TVアニメ『少女革命ウテナ』や『輪るピングドラム』など、多様な作品を生み出した幾原邦彦さんが監督する新作オリジナルアニメ『さらざんまい』。いまだ全貌が明らかにされていない本作の最新情報が、11月11日に行われた“アニメイトガールズフェスティバル（AGF）2018”スペシャルステージで発表となりました。

キーワードは“つながる”と“尻子玉”!?

　ステージには司会の吉田尚記アナウンサー（ニッポン放送）、監督の幾原邦彦さん、謎のカッパ型生命体・ケッピ役の諏訪部順一さんが登場。まずはアニメーションで描かれたキャラクターと、浅草の実写風景を組み合せPVを上映し、ここで初めて本作のあらすじが公開となりました。

　舞台は浅草。中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕はケッピに無理やり尻子玉を奪われ、カッパに変身させられてしまいます。元に戻りたければゾンビの尻子玉を持って来いと告げられる3人。そのためには“ある方法”でつながることも必要なようで……？

　諏訪部さんも「これじゃどんな話か分からないよね、絶対」と呟くほど、かなり謎の多いあらすじ。なかでも尻子玉といえば人間がカッパに奪われると死んでしまうなどと言われるモノですが、これが「本作の重要なモチーフである」と幾原監督が説明していきます。

　浅草を選んだ理由を聞かれると「実は、カッパが先なんです。色々な伝説を調べて、浅草や墨田川の風景にたどり着きました」と幾原監督。昔ながらの風景とモダンな風景が混在する浅草には「カッパがいるんじゃないか？」と強く感じたそうです。そんな命を感じる場所で、少年が“つながりあう”ということを表現してみたかったと語ります。

　そして、実は浅草に縁があるという諏訪部さん。「高校が同じ台東区だったので、よく浅草界隈で映画を見たりボーリングをしたりしました。花やしきも行きましたし、花火大会も見に行きましたし、映像に出てきた場所も見たことある風景ばかりです」と話し、場所の設定だけでもときめいたそうです。

　また、メインキャラクターが男性中心というのも『さらざんまい』の特徴のひとつ。これについて「この作品よりもずっと前から男の子が出る話を作りたいと思って、今回タイミングが合ってやることができました」と幾原監督たっての希望だったことが明かされます。さらにアフレコはもうすべて終了していて、諏訪部さんをはじめキャスト陣は毎回「これはどういうことなんだろう？」と、次の台本をドキドキしながら待っていたと振り返りました。

村瀬さん・内山さん・堀江さんからのビデオメッセージも到着！

　ここで矢逆一稀役の村瀬歩さん、久慈悠役の内山昂輝さん、陣内燕太役の堀江瞬さんからのビデオメッセージが公開。収録はアットホームで和やかな雰囲気で進みんだそうで、とくに「監督の話が一番楽しかった」と笑い合い、堀江さんは「それまで内山さんのイメージがクールな印象だったんですけど、すごく笑う人なんだと思いました」と楽しそうに話します。

　尻子玉を抜かれるシーンでは幾原監督のこだわりが炸裂したそうで、その叫び声について村瀬さんは「苦しい、恥ずかしい、ちょっと気持ちいというバランスをすごく気にしていた」と語り、実際に幾原監督が実演しながら説明したそうです。

　村瀬さんは「現代社会ではSNSなどで簡単に“つながる”ことができるんですけど、実際につながっているのか考えさせられる作品で、お話し自体も楽しかったです」、内山さんは「皆さんも作品を楽しみに待っているかと思いますが、僕らこそどんな作品に仕上がったのか今からとっても楽しみです。とても面白い作品なのでご期待ください」、堀江さんは「この作品“つながり”がテーマになっていて、僕自身あまり意識することがなくTwitterでは一方的で（笑）、心と心が繋がっていないと感じる人ほど見てほしいなと思います。皆が見落としているかもしれない“つながり”を意識するような作品になっています」と本作の見どころや期待を語ってくれました。

　改めてキーワードの“つながり”について聞かれると、幾原監督は「今は日常的に繋がっている時代ですよね。この“つながり”というものが、僕たちの人生とか生き方に何を意味しているのか、それをどうしたいのか。繋がりたいという欲求と、繋がりがうっとうしいと思う気持ちが混在していて、このまま繋がっていったら僕たちはどこへ行くのか、繋がりを失ってしまったらどうなるのか、繋がりは必要なのか、必要じゃないのか。こういうことを描けたらいいなと思います」と、大人向けの妖怪アニメとしても楽しめるという本作への想いをぶつけてくれました。

2019年4月のアニメに先駆け、ラジオやコミカライズがスタート

　最新情報コーナーでは、2019年4月にフジテレビ「ノイタミナ」枠ほかにて放送する本作に先駆け、ラジオ番組“ぷれざんまい”が2019年1月からプレ放送をスタートすると発表。文化放送と文化放送超!A＆G＋で毎週土曜21時からの“A＆G TRIBAL RADIO エジソン”内で放送となり、4月のアニメ放送に合わせて本放送が始まります。MCは諏訪部さんと幾原監督が担当します。

　本作の重要人物である宮野真守さん演じる新星玲央と、細谷佳正さん演じる阿久津真武の警察官コンビのスピンオフコミカライズ「レオとマブ～ふたりはさらざんまい～」も連載を開始。作画は斎藤岬さんで、奇数月はマンガ雑誌「ルチル」、偶数月はwebコミック「ルチル」で展開していきます。今回のイベント当日から期間限定で、玲央と真武によるTwitter「ゆるふわ浅草勤務日誌」もスタートしました。

　最後に、諏訪部さんは「さらざんまいは2019年4月から放送をスタートします。4月ということは元号を放送中にまたぐという予定になっていますので、2つの時代を行き来する新時代の橋渡しとなるような、新しくも懐かしい素敵な作品になると思います。ぜひご期待してお待ちいただければと思います」、幾原監督は「この元号が変わる時代に“つながる”ということはどういうことなのか。そして“つながって、どこに行こうとしているのか”が僕の中で重要なことなので、それをぜひ皆さんと共有したいと思います」と挨拶し、イベントは締めくくられました。

TVアニメ『さらざんまい』

　2019年4月よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送。

【STAFF】
監督：幾原 邦彦
チーフディレクター：武内 宣之
シリーズ構成：幾原 邦彦／内海 照子
キャラクター原案：ミギー
キャラクターデザイン・総作画監督：石川 佳代子
コンセプトデザイン：柴田 勝紀／松嶌 舞夢
美術監督：藤井 綾香 スタジオPablo
音楽：橋本 由香利
原作：イクニラッパー
制作：MAPPA／ラパントラック
【CAST】
矢逆 一稀：村瀬 歩
久慈 悠：内山 昂輝
陣内 燕太：堀江 瞬
ケッピ：諏訪部 順一
新星 玲央：宮野 真守
阿久津 真武：細谷 佳正

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