤潤二×クトゥルフ! モノクロで描かれる『恐怖の世界』

ph09
『インディー』

 モノクロのポスターが目立つYsbryd Gamesブースの『恐怖の世界』。ポーランドの開発者が伊藤潤二とH・P・ラヴクラフトにインスパイアされたという本作は、古典的なアドベンチャーゲームとクトゥルフ系のTRPGが融合したようなモノクロのホラーゲームになっています。

『インディー』

 TGSの体験版ではハサミ女の謎を追って校内を探索するパートが遊べましたが、不気味な雰囲気を保ったモノクロと恐怖を煽る演出が秀逸。基本はコマンドを選ぶとイベントが発生し、その結果でパラメータが増減したり、アイテムが手に入ったりするという単純なアドベンチャーなのですが、とにかく雰囲気がバツグン! ホラーが好きな人ならたまらないかもしれません。

『インディー』

 翻訳が完全ではなく、一部英語の部分があったのは残念ですが、翻訳済みのところはまったく問題なく遊べたので一安心。Steamでは販売予告のページがすでにありますし、日本語の製品版も早く遊びたいですね。

『インディー』

 ちなみに、クトゥルフ的なホラーに特化しているので基本的には怖いのですが、戦闘では木の棒やナイフなどで物理的に怪異と戦えます。怖さよりも強いのは暴力! 怪異も力には勝てないのです。怪異を体当たりで始末していく光景は、伊藤潤二のシュール系ホラー的な力強さ。自分の場合は、ボスの怪異をナイフでめった刺しにして勝利し、グッドエンドを見ました! 暴力は恐怖に勝つパワー!

 もちろん、基本的には和製ホラー漫画の湿った恐怖感と、クトゥルフの宇宙的恐怖。その2つが、モノクロな世界観でうまく統一されている作品です。好きな人は絶対好きになれるゲームだと思いますし、発売されたら自分も買いますよ!

高校生による爽快アクション『モチ上ガール』がプロ級の完成度でU18部門金賞

『インディー』

 じつは、本記事の公開が遅れた理由の1つでもあり、どうしても紹介したかったゲームがコレ。高校生の渡邉大誠さんが制作した、日本ゲーム大賞U18部門ノミネートタイトル『モチ上ガール』です。そう、インディーコーナーじゃないんですよ。

 これは、今年から日本ゲーム大賞に新たに設立された“U18部門”の決勝大会参加作品。U18部門のコーナーには、18歳未満のゲームクリエイターが作り上げた作品がズラリと並んでおり、小学生から高校生まで幅広い年齢層の力作が楽しめました。

 そのなかでも、とくに自分の注目度が高かったのが『モチ上ガール』なんです。すぐに紹介したかったくらいなのですが、そこで問題が発生。じつは、TGS4日目の途中まではまさに決勝大会の最中だったのです。そこで取り上げてしまうと一般投票の結果を左右してしまうことになり、結果を揺るがしかねません。

 いろいろと考えた結果、この記事も決勝大会の結果が発表されるまでは世に出さず、様子をうかがうことにしていました。ちなみに、ゲームの電撃アワードでもノミネートタイトルになっていますが、これも同様の理由でTGS3日目の時点ではノミネートしていません。決勝大会終了後に、あらためてノミネートしてもOKか許可を取っています。最終的に、U18部門ではこのゲームが金賞を受賞したらしく、自分の目に狂いはなかったと思いました。待ってて良かった……!

『インディー』

 話が逸れてしまいましたが、どんなゲームなのか説明していきましょう。このゲームは、道中にあるアイテムを取りながらゴールを目指すアクションゲーム。主人公の女の子は餅を伸ばす能力を持っており、ビヨーンと伸びた餅で壁や天井に張り付く。敵を攻撃するといった動作が行えます。

『インディー』

 別のゲームで例えるなら『海腹川背』のラバーリングアクションに近い動きができるのですが、それだけではありません。餅なのでベタっとくっついて壁をローリングしながら登ったり、敵を踏み台にして飛んだりと、重力に逆らったさまざまなアクションが楽しめます。

『インディー』

 正直、文字では伝えにくい“動かす気持ちよさ”がポイントですね。とにかく、動かしていて爽快なんですよ。思った通りに飛べて、気持ちよく壁にくっつけて、敵を倒してガリガリ先に進める。ストレスフリーな作りで金賞も納得の完成度です。どこか製品化に動くべきですよ。

 というわけで、今年もいろいろありましたTGS2018。インディーゲームブースですらすべてを遊びきれず、取りこぼしてしまった名作もたくさんあると思います。なんて時代なんだ、いいゲームが出過ぎている……!

 毎年、どのゲームを紹介するのか本当に悩みますが、ここで取り上げていない作品でも素敵なゲームが大量にあるはずです。ぜひ、いろいろなレポートを見てお気に入りになりそうなインディゲームを見つけてください! 

 取り上げなかった作品にも良さげなタイトルがいっぱい。超OKさんの『PHRASE FIGHT』は“ぜんための記事”でも書いた音楽格闘ゲーム。リズムに乗ってボタンを押すだけなので、誰でも遊べて盛り上がれます。Nintendo Switch版が発売予定なので、オススメですよ!

『インディー』
▲『PHRASE FIGHT』

 DESK WORKSさんの『RPGタイム! ~ライトの伝説~』もぜんため記事で紹介した1作。小学生が作ったRPGというコンセプトのもと、鉛筆で描いたキャラクターによるアニメーションや、色紙で工作したようなUIなど、ビジュアルがとにかくスゴイ! これも期待してます!!

『インディー』
▲『RPGタイム! ~ライトの伝説~』

関連サイト