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2018年10月28日(日)

『スターリンク』開発者インタビュー。開発の経緯や機種ごとの違いを聞いてみた

文:柏又

 ユービーアイソフトが2019年4月25日に発売予定のPS4/Nintendo Switch/Xbox Oneソフト『スターリンク バトル・フォー・アトラス』について、クリエイティブディレクターであるLurent Malville氏へのインタビューをお届けします。

『スターリンク バトル・フォー・アトラス』

 本作は、実際のミニチュアを組み立てて画面上の宇宙船をカスタマイズする、独特の要素が魅力です。プレイヤーは敵のタイプや行動するエリアに応じてその場で宇宙船のカスタマイズを行いつつ、惑星と宇宙空間がシームレスにつながるオープンワールドを冒険します。

 インタビューでは、開発の経緯や宇宙船カスタマイズによる遊びの広がりなどを聞いています。ぜひ最後までご覧ください。

『スターリンク バトル・フォー・アトラス』
▲写真右がLurent Malville氏。写真左は、ゲームに登場する“スターシップ”と呼ばれる宇宙船のデザインをてがけた小南新矢氏。

開発の始まりは、ブロックが画面上に反映されるところから

――本作におけるプレイヤーの目的について教えてください。

 本作の主人公は、“スターリンク・イニシアティブ”というチームの一員として、メンバーのひとりである“ジャッジ”という宇宙人の住める星を探す旅に出ています。しかし、探索の途中で“レギオン”と呼ぶ敵対的な機械兵団が現れ、“スターリンク・イニシアティブ”のリーダー“ビクター”が拉致されてしまいます。

 主人公の目的は、拉致されたリーダーを救い出し、“レギオン”の正体とその目的を見つけ出すことです。

――実際に組み立てたミニチュア画面上に即反映される点ももちろんですが、ゲーム自体も宇宙空間と地上がシームレスにつながる野心的な作品だと感じました。開発はどのような形から始まったのでしょうか?

 今回のプロジェクトは、今までにやったことのない新たな試みを実現したい、というところから5年ほど前にスタートしました。

プロトタイプの際に、おもちゃのブロックに電子部品を組み込んでPCと接続し、組み立てた結果を画面上に反映させる、というモデルを作ったのが最初のステップですね。

 次に、ブロックの代わりに3Dプリンタで出力した宇宙船のモデルを使って開発を続けました。あのときは3Dプリンタを4台使って夜の間にモデルを出力させ、翌朝スタジオに来てからモデルにUSBケーブルをつないで作業を続ける、という感じで開発を進めていました。

――モデルを出力していた、ということは開発のかなり早い段階から宇宙船のデザインも参加されていたのでしょうか?

 開発の初期の段階から玩具業界の専門家が必要だと判断したため、デザイナーにはかなり初期の段階から参加しています。彼らはがアート部門やゲームの制作部門ともスムーズな連携が取れるように動いてもらいました。

 話は先の質問に戻りますが、ミニチュアを画面に反映させるという仕組みが固まってきた段階で、これだけリアルタイムでパーツや武器を組み替えられるのであれば、ゲームの方もそれに見合うだけの本格的な内容にしなくてはと考えました。

 そこから広大な宇宙空間と惑星をシームレスにつなぐオープンワールドゲームを作るプロジェクトがスタートしたのです。

『スターリンク バトル・フォー・アトラス』

――キャラクターや世界は独特のSF描写で描かれていますが、開発初期段階からこれら設定は決まっていたのでしょうか?

 そうですね、物語の展開が決まる前の当初の段階からこの路線は決まっていました。

 私たちの開発チームは、80~90年代に育った世代の人が多いのですが、彼らが子どもの頃に見ていたTV番組やアニメにはおもちゃと関連づいたものがよくありました。子どもの頃に体験したワクワクした気持ちが、『スターリンク』に結実しているところはあると思います。

『スターリンク バトル・フォー・アトラス』

ミニチュアを使って多彩な遊び方を可能に

――(Malville氏が組み立てるところを見て)なるほど、翼の部分も外して別の機体と交換できるのですね。今は両側に2パーツ分の翼をつなげていますが、つなげられる数に上限はあるのでしょうか?

