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2017年11月8日(水)

TVアニメ『PERSONA5 the Animation』新OPには小ネタが満載。ウラ話アリのイベントをレポート【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 2018年10月12日、東京・渋谷のLOFT9 Shibuyaで『PERSONA5 the Animation』のトークイベント“純喫茶ルブラン片隅世間話”が開催されました。

 TVアニメ『PERSONA5 the Animation』は2018年9月に全26話の放送を終えましたが、2018年の年末(※地域によって放送日が異なります)に特番アニメーション『Dark Sun...』の放送が決定しており、ファンからの注目を集めています。

 このイベントは、アニメに登場する“純喫茶ルブラン”の片隅のテーブルのような感覚で、TVアニメ『PERSONA5 the Animation』の制作に携わった主要スタッフの方々が、制作における裏話などを雑談形式で話していくトークイベント。

 会場となった店内ではドリンクやフードの注文が可能で、くつろぎながら楽しむことができました。ここでしか聞けないマル秘トークの数々に、満員状態の会場は笑い声や熱気に包まれ、大いに盛り上がりました。

登壇者

監督:石浜真史
シリーズ構成:猪爪慎一
音響監督:飯田里樹
プロデューサー:足立和紀
MC:枝村大地、近藤詩織

 イベントは、登壇者たちも飲食しつつ、なごやかな雰囲気。前半パートは“最終話プチコメンタリー”“思い出アルバム”“Sound of P5A”などのテーマに合わせてトークが進行。休息をはさんだ第二部“BARにゅぅカマー”では来場者からの質問に答える形でトークが行われました。

 また、LOFT9 Shibuyaでのイベントといえば、フードやドリンクのオーダーごとにプレゼントの抽選券がもらえるのも特徴。今回は石浜氏の手描きのイラスト入りミニ色紙をはじめ、登壇者寄せ書きサイン入り最終話台本やポスターなど、さまざまな“オタカラ”が用意されていました。“オタカラ大抽選会”では、当選ナンバーが読み上げられるたびに、当選者から喜びの声が上がりました。

 イベントの最後には、TVアニメ『PERSONA5 the Animation』の最新情報も。BD最新第5巻のジャケットや、グッドスマイル×アニメイトカフェ秋葉原・大阪日本橋の2店舗で、11月13日まで開催中の『PERSONA5 the Animation』コラボカフェほかにて今後グッズ化も予定されている特別ビジュアルも公開されました。

 登壇したスタッフも「ファンからの熱意に直接接し、大いにモチベーションが上がった」と語った今回のイベント。

 参加したファンはイベント全体を通じて、原作ゲームである『ペルソナ5』とアニメである『PERSONA5 the Animation』は、それぞれの特徴を活かしたベストな表現を追求したものである、ということを改めて知ることができる内容でした。今後もますます盛り上がる『ペルソナ』シリーズおよび『PERSONA5 the Animation』から目が離せません!

会場の風景をご紹介!

 イベントが行われた東京・Shibuyaの“LOFT9 Shibuya”。ドリンク&フードも注文できる店舗形式のイベントスペースです。

『P5A』
『P5A』

 監督の石浜真史氏やプロデューサーの足立和紀氏など、『PERSONA5 the Animation』のキーマンたちが登壇。来場したファンからの大きな拍手で迎えられました。

『P5A』
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 乾杯時には『ペルソナ5』らしく、赤いサイリウムを飲み物に入れて行われました。会場内にはゲーム未プレイの方もおり、TVアニメ最終話以降の展開のネタバレにならないよう「発言には気をつけようと思います」との言葉もありましたが、アルコールを交えながらのトークのためか、しだいにキワドい発言も混じるように……(笑)。

『P5A』
『P5A』

トークテーマ:最終話プチコメンタリー

 “最終話プチコメンタリー”コーナーでは、最終話Bパートの振り返り。第2クール目のオープニングについては、石浜監督自ら絵コンテを切るだけで半月以上かかったとのこと。なお、特番アニメーション『Dark Sun...』に繋がるネタもたくさん散りばめられているので、今はあまり言えないが注意してみてほしい、とのこと。

