2018年9月27日(木)
『レッド・デッド・リデンプション2』圧倒的なクオリティを体験! 西部開拓時代のギャングの落日が描かれる
『レッド・デッド・リデンプション2』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
ロックスター・ゲームスから10月26日に発売予定のPS4/Xbox One用ソフト『レッド・デッド・リデンプション2』。そのプレイインプレッションをお届けします。
『レッド・デッド・リデンプション2(RDR2)』は西部開拓時代のアメリカをオープンワールドで再現した注目作。世界でもっとも売れたゲームとして名高い『グランド・セフト・オートV(GTAV)』を手がけたロックスター・ゲームスの最新作として、世界中からの期待を集めています。
今回、短時間ですが本作をさわれる機会を得られたので、その世界観を紹介しつつ、プレイインプレッションをお送りしていきます。
社会のはみ出し者たちを描いた重い物語
2010年に発売された前作『レッド・デッド・リデンプション(RDR)』は、『グランド・セフト・オート』シリーズで蓄積したノウハウを存分に生かした西部時代モチーフのオープンワールドゲームとして、大きな人気を獲得しました。
前作の時代設定は1910年ごろでしたが、『RDR2』では時代を少し遡り、1899年のアメリカを舞台に物語が展開していきます。1890年には原住民を排除する運動から始まった“フロンティアの消滅”があり、切り開かれた新天地に法の目が行き渡り始めた時期といえばいいでしょうか。
主人公のアーサー・モーガンと彼の所属するダッチギャングは、その名が表す通り、略奪で生活の糧を得るアウトロー。政府が治安改善に力を入れる時代となり、徐々に行き場を奪われていくことになります。そして、やがては自分の信じる理想か、世話になったギャングへの忠誠を示すか、どちらを選択するかを問われるようになります。
こういった時代背景を加味した重い物語や、社会からのはみ出し者たちの物語の描きかたは、まさにロックスター・ゲームスのタイトルといった感じでした。
リアルさから生まれるアクシデントも!? これこそがオープンワールドゲーム!
前作同様、本作はオープンワールドとして作られています。詳細なマップの広さなどはまだ公開できないとのことでしたが、前作はもちろん、おそらく『GTAV』より広いと感じました。広さだけでなく、真に驚くべきは世界観のリアリティ! グラフィックの緻密さ、フィールドの空気感、人々の挙動など、すべてにおいて現行のゲームのなかでもトップクラスといって差し支えありません。
雪が積もった地面を歩くと足跡が残ること自体は、今のゲームでは珍しくはなくなりましたが、その踏みしだかれた雪の表現がこれ以上なくリアル! 想像を超えてきて、映像表現にはさらに上があるのかと、感心しました。
印象的だったのは、NPCとのかかわり。ただ会話をしたり、一方的に殴りかかったりするのではなく、近づいてから「挨拶(あいさつ)をする、脅す、殴る」といったような、複数のインタラクトを行えるようになりました。会話をしてから選択肢を行うのではなく、近づきながらごく自然に行動に移れるので非常にスムーズ。いわゆるゲーム的なアクションとアクションの間の違和感を極限まで減らしているのを見てとれました。
普段、自分は基本的に“いい人プレイ”をする傾向があるため、今回の体験プレイではあえて突然殴りかかってみました。まあ当然、NPCは怒るわけですが、なんとこちらに反撃してきました。主人公と街を歩く一般人とではゲーム中での扱いは違うだろうと慢心していた自分は、思いもよらぬ攻撃にびっくり! 操作に慣れていなかったこともありますが、一般市民に殴り倒されてしまうという、なんとも締まらない結果に(苦笑)。一応、チェックポイントは頻繁に更新されるようで、すぐに近くから再開できましたが、この世界では一般市民であっても血の気が多く、しかも強いことを実感しました。
なお、NPCの反応はそれぞれなので、今回たまたまイケイケなNPCを引いてしまっただけかもしれません。
気を取り直して馬にまたがり町を歩いていたところ、急に画面上に警告が。読んでみると“器物破損”の罪に問われたようです。頭の上に「?」を浮かべて、とりあえずそのまま歩いていると、突然周りに警官が集まり始めます。どうやら、馬で移動しているあいだに何かを壊してしまったようす。そしてそのまま気付かずに立ち去ったものだから、犯罪者認定されたようです。「そんな何かを壊しただけで警察沙汰に……?」と思いましたが、よくよく考えると、人の物を壊してそのまま逃げれば通報されても仕方ないですよね。細かいところにまでこだわったリアルさに驚嘆しつつも、追われるのはイヤなので、発砲して反撃! いい人プレイは見る影もない、完全なアウトロープレイです。
『RDR2』は西部時代の作品なので、連射ができないライフルや、装弾数6発程度のリボルバー拳銃が主流。弾丸一発の貴重さや、単発銃ならではの重みがあって、個人的にはとても好きでした。また、“デッドアイ”と呼ばれる必殺技のようなものが存在します。これは一定時間時間の流れを遅くして、その間に複数の目標や部位をターゲットするというもの。時間の流れをもとに戻した瞬間に、ターゲットした部位に向かって一気に弾丸を放つシステムです。
これによって西部劇のシーンによくあるような早撃ちや、複数の敵を一瞬で倒す神業的射撃ができるのです。こういった射撃の気持ちよさは前作を踏襲しており、エイムアシストもついているため、慣れてしまえば敵を片っ端から片付ける爽快感を味わえるかと。
馬との絆、キャンプの拡張など、新たな要素に夢が広がる!
体験プレイだけでなく、開発スタッフから本作についての解説がありました。本作では、旅のパートナーになる馬にも力を入れているとのことです。前作では馬を自分で捕まえたり、購入したりと、ある程度のプレイヤーの嗜好に合わせた選択肢はありましたが、本作ではさらに馬との友好度や育成要素が追加され、より自分のパートナーとして意識するようになったとのこと。
友好度が高ければ、危険な状態においても動揺せず、しっかりと仕事をこなしてくれるようです。もちろん、その域に至るまでにはしっかりと世話をし、愛情を注ぐ必要があるでしょう。なお、馬にも体力はあり、なくなってしまうと死亡してしまうようです。パートナーをロストした時の悲しみを考えると今から胸が苦しいので、製品版をプレイする際は細心の注意を払おうと心に決めました。
アーサーの旅の拠点となるキャンプは、彼の所属するダッチギャング全員が利用しており、簡易拠点のようになっています。ここでは装備の変更やアイテムのクラフトなど、さまざまな要素にアクセスすることができるようでした。
キャンプはつねに物資不足に悩まされており、プレイヤーが狩りで獲物をとってきたり、手に入れた資金をキャンプに寄付したりすることで設備が増え、使い勝手がよくなっていくとのこと。
他にはナイフでヒゲを剃ったり、服を着替えたりすることもできるようです。一見するとただのカスタマイズ要素に思えますが、ヒゲはゲーム内時間とともに本当に伸びていき、服に至っては環境にあわせて涼しい服や温かい服などに着替えることで、スタミナ消費にかかる影響を緩和できるようなので、ただの見た目の変化以上の意味があることがわかりました。
とにかくリアルな西部開拓時代を描いた『RDR2』。明かされていない情報はまだまだ多そうですが、今回のプレイだけでも完成度の高さを実感できました。この世界観のリアルさと風景の美しさは一見の価値アリ! ギャングの話なので銃撃戦は避けられませんが、アクションが苦手な方もふれてみてほしいです。前作の主人公、ジョン・マーストンが若かりし姿で登場するので、前作プレイヤーも要チェックです。
(C) 2018 Rockstar Games, Inc.
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