2018年11月29日(木)
『ビリオンロード』は愛らしいモンスターの数々と戦略性の高さが魅力のすごろくゲーム
バンダイナムコエンターテインメントから11月29日に発売されるNintendo Switch用ソフト『ビリオンロード』。すごろくゲーム好きのライターによるレビューをお届けします。
本作は、土居孝幸さん×バンダイナムコエンターテインメントの、個性あふれるモンスターを連れて日本全国を巡る新感覚のすごろくゲームです。
以下では、本作の流れ、特徴であるモンスターを中心に、感じたことなどを掲載していきます。
ゲームの目的や流れがシンプルで老若男女問わず楽しめる
本作の目的は、誰よりも大金持ちになること。大金持ちになるための方法はいろいろありますが、基本となるのはサイコロを振って移動し、ランダムで指定されるゴールへ一番乗りで到着することです。
▲日本地図を的にしたダーツでゴールを決める、TV番組的な演出が楽しいです。 |
▲ゴールになるのは、日本各地の地名が名付けられた物件マス。その土地をイメージしたビジュアルも必見。 |
▲一番乗りすると多額の到着報酬金が! |
もらった報酬金で物件を買えば、毎年3月の終わりに物件価格と利益率に応じた収益金がもらえます。物件を所有している限り収益金は毎年もらえるので、収益金を元手に新たな物件を買えばもらえる収益金はさらにアップ。これを繰り返してどんどん大金持ちになりましょう。
▲利益率100%なら、1年間で物件価格と同額の収益金をもらえるので、1年間でもとが取れる優良物件と言えます。 |
▲同じ物件マスの物件を買い占めれば“独占”状態になって収益金が2倍に! また、1度購入した物件を再度購入して物件Lvを上げれば、利益率が上がってさらに稼ぐことができます。 |
誰かがゴールに一番乗りで到着した際、ゴールからもっとも離れているプレイヤーには“トリツキ種”と呼ばれるモンスターがついてしまうことがあります。出現するトリツキ種によって行動は変わりますが、基本的には悪いことをされます。
▲トリツキ種のノロイがつくと、毎月1マスずつしか歩けない状態になったり、しばらくの間アイテムが使えなくなったりなど、さまざまな呪いをかけられてしまいます。 |
トリツキ種がつかないようにするためにも、ゴールには近づいておきたいです。なお、トリツキ種がついた状態で他のプレイヤーと同じマスに入るかすれ違うと、そのプレイヤーにトリツキ種をなすりつけることができます。
▲一番乗りしたプレイヤーに、いいことをしてくれるトリツキ種がつく場合も。 |
そして新たなゴールがすぐにダーツで設定され、次のゴールを目指すことになります。ちなみに同じプレイヤーが連続してゴールすると、連続到着ボーナスとして追加の報奨金や便利なアイテムがもらえたりします。そのため難しいことは考えなくても、とりあえずゴールを目指しているだけで勝てる場合も!
個性豊かなモンスターたちが勝負を盛り上げる!
