2018年11月29日(木)
新ブランド“ユーノゲームズ”がおくる47人の少女と紡ぐSRPG『47 HEROINES』インタビュー
新進気鋭のゲームパブリッシングブランド“YUNUO GAMES(ユーノゲームズ)”が第1弾タイトルとしておくるiOS/Android用本格3DシミュレーションRPG『47 HEROINES(フォーティーセブンヒロインズ)』。新ブランドとゲームについて、ゲームディレクターの山口潤さんとアートディレクターの松下清さんへのスペシャルインタビューをお届けします。
▲ゲームディレクターの山口潤さん。 | ▲アートディレクターの松下清さん。 |
『47 HEROINES』は、201X年の日本を舞台としたSRPGです。“虚無”に覆われた世界に、突如姿を表した異形のモノ“悪魔”に対抗するため、47人の少女たちがそれぞれの理由を胸に戦いに赴きます。
それぞれの都道府県ごとにキャラクターが設定されており、47人のヒロインがゲーム内に登場します。ヒロインたちは47名のイラストレーター陣の描き起こし! 声優も47名(+2名)の豪華声優陣によるフルボイスで、物語を彩ります。
新ブランド“YUNUO GAMES(ユーノゲームズ)”は世界を目指す!
ゲーム開発の受注でノウハウを積み重ねたメーカー・禹諾国際が、本気の自社ゲームを開発するために立ち上げたのが新ブランド“YUNUO GAMES(ユーノゲームズ)”です。
「ゲームのプラットフォームにはこだわらず、クオリティには妥協しない」をコンセプトに、第1弾となるiOS/Android用本格3DシミュレーションRPG『47 HEROINES』を、2019年1月リリース予定。さらに未発表の第2弾、第3弾タイトルの新作リリースも予定されているなど、国内リリースを皮切りに世界市場を視野に入れたブランディング戦略が進められています。
【“YUNUO GAMES(ユーノゲームズ)”のポリシー】
・プラットフォームにこだわらないゲーム開発
・クオリティーの追及
・世界市場を視野に入れたブランディング
そんな“YUNUO GAMES(ユーノゲームズ)”がおくる第1弾タイトル『47 HEROINES』は、一体どんなタイトルとなるのでしょうか? 気になるゲームの内容を、山口さんと松下さんに伺いました。
▲『47 HEROINES』にこめた想いを熱く語る、山口潤さんと松下清さん。(※インタビュー中は敬称略) |
47都道府県のキャラクターが各地でバトルする圧倒的ボリューム感!
――47都道府県全部にキャラクターを作り、それぞれにイラストレーターと声優をたてるという壮大なボリュームの本作ですが、どのようにプロジェクトが計画されたのか教えてください。
山口:弊社的にも、最初はYUNUO GAMES(ユーノゲームズ)というブランドもない状態で始めていて、アプリの事業自体が群雄割拠のこの時代に、生半可な売り方じゃダメだよねということで、いい意味で“バカなこと”をやるしかないということになり(笑)。
“バカなこと”として「圧倒的なボリュームで攻めよう!」となって、このようになった次第です。
――47都道府県それぞれにMAPが存在するということで、こちらも非常にボリュームが大きいですよね?
山口:現在MAPは60以上存在します。また、47都道府県を象徴するような遠景や大小のオブジェクトを用意しています。最初は2Dの予定でゲーム制作を進めていましたが、3Dのほうがいいんじゃないかという話になり、そこから予算もボリュームも倍以上になってしまいました(笑)。
松下:私はプロトタイプ版の制作が終わってからの参加なのですが、最初にこのお話を聞いた時には自分がやっていけるのか不安になりましたね(笑)。
半端じゃない物量のグラフィックを1人で見てねっていう内容で。でも、お話を聞くと魅力的な作品だとは思いました。
山口ディレクターと初めて会った時には、自分とフィーリングが合うと思いました。やりがいを持って楽しんでやっていけそうだなと。自分も“バカ”になってやっていこうと思いましたね。
都道府県ごとにキャラクターがいる地元推しのコンセプト
――47人のキャラクターを扱う上で苦労したところはありますか?
