2018年10月12日(金)
アニメ&ゲームで展開する『あかねさす少女』。今回はゲーム版開発者へのインタビューを掲載する。
好評放送中のアニメに続き、いよいよゲームの配信が10月15日にスタート! そこでゲーム『あかねさす少女』のプロデューサーである須田浩行さんとディレクターの湊江哉さんのインタビューをお届けする。
制作秘話をお聞きしたのでチェックしてもらいたい。なお、インタビュー中は敬称略。
▲プロデューサーの須田さん(写真右)とディレクターの湊さん(写真左)。 |
――須田さんと湊さんが一緒に仕事をするのはこの作品が初めてなのでしょうか?
須田:いえ、過去にも多数の作品を一緒に手がけました。
湊:とあるタイトルでは、須田が企画原案/アートディレクションで、自分がサーバーエンジニアでした。その後、プロデューサー、ディレクターの立場でタイトルを手がけたこともあります。
須田:もう5年ぐらいの付き合いになるため、本作でも意思疎通はバッチリでした。
――なるほど。ではそんなお2人の手がけるゲーム『あかねさす少女』についてお聞かせください。アニメと異なるストーリーにすることは最初から決まっていたのでしょうか。
須田:はい。“パラレルワールドもの”というテーマはアニメ、ゲームとも同じですが、ストーリーは別になります。指針となる世界観が必要だったため、アニメの玉村仁監督やシナリオ原案の打越鋼太郎さんと総合プロデューサーの高寺さんとともに制作いたしました。
湊:アニメとゲームが同時に展開される、一大プロジェクトのため、『あかねさす少女』という作品の方向性を1つにするのが大変でした。
――なるほど。アニメから影響を受けた部分はありますか?
湊:アニメの高い完成度に、ゲームの制作側は刺激を受けました。「アニメがここまでやるならばゲームもこうしなければ」と仕様を変更したこともあります。逆にゲーム側からの提案でアニメ制作側に変更していただいた部分も存在します。
――主人公がゲームとアニメで違う理由はありますか?
須田:ゲームとアニメで別々の主人公にした理由はアニメの主人公の明日架とは、まったく異なるタイプを描きたいと思いました。明日架のような明るく元気な少女ではなく、守ってあげたくなるようなキャラクターを描きたいと思いました。
アニメとは別の主人公ですが、本プロジェクトはどちらがオリジナルということでもなく、アニメは明日架を中心に、ゲームはナギを中心にというとらえ方をしていただけるとありがたいですね。
――イラストからは強そうな印象を受けますが、か弱い女の子なのでしょうか?
須田:彼女は過酷な世界のパラレルワールドからやってきた女の子のため、見た目は幼さを残しつつも強そうなデザインに、というところを目指しました。
浅田弘幸さんがナギのキャラクターの原案制作時にイメージをまとめてくださったのでとても感謝しております。
湊:ゲーム版は主人公のナギをはじめ、少し幼めの女の子が多いですね。
▲ゲーム『あかねさす少女』に登場するこあ(画像左)とリカ(画像右)。 |
――ナギは学校の制服を着ていますが、これはもとの世界の服ではないのでしょうか?
須田:はい。この制服は明日架のお下がりになります。もともとナギは荒廃した世界で生活を行っていた、という設定のキャラクターになります。明日架と出会うまでは、裸にマントだけを羽織って過酷な環境を生き抜く暮らしを行っておりました。
――言葉から受けるイメージ以上に過酷な世界なんですね。
須田:そうですね。ナギは明日架とは違う価値観の世界で生きてきた人物になります。そんな彼女が少しずつ価値観の溝を埋めながら明日架たちと仲よくなっていく様子に注目してもらいたいです。
▲アニメ『あかねさす少女』の1シーン。 |
――物語の目的はどういったものになるのでしょうか?
須田:ナギは行方不明となってしまった姉妹を探しており、明日架たちは彼女を助けるためにともに行動します。
――シナリオのボリュームはどれぐらい用意されているのか、教えてください。
須田:シナリオの区切りとなる部分まで制作は行っておりまして、量に関しましてはかなり多めに用意しているとだけお伝えいたします。また、量だけではなく、満足していただける内容のストーリーをご用意させていただいております。
湊:本作は複数の世界で同時進行している物語になっているため、ゲームのシステム的にも、同時進行しているシナリオをお客様が選んで読んでいけるようなシステムになっています。別の世界で手に入れたアイテムを使うことで次のシナリオのロックが外れるような仕掛けも用意しています。
須田:シナリオの原案は打越さんに手がけていただいております。またシナリオはQualiaさんにお願いしています。
――『チェインクロニクル』や『極限脱出』シリーズのシナリオを手がけているところですね。
須田:打越さんから、「ゲームのシナリオをおまかせするのであればQualiaさんにお願いしたい。」とご紹介いただきました。シナリオについて何度も何度も打ち合わせを重ねました。その結果、自信をもっておもしろいと言えるシナリオになりましたね。
――物語の舞台は“植物と蟲が巨大化したフラグメント”や“太陽が隠れ暗闇が広がるフラグメント”などが公開されていますが、アニメとはまったく違う世界が登場するのでしょうか?
須田:はい。ゲームに登場するパラレルワールドは極端に世界が改変されたパラレルワールドを作成させていただきました。シナリオに関しては一見「パラレルワールドものなのか?」と思われてしまうかもしれませんが、すべてに意味があるのでシナリオを最後まで楽しんでもらえればとおもいます。
湊:ゲームシステムやグラフィックの背景に至るまで、いろいろな所に“物語の仕掛け”が隠されているので、ぜひ注目してもらいたいですね。
――バトルについてもお聞かせください。ヘックス型のシミュレーションのようですが、本作独自の要素はありますか?
湊:一般的なシミュレーションゲームですと、キャラクターを一人ずつ、移動させ、攻撃し……を繰り返していきますが、本作では、味方全員を動かしてから一斉に攻撃することになります。
ゲームの爽快感を感じていただきたいという思いもありますが、キャラクターの関係性が重要になってくるシナリオになっていますので、シミュレーションパートもその部分を意識して制作しております。
同じ対象を狙うと一定条件で“同時攻撃”、囲むことで“包囲攻撃”、攻撃行動をしていないキャラクターを隣り合わせにすることで“支援攻撃”というように、陣形によって多彩な攻撃を繰り出すことができます。
また、特定キャラクターの組み合わせによって“クロスアビリティ”というものが発動し、能力が上がるなどシナリオやキャラクターを理解していくことで、より深い戦略性を味わうことができるようになっています。
――キャラクターについてお聞かせください。
湊:さまざまな成長要素によって、キャラクターを強くすることができます。他にもキャラクター個別のシナリオが読めたり、特定のキャラクターとメインストーリーの進行度によって、キャラクターの関係性がわかるクロスストーリーなどがあったりします。
――フレンド機能のようなものもありますか?
湊:はい。キャラクターをフレンドのサポーターとして指定することが可能です。フレンドにあいさつすることで毎日“フレンドメダル”が手に入ります。ガチャで登場するキャラクターなどとも含めてメダルで交換できるようになっています。
――最後になりますが、特に注目してもらいたいゲームのポイントをお願いします。
須田:特に見てもらいたいのはキャラクターとストーリーです。お手にとっていただき、キャラクターやストーリーのおもしろさを感じていただければ幸いですね。
湊:シミュレーションゲームとしてテンポ感や気持ちよさ、爽快感を重視した作りになっています。戦略を考えながら戦うこともできますが、シミュレーションゲームが苦手な方にも楽しくプレイできるように制作しておりますので、よろしくお願いします。
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