『P5A』
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▲冴の尋問が続くシーンでは、主人公の“無言”が大事なので、特にセリフがなくても「……」が台本に入れてあったそうです。

 「最終話が第1話につながるのはいつごろ決まったのか?」という質問に対して、足立プロデューサーは「最後までやるにはボリューム的に2クールだと足りないが、3クールだと少し間延びするイメージでした。2クールの終わりがちょうど現在の最終回の計算だったので、今回の構成をとることになりました。

 最初は全何話ということは一切言わずに、プロモーションをしていました(笑)。」と回答。スタッフのまわりにはTVアニメだけでストーリーを追いかけていた人もいたため、「本当にこれで終わりなの!?」と聞かれたそうです。

『P5A』

トークテーマ:思い出アルバム

 “思い出アルバム”は各話の場面カットを見ながらコメントしていくコーナー。ゲームと違って最初から明智の出番が多かったことを聞かれた猪爪氏は、「特に贔屓するつもりはなく、序盤から主人公を始めとする怪盗団と明智との関係性を示しておきたかった」ためと説明。

『P5A』
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▲ファンの間でも話題になった祐介の“謎ポーズ”に対しては、石浜監督は「祐介の謎ポーズは誰ともなく出てきたもの。祐介はいじると楽しいですね。」とコメント。

 『PERSONA5 the Animation』の制作には『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』や『PERSONA3 THE MOVIE』シリーズなどで監督を務めた田口智久氏も参加しており、要所要所でクオリティの高い作画を見せてくれたとのこと。

 石浜監督いわく「立っているだけで絵になるものをコンテで出してくるから、作画班も引っ張られる。評価なんてどころではない、頭が上がらない。」とのこと。

『P5A』
『P5A』
▲スカイツリーが登場した回では、実際にスカイツリーの名前も登場し、最終的にコラボレーションまで実現したそう。

 怪盗団メンバーの過去の姿を描いたシーンは、原作ゲームにはなかったアニメオリジナルシーン。アニメの制作陣とゲームの制作陣の共同作業で各キャラクターの過去は肉付けされていったそうです。

『P5A』

トークテーマ:Sound of P5A

 “Sound of P5A”コーナーでは、事前に寄せられたさまざまな質問に音響監督の飯田氏が回答。「原作がゲームであるTVアニメ『PERSONA5 the Animation』の制作にあたり、気をつけた点は?」との質問には、「マンガや小説と違ってゲームの場合、既に原作にBGMがあります。

 しかも、『ペルソナ』シリーズはBGMの人気が高い。ならば、そのままアニメで使いましょうとなるのですが、そうすると、どのシーンでどの音楽が流れるかすべて把握しないといけないんです。なので、ゲームをプレイしまくって全部メモしていきました」という苦労話を披露しました。また、「曲を変えているところは“愛”をもって意図的に変えているので許してほしい……」とのことです。

『P5A』

 「竜司は原作よりバカっぽくないですか?」との声が上がっていることに対して、「実際、意識してゲームよりおバカっぽくしています。」とのこと。

 これについては竜司役の宮野真守さんに「ゲームでは不良っぽくと言われていましたが、いいんですか?」と聞かれたそうですが、その理由は「『ペルソナ5』には“頭脳派”がたくさん出てくるから」だそう。竜司や杏がおバカにふるまうことで頭脳はキャラたちが活きてくるということですね。

 また、「ゲームの場合、プレイヤー=主人公なので、お客さんは主人公に感情移入しますが、アニメでは第三者視点になるため、なかなか蓮のようなキャラに感情移入させるのは難しい。そこで視聴者が感情移入しやすいキャラクターとして竜司を演出した」からだそう。

 具体的には「視聴者が驚くはずの場面でも『PERSONA5』はクールに振る舞うキャラクターが多いため、なかなか驚いてくれません(笑)。そのため竜司には視聴者と同じ目線で目一杯驚いてもらっています」といった具合。ゲームとアニメの違いを理解した上での巧みな演出ですね。