山口:やはり47人もいるので“キャラ付け”に苦労しましたね。キャラクターデザインはイラストレーターの方に思い思いに描いてほしかったので、性格などの概要の資料だけを渡すことにしました。加えて、各都道府県に合わせた特色を用意させてもらいました。
デザインが終わってからはすべての工程で47人分の作業を行うことになり……とにかく物量がすごかったですね。
松下:3Dは衣装がバトルスーツになるのでそこまで大変ではなかったのですが、苦労したのは2Dのキャラクターデザインですよね。
例えば、蓬左睦実(ほうさむつみ)は愛知の子なんで“ういろう”の色を入れてみたりとか、47人の女の子それぞれに県民性や地域性のことを考慮して差を付けたりしました。
▲アイチの蓬左睦実(声優:釘宮理恵さん)の私服姿。確かにタイツがういろうカラーですね。 |
――細かい質問ですいませんが、自分の出身地である石川県の子のポシェットに“8”とあるのは、もしかして某ラーメン的なあれですか?
松下:そうです(笑)。ただし、よく見ると目が描いてあってヒヨコなんですね。
▲イシカワの七尾玲虹(ななおれに)(声優:本渡楓さん)。8に見えるけどヒヨコなんです。 |
――直接そのものではないんですね(笑)。
山口:パッと見で特徴がわかるキャラクターもいて、ミヤギの青葉ニコは仙台なので“独眼竜”な眼帯をしています。
先ほども話題に出ましたイシカワの七尾玲虹は、石川県のお菓子の消費量が日本一ということで、お菓子をたくさん持ち歩いているイラストにもなっています。そこの出身の人が見ると「ああっ!」と気づくような、細かい要素や設定を入れています。
それと、都道府県のどこにスポットを当てるかは、住んでいる人にとってはまったく捉え方が違うと思います。例えば私の出身県である神奈川県のキャラは“湘南のサーファー”のイメージで作りましたが、横浜に住んでいる人にとっては「ちょっと違うなあ」と感じてしまうでしょう。
そんな気持ちを解消するためにも、今後キャラクターを増やしていけたらいいなと思いますね。
▲ミヤギの青葉ニコ(声優:井口裕香さん)は、仙台城(青葉城)の城主である伊達政宗と同じように右目に“眼帯”をつけています。 |
▲トチギの足利凛々香(声優:小倉唯さん)の私服です。スカートの“ひだ”は昨年日本一の消費量の座を奪還した餃子をイメージ!? |
▲オオサカの千早音葉(声優:M・A・Oさん)は、大阪といえば思い浮かぶはずの“ヒョウ柄”のシュシュを左の手首に身に着けています。 |
――キャラクターたちを見渡すと、身近にいそうな女の子が多いですね。
山口:普通の女の子が突然“悪魔と戦う能力”を得るというストーリーですので、世界観的にも「現実に起こったら怖い!」と思わせることを意識しています。なので、派手さはなくなっているかもしれませんが、キャラクターデザインは現実に寄せるコンセプトになっています。
松下:私服に関してはどこにでもいそうな感じのデザインにしていますが、バトルスーツのデザインはサイバーチックにしています。
また、キャラクターはそれぞれノーマル体系、グラマー体系、スレンダー体系の子がいて、当初はスレンダーで頭身の低い子はボテッとしたシルエットになってしまっていたんですが、それをカッコよく見えるようにシルエットを調整しました。
“着こなし感”ですね。どうしても幼い子だと“着させられている感”が強くなってしまうので、そう見えないようにするのに注意しました。
地元密着型! 都道府県を意識した名前の由来
――キャラクターの名前は各都道府県に由来したものからとっていますよね?
山口:名字は日本100名城に選ばれているものから統一して決定しています。城の名前も正式名称や別称からいただいていますね。
下の名前は総務省の都道府県コードにしたがって“いろはにほへと”のいろは順になっています。ホッカイドウの柳野いろははコード01で1番目の“い”を使っています。
――いろは順で名前を考えた意図はなんでしょうか?
山口:“いろはにほへと”を入れることで、題材にしている日本を守ること、大切にすることをしっかり描いていければと思っています。また、いろは順にちなんだシステムを追加することを今後予定しています。
収録現場でプロの熱意に感動
――声優も47人分起用されています。こちらも収録が大変だったと思われますがいかがでしたか?