本作で大金持ちを目指すために重要なのが、個性豊かなモンスターたちの力を借りること。主にプレイヤーを助けてくれるモンスターは“ハタラキ種”と呼ばれ、マップ上のいたるところにいます。彼らは最初にすれ違ったプレイヤーの仲間になってくれます。
ハタラキ種は日本各地に出現しますが、基本的には各プレイヤーの近くに出現するようです。同じハタラキ種が複数同時に登場する場合もあります。一定期間が経過すると、何体かのハタラキ種がいなくなり、新たな場所に新たなハタラキ種が出現します。
ハタラキ種はマスとマスの間にいて、そこを通過すると仲間にできます。ゴールを目指しながら仲間を増やすのが理想ですが、レアなハタラキ種がいたらゴールから離れてでも仲間にしにいった方がいい場合も。
1人のプレイヤーが同時に連れ歩けるハタラキ種は3体まで。3体いる状態で別のハタラキ種にすれ違うと、どのハタラキ種を連れていくか選べます。
ハタラキ種は30体以上存在し、それぞれが固有の能力を持っています。しかもこの能力がかなり便利。序盤からよく登場する“アオッチ”でも、お金がもらえるプラスマスにとまった際の金額が2倍になりますし、“ワンコロン”はサイコロで移動後に“一歩戻る”、“その場に止まる”、“一歩進む”を選べるので、自分が望む場所に止まれる確率がかなり上がります。
▲なかなか会えないレアなハタラキ種の中には、アイテムを使ってもへらなくなる“ヘラナイツ”など、さらに強力な能力を持つモンスターも! ヘラナイツがいれば、30マス歩けるレアアイテムもなくなりません。 |
ただしハタラキ種の能力は無制限に使えるわけではありません。モンスターそれぞれに能力発動回数が設定されていて、0になると能力が使えなくなります。能力発動回数は回復マスに止まったり、アイテムを使うことで完全回復します。
なお強力な能力を持つハタラキ種ほど能力発動回数は少ない傾向にあり、マメに回復マスで回復する必要があるので、使いこなすにはテクニックが必要です。
▲仲間にしたハタラキ種が、アイテムの効果などでいなくなったり奪われたりする場合も。強力なハタラキ種を仲間にしても油断はできません。 |
ハタラキ種は3体しか連れていけないので、誰を連れていくかでプレイヤーの個性が出るのはおもしろいですね。他のプレイヤーと同じマスに入ると所持金を奪える“ヌスットン”などの妨害系を多用する人や、ゴールに一番乗りすると大金をくれる“プレゼントン”など、自分の利益になるハタラキ種を優先する人などなど……。
私は心配性なので、他のプレイヤーからのあらゆる攻撃を防ぐ“シールドン”が手放せませんでした。またハタラキ種には赤・黄・青のいずれか一色が設定されていて、ゴールと同じ色のモンスターを多く連れているほど、一番乗り時にもらえるハタラキカラーボーナスが増加します。ボーナス目当てで、ゴールの色に合わせてマメにハタラキ種を入れ替えるのも効果的です。
▲連れているハタラキ種が3体ともゴールと同じ色なら、報酬金と同額のハタラキカラーボーナスがもらえます。ゴールの色は通常1色ですが、たまに2色や3色になることも。 |
全プレイヤーに被害をもたらすテンテキ種とのバトル! 参加しないのも作戦!?
ハタラキ種には能力だけでなく、攻撃力や状態も設定されています。これらはテンテキ種とのバトルで使用します。
▲ハタラキ種によって基本的な攻撃力は異なります。また年数が経過すると、同じハタラキ種でも攻撃力が上昇した個体が出現します。 |
テンテキ種とは、たまに出現して全プレイヤーに被害をもたらす天災のような存在。ただしテンテキ種が活動する前にハタラキ種を派遣し、撃退できれば誰も被害を受けなくなります。
テンテキ種の種類によって受ける被害はさまざま。もっとも恐ろしいヘルマゲドンは、複数の物件をこっぱみじんに破壊して物件の所有権を失わせるうえ、数カ月間は購入不可に。しかもこの攻撃は数カ月連続で行われ、連続するほど多くの物件が狙われてしまいます。
テンテキ種が出現すると、各プレイヤーは毎月1体までハタラキ種を派遣可能に。派遣するとバトルが始まり、攻撃力にアタックダイスの倍率を掛けた数値分のダメージを与えます。
▲アタックダイスは、ハタラキ種の状態が好調なほどいい出目になりやすいです。前述した回復マスに止まれば、能力発動回数が回復するだけでなく、状態も絶好調になります。 |