 翼をつなげられる上限は左右3パーツまでです。それ以上のパーツをつけた場合も画面上に反映はされますが、ゲーム内の宇宙船本体のペイロードをオーバーして飛行できなくなります。

 ちなみに、惑星上の過酷な環境下でうまくやっていくには、宇宙船のカスタマイズが大きな役割を担っています。たとえば、武器は後ろ向きに装着すれば進行方向の真後ろに発射できます。

 また、翼をいくつも着けて、宇宙船を横方向に拡張するのも選択肢のひとつとなります。こうするとブーストをかけて敵の集団に体当たりを仕掛けた場合に攻撃が当たりやすくなりますよ。

――発売される機種ごとにゲーム体験などに差はあるのでしょうか?

 ゲーム体験について、機種間の差異はありません。我々としても、全プラットフォームで機能的な差異が出ないような開発は初めての試みとなります。

 ただし、Nintendo Switch版については、任天堂の『スターフォックス』の宇宙船“アーウィン”とパイロット“フォックス・マクラウド”が使用できるほか、『スターフォックス』のストーリーミッションに挑戦できます。加えて、ハードの特性上、ポータブルモードで遊ぶことも可能です。

――ポータブルモードでもプレイ可能ということは、ミニチュアなしでもプレイできるのでしょうか?

 はい、商品にはミニチュアを含むパッケージ版とデジタル版が用意されます。ミニチュアを使った方が絶対的におもしろいですが、ミニチュアを接続しなくてもゲームプレイが可能です。

『スターリンク バトル・フォー・アトラス』

――今、席の上にPS4とNintendo Switchのコントローラが置かれていますが、ミニチュア自体に各機種への互換性はあるのでしょうか?

 ゲーム機への接続法が異なるため、ミニチュアを設置する“マウント”パーツはプレイする機種ごとに専用のものが必要ですが、マウントに接続する宇宙船とパイロットと武器は、“アーウィン”と“フォックス・マクラウド”を除き、全機種共通で使用できます。

――パイロットを乗せ換えることでプレイキャラクターが変わりますが、その結果はイベントシーンなどにも反映されるのでしょうか?

 イベントシーンは、全キャラクター共通になっているのでパイロットを乗せ換えることによる差はありません。ただし、パイロットを乗せ換えると画面左下のキャラクター表示が登場しているキャラクターになります。

 キャラクターは機体の状態によってさまざまな表情を見せますし、もちろん各キャラクターとの通信内容は搭載するパイロットごとに用意されていますよ。

――最後に日本のプレイヤーにひとことメッセージをお願いします。

 まず、日本での発売日を発表できて、とても嬉しく思っています。Nintendo Switch版で登場する『スターフォックス』は、本編が発売されてからかなり時間が経っているので、宇宙船やミッションに対して、今の若いプレイヤーたちがどう反応するのかも気になります。

 発売してからの話になりますが、どのようなミニチュアを組み合わせるのか、さらにミニチュア自体をどうカスタマイズするのか、このゲームでどんな遊び方をしてくれるのかが今から楽しみです。

(c) 2018 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. The Starlink Battle for Atlas Logo, Ubisoft and the Ubisoft logo are registered or unregistered trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries. Nintendo properties are licensed to Ubisoft Entertainment by Nintendo. Starfox characters (c) Nintendo. Trademarks are property of their respective owners.

データ

▼『ディビジョン2』
■メーカー:ユービーアイソフト
■対応機種:Xbox One
■ジャンル:RPG
■発売日:2019年3月15日
■希望小売価格:未定
▼『ディビジョン2』
■メーカー:ユービーアイソフト
■対応機種:PC
■ジャンル:RPG
■発売日:2019年3月15日
■希望小売価格:未定

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