山口:そうですね。かなり大変な作業になりました。けれど、プロの皆さんなので資料をもしかしたら私以上に読み込んでくださって、「この子はこんな風に言わないんじゃないか」とか、「ここはこうしたらどうでしょうか?」などのご提案をいただきましたね。とても熱意のある収録をしていただきました。
キャラクターに声がついた時はすごく感動しました。メインストーリーはフルボイスでかなりしゃべりますので、ユーザーの方はイラストから入っても声から入ってもきっと気に入る女の子がいるんじゃないかと思っています。
――最初は出身県の女の子を選ぶユーザーが多いんじゃないかと思いますが、そこまで気にせず好きな子とプレイしてほしいということですね。
山口:そうですね。それに、女の子が使う武器は7種類の中から1つ固定なので、そこで大きな違いはありますが、性能差というのはあまりつけていません。回復メインとか攻撃メインとかいう振れ幅はありますが、「この子がやたらステータスが強い」というのはありません。使用できる武器を考慮しつつ、自分が気に入った、旅をしたい5人を選んでいただければと思います。
クール&スタイリッシュを意識したゲームプラン
――ここからはゲーム内容のお話に移ります。まずは、7種類の武器を選んだ基準はなんでしょうか?
山口:現在の武器の他にも弓や双剣など計10種類ぐらい検討していましたが、作業が進むうちに、「このご時世に弓で戦うか? 弓はクールか?」と思うに至りました。
さらに、「双剣も刀があるからいらないよね?」などと絞った結果、現在の刀、大剣、槍、短銃、長銃、ハンマー、ナックルの7種類になったわけです。
私自身、女の子と刀ってスタイリッシュなイメージがあるんですよね。近距離は大剣、刀、ハンマー、ナックル。中距離は槍。遠距離は長銃と短銃です。長銃はSF映画などに出てくるビームガンのイメージですね。武器には必殺技となる“奥義”がありまして、7種類の“奥義”が存在します。
――悪魔の力を利用する“ベースコードシステム”のアイデアはどこから出てきたのですか?
山口:当初は女の子全員がすべての能力を持っているという設定だったのですが、マネタイズの視点から見た時に“見た目買い”にしかならないということに気が付きました。ゲーム的にもおもしろ味に欠けるので仕様を変更しました。
とりあえず能力を4つに分けた時に、生物のDNAを構成する塩基の頭文字に結び付けられるんじゃないかと閃いたんです。塩基にはAdenine(アデニン)、Thymine(チミン)、Cytosine(シトシン)、Guanine(グアニン)があり、“A”は魔装でAttach(アタッチ)、“T”は魔人化でTransform(トランスフォーム)、“G”は憑依のGrant(グラント)、“C”は捕獲のCatch(キャッチ)に当てはめられます。
近未来っぽい世界観でDNAや英語とも絡められて、マネタイズ的にも個性化することができ、プロデューサーからGOサインも出ました。自分的にも「クール&スタイリッシュにハマった!」って感じでしたね(笑)。今後、ストーリー的にもこういう要素に触れていけたらと思います。
悪魔の力を利用する「ベースコードシステム」の由来
能力 | システム名 | 塩基 |
魔装 | ATTACH | Adenine(アデニン) |
魔人化 | TRANSFORM | Thymine(チミン) |
憑依 | GRANT | Guanine(グアニン) |
捕獲 | CATCH | Cytosine(シトシン) |
――それぞれの塩基の能力の詳しい情報を教えてください。
山口:“魔装”は武器に悪魔を装着する能力で、武器のパラメータが全体的にアップします。
次に“魔人化”は自分自身を強化します。戦闘中のみの能力になり、戦闘中に“魔人化”というコマンドを実行すると、パラメータの上昇の他にHPも上昇します。そして、見た目もけっこうすごくなります(笑)。悪魔になるんです。
“捕獲”は名前のとおりで、悪魔を捕獲する際のドロップ率が上昇します。少し逸れますが、ゲノムデータ化した悪魔を捕獲するには課金アイテムである“メモリーキューブ”が必要になります。課金アイテムですが、十分遊べるくらい無料でも配布しますのでご安心を。
“憑依”は女の子に悪魔を憑依させます。憑依することで防御属性を持つことができる他、悪魔が所持しているスキルを使えるようになります。防御属性には赤、青、緑の3種類があって、憑依した悪魔の属性を持つことができます。
――それぞれ強化されるパターンが違うということですね。ということは、5人パーティーを組む際にはいろいろな塩基を持っていたほうが攻略しやすそうです。しかし、女の子それぞれに防御属性を持たせなかったのはなぜでしょうか?
山口:気にいった女の子を使い続けてほしいからですね。固定の属性をつけてしまうと、例えば「炎属性のエンドコンテンツイベントで自分の好きな女の子が使えない」という状態になってしまいます。ずっと好きな子だけを使えるように属性を変えられるようにしました。
――“魔人化”や“奥義”の使用条件はありますか?
