2018年11月21日(水)

『バイオハザード RE:2』など、今後発売される注目作を徹底解説。ゾンビ好きのためのゾンビ企画第3弾【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 映画やコミックでのゾンビ史から始まり、ゲームとゾンビの歴史やゾンビゲームの魅力まで、ゾンビに関するさまざまな情報をお届けしてきたこの企画。もうすぐ季節も冬に移ろいますが、ゾンビゲームは季節を問いません。秋だろうか冬だろうが、期待の新作は後を絶たたず、倒しても倒しても、次から次へとやってくるのです。この冬は、暖房が利いた部屋の中で最新ゾンビゲームを楽しんではいかがでしょうか。

『バイオハザード RE:2』

 ということで、この先注目すべきゾンビゲームから2本を選択。それぞれをしっかり深堀りしていくとともに、プレイする前に観ておきたいゾンビ映画もあわせて紹介していきましょう。

『OVERKILL’s The Walking Dead』

ドラマの世界を舞台に、最大4人で協力するアクション!

ゾンビの数 :★★★★★
ゾンビの強さ:★★★
サバイバル度:★★★★★
恐怖度   :★★
爽快感   :★★★★★

 コミックを原作に、TVドラマ版が日本でも大ヒット中の『ウォーキング・デッド』の世界を再現したアクションが、PS4で登場です。本作は、4人のプレイアブルキャラクター(エイデン、ヘザー、マヤ、グラント)から1人を選び、仲間と一緒にウォーカーたちと戦い、拠点の安全を確保しながら、生きのびることを目指していく協力型サバイバルアクションです。

 ドラマはシーズン9が放送中で、まだまだ続いていく予定となっています。本作ではドラマとは異なる地域を舞台に、生き残った人々のサバイバルが描かれることになります。

 敵のウォーカーはウィルスの感染者とされますが、その原因などは劇中で解明されてません。特徴は、全体的に鈍く、直線的な動きしかできないのでフェンスや障害物が有効、頭を撃ち抜けば死ぬ、人間を襲って食べる、噛まれると感染するなどなど、じつに伝統に沿ったゾンビらしいゾンビですが、この世界に元々ゾンビの概念がないためか、誰も“ゾンビ”とは呼んでおらず、生き残った集団がさまざまな名称で呼んでいます。

『OVERKILL’s The Walking Dead』

 ウォーカーは、基本的にはドラマと同じ特性を持っています。ドラマでは早くから、すべての人類が原因となるウィルスに感染しているようで、たとえ病死や事故死であっても死亡するとウォーカーになることが明かされていますが、その性質にはまだ謎が多く残されています。

『OVERKILL’s The Walking Dead』

 ちなみにウォーカーとは、あくまでもドラマの主人公であるリックたちのグループが呼んでいる俗称です。この世界では、バイターなど地域や人によって呼び名が違っているのもリアルです。

 本作は拠点となるエリアで準備を整え、さまざまな探索エリアに潜り込むという、ミッションクリア型のアクションとなっています。ミッションの内容も、物資の調達、拠点の防衛、など多岐にわたっており、アイテムやウォーカーの配置が毎回変化するなどのランダム要素もあって、飽きさせない作りになっています。そうしたミッションで経験値や新たな武器をゲットし、キャラクターたちを強化していくことになるのです。

『OVERKILL's The Walking Dead』 『OVERKILL's The Walking Dead』
▲緻密に再現されたワシントンDC。世界のディティールには原作者であるロバート・カークマンが協力しており、まさに迫真のリアリティで、世界の空気感を味わえます。

 余談ですが、タイトルの“OVERKILL”は、本作の開発を担当するスウェーデンの開発会社の名前。代表作『PAYDAY』など、オンライン協力プレイゲームには世界的に定評があります。タイトルに自社名を入れるくらいですから、その自信のほどがうかがえますね。

プレイ前に観ておきたいゾンビ映画

『ウォーキング・デッド』(2010年~放送)

 本作の原作となる大人気のTVドラマです。ゾンビ・パンデミックで滅びかけた世界で、生き残った人たちが少数のコミューンを作り、ウォーカーと呼ばれるゾンビから逃れながら旅をしていく物語が展開していきます。ゾンビの恐怖よりも、どちらかといえば生き残った人間同士の愛憎劇を強く押し出した、奥深く骨太な人間ドラマが醍醐味の作品となっています。

 現在、シーズン9まで放送されていますが、彼らの長い旅はまだまだ終わる気配はありません。ちなみにゲームとドラマで世界観は共通していますが、主な舞台が異なるため、基本的にドラマの知識はなくてもゲームを楽しむことができます。しかし、終末的な世界観の雰囲気、その世界で生きる人々の生活、ゾンビへの対処の仕方などなど、知っていればより楽しむことができる要素は多いです。

 なお、スピオンオフ作品として、『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』(2015年~放送)もあり、現在シーズン4まで放送済みです。同じ世界での別の地域を舞台に、さまざまな事情を抱えた複数の家族のサバイバルが描かれます。『ウォーキング・デッド』と共通の人物が登場したりといったクロスオーバーもあるので、興味を持ったならこちらもチェックおくといいでしょう。

『死霊のえじき』(1986年公開)

 ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』3部作の3作目です。ハロウィンでのカジュアルなコスプレでしか知らないゾンビ初心者なら、とりあえずこの作品でゾンビの基礎について学びましょう。本来はロメロ作品のすべてを薦めるべきですが、時間がなくて1本に絞るなら、映像的に洗練され、ロメロの”本当は人間が一番怖い”という一貫したテーマが強く出たこの作品になります。

 物語は、ほぼ何の説明もなく、ひたすら地下に閉じこもった人々の対立を描いたもので、終末的な世界で暮らす人たちの、ギスギス感満載の超ハードな人間ドラマを楽しめます。ゾンビ・パンデミックのあとでも、結局人間同士で争っているという点では、『ウォーキング・デッド』の世界と共通しているといえるでしょう。

『バイオハザード RE:2』

『バイオハザード』シリーズ第2作目が凱旋!