▲テンテキ種を撃退できた場合でも逃がした場合でも、ダメージを与えた全員がダメージ量に応じた攻撃貢献報酬をもらえます。撃退できた場合は、トドメを刺したプレイヤーがトドメ報酬をゲット! |
ダメージを与えるだけで攻撃貢献報酬がもらえるので、基本的にはハタラキ種を派遣した方がお得。しかしテンテキ種の出現時、何カ月後にどの物件マスが狙われて、誰がどれくらいの被害を受けるかが知らされます。
もしこのとき、2位の自分は被害をまったく受けず、1位のプレイヤーが大損害を受けるような内容だった場合、ハタラキ種を派遣せずテンテキ種を倒さない方が逆転できる可能性が高いこともあります。
勝利のために心を鬼にしてテンテキ種を放置するのか、みんなで仲よく撃退するのか。この辺も遊ぶ人の性格が出そうですね。
▲テンテキ種の撃退に効果的な能力を持つハタラキ種も存在します。 |
季節や物件に関するさまざまなイベントが発生
モンスター関連以外にもさまざまなイベントが発生し、プレイヤーに利益や損害を与えます。
▲ハロウィンでは、サイコロを振って一番大きい人がお金をもらい、少ない人がお金を失います。 |
▲所有物件が日本一のグルメに選ばれると、1年間毎月臨時収入がもらえます。 |
クリスマスやバレンタインなどの季節イベントから、特定の物件を所有していると発生する物件イベントまで、非常に多くのイベントが用意されているので、それらを探すのも楽しかったです。モンスターがたくさんいて賑やかなイベントイラストは必見!
▲物件が有名な配信者に紹介されて話題になるという、現代を反映したイベントも。 |
▲アイドル劇場を所有していると、たまに総選挙が開催されて臨時収入が発生。 |
▲一定期間内に指定されたモンスターを仲間にするスタンプラリー。最初にスタンプを集めたプレイヤーには多額の賞金が入ります。 |
ミッションやモンスター図鑑など、やりこみ要素も充実していて1人でも楽しめる
本作はJoy-Conを使った“おすそわけプレイ”に対応しており、Nintendo Switch1台とソフト1本あれば4人まで一緒に遊ぶことができます。家族や友だちと4人でワイワイ遊ぶのはもちろん楽しいですが、1人で遊んでも楽しめる要素もたくさん盛り込まれています。
▲COMと30年間戦う“勝ち抜き戦”は、5年ごとに最下位が脱落し、新たなCOMが参戦してくる腕試しに最適な1人用モード。 |
▲新たに参戦するCOMは大金や強力なアイテム、モンスターを所有した状態からスタートするため手強いです。 |
さらに勝ち抜き戦で条件を達成すると、ミッションクリアとなってビリオンコインがもらえます。ビリオンコインを集めると、自分のアバター作成に使用可能なパーツが手に入ります。
▲ミッションは比較的序盤で達成できる簡単なものから、20年近くプレイして資金を集めないと達成できないような難しいものまで、40種類以上用意されています。 |
「30年じゃ足りない!」というコアな人でも、フリープレイを99年に設定してプレイすれば満足できるはず。ゲーム中で仲間にしたハタラキ種や、出現したトリツキ種・テンテキ種はモンスター図鑑に登録されるので、図鑑のコンプリートを目指す楽しさもあります。
▲モンスター図鑑ではモンスターの能力が確認できる他、ゲーム中のCGと土居孝幸さんのイラストの両方を鑑賞できます。 |
▲一度入った物件マスが記録されるので、全物件マス踏破を目指す楽しみもあるかと。 |
▲短時間で遊べる短期決戦モードもあります。 |
家族や友だちとワイワイ楽しめるゲームを求めている人に最適の1本になっていますし、すごろくゲームが好きな人なら1人で遊んでも楽しめます。反射神経やリズム感のいらない誰でも遊べる内容なので、ゲーム初心者にもオススメ。年末年始は『ビリオンロード』で盛り上がりましょう!
▲なお筆者は勝ち抜き戦の初プレイ時、惜しくも1兆円に届きませんでした。悔しいので発売されてからリベンジします! |
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc. (C)土居孝幸
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