2018年10月26日(金)
ユービーアイソフトより2019年3月15日に発売されるPS4/Xbox one/PC用ソフト『ディビジョン2』の開発インタビューをお届けします。
本作はバイオテロを発端としたパンデミックによって社会秩序が崩壊したアメリカの大都市を舞台に、超法規的な立場で苦しむ人々の救済にあたる“ディビジョン”エージェントたちの活躍を描くオンラインRPGです。
インタビューに応じてくれたのは、開発元であるMASSIVE ENTERTAINMENTのクリエイティブディレクターJulian Gerighty氏と、ゲームディレクターのMathias Karlson氏。物語や世界観のことをはじめ、新成長システムや新コンテンツの情報もお聞きすることができました。
▲右がクリエイティブディレクターJulian Gerighty氏、左がゲームディレクターのMathias Karlson氏。 |
※インタビュー中は敬称略
――前作はニューヨークのパンデミックを題材としていましたが、今作でのディビジョンエージェントたちの目的について教えてください。
Gerighty:前作はパンデミックによるニューヨークの崩壊を阻止するのが主なテーマでしたが、今作は、ワシントンDC、ひいてはアメリカ全土を復興していくのがテーマとなっています。
――2作目の舞台にワシントンDCを選んだ理由について教えてください。
Gerighty:理由はたくさんありますが、1つ目はワシントンDCがニューヨークよりも環境のバラエティに富んでいるということです。前作のマンハッタンでは2つの大きなエリアにがあったと思いますが、今作は6つあります。
2つ目の理由は、前作とのコントラストの違いを見せたかったことです。前作は季節が冬で、雪が降っていたりして全体的に暗いトーンでしたが、今作は季節が夏に移り、“暑さが”感じられる世界を表現しているほか、洪水が発生しているなど、前作とはかなり異なる印象を受けると思います。
3つ目の理由は、エージェントたちのミッションが、この世界においてさらに重要さを増していっていることです。前作では彼らのミッションはニューヨークの街自体にフォーカスしていたと思いますが、今作はワシントンDCに限らず、国民全体が持つアメリカンスピリットのようなものを題材としています。
また、ワシントンDCはかなり広々とした開けたエリアがあるので、ゲームプレイについてもかなり異なる印象を受けるはずです。
――前作は、ニューヨークを割拠する反政府的な組織と戦いつつエージェントの活動範囲を広げていく、という内容でキャンペーンが進んだと記憶しています。先ほど、今作はアメリカの復興がテーマになるとうかがいましたが、今作はどのようにゲームが進行するのでしょうか?
Gerighty:アイデアとしては前作とほぼ同じで、プレイヤーはストーリーやアドベンチャーを通してゲームを進めていきます。
前作でエージェントが戦った相手は、自分たちのコミュニティから他者を排除するかなり反政府的な存在でした。今作で登場するいくつもの勢力は、反政府的というよりはエージェントたちと異なる考え方を持っています。
それに、エージェントのすべきことは戦いだけではありません。今作では、一般市民が街のあちこちで外敵からの守りを固めた砦のような集落を形成しており、電力や食料が不足するなど、彼らが抱えているさまざまな問題を解決するという行動も目的のひとつとなっています。
彼らを助けることで地域単位から崩壊した社会を再生していく、ということも今作のテーマになっているのです。
――前作から7か月後が舞台になるとのことですが、キャラクターや組織など前作とつながりのあるものは登場するのでしょうか?
Gerighty:世界観としては同じですが、登場人物は基本的には別々となります。
――前作では経験値で上がるレベルに上限が設けられていて、そこから先は強い装備を身に着けることでキャラクターを強化していきました。『ディビジョン2』での成長システムはどういったものになるのでしょうか。
Karlson:基本的には前作と同じ流れとなりますが、レベルが上がる過程でプレイヤーはスキルなどの成長要素を、パズルを組み合わせるかのように集めていきます。
レベルを上限まで上げる過程は、自分のキャラクターが必要とするものを集めていき、レベル上限に達してからは、さらなるキャラクターの強さを極めていくようなイメージで成長していきます。
さらに、今作では“スペシャリゼーション”という要素を利用することで、キャラクターの強さに磨きをかけられます。
――前作ではキャンペーンミッションを終えたあとで、ダークゾーンや対戦コンテンツにアクセスできました。今作でもさまざまなアクティビティが存在するかと思いますが、そのなかで『ディビジョン2』を代表するものはどこでしょうか?
Karlson:今作でも力強い作りのキャンペーンは健在です。1人でも遊ぶことができますし、仲間といっしょに遊ぶこともできます。アクティビティを通して自分のキャラクターを強くしていくことも可能です。
それだけではなく、『ディビジョン2』ではキャンペーンが終わったあとのエンドゲームにもフォーカスしています。
今作では、前作に存在したゲームモードははじめから実装されていますし、“スペシャリゼーション”というキャラクターのスキルを特化させるシステムも用意しています。さらに新コンテンツとして“レイド”も実装されます。前作をプレイした人でもいろいろなサプライズを感じてもらえると思います。
Gerighty:1人でも遊べるし、協力プレイや対戦といったさまざまなアクティビティが用意されている『ディビジョン』は、私にとって特別なゲームです。私は個人的にはストーリーが好きですが、開発チームのなかには協力プレイや対戦がお気に入りの人ももちろんいます。
そういった多様なアクティビティやプレイヤーの志向を1つのパッケージにまとめているのが、『2』に限らず『ディビジョン』なのだと言えます。
――今のお話に出ていた“レイド”についてもう少し詳しく教えていただけますか?
Karlson:“レイド”は、これまでとはまったく異なるゲーム体験ができるコンテンツです。
プレイヤーは8人でチームを組んで挑みます。難易度は非常に高く設定されていて、参加者8人全員が協力し合ってできることを考え、かなり難解な挑戦をクリアしていくことになります。
Gerighty:“レイド”はエンドゲームコンテンツのなかで一番難易度が高いもので、ゲームにかなりの時間を費やしたプレイヤーが挑戦することを前提としています。
――最後に『ディビジョン2』を心待ちにしている日本のプレイヤーにメッセージをお願いします。
Gerighty:私たちは運営側としてプレイヤーの動向を把握できる立場にあるため、日本にもたくさんの『ディビジョン』ファンがいることを知っています。過去2年間にわたり、『ディビジョン』をプレイしてくれたことに感謝しています。
みなさんがプレイしてくれることで、私たちもシリーズを作ることへの自信がつきました。新しい街やスキル、武器など私たちが作った新しい『ディビジョン2』をみなさんが気に入ってくれることを願っています。そして“UBIDAY2018”に参加してくれた『ディビジョン』のコスプレイヤーの方々に感謝します。
Karlson:私は10代のころから日本のゲームをたくさんプレイしていました。あれから何年もたった今、自分たちの作ったゲームを日本に送り出し、たくさんのファンに遊んでもらえたことがうれしいです。
“UBI2018”ではそんなファンの方々に会うことができて今、特別な思いにひたっています。
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