ゾンビの数  :★★★
ゾンビの強さ :★★★★
サバイバル度 :★★★★
恐怖度    :★★★★★
爽快感    :★★★

 世界にゾンビゲームのパンデミックを起こした、まさにゾンビゲームの始祖ウィルスともいえる『バイオハザード』。本作は、そのなかでもとくに人気の高い第2作目を、グラフィックやシステムだけでなく、物語に関しても再構築と刷新を行った作品です。ゲーム性も大きく変化しており、レオンとクレアの最初のサバイバルを追体験できるだけでなく、オリジナル版をプレイ済みの人も新たな恐怖の体験を味わうことができる、まさに最新作となっています。

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』
▲画面は主人公を背後から見るビハインドビューに変更。そのグラフィックの向上には目を見張るものがあります。 ▲ゾンビたちは生々しさが増しており、演出もパワーアップ。ゾンビに襲われる恐怖は、幾倍にパワーアップしているといえるでしょう。

 大枠のストーリーに変化はないですが、レオンが警察署にたどり着く導入部分から展開が異なっており、オリジナル版とはまったく違う作品だということはすぐにわかります。また、オリジナル版では最初から建物内に灯りがついていましたが、本作では建物内で暗闇が多く、序盤から闇の中を探索することになります。薄暗い建物内を、懐中電灯の光1つで進んでいくという、暗闇の怖さ。これはオリジナル版にはなかった体験で、『バイオハザード7』にも通じる、本作ならではのおもしろさになっています。

『バイオハザード RE:2』 『バイオハザード RE:2』
▲敵となるゾンビの設定は変更なし。t-ウィルスという細菌兵器に感染した人間であり、その背後には、アンブレラという製薬企業がかかわっています。 ▲動きこそ鈍いですが耐久力はあり、数発撃ちこんだくらいでは倒れません。本作ではさらに強靱になっています。

 暗闇のなかでの探索といった新しい恐怖体験だけでなく、謎解きやストーリー展開も大きく変わっており、ゲーム的にもかなり新鮮な気持ちで遊ぶことができます。まさに最新作と呼ぶに相応しい内容になっているので、初めての人はもちろん、昔遊んだことのある人にもおススメできる作品です。

『バイオハザード RE:2』
▲ちなみに日本では、通常バージョンと、Z Version(18歳以上のみ)が発売されます。ホラーが苦手な人は、通常バージョン(それでも17歳以上のみ)を選べば、少しはショックが和らぐと思われます。

プレイ前に観ておきたいゾンビ映画

『バイオハザードV リトリビューション』(2012年公開)

 世界的な大ヒットになったゲーム『バイオハザード』は、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演でハリウッドで映画化。その後シリーズ化され、全6作品が作られました。ゲームとはストーリーが異なり、巨大企業アンブレラ社の特殊工作員だったアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が、アンブレラ社が引き起こしたバイオハザードと、その背後に隠された陰謀を食い止めるために戦うという内容です。

 ゲームとは関係ないですが、シリーズを通し、ジル・バレンタイン(シエンナ・ギロリー)やクレア・レッドフィールド(アリ・ラーター)など、ゲームでおなじみのキャラクターが、ゲームとは異なる設定で続々と登場します。そして、シリーズ第5作目である『バイオハザードV リトリビューション』では、『バイオハザード2』の主人公、レオン・S・ケネディ(ヨハン・アーブ)が初登場! ウェスカーの命令でアリス救出の任務についた元警官という役柄で、原作とはまた違った魅力と活躍を魅せてくれます。

 そんなゲームとの違いを楽しむのもだいご味なので、むしろゲームをプレイしてから観ると楽しめるでしょう。ただし物語は第1作目から完全につながっており、説明不足の部分も多いです。途中から観ると理解できないこともあるので、最初から通して観ることをお勧めします。

『バイオハザード ディジェネレーション』(2008年公開)

 ゲームの世界を映像化したCGアニメーション映画で、シリーズナンバリング作の空白期間を埋める作品です。ゲームと同じ世界観、同じキャラクターで、『バイオハザード 2』の7年後、ラクーンシティのバイオハザードを生き残ったレオン・S・ケネディとクレア・レッドフィールドの、知られざる戦いが明らかになります。

 また、続編として『バイオハザード ダムネーション』(2012年)、『バイオハザード ヴェンデッタ』(2017年)も登場しています。前者はレオンを主人公に、ゲームの『バイオハザード5』と『バイオハザード6』の合間に起きた出来事が、そして後者はレオンとクリスが初めてタッグを組み、完全新作の物語が展開していくことになります。基本的にゲームと地続きとなるストーリーの映像化であるため、こちらも、ゲームのプレイ後に観ることをお勧めします。

 以上、これから登場するゾンビゲームで、とくに注目したい2本を紹介してきました。もちろんこの先も、ゾンビゲームはワラワラと限りなく登場し続けるでしょう。メディアもジャンルも関係なく多種多様に登場しているので、またいつか、エポックメイキングになる”ゾンビの何か”が登場することもあると思います。そのときにまた、お会いしましょう。

データ

▼『OVERKILL's The Walking Dead』
■メーカー:スパイク・チュンソフト
■対応機種:PS4
■ジャンル:アクション
■発売日:2019年2月7日
■価格:6,980円+税
 

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