『P5A』

トークテーマ:BARにゅぅカマー

 休憩を挟んだ第2部“BARにゅぅカマー”では、足立さんの「ここからは無礼講よぉ~♪」という言葉で乾杯。事前に視聴者から集められた質問や、その場で出た質問に答えていきました。

 「いつ頃からアニメ化が決まっていたんですか」の質問には、「特別編『THE DAY BREAKERS』の時から決まっていたけど、まずはゲームをクリアしようという話になって1カ月後に集まったら、ボリュームが凄すぎてまだ誰もクリアできていなかった(笑)。なので、後日改めて集まって、具体的に動き始めたのは2017年1月くらいから。」とのことでした。

『P5A』

 「主人公の名前はどうやって決まったのか?」という質問に対しては、「かなり難航した」との回答。石浜監督からは「最初にコチラから出した案はNGが出まして、中性的な名前にしたいという希望とともに名前の代案をいくつかいただいて、その中に“蓮”があったんです。」とのこと。

 さらに名字については、もっとなかなか決まらなかったものの、足立プロデューサーから“雨宮”という案が出てきて、それで決まったそうです。

 また、これまでの『ペルソナ』のアニメシリーズを手がけてきた足立プロデューサーは主人公の名前について、「シナリオを書く上で仮の名前をつけて進行するのは非常にマズいんです。」と回答。その理由はどんなに変な名前にしても愛着がわいてきて、名前を変えたくなくなってしまうからだそうです。

 そのエピソードとして、「『PERSONA3 THE MOVIE』のときは絶対に実際は付けない変な名前として“山田月太郎”を仮名にしていたのに、だんだん“月太郎”って名前に愛着が湧いてしまい、変えたくなくなってしまうんですよ。」と続け、会場の笑いを誘っていました。

『P5A』

 会場で出た「ゲームでカネシロ役を演じた田中一成さんはアニメ制作時もう亡くなっていて、代わりの声優さんを探すのは大変だったのではないでしょうか?」との質問に対しては、

 「ラップが上手い人を探したんです。アニメでカネシロ役を演じていただいた藤本(たかひろ)さんはラップバトルにも出場している方で、からはラップのセリフについての“こうしましょう”という意見アイデアもたくさんいただきました。カネシロは嫌われなきゃいけないキャラクターなのに、藤本さんの演技が良すぎて、最後の方はちょっとかわいいんじゃないかと思うようになってきましたね。」

 とのこと。

 余談ですがこの戦闘中のBGMは当時発売したばかりの『ペルソナ5 ダンシング・スターナイト』に収録されているアレンジ楽曲が使用されており、ここでもラップを踏まえた演出がされています。

 また、「ニイジマパレスでジョーカーが竜司にオタカラを渡すシーンで、ジョーカーが竜司の手をギュッと握るシーンが追加になっていましたが、なぜですか?」との質問には、石浜監督いわく「キャラクターへの愛が強いスタッフが絵コンテの段階で書いてきた。自分も絵コンテを見ていいなと思ったので採用した」とのこと。

オタカラ大抽選会

 豪華プレゼントをかけての“オタカラ大抽選会”。登壇者のみなさんが箱から当たり番号を選び、読み上げられるたびに、幸運な来場者たちから歓声があがりました。注文すればするほど当選確率が上がるため、食べ過ぎてしまったという人も!?

『P5A』

 抽選会が終わり、イベント自体がお開きとなった後も、会場には登壇者に直接あいさつをしたいというファンの方々が列をなし、改めて『ペルソナ5』、TVアニメ『PERSONA5 the Animation』に関わるスタッフ、ファンの熱量の高さを感じることができました。

 足立プロデューサーからは「またこういったイベントをやりたいですね。」という言葉も飛び出しましたが、『Dark Sun...』放送後に次回開催なるのでしょうか!?  まずは年末の『Dark Sun...』の追加情報に期待です!

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