山口:“魔人化”は1戦闘中に1回だけ使えるもので、ターン経過によって“魔人化”のゲージが溜まります。“奥義”は何度でも使えますが、攻撃したり、ダメージを受けたり、ターンが経過したりなどして“奥義”のゲージが溜まったら使用できるという流れになります。
――ATGCの能力をすべて持つことはできますか?
山口:“合成強化”をすることでATGCそれぞれの能力を持つことができます。やり込み要素としてはそこが終着点になると思います。けっこうな労力が必要になると思いますが、そこに行くまではガチャ頼りにはせず、能力を上げるアイテムの配布などで調整していこうと考えています。アイテムをガンガン使って自分の好きなヒロインを愛してほしいです。
――女の子の初期能力を決める際はどんな割り当てを検討されましたか? 特に“魔人化”の能力を持つ女の子は、変身すると外見が悪魔になって“すごく”なるということですが(笑)。
山口:すごくなっても構わない女の子に“魔人化”の能力を持たせたのではないか……? という疑惑ですよね(笑)。でもそんなことはなくて、無作為に選んでエリアのバランスを考慮して決定しました。各エリアに最低でも1人はいなくてはいけないので、他意はないです。
囲めば囲むほど強くなる“サラウンドアタックシステム(SAS)”
――バトル中の重要な要素である“サラウンドアタックシステム(SAS)”について詳しく教えてください。
山口:現行のアプリは「戦闘を3分以内に収めて遊びやすく」というのが市場的にありますので、なるべくコンシューマーっぽくやり込み要素が強いものを目指していましたが、あまりそこに固執してしまうと本来の本筋を失ってしまうので、SLG部分を思い切って簡素化していく方向にしました。
登場する仲間はたくさんいるので、「みんなで殴りかかって一気に敵を倒せるようにしよう」ということで考えたのが“サラウンドアタックシステム(SAS)”です。“包囲”と“アシスト”のスキルにより、敵を攻撃する人数が多いほど強い一撃を与えることができます。
より詳しく説明しますと、敵を囲めば自動的に“包囲”によって攻撃に参加できる他、長銃の場合は、自分の射程距離にいて、なおかつ“アシストアタック”というスキルを持っている場合でも戦闘に参加できます。最大5人で、味方に悪魔がいる場合は悪魔も混ざってきます。戦闘面はまだ調整中ですが、2×2マスで表示される大型の敵がかなり強いので、そこでたくさん使うようになると思います。
魅力的な女の子だけじゃない! カッコいい悪魔が仲間に
――悪魔は戦闘で捕獲して専用アイテムを使って自分のものにできるということですが、女の子だけじゃなく悪魔もバトルで使えるようにしたのはどういう意図がありますか?
山口:設定上のお話をしますと、女の子がATGCのDNAの塩基異常をきたした際に、悪魔を従える能力を持つようになったので、悪魔も一緒に戦えるようにしました。
個人的なお話をすると、最近はかわいい女の子ばかりのコンテンツが多いんですけど、私は渋いおっさんや魔物が出てくるようなゲームが大好きなので、悪魔も編成に組めるようにしました(笑)。
デザインに関しては、そこまでしているのに悪魔がカッコ悪いとダメだよねってことで、松下にかなりがんばってもらいました。
――悪魔のデザインについてこだわりはありますか?
松下:本作では、生物と無機質なものが融合した生命体が“悪魔”と呼ばれています。悪魔には“強さのレベル”というのがあるんですが、強くなればなるほど、DNAの異常でサイバー化が進んで無機質の割合が増えていくんですね。魔王クラスやボスクラスになるとほぼ機械なんです。
なので、弱い敵と強い敵はデザインしやすかったのですが、強さに10段階あったとして「4と5の差をどうつけるか?」というバランス調整が難しかったです。でも、よくまとめられたと思います。
山口:そして、悪魔は“進化”して姿形が変わるものもいます。
――女の子と同様に育てられる上に、“進化”もできると。
山口:そうですね。“進化”はできるのとできないのがいますが、できる悪魔はほぼ2×2マスの大サイズのものだったりします。
松下:かなり強いです。目の前の敵を一掃してくれたりしますね。
――大型の悪魔も仲間にできるんですね! もしかして全悪魔を仲間にできますか?
山口:魔王クラスだったり、一部できない悪魔もいますが、基本的には可能です。
――プレイアブルキャラで2×2マスの大型悪魔を使えるのはうれしいですよね。味方キャラのサイズが変動することで、ステージ開始時の配置などの調整は必要でしたか?
山口:パーティーの5人すべてを2×2にすることはモバイルのスペック的に無理があったので、いろいろと計算が必要でした。現状は2×2サイズの悪魔には制限がつくことになりますが、ぜひ仲間にして使ってみてください。
――ちなみに、悪魔を入手する時にガチャ的要素があるということですが?
山口:悪魔には、前述の“強さのレベル”とは別に“グレード”という要素が存在します。悪魔を倒すと一定確率でゲノムデータ化し、そこで課金アイテムのメモリーキューブを使えば入手できるのですが、その際にグレードがランダムで決定されます。
グレードはどの悪魔にもS・A・B・C・Dの5パターンが存在します。弱い悪魔でもグレードSなら高い性能や強いスキルを持っていたりしますので、育成要素として楽しんでいただけると思います。
――悪魔の武器はありますか?
山口:悪魔は武器を持たないです。“奥義”もないですね。その代わりに“進化”ができます。
松下:魔王クラスだけ敵としての“奥義”はありますね。
バトルではフレンドの悪魔をレンタル可能!
――本作は1人プレイ用の3DSRPGだと思うんですが、協力要素や対人要素などはありますか?
山口:協力要素として、フレンドから悪魔を借りることができます。同じ女の子は使えないようにしているので、悪魔の貸し借りだけです。ギルドの要素やチャットもできますが、コンセプト的にも市場的にもそこは求められていないと感じています。
対人要素はやってみたいとは思いますが、時間がかかるところですね。
――MAPについて、特にここのMAPを見てほしいというのはありますか?
松下:遠景に関しては、地元の人が見たら「あっ、ここだよね!」ってなるぐらいにしています。完全に似せてしまうといろいろと問題があるので、そこの塩梅が難しかったですね。崩し過ぎると何かわからないし、“そこに住んでる人ならわかるぐらい”のバランスで作っています。
スマホの遠景だからと言ってクオリティを落としたものにはしたくなくて、けっこう書き込んでもらっています。2Dの会話劇にも使うんですが、3Dで使用しても見劣りしないようにしていますね。
山口:制作中の話なんですが、松下は野球がすごく好きで、とあるドーム球場の遠景でベースの位置がおかしいとか、ベースから延びるファウルラインがおかしいみたいのをずっと私に力説していまして。
正直、「そこは別によくない?」って思ってたんですが、それを5回ぐらいフィードバックされました(笑)。
松下:いやいや(笑)。えぐれるんですよ、“虚無”っていうもので背景が削りとられて。ドーム球場のグラウンドって人工芝の下はコンクリートなんですよ。なのに、削れたところが土になっていたので、「そこは違くない?」って。
見る人が見たら興ざめしてしまうかもしれないですし。クオリティは細かい積み重ねが必要だと思いますので!
メインストーリーやイベントクエストの予定
――イベントクエストはどのような内容になるのでしょうか。
山口:配信後の早い段階でイベントを遊んでもらえるように、1イベントにつき10MAPぐらいのエリアを用意しています。本編で使ってないMAPも使っていますので、また新しい気持ちでプレイできると思います。
イベントクエストではそのイベント限定の武器が手に入ったり、そこでしか捕獲できない悪魔が入手できる内容になる予定です。
――メインストーリーはどこまで解放される予定ですか?
山口:初回の配信では途中までですね。6つのエリアを解放して、核心にちょっと触れたかなというところです。そこまででもけっこうボリュームがあります。
――エリアの難易度はどのようになっているのでしょうか?
山口:どこから始めるかはプレイヤー次第なので、エリアの種類にかかわらず、1エリア目、2エリア目と進むたびに難易度が上がるシステムになっています。ちなみに最初は自分が選択した女の子のいるエリアからスタートしますが、2つ目以降は北日本、関東、中部、近畿、中四国、南日本の6つのエリアから任意に選択できるようになります。好みの女の子がいるエリアからクリアしていくのがおすすめですね。
――最後になりますが、読者へのメッセージをお願いいたします。
山口:日本人は生まれ故郷にすごく愛着があると思っています。ゲームでは自分の地元のキャラクターを愛しつつ、ほかの都道府県に足を延ばしてみたり、「日本にはこんなものもあったんだな」という発見や解釈をしたり、気に入ったヒロインたちと旅をしながらどんな結末を迎えるのかを楽しんでいただければと思います。
松下:アートディレクターとして、キャラクターや遠景にこだわって作りました。ユーザーの地元の要素だったり、実際に旅行なんかで見た景色を探す楽しみもあると思います。全国を旅しながらそういうのを探してもらうのも楽しいかなと思っています。
(C) YUNUO GAMES All Rights Reserved.
データ